ジャン・アレチボルトの冒険

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乃木坂の風 16Mar14 ~ AKB48の2013年度総選挙サイクル、高まる握手会依存と異変が起こった一般人気

2014-03-16 17:00:00 | 芸能
西川七海さん、オーディション合格以来、乃木坂46の一員として、一生懸命に頑張って下さって、お疲れさまでした。

西川さんには、今までの乃木坂にはないタイプの魅力があって、これからの活躍を楽しみにしていたのですが、将来へ向けて色々なことを考えて、勇気ある決断をされたのだと思います。

年齢的にも、どんどん新しいことを吸収出来る時期なので、違う分野でも、大きく飛躍されることを願っています。

個人的にとくに好きなメンバーだったので、残念な気持ちは強いけど、一度しかない自分の人生、乃木坂での活動を糧にして、また、新しい夢に向かって進んでいって下さい。

頑張ってね、これからも。


一昨日の金曜日、AKB48の35枚目「前しか向かねえ」の有線ランキングが発表され、発売2週目で21位に浮上したことが判明しました。

大島優子の卒業曲ということで、さすがに前作「鈴懸の木の道で(以下略)」の最高順位43位は越えてきました。

しかし、AKB48の曲としては、異例に立ち上がりの重たい状況が続いていて、前作で約2年半ぶりに途切れた、13作連続での最高順位6位以内という成績を、「前しか向かねえ」が、再び達成出来るかどうか、まだまだ先の見えない展開になっています。

もし今回も最高順位が、通常より低い水準で終わった場合、2作連続での有線ランキング不振となって、AKB48の一般人気低落は決定的と言わざるを得なくなります。

次の金曜日に明らかになる、発売3週目の有線ランキングが注目されます。


「前しか向かねえ」が発売2週を経過したことで、2013年度に発売されたシングルの「総選挙サイクル」に関して、データがほぼ出揃いました。

今日は、それらのデータを整理しながら、2013年度CDセールスを、2011年度、2012年度と比べ、AKB48に、今年度、何が起こったのか考えてみます。

AKB48のCDリリースは、その年の「総選挙」への投票券が付いたシングルを5月に発売することからスタートすると見ることが出来ます。

これを「A」シングルと名付けます。

6月上旬に開票イベントが行われ「総選挙」選抜メンバーが決定、彼女たちが担当するシングルが8月に発売されます。

これを「B」シングルと呼ぶことにすると、その後、10月、12月、翌年2月に「C」「D」「E」がそれぞれ発売され、再び、次年度の「A」シングルという流れになります。

つまり、AKB48は、「総選挙」イベントを軸に、ほぼ同じ時期に、ほぼ同じ意味合いを持つシングルを出していて、複数のCDリリースが一種の「サイクル」を形成しています。

以下の表は、この「総選挙サイクル」に従ってシングルを並べ、オリコン第1週の売り上げ枚数、いわゆる「初動」と、現時点での累計売り上げ枚数を示したものです。

表1 : AKB48の総選挙サイクル

凡例
総選挙サイクル記号 シングル番号 (発売日) : オリコン初動枚数 (現在の累計枚数) 「タイトル名」
# 売り上げ枚数は万枚単位で、小数点以下1桁目を四捨五入して表示

2011年度
A 21枚目 (2011/05/25) : 133 (161) 「Everyday、カチューシャ」
B 22枚目 (2011/08/24) : 135 (163) 「フライングゲット」
C 23枚目 (2011/10/26) : 130 (146) 「風は吹いている」
D 24枚目 (2011/12/07) : 120 (130) 「上からマリコ」
E 25枚目 (2012/02/15) : 129 (144) 「GIVE ME FIVE!」

2012年度
A 26枚目 (2012/05/23) : 162 (182) 「真夏のSound good! 」
B 27枚目 (2012/08/29) : 118 (132) 「ギンガムチェック」
C 28枚目 (2012/10/31) : 113 (126) 「UZA」
D 29枚目 (2012/12/05) : 107 (121) 「永遠プレッシャー」
E 30枚目 (2013/02/20) : 104 (113) 「So long!」

2013年度
A 31枚目 (2013/05/22) : 176 (196) 「さよならクロール」
B 32枚目 (2013/08/21) : 133 (152) 「恋するフォーチュンクッキー」
C 33枚目 (2013/10/30) : 120 (129) 「ハート・エレキ」
D 34枚目 (2013/12/11) : 103 (108) 「鈴懸の木の道で(以下略)」
E 35枚目 (2014/02/26) : 109 (112) 「前しか向かねえ」

