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青春。
花は咲き鳥は歌う.
少年は口笛を吹き,少女は花を摘む.
夢に追われて現実を知らない時代,生きる厳しさを知らない時代.この年頃に
私は食べ物に飢えていた.
そのせいで他人の痛みは十分味わった.
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幸いにして他人の痛みが自分の痛みに直通する回路が形成された.
青春時代特有の恋はなかった。心の内にも外にも.
我が身を養うための金が何より必要で、考えることは金を稼ぐことばかり。
美しいロマンチックな青春の思い出も、ノスタルジアも、いつも他人の世界の出来事だった
しかし私はまだ救われている。
この歳になるまで、生きてこれたから。
戦争で亡くなった若人の青春は、銃弾と共に消えてしまったのだ。なにおか言わん。