月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

抗がん剤投与7日目は変な感じ

2020-04-30 | 癌について
抗がん剤投与7日目。
いつもなら、「今日から完全復活!」となるのだが、今回はいつもと違う。なんだか変な感じだった。

まず、今回はずーっと副作用がほぼなかった。
8クール目だというのに、これまでで一番楽だったかもしれない。(一体どうなっているのだか・・・)
日曜に退院してから一度も横になることなく、家事、仕事、ウォーキングまでしていた。食欲旺盛で、毎日モリモリ食べていた。
ただ、夜はよく眠る。毎日21時半には起きていられなくなり、そこから翌朝6時半くらいまでは寝ていた。
でも、どこかが痛むわけでなし、代表的症状である「倦怠感」もほとんどなかったように思う。ずっと活動していたから。
いつも7日目には完全復活するので、このまま駆け抜けていくんだなと思っていた。

そうしたら、昨晩から手足の痺れが少し出てきた。
足の関節痛も・・・

今朝起きても、いつものように「完全復活!」感がない。
かといって、特にひどくなったりしんどかったりするわけでもなく、うす~く残っている感じ・・・
スッキリしないな。
とはいえ、8クール目でこの元気さは異常なくらいだし、我慢できないような辛いことは何もないのでよかったと思おう。
2~3日もすれば、この嫌な感じも取れるのではないだろうか。

さて、今朝は夫への大サービスでピザを焼いた。
生地からこねて、具材も2種類。(形がいびつなのはご愛嬌、ということで・・・)

ベーコン、しめじ、トマト、玉ねぎ


コーン、しめじ、サラダチキン


せっせと生地をこねながら、「そうだよなぁ・・・本来は私はこういうことが大好きだったんだよなぁ・・・」と思い出していた。
こどもの頃~20代くらいは、お菓子やパンをよく焼いていた。
随分長い間忘れていた「好きなこと」や「豊かな時間」を、ガンになってからようやく取り戻していると感じる。
焼きたてのピザは最高に美味しかった!!

退院してからも、料理は毎日作った。
たいしたものはないけど、「抗がん剤治療を受けて退院したばかりの人」が作ったと思えばすごくないか?笑
自分で自分を褒めてやりたい。(←これが良くなるためにはとても大事なことらしい)


鯛の塩焼き、ピーマンの肉詰めスープ、ジャーマンポテト、大葉と茄子の天ぷら


鯛のみぞれ煮、小松菜とお揚げさんの炊いたん、ゴボウのから揚げ、グリンピースとベーコンのバター炒め、みそ汁、ホタルイカの炊き込みご飯


名古屋風手羽先揚げ(甘辛風味)、ゴボウのから揚げ、サラダ、茄子と鶏むね肉、大葉の味噌炒め、山芋と明太子のふわとろ焼き

通称「揚げ物大王」の夫がいると、どうしても内容がヘヴィーになるな・・・。
(夫は「何でもいいから揚げて!」と言う人だ)

退院してから「メシ炊き女」の日々を送ってきたが、今日は夫が久しぶりに出勤したので、昼ごはんはフルーツだけに(ああ、胃が休まる・・・)。
さらに夜ごはんは、知り合いの飲食店からテイクアウトを注文することになったので、今日は私の「家事休暇」。
やったー!!
おかげで午後から自分の時間がたっぷりできた。

一昨日連絡があり、5月のGW明けから取り掛かれる新案件も入ってきた。
取材なしでヒアリングシートだけで対応するということで(その分報酬も下がるが)、今は仕事があることがありがたい。
これとレギュラーのWEB原稿で、なんとか5月も持ちこたえられそうだ。

体調も今日明日くらいで完璧にして(そうなるはず!)、土曜からの5連休はやりたいことをやる。
人に会う予定もなく、キャンプなどの遊びもなく、仕事もなく、本当の「自分だけの時間」!
そりゃ、入院中・退院後も時間はたっぷりあったが、体調が悪く自由もないので、それは意味がなかった。
やっと「時間」と「体調」の両方がある期間に突入~!
こんなに「時間」がたっぷりと与えられるなんて、今までになかったことなので、ワクワクが止まらん・・・

静かな結婚記念日

2020-04-29 | 生活
残っていたベーコンを焼き、B.L.Tサンドを作った。
あまりに天気がいいので、夫と近所の川まで歩いていき、そこでお昼を食べようということになった。