「総選挙サイクル」は、単にシングル発売の時期が似ているというだけでなく、売り上げ枚数の推移にも一定のパターンを生み出しています。

2013年度が分かり易いですが、投票券が付いた「A」シングルを頂点として、「B」「C」「D」と進むにつれて売り上げ枚数が減っていき、「E」シングルでややセールスが戻るというパターンです。

2011年度は、「総選挙」イベントへの世間の関心がまだそれほど高くなかったためか、「A」シングルより「B」シングルの方が少し売り上げが良かったのですが、その後は、パターン通りに進んでいます。

ただ、売り上げ枚数が減ると言っても、常に120万枚以上は保持していて、CDセールスに「底堅さ」のようなものが見られます。

2012年度に入ると、「総選挙」イベントが大きな注目集めるようになり、それに伴って「A」シングルが突出したCDセールスを叩き出す一方、「B」シングルでは、50万枚以上の大幅な下落が起こり、その後も下がり続け、「E」シングルは初動が100万枚を少し越える程度にまで落ち込んでしまいます。

2013年度は、シングル毎に起こる売り上げの下落が、さらに明確になっています。

「総選挙」への関心から、「A」シングルで一気にCDセールスが伸びるのだけど、その後、AKB48への興味が急速に失われ、それと共に売り上げ枚数も、はっきりと下がっていくのかもしれません。

大きなお祭りがあると、その後、急速に人心が冷静になり、財布の紐が堅くなる現象は珍しくないと思います。

AKB48の「総選挙」サイクルでも、その心理変化が起こっていて、「祭りの後」効果によるCDセールスの落ち込みが発生している気がします。

しかし、2011年度は、そういった効果がありつつも、まだAKB48とその曲への関心が力強くて、CDセールスに「底堅さ」があり、安定的に売り上げを維持していたという印象を受けます。

それに対して、2013年度は、お祭り騒ぎで激しくテンションが上がるものの、熱の冷め方も急速で、もはや「底堅さ」や「安定的」といった言葉は使えなくなっています。

2013年度の特徴は、AKB48のCDセールスが「安定感」を決定的に失ったということだと思います。

じっくりとグループを応援してくれるファンが減って、面白くて刺激的なイベントがあれば参加するけど、それが終わったら興味を失ってしまうファンが増えている、そんな状況になりつつあるのかもしれません。


「総選挙サイクル」をさらに詳しく分析してみましょう。

次の表は、サウンドスキャン調べによる第1週売り上げ枚数と、そこから導き出した幾つかの数値を示しています。

表2 : AKB48の握手会人気

凡例
総選挙サイクル記号 : サウンドスキャン第1週枚数 [初動(SS/OC)比] 初動(OC-SS)差 (X万枚/日)「タイトル名」
# 枚数はすべて万枚単位、小数点以下1桁目を四捨五入して表示
# 初動(SS/OC)比はサウンドスキャン第1週をオリコン初動で割ったもの。パーセント表示で、小数点以下1桁目を四捨五入。25%以下は赤色
# 初動(OC-SS)差はオリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いたもの。個別握手会によるCD売り上げにほぼ等しいと考えられる
# Xは初動(OC-SS)差を個別握手会の日数で割ったもの。握手会日数は、31枚目まで3日で、32枚目、33枚目、34枚目が4日、35枚目が5日となっています

2011年度
A : 54万枚 [41%] 79万枚 (26万枚/日) 「Everyday、カチューシャ」
B : 49万枚 [36%] 86万枚 (29万枚/日) 「フライングゲット」
C : 38万枚 [29%] 92万枚 (31万枚/日) 「風は吹いている」
D : 22万枚 [19%] 97万枚 (32万枚/日)「上からマリコ」
E : 50万枚 [39%] 79万枚 (26万枚/日) 「GIVE ME FIVE!」

2012年度
A : 73万枚 [45%] 88万枚 (29万枚/日)「真夏のSound good! 」
B : 45万枚 [38%] 73万枚 (24万枚/日)「ギンガムチェック」
C : 40万枚 [35%] 73万枚 (24万枚/日)「UZA」
D : 26万枚 [25%] 81万枚 (27万枚/日)「永遠プレッシャー」
E : 33万枚 [32%] 71万枚 (24万枚/日)「So long!」

2013年度
A : 59万枚 [33%] 118万枚 (39万枚/日)「さよならクロール」
B : 44万枚 [33%] 89万枚 (22万枚/日)「恋するフォーチュンクッキー」
C : 31万枚 [25%] 90万枚 (22万枚/日)「ハート・エレキ」
D : 20万枚 [20%] 83万枚 (21万枚/日)「鈴懸の木の道で(以下略)」
E : 24万枚 [22%] 86万枚 (17万枚/日) 「前しか向かねえ」

