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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ドイツ金属労組 週28時間労働制獲得 育児・介護で最大2年間可

2018-02-08 15:23:47 | 働く権利・賃金・雇用問題について
ドイツ金属労組 週28時間労働制獲得 育児・介護で最大2年間可
給与減額もなし


ドイツの自動車、電機、機械産業などの労働者を結集する金属労組(IGメタル)南西地区(バーデン・ビュルテンベルク州)と使用者側は6日、6回目の労働協約交渉で、最大2年間の条件付きで週28時間労働制を導入することで合意しました。8歳未満の子どもの世話や老親などの介護で必要な場合、通常の週35時間労働から、最大2年間、週28時間労働に移行できるとしています。
これは労組側が、少子高齢化の中で、子どもの世話や肉親介護などに時間を充てるために必要と要求したもので、今回の交渉の中心テーマでした。これまで、小さな子どもを抱え、保育園にもあずけられなかった労働者はパート労働に変わらざるを得ず、収入も大幅に減っていました。今回、給与は減額されることはなく、画期的な内容となっています。2019年から実施。
南西地区は、今回の金属労組の労働協約交渉にかかわる労働者390万人中90万人を占める中心地域で、他の地区もこれをモデルとして合意に向かうとドイツ・メディアは報道しました。


条件付き週28時間労働 50万人ストで勝ち取る ドイツ金属労組

時短と大幅賃上げを求め、ストを行う自動車大手BMWの労働者=2月2日、ベルリン(ロイター)

ドイツ金属労組(IGメタル)が条件付きとはいえ、週28時間労働を勝ち取ったことは画期的です。
かつて金属労組は1984年に、週労働時間をそれまでの40時間から35時間にするよう求めストを敢行。12週間のストを打ち抜き、週40時間の壁を打ち破りました。
この時のたたかいなどで、85年には週38・5時間から週37時間に段階的に移行する労働協約、90年には95年10月までに35時間に移行する労働協約を実現させました。
今回もたたかいで勝ち取りました。使用者側はコストが増大するとして拒否していましたが、IGメタルは時短と賃上げを要求して1月以来、警告ストを繰り広げ、1月31日から2月2日には各地で日替わりの1日ストを決行。約50万人が参加し、使用者側に圧力をかけました。
IGメタル南西地区幹部のツッツェルベルガー氏は「使用者側は抵抗したが、子どもの世話や肉親の介護ができる週労働時間のモデルを勝ち取ることができた」と語りました。
時短で問題となった労働者不足については、使用者側は通常の週35時間労働制(2年間の週28時間労働を含む)労働者のほかに、週40時間制の労働者との契約を大幅に増やします。
もう一つのテーマの賃上げも労組側が要求した6%には届きませんでしたが、4月から4・3%の賃上げで合意しました。労働者は賃上げのほかに、今年1~3月分として100ユーロ(約1万3600円)、2019年に400ユーロの特別支払いを受け取ります。
(片岡正明)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年2月7日付掲載


「子どもの世話や肉親の介護ができる週労働時間のモデル」として、最大2年間の限定付きだけど週28時間労働制を勝ち取れたことは画期的。
かつての週40時間から35時間への労働時間獲得のたたかいの歴史がある。

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