内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

自分の暮らす生活空間の中にそれを俯瞰できる内的観点を持っていることの慰め

2016-12-16 23:59:59 | 雑感

 ストラスブールは起伏のないほぼ平坦な街である。だから、自転車で移動するには好都合な街だとも言える。実際、私も普段の移動手段は自転車である。路面電車が特に発達しているのも同じ理由による。この利点は、しかし、そこに登れば街を俯瞰できる高台がないということでもある。確かに、カテドラルの途中までは登ることができ(私はまだ登ったことはないけれど)、街を見下ろすことができるけれど、それは人工的につくられた観点であり、自然の中にそのような観点があるわけではない。
 パリには、モンマルトルの丘があり、そこからパリ市内を一望できる。実際、観光スポットとしても人気のある場所だ(その他にもいくつか街の周辺に高台がある)。リヨンにも、市内に高台があり、市の中心からはそれを見上げ、その高台からは市内を一望できる。パリやリヨンは街が立体的だと言い換えてもよい。昨日、学会の後、バジリックのある高台まで歩いて登ってそこから街の夜景を写真に撮った。
 心が疲れたときなど、自分が普段暮らしている街を見下ろし、俯瞰できる「自然な」場所を自分の生活空間の中に持っていることは、一つの慰めになると思う。実際、昨晩も、何をするでもなく、高台から街を見下ろしている、明らかに観光客ではない人たち、つまり、地元の人たちを何人か見かけた。昨日は少しそれを羨ましく思った。













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