「総選挙サイクル」を示すアルファベットのすぐ右横が、サウンドスキャン第1週の売り上げ枚数です。

サウンドスキャンは、初回限定盤など、店頭で買えるCDの売り上げ枚数をタイプごとに集計していて、上表の数字は、すべてのタイプを合計したものです。

つまり、一般流通CDの発売第1週における売り上げ総数で、特定サイトを通してしか買えない個別握手会によるCD売り上げはカウントされていない数字です。

実は、表1で指摘した「総選挙サイクル」に伴うCDセールスの推移パターンは、一般流通CDでも確認することが出来ます。

2011年度では、「A」シングルを頂点として、「B」「C」「D」と進むにつれ売り上げが落ちて行き、「E」シングルで大幅に回復しています。

「D」シングルである「上からマリコ」の売り上げが宜しくなかったためだと思いますが、「E」の「GIVE ME FIVE!」は、全国握手会への参加券を、初回限定盤に「ランダム封入」なんてことをしていて(笑)、その効果によって一気に売り上げが回復したのだと思います。

ただ、ここまで売り上げがV字回復するのはお見事で、当時は、AKB48への憧れのようなものが、まだまだ強かったのかもしれません。

2013年度も、「E」シングルである「前しか向かねえ」には、「大島優子感謝祭」という卒業関連イベントへの「応募抽選券」が付いていますが、2011年度の「E」シングルで起こったような、鮮やかなセールス好転は見られませんでした。

一方、2012年度でも、「E」シングルでの反発は起こっていて、初回限定盤や通常盤に、特に強力な特典サービスは見当たりません。

あるいは、「E」の発売される時期が「別れ」の季節であるため、社会全体で音楽への関心が高まっていて、その分、CDセールスが基本的に好調になるといったことがあるのかもしれません。


さて、表2において、[ ]内は初動(SS/OC)比を表しています。

初動(SS/OC)比は、サウンドスキャン第1週の数字を、オリコンの初動で割ったもので、一般流通CDの売り上げ枚数の、すべてのCD売り上げ枚数に占める割合を示すものです。

一般流通CDのセールス以外は、個別握手会によるCDセールスなので、この(SS/OC)比が低ければ低いほど、CDセールスの握手会依存度が高いことになります。

「総選挙サイクル」でサウンドスキャンの数字が落ち込んで行くので、初動(SS/OC)比も、「B」から「C」、「C」から「D」へと下落して、「E」でやや戻すというパターンが見られます。

しかし、2011年度と2012年度では、1回だけ低い数値が出ることがあっても、概ね、30%から40%のレベルを維持していましたが、2013年度では、33%が最高で、「C」「D」「E」と3作連続で25%以下となってしまいました。

つまり、AKB48のCDセールスが、今年後半から、決定的に握手会依存となっている現状が露になっています。

そして、別の角度から見ると、一般人気の低迷が強く疑われる状況になってきたということです。


では、肝心の握手会人気はどうなっているのでしょう。

表2オレンジ色の数字は「初動(OC-SS)差」です。

オリコン初動からサウンドスキャン第1週を引いたのもので、個別握手会によるCD売り上げ枚数を表していると考えていい数字です。

2011年度は、80万枚から100万枚のレベルで推移していたのが、2012年度に入ると、70万枚から90万枚へと下がっていて、握手会人気に陰りが出て来たことが窺えます。

そして、2013年度ですが、総選挙投票券を劇場盤にも入れた「A」シングルは除くとしても、80万枚から90万枚という売り上げを出していて、握手会人気がやや回復したように見えます。

ところが、ここに一つ「からくり」があります、握手会の日数が変わったんですね、2013年度で。

2013年度の「A」シングルまで、個別握手会の日数は3日でしたが、「B」の「恋するフォーチュンクッキー」で4日となり、「C」「D」と4日が続き、「E」である「前しか向かねえ」では遂に5日に引き上げられました。

表2の( )内に「万枚/日」で示した数字は、個別握手会での売り上げ枚数を握手会の日数で割ったもので、握手会1日当たり、どれだけの枚数CDが売れたかを表しています。

2011年度では、30万枚/日を越えることもあった握手会人気が、2012年度に入ると、20万半ばから後半の数字が並ぶようになります。

そして、2013年度では、総選挙効果の入った「A」シングルを除くと、20万枚を少し越える程度になり、「前しか向かねえ」では、遂に20万枚を割り込んでしまいました。

