月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

激闘のアツい2日間

2017-12-28 | 仕事
いろんな人から「仕事終わった?」と聞かれる。

終わった。
26日に終わった。

25日が締め切りで、朝6時から23時までぶっ続けで書き続け、何度も推敲し、もう目から血が出るかと思った。
モーツァルトが繰り返し仕事部屋に流れていた。
編集長に送るとすぐ返信があり、特に直しもなく、一発OK。
「締切ギリギリセーフでしたね」とも言ってくれた。
それだけ確認すると、お風呂も入らずそのまま倒れ込むように眠ってしまった。
精根尽きる、とはこのことか。

翌朝、送った原稿を読み直した。
完璧で直すところなんて1つもない。だけど、何一つ心に響くものも、私らしい視点も何もなかった。
「ただ事実をうまくまとめた」原稿。

埃だらけの階段を上り、散らかった仕事部屋に戻ると、なんだか涙が出てきた。
クリスマスイブもチキンを焼いたくらいでたいしたことを夫にしてあげられず、部屋も汚い、食事はパンをかじって、お風呂も入らずボロボロになって。
ここまでして、ここまでいろんなものを犠牲にして、あれだけ集中して時間をかけて書いて、それで書けるのはこんなものなんだと思うと、自分が情けなくて仕方がなかった。
ただあるのは敗北感だけ。
1%の「にんまり」もなかった。

メディアにたくさん出ていて、情報の多いネタ満載の酒蔵さんだから、絶対自分にしか書けないような記事を書くんだと意気込んでいたのに、なんだこれは・・・。
ちょっと書ける人ならだれでも書ける。何の想いもない。

お風呂を沸かして入りながら、また泣けて泣けて仕方がなかった。
どうしてこんなに一生懸命やっているのにいいものが書けないんだろう・・・。
敗北感は、自分に対する敗北感だ。
もう少しやれると思っていた自分はいなかった。悔しくて悔しくて仕方がなかった。
もっと何か書きようはなかったのか・・・そう思い、自分の文章を思い起こしてみたら、突然降ってきた。
あ、そうか、あれを書くんじゃなくて、こうまとめたらよかったんだ。テーマはこれだ。
文章が頭の中を流れ始めて、もしかしたら書けるかも、と思った。

お風呂から出るとすぐに、I山氏と編集長とデザイナーさんにメール。
締切すぎてしまうことになるし、年末でみんな忙しいし、1日でも早く先方確認も進めないといけないのはよくわかっているけれど、どうしても書き直したい。1日だけ時間をください、と。

I山氏から「好きなようにやっていい」と返信。
デザイナーさんも編集長も1日だけ待ってくれるという。
急に元気になって、机に向かったら、もうモーツァルトは必要なかった。

本当に集中するときというのは、どんな音も必要ないのだと改めて知った。
そこから10時間。
またもや締切ギリギリの23時半に編集長へ送ると、数分で返信。ずっと待っていてくれたのだと思い、胸が熱くなる。
「キレが出ましたね。これでまわします」と。

今度は何度読み直しても、自分らしいものが書けたと思えた。
結局、人の評価なんてどうでもいいのだ。でも、自分が満足できないものを世の中に出すわけにはいかない。
書き直してよかった、それを許してもらえてよかったと心から思った。
翌日の夕方にはデザインも上がってきて、このチームの底力のようなものを感じた。

1月新年号の巻頭を飾るこの記事。
先方確認はまだだが、あとは気に入っていただけるように祈るのみ。
この蔵元さんの「酒蔵の仕事は楽しいんだよ」という想いと、同じ想いで働く人たちといいお酒を造りたいという高い理想。そして、その実現のために奮闘してきた10年と、業界の未来を良くしたいという信念を書きたかった。
たった3500字の中にそれを収めるのは本当に難しいけれど、10分の1でも伝わればうれしい。

そんなアツい、激闘の2日間を終え、今は忘年会ラッシュ。
昨日は帰省中のkenji氏と梅田ランチからの、京都でライター友達3人と忘年会。
まだ29、30日と忘年会は続く。

まだ少し修正のやりとりなどは残っているが、今日はひとまず仕事納め。
驚くことに、今年は年賀状も投函済み!!
今日、明日と大掃除をして、30日は買いだしに行って、31日はお正月の準備をして、大晦日は夕方くらいからお酒でも飲みながらゆっくりするのだ。

ついに!その時が来た!
長年、こんな年末年始を夢見ながら、実現できていなかったが、ついに!

集中力を上げるには?

