ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




今日も神奈川県東部は天気が良くてね、暖かくて、ポカポカでした。

なのにまた「もしやね」と思ってコートを着て出てしまい、また電車の中で「くっ、いっそ裸に」って思ったという、この、

学ばない人(笑)。

 

ひょんなことからせんせーを始めて、かれこれ八ヶ月が経ちました。学校の年度的には、もう来月一杯で全ての通常講義はおしまいになるわけです。

春にはまったくスキルが無かった子たちの中にも、どうにかパソコンを使っての曲作りが出来るようになった子がでてきました。もちろん、もともとかなりのスキルを持っていて、もう仕事が出来るような子もいますけども、大半はやっぱりまだ初~中級者レベル。それでも、僕がうろうろと教室を周っていると、「せんせー、ここのドラムのアレンジで迷ってるんですけどー」などという、結構突っ込んだ内容の質問をしてくる子も出てきました

そこはそれ、こんな僕でもさ、まだ二十歳にも満たない彼らが生まれるかなり前からバンドをやっているわけですから(←うーん、書いてて驚愕の事実ですな(笑))、「どらどらー。んー。(聴く)。よし、ちょっとマウス、貸してみそ」って、チョチョイノチョイ・・・かどうかはわからないけど(笑)、それなりに意図を汲んで手直してあげると、「おー!すげー!」とか言って貰ったりしてね

彼らも、この先の人生、ずっとバンドや音楽を続けていけば「いやー、あの頃はこんなことも分からなかったんだよなー」っていうような事だったりもするんですが、でも、そういう事を目の前で見せて上げられるのって、そして、「なるほどー」っていう、嬉しそうな顔を見れるのって、僕もとっても嬉しくてね

 

でもね、勿論、まだまだ「えっとー」っていう子もいるんですよね。ほんとは、そんな子にこそ、付きっ切りで話をしていたいんですけども。なかなか、時間が足りなくてね。もっともっと、時間が欲しいです。

でも、せっかく縁があって、こうして隣に座って、一緒に並んで音楽と向き合う時間が持ててるわけだし・・・って考えると、「どーにか、楽しいって思ってもらいたいんだがな」って。「でも、どうしたらそう思ってもらえるのか」って。とっても悩みどころだったりします。でも、まだ時間はあるぞ。どうにか

 

・・・残念ながら学校に来なくなっちゃった子もいるんです。

小学校とか、中学校とかじゃないから、義務じゃないわけです。ましてや好きだから来たはずなのにね。でも、自分がとっても好きな事だったから、それに夢を見ていたからこそ、・・・壁に当たると、精神的にも切り替えが利きづらいというか、気持ちの逃げ場が無くなっちゃうのかも知れません。

勿論、そういう気持ちは、分からないでもないんです。前にもちょっと書きましたが、僕も「辛いな。やめようかな。」と思ったことが無かったわけではないですから。

ただ、結果的に僕はやめ(られ)なかったので、本当にやめてしまったら・・・どんな気持ちになるのかは想像の域をでないんですけれどね。若い学生だから、大丈夫かな。いや、若い学生だからこそ、辛いことになってやしないかな。・・・出席をとっていて、何週も続けて返事が無いと、胸が痛むんです。

 

別にね発表するしないに関わらず、音楽を作る、造る、創る作業って楽しいものなんですよ。きっと、だれにとっても。

ましてやピアノはさ「猫が歩いても音が出る」楽器ですし(笑)。指でポンポンって押さえていくだけでも、結構楽しいもんだと思うんだけどな。

ただ、それも授業で「やらなきゃいけない、曲作り」とかってなると、なんか気後れしちゃったりする、ってのも、ありますよね。周りの子がサクサクと進んでたりしたらなおさらね。

だから、僕はそういう子には「いいじゃん、別に、適当にやっててごらんよ。好きに。そのうち、自分が、あ、この音気持ちいいかも、って思える音が必ず見つかるから。それまでは、変な音沢山だしたって、それでいいんだよ。」って言うんです。

そんな「自分にとって気持ちいい音」が一つでも、もしかしたら二つでも見つかったら、それだけで一生気持ちいいものが見つかっちゃったんじゃないの?って思うんですよ。その音のためなら、今、いくら回り道したって、全然いいわけで。才能って、決してそんな珍しくて凄いものじゃなくて、何かが見つかるまでコツコツやり続けられるかどうか、だとも言えるかもしれませんね

 

「コードの付け方が分からない」あるいは、「メロディーのつくり方がわからない」っていう子がいます。

僕は、「おーし、じゃあ、ちょっと鍵盤弾かせてみて。・・・こんな感じはどお?」って目の前で弾いてあげると、「・・・あ、それ!いいです!好きです」って言ってくれることがあります。難しいことなんてしなくても、気持ちいい音はあるんだよ、って分かってもらえれば、大収穫。「ね、今の感じ、いいよね。なんか、見えたよね!」って、笑いあえるのです。これまた、最高に楽しい瞬間なんです

 

帰り道、ふと見ると、夕焼けの向こうに、小さく富士山が見えました。ビルの隙間から、ほんとにわずかに、ちょっとだけ。

でも、こっちがどんどん近づいていけば、間違いなくあれはあの、富士山なんですよね。いつもいつも見えるわけじゃないけど、大きくて、美しい、富士山。見えると、なんだかちょっと感動しちゃうんです。

ではー。



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