夢色

集めてるもの 見たもの 書きたいものを 思いついた時に。
基本ネタバレ注意。
火月 神の気まぐれ よろずメモ。

<永遠の0>

2013-12-27 | Art

泣き過ぎて目がパンパンで 頭ぐちゃぐちゃのままだから、順不同で つれづれと。

*最後の春馬君、とっても良かったな。
良い顔してた。
叫ぶように泣いてたあの最後。
そしてあり得ない 宮部との遭遇。
あのシーン、本当に良かった。
賛否両論かもしれないけど、私は良いシーンだったと思う。

*護衛機で教え子を見送るしかなかった、それを繰り返すことで狂気にひたすら黙するしかなかった宮部。
敵艦まで辿りつかないでただ無駄死にしていくしかない、それを見ているしかできない宮部の心がどんどん死んでいく。
あの時に 髭はやして 頬も眼窩もあんなにこけて 漠然と生かされているだけの宮部がぽろって流した 操縦席での涙。
同じようにこちらの気持ちも ぷっつりと壊れてしまった そんな気持ちになった。

どれだけの教官が、あの思いと同じ思いを抱きながら飛んでいたんだろう。
自分が死んだ方がましだと思いながら 代わってやりたいと思いながら 代わってやることは自分でもできなくて そんな死んだ方がましだと思うほどの思いを どれだけの人が抱えていたんだろう。

*親分が最後、春馬君を抱きしめた気持ちを思うと切なくて。
あれだけ激しく宮部を憎しみという名前で 尊敬して 熱く想っていた 彼の、どこまででも追ってやる その届かなかった気持ち。
それなのに目の前にその人の孫が現れた。
どうしようもなく 愛しかったんだと思う。
どうしようもなく 宮部に会いたかったと思う。
きっと宮部に抱きしめさせてやりたかったんだ。
無理だった話だけどもし自分が守っていたら、きっと宮部がこうやって抱きしめてやったんだろうと想像して、きっと自分を責めて 愛おしくて仕方なかったんだと思う。

*52型機でのエンジン不調に気付いたとき、無意識に顔に見えた ほっとした「生きたい」という命の叫び。
その表情が 岡田君の顔に現れて。
そして次の瞬間に大石が視界に入った時、その岡田君の顔から 命の絶望の音が聞こえた、と思った。
彼を生かそうと決めた宮部の意志と、その決意に打ちのめされた彼自身の命の 諦めにも似た叫び。
その二律違反の顔をしていたと思った。
無意識に現れる表情が、どうしようもなく辛かった。

*殴られても殴られても伊藤の名誉をかばった。
そんな生き方。
どの時代でだって、きっと生きづらい そんな果てしない優しさを持った人だと思った。

*家に帰った時、松乃の構えた箒にびっくりした顔と言ったら!笑。
そのあと一目散に上がり込んで 靴も片方脱げなくて転げながら 清子の元へ駆け寄る宮部と言ったら!
狂おしいほど切なくて愛おしい。
清子を抱っこして でここっつん。
「きよこ、、、きよこ、、、」って愛おしそうに何度も名前を呼んで。
きっとこの子が大きくなるまで生きてられないって分かってて、、、何でなんで、なんで皆こんな思いしないといけないの、、、。
お風呂でテンパり過ぎの宮部の声。
泣き笑いだよ。
絶対、戦闘の時でさえ あんなテンパった宮部さんは見れないと思うから(笑)
このシーンは原作になかったみたいだけど、描いてくれて 本当に救われた。
監督、本当にありがとうございます。

*橋爪さんが、「井崎!!!まだ分からんのか!!!」と宮部さんの言葉を 叫んだあの声。
もうそんな力 末期癌のあの体に どこに残ってたのかっていうほどの 最後の迫力。
なんて すごいんだろう。

それだけのものを 残った人に刻み込むことが出来た宮部。
彼の生き方は あの時代多くの人が同じくしていたんだろうけど。


*松乃のもとを訪ねた 大石が宮部に見えた あの見間違いが、本当だったなら。
皆が辛い時代。

*川に足を浸しながら これまで何とも思っていなかった事が、これほど愛おしいなんて。
「その時 どんな時代になっているのでしょうか。」
この思いに答える言葉を この平成の世の中が持ち合わせているとは思えない。