2017-12-24 | 生活
クリスマスイブってなんやねん。

これが今日の感想。
明日が締切のため、現在も奮闘中。
最後の1本なのだが、一番の大物を残してしまった。がんばらねば・・・。

でも、逆に言えば、明日が締切ということは、あさって26日以降は休みになる!ということで・・・。
修正のやりとりなどはあるにしても、26日~1月8日まで基本的には2週間休みだ。
26日と1月5日に取材の依頼があったが、それもなんやかんや理由をつけて断っておいた。
2年前の自分だったら時間があるのに断るなんて考えられないが、今はそういうこともできてしまう。

なぜならこの2週間で来年に向けてのいろんなことをやる予定なのだ。
仕事部屋の大改造、自分のHPの作成、日本酒の勉強、資料の整理。できれば来年の営業計画なども立てたいものだ。
自分が書きたいものをしっかり書けるような生活にシフトしていきたい。

あとは読書と久しぶりに手芸。秋に材料の購入だけしてまだ作っていないビーズアクセサリー作りなど、正月はやりたいこともいっぱいだ。
もちろんキャンプも行く。1月4・5日は新春キャンプ。

来年の目標はもう決まっている。

「時間を無駄にしない」

2年休憩したので、また徐々に走り出そう。
これは無理をするという意味ではない。
「時間を無駄にする」のと「有意義に休む」のとは違うから。
いわば「オンオフをはっきりさせる」というのか。
仕事は短時間集中型でクオリティを上げるのだ。

最近、集中力を上げるツールを見つけた。
モーツァルトだ。
「集中力アップ モーツァルト」などで検索するとyoutubeにたくさん上がっているのでそれを活用している。
音楽があると原稿なんて絶対に書けないタイプだったのだが、これが不思議なことに、モーツァルトは大丈夫なのだ。
私は全然クラシックは聴かない(というか、詳しくない)のだが、やっぱり長きに渡り世界中で愛されてきた音楽というのは、何かしら持っているパワーが違うような気がするなぁ。

ちなみにバッハはダメだった。
本当に疎いので「G線上のアリア」くらいしか知らないけど、でも流れているといいなぁと思うのに、集中力は上がらない。
(一応、「集中力の上がるバッハ名曲」というのを聴いているのに)

お酒もたまに貯蔵庫でモーツァルトを聴かせている蔵がある。
美味しくなるとかならないとか・・・。
モーツァルトというのは何かしらそういう力があるのかもしれないな。
集中力が上がらなくて困っている方、お試しを!

にんまり

2017-12-14 | 仕事
原稿の追い込みがきつくて、毎日泣きそうになっている。
酒蔵の原稿だけは、本当に毎回毎回、命を削られていると感じる。

この間、一緒にやっているライターI田さんと会って話していたとき、クライアントのI山氏がいつも「早く書け、早く書け」と追い込んでくるという話になった。
お酒が入っていたこともあり、あくまでも冗談で「そんなに言うなら、一回お前が書いてみろっちゅうんじゃ!」と2人で笑いながら悪態をついて、ちょっとスッキリしたことを思い出す。

出来上がったものを読む人は、たぶん「ちょいちょい」っと書けると思っているのだろうが、いやいや、結構集中しても3日はかかる。
そして、他の取材や原稿もあるし、家事もあるし、見たいドラマだってあるし、そんなに集中して3日間過ごせるわけでもないのだ。
毎晩寝るときに布団の中で、今日も予定のところまで書けなかった・・・と落ち込んで、今回こそ本当に間に合わないのではないかと不安になる。
かと思えば、ふと今日書いていた記事の内容が気になって、布団の中でスマホで気になる言葉を検索し、調べものが始まって眠れなくなったり・・・。
昨晩は「大分三井」←酒米を調べていたら、目が冴えてしまった。

でも、原稿の「落としどころ」が見つかる瞬間というのがある。
手探りで真っ暗な中を歩いてきて、へとへとになっていた時にふと顔を上げてみたら、暗闇の奥に小さな光が見えるような、そんな瞬間。
あ、見えた、見えた!もう大丈夫だ。もうあの光を目指して、とにかく足を止めなければゴールにたどり着くんだ。
そう思えるとホッとして、今度は嬉しくてたまらなくなってしまう。

「にんまり」

ここからは原稿を書きながら、ずっと「にんまり」しているのだ。
本当に書くことが楽しいのはここからなんだ、いつも。
笑っているわけでもないし、微笑んでいるというのは爽やかすぎる。にこにこも軽すぎる。
「にんまり」という表現が一番ぴったりくる。