家から徒歩5分でこの景色。
この山を、川を、子どもの頃から愛し続けた。だから、今もこの町から離れられない。


10m先のベンチに女性2人組と、なわとびをしている子供の家族くらいで、とても静か。
さすがにここでサンドイッチを食べるくらいなら、誰からも非難されないだろう。
外で食べるサンドイッチはとても美味しかった。


目の前の川を鴨がのんびり泳いでいる。


水もきれいだ。


寒くもなく、暑くもなく、優しい穏やかな風が吹いていて、1年を通してもなかなかないような、最高のアウトドア日和。
キャンプに行けずに残念だが、そんな欲望はしまいこんで。
毎日前線で戦ってくれている人たちがいることを思うと、こんな平和を享受していることにすら、罪悪感を覚える。
ただ感謝して、自分ができることを考える。

今日は、13回目の結婚記念日。
どこにも遊びに行けないし、まだ体調が戻っていないのでお酒も飲めないから、日常と変わらない静かな記念日になった。
夜、ノンアルで乾杯しただけ。
だけど、とりあえず生きて、二人で仲良く「今日」を過ごせたことに感謝。
週末、私がもう少し元気になったら、ご馳走作って改めて乾杯しよう。

救済支援?

2020-04-27 | 美味しいもの
昨日、無事に退院。
比較的元気に、家事、仕事、読書などを楽しんでいる。

入院前のことだが、20代後半から通い詰めてきた北新地の「びりけん」さんがFacebookで「救済支援お願いします。スモークセット販売します」のお知らせをアップされたので、早速注文した。
夫に話すと、会社でお世話になっているお酒好きの上司にもお届けしたいということで、2セット注文。
1週間待ってようやく届いた。



すごい!!!
大きなベーコンの塊(20cm×15cm×3cmくらい)に、鯖、手羽先、ふぐかまぼこ、カマンベールチーズ、たくわん。
これで4500円(税込)+送料(1050円)

材料費と燻製にかかる時間・労力・配送作業などを考えたら、マスターの儲けってあるんだろうか・・・と不安になった。
これ1セット配送しても純利益って2000円くらいなんじゃないだろうか。

まあ、いろんな思いはよぎるが、とにかく食べるべし!
その夜はもちろん燻製祭りだ。

このベーコンは生でも食べられる。薄く切ってローストビーフみたいにして盛りつけた。
手羽先とサバは焼いた。


チーズはクラッカーと赤ワインと。


うっまーーーー!
夫とひと口食べるたびに目を合わせてにんまり。酒もすすむ、すすむ。

お昼にはベーコンを焼いて、スナップエンドウとベーコンのパスタに。
ベーコンからの旨味脂だけでほぼ味付け完了。ほんの少しのバターと醤油だけ。



救済支援って・・・、どっちが救済されているのか、もうわからん。
食卓が一気に華やいだ。

マスターは飲食店に対する休業要請が出ても、一度も愚痴のようなことを言わない。
ランチやテイクアウトを始め、宅配のスモークセットやローストビーフを始め、当然苦しいだろうけど、明るく元気に乗り越えようとしている。
Facebookを見ていると、お客さんとのつながりが濃いからできるんだろうなと思う。
ファンがいて、ここでなければダメなものがあって、店として人としての信頼がある。コメントしているお客さんからも「つながっていきたい、応援したい」という想いが感じられた。

休業要請と金銭的な保障(手当)がセットでなければ、このコロナウイルスとの長期戦の戦いに勝てないことは最初から明確で、そこに議論の余地はないし、おそらくそこに反対する人などはいないだろう。(庶民感覚のない政治家は無理だろうが)
問題は、財政と、対象者・申請方法などのシステム的なこと、タイミングだった。
政府はまったく後手後手でおそまつすぎることばかりだけれど、批判に明け暮れるより、とにかく頑張っている飲食店を応援したい。
いつになるかわからない10万円も当然受け取って、何か経済をまわすために少しでも役立てよう。

そして、私の今の一番の祈りは・・・病院で感染していませんように・・・ということ。
同じフロアで思い切り咳しているおばあさんとかいるし・・・、もう生きた心地がしなかった。
岡江久美子さんのこともあったし、ガン患者は重症化リスクが高いので、一般の人よりも毎日ドキドキしながら生きている。

