きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

星空を見上げて⑤ 火星に生命を探る

2012-08-08 23:43:41 | 科学だいすき
星空を見上げて⑤ 火星に生命を探る

渡部 潤一

日が沈み、暗くなった頃、南南西の空低いところに注目してください。1等星クラスの明るい星たちが三つほど輝いているのに気づくでしょう。ちょうど横に寝たような二等辺三角形の形に並んでいます。中でも最も明るい星は左上に輝く土星です。その下に輝くのが、おとめ座の1等星スピカ。そして、右側に赤く輝いているのが火星です。
この3天体、今は三角形の配置をしていますが、火星は日に日に東側、すなわち左側に動いていき、8月中旬には土星とスピカの間にやってきます。8月14日の夕方には、三つの天体が直線上に並ぶ様子が眺められるはずです。この日の早朝には次回にご紹介する金星食も起こりますので、天体ショーの特別な日となることでしょう。

★☆~☆★



マーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称キュリオシティ)


さて、この赤く輝く火星にはアメリカの火星探査機が、8月6日午後2時31分に着陸する予定です。その名はマーズ・サイエンス・ラボラトリー。NASAが2011年秋に打ち上げた探査機で、火星面上を動き回るローバー(探査車)です。
2004年にはマーズ・エクスプロレーション・ローバーが火星に着陸して、かつて火星に海があった証拠をつかみました。今回の探査は、それに続くものですが、ローバーは格段に大型化し、その機能も向上しています。目的は、ずばり「火星には生命が存在する(していた)か」です。
1970年代のバイキング1号、2号の探査によって、着陸地点付近の土壌分析の結果、火星には生命が存在しないということが明らかになりました。しかし、この結果はいまでは疑問視されています。当時の分析手法には限界があったからです。現在では、地球のアタカマ砂漠のような高地の砂漠にさえ、地中や岩陰には極端な環境に耐える生命が発見されていますが、バイキング探査の手法では、これらは検出できないのです。さらに、その後の研究で、火星にはかつて海が存在し、今でも氷が地下にあることがわかってきました。したがって、どこかに生命がいる(いた)はずと考える研究者も多くなってきたのです。

★☆~☆★

今回のローバーは、「ラボラトリー」つまり研究室と名付けられるほど、格段に進歩した分析装置をもっています。好奇心という意味のキュリオシティという愛称もつけられています。
着陸地点は扇状地のように水が流れた地形のある直径154キロメートルのゲール・クレーター。着陸がうまくいって、好奇心に満ちた探査を成功させ、そして新しい発見があることを期待したいものです。
(わたなべ・じゅんいち 国立天文台副台長)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年8月1日付掲載



夜空に赤く不気味に輝く火星。2003年8月の大接近が記憶に新しい。
火星、マーズ。ホルストの『惑星』では「戦争の神」として演奏されている。

かつては、タコの様な火星人が描かれていた。しかし、望遠鏡や観測機の発達で生物の存在が絶望視されてきたのが現在。
それが、新たな観測技術によって、生物の痕跡あるいは存在が発見される可能性が現実味を帯びてきた。

昔の想像上の火星人ではなく、本物の火星生物が発見される日も近いと思う・・・
コメント
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