般若心経

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般若心経

2017-12-10 | Weblog
1811

曼荼羅の人-空海求法伝- 上・下



 機会があればいつか読んでみようとメモしていた本です。
著者 陳舜臣《ちんしゅんしん》(1924 – 2015)は、神戸市出身。本籍は台湾ですが1990年に日本国籍を取得、推理小説、歴史小説作家。日本芸術院会員。
 物語は延暦23年(804)遣唐使船に乗り込んだ空海が唐の海岸 赤岩鎮《せきがんちん》に漂着するところから始まり、2年後大同元年(806)九州大宰府に還るところで終わります。
2年間で密教の奥義をきわめ恵果阿闍梨の門弟千人のなかから後継者に指名された空海の動静とともに当時の中国の社会情勢がくわしく述べられています。上下各巻400ページほどです。
あとがきから
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千数百年前、遣唐使に従って多くの留学生が東から西のかなたにむかった。いまは西の中国から日本に留学生が来ている。遣唐留学生のことを書きながらも、私には深い感慨があった。晩唐の李商隠の句に、
換骨、神方、上薬通ず
というのがある。人の病をいやすのに、神の如き処方として、骨をいれ換えることがあったと考えられたようだ。空海の時代、日本は律令や仏法という換骨治療をおこなったが、いま中国はそれをおこなおうとしているのだろうか。
大きく、長い、歴史のうねりを、私はたえず心に感じながら書き進めたのである。
一九八三年十一月
陳舜臣
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