今の時代においても、死ぬこと 生きる事 それを少しでも考えたことのある人と ない人とでは、根本的に大きな隔たりがあると思ってる。

死ぬ覚悟がない人間に 生きる意義はない。
生きる覚悟のない人間に 死ぬ権利なんてない。
そう思ってる。

享年26歳。
26歳の時、私、何もしてなかった。
ただ仕事してただけ。

あと人生半分しか生きられなかったかもしれない今の13歳は 学校で友達いじめて
同じ26歳は合コンで騒いで
もう半分以上生きた50歳はセクハラと横領と文句ばかり。

約70年前 たったの26歳が「生きる事」を考えてた。
生きる事を願い
子供たちの未来を願い
愛する人の無事を願い
自分よりも人を想い
生きようとしてた
生きたいと願っていた。

*親分が、松乃が。
畳みかけるように言葉をつないで行く、真実が紐解かれていくその心と一体化したような カットのつなぎ方が。
涙が溢れるのを加速させて、もう声が漏れるのを我慢するのに必死でした。

*景浦の後ろに ピッタリと付けた 宮部の眼。
射抜かれた。
ブレない眼と、密かに押し殺した殺意。
ゾクゾクした。
心底怖いって思った。
と、同時に、こんな岡田くんが観たかったんだ、私、って思った。
可愛い役やカッコいい役じゃない。
力があるからこそ、真っ黒に塗りつぶす。
真っ直ぐな ひたすらな 悪、を、岡田くんならきっと演じられる。
そして、そんな怖い、圧倒的な悪を演じる岡田くんを撮る監督が、絶対に出てくる、って思った。
悪役の岡田くんを撮りたいって思う監督が、絶対に出てくるって思った。
すごく すごく 楽しみだ。
観た瞬間に、そう思った。
そしてきっと、私は誇りに思う。

*最後の特攻シーン。
ある種の狂気と
覚悟と
哀しみ
諦め
そして、これでやっと終わることが出来るという喜び。
最後のシーンまでは見せる事のなかった、他の人間には成し遂げられなかった『特攻』としての役割を、自分ならやり遂げることができるという、戦う者としての自信や自負、昂揚感。
そういったものが 複雑に絡み合って。
少し笑うような口元。
憑りつかれたような眼。
涙が張る直前の、眼。

観ながら、息が止まった。
早くカット掛けて、って願うくらいに、私も息が止まって、、、永遠に続けばいいと思った。



良いとか悪いとか、そんな白黒つける問題じゃない。
答えが一つである 必要なんてない。
そんなこと、どうでもいいねん。
これを観て、生きる事に忙殺されてる そんな自分の命の流れを一瞬だけ止めて、考える。
自分が生まれてきたという事実を。
ただそれだけでいいと思う。
何故宮部は特攻を決意したのか、言葉で表現はできないけど、理解できる気がする。
理解できないそんな気持ちも、そのまんまの塊で 理解できる気がする。

戦争映画じゃなくて、愛の物語、命の物語。
そんな映画。
この時代に、この現代に、日本で、この映画を撮ってくれて、本当に、監督もキャストさんもスタッフさんも、本当にありがとうって、ただただ感謝したいって思った。 
今じゃなきゃ、多分駄目だったんだと思う。
日本の映画史に残る、映画だったと思う。
誰にも真似できない、映画だと思う。

自分を引き締めてかからないと、アテられて、飲みこまれて、壊される、そんな映画。
何回も観るには、キツイ。
そのくらい、この時代に 一緒の時代に、私も命を貰えたこと、その事実に感謝してる。 

最後のエンディングロール、あれほど怖い特攻シーンと裏腹に、なんてきれいな青空なんだろうって思った。
きっと、こんな素敵な空を飛びながら、しょうもない話をしながら、笑いながら飛んでた、そんなたくさんの宮部さん達が 生きてたんだと思う。
それでいい。
恐怖とか恨みとか憎しみとかそんな事ばかりじゃなかったはずで。
それでいいと思う。
だから、素直に、あぁ、綺麗だなって、そう思えた。 
観終わって、泣いてるのは悲しいだけじゃなくて、命が美しくて感動してる、そんな風に浄化されたみたいに 不思議な気持ちに包まれて終わることが出来る、そんな映画だと思う。 

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