「ハート・エレキ」以降、3作連続で初動(SS/OC)比が25%以下を記録して、CDセールスの握手会依存が高まっている一方、頼みの綱である握手会人気は、個別1日当たりの売り上げ枚数がここ数年の最低水準となり、極めて厳しい状況になっています。

例えば、もし「前しか向かねえ」の個別握手会を2012年度までと同じ3日に設定したら、1日17万枚なので、握手会によるCDセールスは51万枚となり、一般流通CDの24万枚を加えて、75万枚がオリコンの初動ということになります。

つまり、ミリオンを割り込む可能性があるということです。

AKB48の個別握手会は、「支店」メンバーも参加する、大変に大掛かりなイベントで、交通費、宿泊費、会場代、人件費などを考えると、総日数を1日増やすというのは、メンバーの負担だけでなく、経済的にも、とんでもない重荷となっている筈です。

また、「支店」メンバーは、宿泊日を入れると、年間で1ヶ月以上は、AKB48のための握手会に時間を割くことを強いられ、その間、自分たちの仕事を放棄しなければならず、その分の損失も、かなりの額に上るでしょう。

それにも関わらず、今年1年で2日も個別握手会を増やしたのは、「前しか向かねえ」の17万枚/日に表れているように、AKB48の握手会人気が急速に落ちていて、日数を増やして、開催する日程や地域を多様化しないと、ファンが集まらず、連続ミリオンを維持出来ないからだと思います。

ここまで負担が大きくなると連続ミリオンを諦めて、グループ全体の収支を上げることを考えた方がいいのですが、どういう積もりなのか、AKB48の運営は、無理に無理を重ねても、オリコンの数字を維持したいようです。

ところで、握手会による売り上げ枚数には、「A」から「D」まで下がって「E」で少し戻すという、総選挙サイクルに伴う特徴的な推移パターンが見られないので、結局、オリコンの数字に表れている推移パターンは、一般流通CDのセールスの変化が基調になって起こっていることが分かります。

まあ、考えてみれば、個々のメンバーと直接会って話をする握手会の人気は、総選挙云々の影響はあまり受けない筈で、それに比べると、一般流通CDの売り上げは、「祭りの後」効果といった、人々の気分に左右されやすいのかもしれません。


初動(SS/OC)比が、「ハート・エレキ」以降、3作連続で低い数値を出し続けていることは、一般人気の低迷を示唆していますが、実際、有線ランキングの成績に、そのことが表れています。

表3 : AKB48の有線ランキング

凡例
総選挙サイクル記号 : 有線ランクイン回数 [最高順位] 「曲名」
# 「回*(位)」は現在もランクインしていることを示し、( )内が最新順位です

2011年度
A : 14回 [1位] 「Everyday、カチューシャ」
B : 12回 [1位] 「フライングゲット」
C : 7回 [4位] 「風は吹いている」
D : 12回 [2位] 「上からマリコ」
E : 12回 [3位] 「GIVE ME FIVE!」

2012年度
A : 16回 [6位] 「真夏のSound good!」
B : 14回 [2位] 「ギンガムチェック」
C : 11回 [3位] 「UZA」
D : 13回 [4位] 「永遠プレッシャー」
E : 13回 [4位] 「So long!」

2013年度
A : 13回 [5位] 「さよならクロール」
B : 30回*(66位) [2位] 「恋するフォーチュンクッキー」
C : 9回 [3位] 「ハート・エレキ」
D : 10回 [43位] 「鈴懸の木の道で(以下略)」
E : 4回*(21位) [21位] 「前しか向かねえ」

AKB48の有線ランキングは、2011年度、2012年度、そして2013年度の「A」シングル表題曲まで、ほとんどの場合、12回から14回ほどランクインして、最高順位が必ず6位以内に入ってきました。

そして、2013年度「B」シングルの「恋するフォーチュンクッキー」は、8月発売から現在まで30回ランクイン、AKB48の曲としては、異例のロングヒットとなりました。

次の「ハート・エレキ」 は、最高順位は3位を記録したものの、ランクインは9回で、やや短いかなという印象でした。

ただ、2011年度「C」シングルの「風は吹いている」は7回しかランクインしていないので、「ハート・エレキ」だけであれば、とくに「異変」とは言えなかったのですが、次の「鈴懸の木の道で(以下略)」で決定的なことが起こります。

表を眺めれば一目瞭然ですが、最高順位が43位というのは、AKB48としては、衝撃的な成績と言わざるを得ません。

表2で示したように、初動(SS/OC)比が「ハート・エレキ」以降、低い水準となり、一般人気の低落が疑われる数字が出ている中で、有線ランキングが「歴史的」低落を見せたわけで、AKB48に、2013年後半、大きな「異変」が起こりつつあることが明確になってきました。

