伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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神の見えざる手 アダム・スミス

2023-12-27 15:25:17 | 政治・政策・経済

山口周「武器になる哲学」からのコンセプト紹介第4弾。

キターッ! 『神の見えざる手』

市場の需給バランス機能により適切な価格が

自動的に決定される概念と私は理解してました。

 
 
山口さんはこのコンセプトを拡張し、
もっと広い場面に応用可能と考えています。
最適解を得るための最も有効なヒューリスティックとして。
 
(注:ヒューリスティック(heuristic)とは、
 「発見的手法」という意味の心理学用語で、
  必ずしも正しい答えではないが、経験や先入観によって直感的に、
  ある程度正解に近い答えを得ることができる思考法)
 
マーケティングでは理論的に最適価格を決めますが、
市場の価格は非予定調和的に決定されます。
それが理論的最適価格と一致するかは分かりませんが、
実際に商品が売れて、利益が出ているなら
それでいいじゃないかという実利的な考え方。
 
山口さんは
ある敷地内の4つの建物をつなぐ通路の設計を依頼され、
「神の見えざる手」を応用したことがあります。
 
論理的に人の動線を推測するよりも、
ひとまず敷地全体に芝生を植え、
1年ほど自由に通行してもらったのです。
 
その結果、人がより多く通る場所には
芝が剥げて自然と道ができました。
その部分を舗装して歩道にしました。
なるほど。賢い。
 
山口さんの指摘です。
モノゴトの関連性が複雑になり、かつ
変化のダイナミクスが強まっている現代において、
理知的に最適解を求められると考えるのは
「傲慢」を通り越してもはや「滑稽」
 
最適解をいたずらに理論的に求めようとするよりも
「満足できる解」をヒューリスティックによって求める
柔軟性も必要。
 
 
 
(多田コメント)
 
複数の建物をつなぐ最適の通路を設計する際に、
頭の中で理論的に追い込むのではなく、
しばらくの間、多くの人に実際に自由に歩いてもらう
という発想は素晴らしい。
時間が許せば他の多くの場面でも使えそうです。
 
例えば行政が新しい事業を行う際に、
パイロット事業として「試し」にやってみて
問題点を見つけて改善してから本格実施、
というやり方はあると思います。
 
官僚がいつまでも机の上や頭の中で
際限なく「最適解」を追い求めても
実行が遅れてタイミングを失してはおじゃん。
 
適切な期限内に実用的な「満足できる解」を
導き出せることはお役所においても
民間においても必要なことだと思います。
 
お役所文化として、
「変化を嫌う」「反応が遅い」などがあります。
状況はどんどん変わりますし、思いもよらなかった
反応や力が加わって来ることもあるでしょう。
 
法律の制定などは慎重を期す必要がありますが、
自治体が独自事業を実施する程度であれば、
まず妥当な期限内に満足できる内容で始めてみて、
やりなから改善していくという柔軟性は
たいへん有効と感じました。
 
 
 
 
 
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