ブログを書く意味

カンボジアから帰ってきた。
こまかな旅の話は追々するとして、やはり旅はいいなと思わされたということだけを書いておきたい。

「１つ旅をすると、１つ物語が生まれる」
と、20代の頃にずっと言っていた。
それを久しぶりに思い出した感覚だった。

やはり、「その地に生きる人」と接することは大事だなと思う。
自分の生活とは全く違う価値観の中を生きている人たち。
そういう人と出会うと、物語が生まれる気がする。
そこにはきっとイマジネーションが働くからだ。

帰国して、すぐに仕事に追われる日常に戻ったけれど、胸の中の熱いものは消えない。

今日は、私が関わる日本酒の雑誌の新しいライターさんと一緒に精米所へ見学に行った。
辺鄙な場所にあるので、私が推薦したライターＡさんに車を出してもらった。
彼女と会うのはまだ５回目くらいだけど、会うたびに好きになる。

夫と同じ匂いがする。
何でもプラスに楽しくとらえられる人。
「わー、楽しいですね」とか「わー、おもしろそう」と何度も言う。
人に合わせるわけでなく、「私、こういうの好きなんですよね、楽しい～」とニコッと笑う。
特別美しいという人ではないけれど、その笑顔を見ると、心から「可愛い人だな」と思う。心がほろっと崩れる感じ。
そして、いろんな能力があるけれど、向上心があってとても努力する人。そこも夫と似ている。
私はこういう人に弱い。

終わったら早く帰って原稿書こうと思っていたが、「道の駅が近くにあるので、ランチしません？」とふわっと言われると、「あ、いいですね！」と答えている自分がいて。
いい意味で彼女のペース。
ランチの後、「高速代だけでも払わせてください」と言うと、「いくらかわからないので、じゃあ、ここのランチごちそうになっていいですか？」と聞いてくれる。
そんなスマートなやりとりも、ほーーーっとなって。
「いいです、いいです、そんなの！」みたいな人より、ずっとスマート。美しい。
こういうところも、彼女を信頼できる要素だ。

私はこの数年、なぜか新しく出会った人に「ふわっとした人」みたいに言われる。
「優しい」「穏やか」みたいなことを言われて、びっくりする。
本当にそういう人に見えているのか？
今日も「かおりさんは穏やかだから」と言われて、えーっ？と心の中で叫んだ。
だいぶん、猫を被ることが上手になったようだ。
それとも私も丸くなったということなのかな。そう思うと、嬉しいような、寂しいような。
とんがっている自分はいつも憎くて、だけどたぶん好きだったから。

いろんなことに対して、いろんな思いはある。
だけど、それを言葉にすることがなかなかできなくなった。
逆に、世界の人々が簡単に言葉にするようになったからかもしれない。
ツイッター、インスタグラム・・・
ポロっとこぼす言葉を発信し、シェアし合う。
言葉って、そんなものだったのかなと思う。
むしろ、「インスタ映え」写真を必死に撮ってアップしているほうが、見ていて安心する。
目的がはっきりしているから。

私はもう時代遅れの人間だからだろう。
大勢の人に言葉を発信する仕事を20年以上やってきて、「文字」にすることの重大さと恐ろしさを知ってきた。
だから、私は怖い。
情報を発信することも、情報をシェアすることも、鵜呑みにすることも怖い。

文字制限のないこんなブログでさえ、昔はいろんな人に誤解されたものだ。
それで慎重になった。
書いて書いて書いて、アップしなかった記事が一体どれだけあるか。
私の記事一覧は、今も「下書き」だらけだ。

昔はそれを平気でアップしていたけれど、今は書いて満足してアップしないことが増えた。
誰かに発信したいからではないからだろう。
ただ、書きたいだけだから。
でも、日記じゃダメなんだ。誰かに見てもらうという緊張感のようなものがないと、それはまた違う。
それで、最近は本気でアップするつもりで書いて、下書きにしてアップしないことが増えた。
アップするか悩むこともあるけれど。それくらいじゃないと、ここに書く意味もない。

今はSNSで情報を得られる時代。
100文字程度で情報を発信して、情報を受ける。
それでいいんだよな。合理的だ。経済効果も抜群。

20代、30代はむしろ、周りの友達よりは、いろんなものを取り入れるのが早かった。
パソコン、携帯電話、デジカメ、ブログ、スマホなど。自分のホームページも20代から持っていた。
でも、今はもう追いつけなくなった。
そんな見せる素敵な写真もないし、昔あった承認欲求もなくなった。笑

これが「老い」なのか・・・！
うん、まあでも、時代遅れの人間でいいかなとも思う。

7月、8月は例年ヒマだけど、今すでにいくつか案件が来ているので、そこそこ忙しくなりそうだ。
でも、合間に何か書ければいいな。

最近のこと。備忘録として

少し更新の間があいた。
できるだけ毎日書きたいと思いながらも、忙殺され、こんな想いは日常に埋没される。

5月26日が自分の誕生日で、その前後から仕事とプライベートの予定がぎゅうぎゅうに詰まっていた。
以下、自分の備忘録として。

25日は夫が貴船の川床へ連れて行ってくれて涼しい川の上で食事。そこから吉本の劇場へお笑いライブを観に行った。

26日は日本酒のイベント。私にとっても大事な方の一周忌で、日本酒好きの人たちが30人も集まり、彼を偲びながら、彼の愛した酒を酌み交わした。

27日は、祇園で働いていた時のスタッフの女の子の結婚パーティ。サプライズの仕掛け人の一人として、花束やケーキの選定と買い物などを担当し、皆を集めてお祝いした。大成功！

