きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

ほんとうに怖いオスプレイ 構造的欠陥は明白!

2012-08-30 19:36:21 | 平和・憲法・歴史問題について
ほんとうに怖いオスプレイ 構造的欠陥は明白!
自動制御の空白■急激に落下
防衛省報告書「安全宣言」へ突き進むが・・・


防衛省は28日に公表した今年4月のオスプレイ墜落事故に関する分析評価報告書で、「事故原因は人的ミス」であり、「機体に問題なし」との見解を示しました。9月上旬にも「安全宣言」を出し、沖縄・普天間基地へのオスプレイ配備を強行しようとしています。しかし、機体の構造的欠陥はむしろ鮮明になりつつあります。
(竹下岳)


飛行モードオスプレイは、回転翼がついた左右のナセルを垂直から水平に転換させることができます。これにより、狭い場所でもヘリコプターのように垂直離着陸でき、飛行中はプロペラ機と同様に長距離を高速で飛行できます。
海兵隊は、敵地への“殴りこみ”能力を高めるため何としても配備を進める考えです。
しかし、これまで明らかになった欠陥は、オスプレイの核心的な能力=垂直から水平への飛行モードの転換そのものに起因しています。その一つが、防衛省の報告書で明らかになりました。
米海兵隊は4月にモロッコで発生した墜落事故について、パイロットが離陸時にマニュアルで禁止された角度までナセルを傾けたことが主要因と断定しました。実際、40ノット(秒速約21メートル)以下の場合は75度以下に傾けてはいけないのに、最大で71度まで傾けました。
ただ、オスプレイを含め回転翼機の離着陸時には危険な動作ができないよう自動制御されています。では、なぜそんなことができたのか―。防衛省報告書はこう説明します。
オスプレイは滑走路を使って離陸する場合もある、その際は40ノット以下でもナセルを60~75度に傾けないと加速しないので、この角度については機械的に制御できず、パイロットの判断で操縦するしかない―。



【事故の概要】
離陸前の副操縦士の判断。第1回目の操縦を行った機長は着率帯周辺の人員、車両等を考慮し、着陸時の進入と同じ方向(進入針路を反転した針路)に離脱しており、これと同様の要領での離脱を決意(機長了解)


4月にモロッコで発生した墜落事故の概要(防衛省資料)


つまりオスプレイには、操縦が難しい離着陸時に自動制御の空白が存在し、「人的ミス」を起こしやすい構造なのです。
日米両政府も回転翼の転換は危険であるとの認識を持っており、基地上空に限定する方針を検討していると報じられています。実際、4月のモロッコの事故だけでなく、6月に米フロリダ州で発生した墜落事故も、回転翼を斜めに傾けた「転換モード」で発生しています。
しかし、オスプレイが日本に配備されれば、民間空港への緊急着陸もあります。また、滑走路を使って離陸した場合、基地を離れた後に回転翼を水平にしなければなりません。普天間基地の場合、それが民家の真上で行われることになります。
本土での訓練中に回転翼を転換する可能性も排除できません。



(右下から左上に)回転翼が真上に向いた「垂直離着陸(VTOL)モード」→斜めに傾いた「転換モード」→水平に向いた「航空機モード」(オスプレイ環境レビューから)


機能の欠如
飛行時にエンジンが停止しても緊急着陸できるオートローテーション(自動回転)機能の欠如も、飛行モードの転換に関わっています。
2000年にオスプレイの墜落事故が椙次いだのを受けて米国防長官が設置した「V22プログラム再検討委員会」の報告書(01年4月)は、オスプレイが「(オートローテーションで)着陸に成功する可能性は非常に低い」と指摘。その理由として、機体に対して回転翼が小さいことを挙げています。
なぜ、そのような設計になったのか。理由としてあげているのは、強襲揚陸艦など艦船上での運用を可能にするため回転翼を規定範囲内にしたことに加え、ヘリモードでのホバリング(空中停止)と固定翼モードでのプロペラ飛行の両方を可能にするための妥協として設計されたことなどです。
米軍やメーカーが発行したオスプレイのガイドブックでは、オスプレイは「オートローテーションに頼らない」=直ちに回転翼を水平にして滑空するので問題はない、との見解を示しています。
これに関して森本敏防衛相は27日の参院予算委員会で、オスプレイはエンジン停止の場合、「1分間に5000フィート(約1525メートル)落下する」と認めました。これを普天間基地上空での周回高度1000フィート(約305メートル)に当てはめると、落下まで約12秒。オスプレイの回転翼を垂直から水平に転換するまでにかかる時間とほぼ同じです。エンジントラブル時にはなすすべがないのです。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年8月30日付掲載



強襲揚陸艦などの比較的小型の艦船での運用を考えているので無理がでてくるのですね。そもそも、ヘリコプターモードの回転翼と飛行機モードのプロペラを兼用するってことが無理のように思えるのですが・・・。

飛行機モードの時は翼に揚力がでないといけないですが、ヘリコプターモードの時に揚力が働くとまっすぐ上がったり下がったりできないではないですか・・・

モロッコの事故も、気象条件が悪かっただけでなく、起こるべくして起こったように思えます。
コメント (4)
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