早く友達と一緒に思い切り飲んでしゃべって、夫とキャンプに行って、取材して・・・、元の生活に戻りたいなぁ。

入院3日目のミッション

2020-04-25 | 
抗がん剤投与が昨日終わり、いつものように睡眠薬でももられたかのようにぐっすり眠って朝が来た。
副作用が強い人でも、副作用が始まるのは退院後だから、私など十分な睡眠をとっていつもより元気なくらいだ。
しかし、今回はあまり食欲が湧かない。
昨日の夜ご飯は最悪で、ハンバーグだった。
ハンバーグは大好物だが、それは肉や焼き方、ソースにこだわったもののことであり、病院のハンバーグは別物。
何の肉かわからない、業務用の冷凍ハンバーグを温めて(おそらく)、ケチャップをかけてある。
これが、なんとも食が進まない。
普段ならまだ食べれるが、抗がん剤の後は舌が妙に敏感になっており、熱い、辛いを嫌い、細やかな味をきき分けてしまう。
吐きそうになり、それでも頑張って7割は食べた。
せめてサラダでも、と別の皿の蓋をあけると、ひじきと大根に、しっかり刻んだきゅうりが混ぜられている。
きゅうりが食べられない私は、手もつけずに蓋を閉めた。
そして、水分量を間違えたとしか思えない、柔らかすぎる粒が形をなくした白飯だけかきこんだ。
ひどい眠気に襲われなかったら、空腹で眠れなかったかもしれない。

病院では、朝ごはんが一番好きだ。
一番しょぼいのだが、食べやすい。
牛乳、バナナ、ごはん、味噌汁、野菜か卵のおかず一品。
それに、ふりかけか海苔などがついてくる。
この「ごはんの友」が本当にありがたく嬉しい。
私はお酒のアテばかり作っているので、わりと味付けが濃い。と言っても、料理本などに載っている正しい分量だ。
必要以上に濃くしているという意味でなく、濃い目でアテになりそうな料理が好きということだ。
もちろん、出汁で食べさせるものや、素材を生かすような料理は別だし、後追いで調味料をかけることもほとんどない。
私は「薄味」と「味が足りない」料理は別だと思っているが、病院の料理はまさに後者。栄養士さんが考えて、塩分控えめになるようにしているのはわかるが、「あ~、あと醤油をちょっとかけるだけで美味しくなるのに」みたいなものが多い。
そういう気持ちがだんだん強くなってきて、どうしたわけかお腹はすいても食が進まない。
今日も昼ごはんを残してしまった。
パッサパサの赤魚の西京漬けはなんとか食べきったが、牛肉とピーマンのきんぴらは無理だった。

いつもなら土曜は夫が面会に来て、一緒に院内のドトールに行き、ちょっとおやつをつまんでカモミールティーを飲むのだが、面会禁止なので一人でドトールへ行く気持ちにはならない。
あまりにお腹が減るので自動販売機でコーヒーを買って飲んで紛らわしている。

退屈はそれほどしていない。
パソコンが使えたら、もっと楽しいのだが、読書三昧でのんびりと過ごしている。
天気も良いし、窓際でよかったとまた思う。

今年に入ってからだろうか、今更ながら宮尾登美子作品を読んでいっている。きっかけは「蔵」という新潟の酒蔵が舞台になっている作品を読みたかったからだ。
先ほど代表作「櫂」を読み終えた。
四部作になっているとは知らず、「仁淀川」から読み始めてしまい、おかしなことになったが、独立した物語なのでどこから読んでもなんとかなる。「スターウォーズ」みたいなものか?
1→2→3→4と読むところ、4→2→1→3となってしまった。残りは3だけ。

それも持参しているが、先に「サピエンス全史」を読む。これから取りかかる。上下巻あるので、せめて上だけでも読みきって帰りたい。

三年くらい前に流行った「サピエンス全史」。
イスラエル人歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリの著書で、日本だけでも121万部を突破している。
正直、特別興味のある分野ではないのだが、何年も前に仕事でお世話になり、今でも懇意にしてもらっている社長さんからメールが届き、「読んだことがありますか?」と。自分は以前読んで、再読中で改めて面白い。人生のナンバーワンかもと。
正直に未読であると伝えると、「読まれますか?」というので、「はい、読んでみます!」と答えたら(もちろん本気で読むつもり)、翌々日にはAmazonを通して上下巻が送られてきた。

ありがたいが、これは読まないわけにはいかなくなった。
近々会うときまでに!と思っていたらコロナでお会いできなくなり、私もバタバタで先延ばしにしていて、ようやく今日から取りかかることになったのだった。

なぜこんなに大層に書いているかといえば、内容が難しいのだ。
社長も「オリラジの中田がYouTubeで解説してるから、それを見てください」と最初に伝えてきた。
つまり、解説が必要なほど難しいのだ。
(3月にはTIME誌にコロナウイルスについての見解を寄稿している。)
http://web.kawade.co.jp/bungei/3455/