30日は、かどやが「誕生日祝いをしたいから来て」と言ってくれたので、かどやのバーへ。テルとようちんも合流して楽しく飲んだ。ありがたい。

１日は床床さんのお家へ夫と二人で遊びに行った。引っ越しされたのでそのお祝いも兼ねて。可愛い娘ちゃんとひたすら遊び、心から癒された。パティシエごっこ、空港ごっこ、人生ゲーム。広いお庭で串揚げパーティ。本当に楽しかった。

２日は実家へ。この物騒な時代に実家のインターホンが45年前から変わらない「ピンポーン」と押すだけのものだったのがずっと気になっていたので、「母の日」「父の日」に何もしない代わりにモニター付きのインターホンをプレゼント。
夫が取り付けてくれた。両親も大喜び。この10年ほどだけど、少しずつ恩返しができていて私も嬉しい。まだまだ返せていないけど。

３日～５日まで、ようやくまとまった時間ができたので、カンヅメで家から一歩も出ずに原稿と向き合う。
自分で読んで感動するくらい、いいものが書けた。やっぱりそう思える原稿でないと嘘だ。自分が感動できずに、誰が感動してくれるというのか。

６日は京都の酒蔵を取材。同じく日本酒雑誌を書いてもらうライター候補の女性も同行してくれた。（私が推薦した人）
とにかく日本酒好きで頭が良くて、何より向上心がある人。そこを買っている。
終了後、彼女とカメラマンと３人で飲みに行き、カメラマンは２軒目でダウンして帰ったが、彼女と３軒目へ。ゆっくり飲みながらいろんな話ができて楽しかった。トライアル原稿をクリアして、何とかしてメンバーになってほしい。

７日は朝から企業取材。酒の瓶やキャップを造っている会社。社長がいい人すぎて感動する。工場の取材大好き。
昼過ぎに大阪まで帰って来たので、ちょっと優雅に一人でランチして、カフェで16時まで原稿書き。
16時に移動して、日本ワインのイベントへ。クライアントの会社が出店していて、Ｉ山さんが担当していたので行ってみた。
美味しいワインを勧めてもらい、２時間くらい一人でガブガブ飲んで帰った。ワインはアルコール度数が低いから酔わない。

８日はいわさきっちとゆうちゃんと食事会。私のお誕生日祝いをしてくれた。家を出るギリギリまで仕事をしていたけど、予習が追い付かない。久しぶりに「松本酒場」へ行ったけど、相変わらず美味しかった。二人とも満足してくれて私もホッとした。
長岡天神にゆうちゃんと降り、まだ時間も早かったので、かどやのバーへ連れて行った。久しぶりにゆうちゃんと二人でゆっくりお酒を飲みながらしゃべって、懐かしい気持ちになった。この数年、ゆうちゃんは妊娠、子育て、妊娠、子育てが続いて、なかなか行けなかったけど、ようやく少しはこんな時間が持てるようになった。嬉しい。

９日は日曜日だけど、埼玉へ出張。この日は飲食店の取材だけで終わり。ホテルで原稿書き。全く仕事が追い付かない。

10日は酒蔵へ。６日とは別のライター候補の女性が同行。今回は面識がない人。若くて美人で自信満々の人だった。日本酒愛がハンパない。いいものを書いてくれたらと願うばかりだ。
彼女とはここで別れて、取材班で今度は岐阜へ移動。埼玉から岐阜って、なんでやねん・・・。
美味しいものが食べたくて、ホテルの近くの店を調べておいた。相変わらず自分の「美味しいものアンテナ」は性能がいい。営業のＥ本さんとカメラマンさんと３人で行った。料理がおいしく、飲みたい酒もあったので満足。

11日は岐阜の酒蔵を取材。古酒に力を入れている蔵で、新しい世界が開けた気がした。またその蔵元の女性社長が素敵な人で、大好きになってしまった。ゆったりとした時間の流れる蔵で、忙しい中でも癒された。
ようやく帰宅。12日、13日と連続で飲み会があるので、帰りの電車でその店選び。日本酒イベントで出会った陶芸の先生の個展があるので、13日はそれも行かないと。
原稿がこれで６本たまった。どんどん書いていかないとヤバイ。これからしばらく、原稿書きと飲み会の日々だ。

22日～26日まで夫と二人でカンボジアへ旅行の予定。今日、ビザも取得した。
死ぬまでに一度は見たいアンコールワット。絶対に予習していったほうが楽しめるので、これからカンボジアの情報も頭に入れていかないといけない。
やること多いけど、仕事ばかりじゃないし、毎日いろんなところへ行って、大好きな友達とたくさん会えて、一緒にお酒を飲めて、毎日毎日幸せをかみしめる。

３年前の誕生日は抗がん剤治療で痛みと闘っていた。
何事もなく、こんな元気で３年間過ごせたことに感謝。
48歳も楽しくハードに！熱い毎日を過ごそう。