99%苦悩と不安、1%にんまり。

でも、この1%の「にんまり」には、99%の苦悩と不安を忘れさせる力がある。
その上、中毒性もあるからやっかいだ。

こんな商売やめてしまえばどんなに楽かと思うことも多いけど、でもやっぱりこの「にんまり」が始まってからの楽しさが忘れられず、どうしてもやめることができない。
ライターじゃなくても、モノを創る人間なんて、だいたいそうかもしれないけど。

同音異義語

2017-12-12 | 生活
昨夜、帰ってきた夫が「かおり、ブログ間違ってるで。あんな寝言じゃない」と言いだした。
え?そっちが教えてくれたんやん・・・と不思議に思って詳しく聞いてみると、
「今日もいい日だった、じゃない。今日もいい日やって言ってん」とわけのわからないことを言う。
「いい日だったも、いい日やも、同じ意味やん!」と突っ込むと、さらにこう言う。
「ちゃうねん。日じゃない。火!!燃える火!!」

え?火?

ファイヤー?

「私、今日もいい火や!って言ってたの・・・?」
ようやくわかってくれたかと、うなずく夫。しかし、こちらは納得できない。

「いやいや・・・でも、私は“Day”のつもりで“日”って言ってたんやって!なんでファイヤーってわかるんよ!」
「だって、その後、『よく燃えてる・・・』って言ってたもん。キャンプの夢見てたんやろ」

・・・ああ、それは「日」じゃない。「火」やね。
ええ、確実に、火ですわ。

「今日もいい日だった」と幸せな寝言を言ったと思い、ブログにまで書いて、なんだかじんわりしていた私って・・・

しかし、夢の中でも焚き火しているなんて、ある意味これも幸せなことかもしれない。






まんがのはなし

2017-12-11 | 
12月に入ると、どうもブログの内容が1年の総評みたいになってくるが、今日はマンガの話。
相変わらずヒマさえあればマンガを読んでいる。

しかし、今年は新たに出会って衝撃を受けたマンガがなかったかもしれない。
何年もずっと連載中のもので、今も続いていて、それが面白かったというものはいくつかある。
でも、昨年とあまり変わらないかも。

やっぱり「ジャイアント・キリング」笑。
Kenji氏に「なんでジャイアントキリングやねん」と突っ込まれた昨年を思い出す・・・。
彼は、私がキャンプに行くのとジャイアントキリングが好きなことがどうにも理解できないらしい。(私のキャラと結びつかない)
でもどっちも面白いんだから仕方がない。

もう少し詳しく言えば、私は文学の匂いのするマンガが好きだ。
ジャイアント・・・は、サッカーの話だけど、スポ根じゃないのだ。あんなにたくさんの登場人物の性格と心の動きを描き分けているマンガを私は他に知らない。本当にすごいと思う。
文学の匂いで言えば、「宇宙兄弟」もそうだ。あれは匂いを通り越して、文学だなぁと思う。

Kenji氏に「ジャイアント」つながりを指摘されたが、「ブルージャイアント」も引き続き読んでいる。
第一部は本当によかったんだけど、これは第二部(海外編)に入ってから、急に面白くなくなった。感情移入が全くできない。残念だ。

第3のジャイアントつながり、「進撃の巨人」にいたっては、もう意味がわからない。
一応読んでいるけど・・・。もういいかな、という感じ。(そういいながら昨日、新刊の24巻を読んだ)

逆にどんどん面白くなっているのが「キングダム」と「ワンピース」だ。
「キングダム」は本当に面白い~!大人買いしてよかった!これは持っておく価値がある。
「ワンピース」も何が面白いのかわからないという人もいるけど、今またどんどん面白くなってきているのがすごい。
東大生だって、作者の尾田栄一郎氏を天才だと評価している人も多いというが、私も同感。
尾田さんと同じ時代に生まれて、リアルタイムで「ワンピース」を読むことなく死んでいく人が気の毒にさえ思える。(←余計なお世話!)
でもこれだけ売れているのだから、やはり「大衆の心を掴むもの」というのは、何かがあるんだと思う。私の個人的な好みではなくて。

本当は井上雄彦氏の「リアル」や「バガボンド」の続きを心待ちにしているのだが、全く発売されないので寂しい。
このままだと「ガラスの仮面」化してしまうのではないかと心配だ。
どうか私が生きている間に最終回を迎えられますように・・・。

年末は久しぶりに「スラムダンク」を再読しようかな~・・・
最近、夫が太った私の二重あごに手をやって「タプタプタプタプ」と言うようになり、むかつきながらもそんな気分になった。笑
(安西先生~!わかる人だけわかればいい)