そんなわけで、「読む」のではなく、「取りかかる」と大げさに書いているというわけだ。
こうなると頼りはオリラジのあっちゃんだけ、、、
読破したら、ぜひここで感想をまとめたいと思う。

抗がん剤治療8クール目

2020-04-24 | キャンプ
昨日、入院した。
大部屋は四人きっちり入っていた。というか、既に三人がいて、私が最後の入室者。
奥の窓際スペースだったのでよかったと思ったけど、入口のほうが換気はできそうな、、、
こうなると、もう何がいいのかわからない。

いつもの病棟、いつものフロアなのだが、なんとなくこれまでと雰囲気が違う。静かなのだ。
よく見ると、ナースステーションが完全に閉じられていて、中の音が遮断されていた。看護師さんも全員がマスクとゴーグル。
おそらくだけど、必要以上にしゃべることも禁じられているのでは?

看護師さんが部屋に来たら私もマスクをつける。
最近は外出時には、コンタクトをやめて眼鏡にしているので、もちろんここでも眼鏡。
そして、とにかく手洗い、消毒をこまめに。
それくらいしか対策がない。

四人部屋はやはり落ち着かず、読書も集中できないし、寝ていても何度も目覚める。
今朝は5時半に起きて、20分瞑想をした。
瞑想の前に深く呼吸をして全身の細胞に新しい酸素を送り込むのだが、大きく息を吸い込むのが怖い。ほどほどにして、瞑想だけをしっかりやった。

6時になったのでカーテンを開けると、やっぱり窓際でよかったなと思った。
いい天気!
澄みきった青空が、安らぎを与えてくれる。
西向きだが、朝陽が高層マンションに反射して、その光が病室に届いていた。

四人部屋はカーテンで仕切られているので顔などはわからないが、看護師さんとの会話などから察するに、私が一番軽症なのかなとおもう。
横の人は抗がん剤治療ではないようだが、昨日医者が来て、2週間後には退院できるかなと話していた。
2週間後!!
思わず耳がダンボになる。(死語)

斜め前の人は、抗がん剤15クール目と言っていた。
15!!
またダンボ(笑)

でも、間があいてトータルで、のような話だったので、私と同じく再発組かな。
私もトータルでいえば11クール目やし、と思う。
何を競っているんだか(笑)

15クール目のツワモノは、手足の痺れがひどくて、何度も転んだと話していた。
やはり副作用がひどい人もいるのだ。気の毒だなぁとカーテンのこちらから、しんみり。

そして、私の向かいの人は、点滴ルートがとれないみたいで、昨日は朝から昼にかけて、何人もの医師がチャレンジしては敗れていた。
最後は「足からとりましょう」みたいな話も出ていて恐ろしかった。
結局どこからとれたのかわからないが、なんとか成功したようで、車椅子で検査に行ってしまった。

思うのは、みんな明るく礼儀正しい。
私も看護師さんに対して(看護師さんに限らず、接する人には全てだが)、明るく礼儀正しく対応するようにしているが、私より明らかに大変な三人も、いつも声が明るい。
副作用で足がもつれて転んでも、2週間以上入院することになっても、何回も点滴のために針を刺されても、声が明るい。
なんか、、、自分が恥ずかしくなる。
今日もこれから点滴ルートとりがあるが、たとえ失敗されても、文句を言ってはいけない。痛くても泣いてはいけない。それが大人!!

しかし、私は本当に副作用がないなぁ、と思う。
昨日、薬剤師さんがいつもの人から代わっていたのだが、「前回はどうでしたか?」と聞かれて、「いや、特に何もなかったです」と言うと、「え!結構クール重ねてますよね?吐き気は?痺れは?」など、驚いて尋ねてきた。私がすべてほとんどないと言うと、拍子抜けした感じだった。そして、その感じにハッとして「ないほうがいいんですけどね」と慌てて付け足した。
本当は、「回数を重ねるごとに、むしろ副作用は楽になってます」と言いたかったが、あまり言うと嘘だと思われそうなので言わなかった。

とはいえ、油断は禁物。
カルボプラチンのアレルギー反応は本当に危ないので気を付けなければ。

さて、今日もがんばろう!
たかが5~6時間の点滴だ。
面会禁止で母も姉も来ないのは初めて。夕方まで長く感じるかな。
窓の外を見ながら、ゆったり、のんびり過ごしてみよう。