内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

オンリー・サイテーション・モード(6)岡潔「発見の鋭い喜び」より

2024-03-26 09:38:36 | 読游摘録

よく人から数学をやって何になるのかと聞かれるが、私は春の野に咲くスミレはただスミレらしく咲いているだけでいいと思っている。咲くことがどんなによいことであろうとなかろうと、それはスミレのあずかり知らないことだ。咲いているのといないのとではおのずから違うというだけのことである。私についていえば、ただ数学を学ぶ喜びを食べて生きているというだけである。そしてその喜びは「発見の喜び」にほかならない。

『春宵十話』(毎日新聞社、1963年)所収。後、多数の文庫版有り。角川ソフィア文庫版(2014年)が最新版。


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