伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

行政経営、地方政治、そのほか人生にプラスの楽しいこと eメールアドレスkucctada@mail.goo.ne.jp

15歳未満は夜間中学に来てはいけない?

2023-02-25 20:43:12 | 教育・PTA・児童福祉

本日の上毛新聞1面に、

群馬県が設置する夜間中学の基本方針が掲載されました。

 

入学できるのは15歳以上で次のいずれかに該当する県民。

 1 義務教育未修了者

 2 卒業したが不登校などで十分学べなかった人

 

私は非常に大きな驚きと憤りを感じています。

夜間中学は、不登校などで十分に学べなかった人のために

作る学校です。

なぜ、現役の不登校の中学生は入学させないのか?

 

厳密には中学3年生の誕生日を過ぎた中学生ならば

夜間中学に入学を許可されるのかもしれませんが。

この記事のとおりだとすれば、

4月生まれの不登校の中学3年生は4月から夜間中学に行けるのに、

3月生まれの不登校の中学3年生はどうなる?

進学や進路にもかかわる問題です。

 

いま中学生で不登校で苦しんでいるこどもに対して、

「中学3年生の誕生日が来るまでは入学させません。

 その日が過ぎたら学べなかった義務教育を与えます」

という対応をなぜするのか?

 

文部科学省の通知(下段に参考抜粋)によれば、

現状でも夜間中学は現役の中学生を受け入れることは可能です。

 

さらに、不登校特例校の認定を受ければ、

特別のカリキュラムを組むことも可能です。

 

他県では夜間中学に通うことで不登校だった現役の中学生が

元気に生活できるようになった事例も報道されています。

 

全国的に不登校の児童や生徒は増えており、

その受け皿として不登校特例校の設置も増えています

そういった状況の中で、なぜ群馬県はせっかく新規に作る

夜間中学に現役の中学生を受け入れないのか?

 

世の中の動きや教育の機会の多様化の確保について、

群馬県の認識や判断は逆行しています。

まさか群馬県の本音は、

「夜間中学なんて作りたくないけれど、

 国は、全都道府県に最低1校は設置する方針なので

 しかたなく1校作るけど必要最低限でよい」

と考えているのではないでしょうね。

ぜひ令和6年の開校までにこの方針を改めて、

現役中学生の受け入れが可能になるようにお願いします。

 

 

(参考ブログ)

2016年に市議会文教福祉常任委員会で大阪市を視察した際、

夜間中学への現役中学生受け入れについて質問しました。

その時のブログから一部抜粋します。

 

(不登校の生徒の受け入れ)

・昨年文部科学省から通知が出されました。
 従来は中学校を卒業した者は
 夜間中学に入学できないとされていましたが、
 卒業証書は持っていても、不登校のため授業を受けていなかった方を
 夜間中学に受け入れることに改善されました。
 大阪市では、各校3名程、不登校だった方が入学できました。

文部科学省の通知には次のように書かれています。
「不登校や親による虐待等により中学校の課程の大部分を欠席していた
 又はそれに準ずる状況であった等の事情により,実質的に義務教育を
 十分に受けられておらず,社会で自立的に生きる基礎を培い,
 国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うといった
 義務教育の目的に照らして,再度中学校に入学を認めることが適当と認められる」

この通知により、これまでは夜間中学への入学を認められなかった、
卒業証書はもらっても不登校だった方の夜間中学への入学が実現したのです。児童や保護者にって、喜ばしいことです。

文部科学省は、義務教育の重要性と、
それを受けられなかった場合の補償の重要性を
この通知で訴えています。

さて一方で、現在では全国に多くの不登校の生徒がいます。
学校に在籍していても、実際は不登校で
重要な義務教育を受けていない状態。

その対応策の一つてして、
学校以外の学びの場として、フリースクールなどへ行けば、
中学校の登校日数としてカウントされる場合もあります。
まったく家に引きこもっているよりは、
公認の中学校でなくても、そこへ行って学んでほしい、
という趣旨だと思います。

文部科学省の通知により、
不登校だった中学卒業生も夜間中学には入れます。
だとすれば、義務教育を保証するには現役の不登校の生徒も、
希望があれば夜間中学へ受け入れるべきではないだろうか、
私はこう考えます。

もし受け入れないなら、
現役の中学生である3年間が終わるまでは、
夜間中学の入学は認めないけれど、
卒業すれば入学してよい、ということになります。

それでは、不登校の生徒にとって、
待っているだけの3年間の時間は意味があるのか?
生徒にとってプラスなのか?

夜間中学とは、独立の中学ではなく、
昼間の中学の夜間学級です。

現役の中学生なら、あらためて入学云々を議論するまでもなく
すでに中学生なのですから、昼間部から夜間部へ移ることは、
校長の判断で十分だと思われます。

このように考えていましたので、
現役の不登校の中学生の夜間部への受け入れについて質問しました。


<大阪市教育委員会の回答>

・今のところそのような相談はない。
・まず昼の部へ通わせたい。
・大阪市は指定中学以外の中学校へも就学できるようになっている。
・たとえ不登校だったとしても、卒業してすぐに
 夜間部へ受け入れるのはいかがなものか。
・中学の進路指導では夜間部は紹介していない。
・現役の中学生の年齢で夜通学するのは心配がある。

 

 

 

 

参考抜粋) 

 元文科初第698号 令和元年10月25日

 各都道府県教育委員会教育長 殿   各都道府県知事 殿


      文部科学省初等中等教育局長 丸山  洋司

  不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)

 2  学校等の取組の充実

 (4)不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保
      不登校児童生徒の一人一人の状況に応じて,教育支援センター,

  不登校特例校,フリースクールなどの民間施設,ICTを活用

  した学習支援など,多様な教育機会を確保する必要があること。

  また,夜間中学において,本人の希望を尊重した上での受入れも

  可能であること。

 

 

(参考)

不登校特例校の先駆け「高尾山学園」、登校率約70%・進学率95%超の理由

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Scott Hamilton  | トップ | ナポリタン 研究中 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

教育・PTA・児童福祉」カテゴリの最新記事