そして、「前しか向かねえ」は、大島優子の卒業曲であるにも関わらず、ランクイン4回、発売2週目にして、まだ6位以内に入っておらず、17万枚/日という低い水準になった個別握手会での売り上げと併せて、 一般人気、握手会人気ともに、AKB48を取り巻く環境が厳しい局面を迎えつつあることが浮き彫りになっています。

連続ミリオンを維持するために、無理に無理を重ねるやり方を改めて、本格的な方針転換を図らないと、AKB48の未来は、ますます見えにくくなって、不透明になっていくでしょう。


最後に、乃木坂の数字を見てみます。

表4 : 乃木坂46の握手会人気

凡例
シングル番号 (発売日)「タイトル」
サウンドスキャン第1週枚数 [初動(SS/OC)比] 初動(OC-SS)差 (X万枚/日, Y万枚/百部, 総部数)
# Xは初動(OC-SS)差を握手会日数で割ったもの
# Yは初動(OC-SS)差を設定総部数で割って100部を掛けたもので、100部あたりのCD売り上げ枚数を表す
# 枚数は万枚単位、小数点以下2桁目を四捨五入して表示

1枚目 (2012/02/22)「ぐるぐるカーテン」
8.0万枚 [59%] 5.6万枚 (1.9万枚/日, 1.9万枚/百部, 300部)

2枚目 (2012/05/02)「おいでシャンプー」
7.1万枚 [45%] 8.5万枚 (4.3万枚/日, 2.8万枚/百部, 300部)

3枚目 (2012/08/22)「走れ!Bicycle」
5.9万枚 [31%] 12.8万枚 (3.2万枚/日, 3.9万枚/百部, 330部)

4枚目 (2012/12/19)「制服のマネキン」
6.1万枚 [26%] 17.2万枚 (3.4万枚/日, 4.0万枚/百部, 430部)

5枚目 (2013/03/13)「君の名は希望」
6.9万枚 [28%] 17.3万枚 (3.5万枚/日, 3.8万枚/百部, 450部)

6枚目 (2013/07/03)「ガールズルール」
9.4万枚 [28%] 24.3万枚 (4.1万枚/日, 3.9万枚/百部, 630部)

7枚目 (2013/11/27)「バレッタ」
8.3万枚 [21%] 31.2万枚 (5.2万枚/日, 4.7万枚/百部, 664部)

乃木坂の場合、個別握手会の総部数は割と簡単に分かるので、「万枚/日」に加えて「万枚/百部」を載せてあります。

「おいでシャンプー」は、個別握手会は2日だったのですが、ミニ握手会が充実していて、そこでかなり部数を稼いでいます。

そのため、「万枚/日」の数字が突出して高くなっていて、このシングルに関しては、「万枚/百部」の方に注目して頂ければと思います。

乃木坂の大きな特徴は、3枚目「走れ!Bicycle」から6枚目「ガールズルール」まで、総部数が増えているのに、100部あたりの売り上げ枚数が安定していることです。

またその間、握手会1日あたりの売り上げ枚数はじりじり増えていて、お金の掛かる握手会イベントで、CDセールスがより効率的になってきていることが分かります。

おそらく、乃木坂というグループやメンバーをじっくり応援してくれるコアファンが多数存在していて、しかもシングル毎に少しずつ人数が増えているのだと思います。


しかし、7枚目「バレッタ」で、気になる「異変」が起こっています。

それまで安定して4万枚ほどを維持していた百部あたりの売り上げ枚数が、急激に上がっています。

コアファンの数がそんなに急に上昇する筈はないので、これは、既存のファンが、無理をした可能性が高いということです。

乃木坂の運営が握手会主義でファンを煽ったことが原因だと思いますが、一方で、4枚目「制服のマネキン」以来、右肩上がりで伸びていたサウンドスキャンの数字が、前作割れを起こしてしまいます。

そして、初動(SS/OC)比も、3枚目「走れ!Bicycle」から6枚目「ガールズルール」まで維持していた25%を越える数値から、21%という低い水準に急落します。

オリコンの数字をさらに伸ばすため、乃木坂運営は「バレッタ」でファンに発破をかけて、その結果、握手会はより盛況になったのだけど、セールス構造が内向きになってしまって、サウンドスキャンの数字が落ち、(SS/OC)比が下がり、一般人気の低迷が強く疑われるレベルに入ってしまった。

そして、有線ランキングを見ると、一般人気の低迷を反映する数字が並んでいます。

表5 : 乃木坂46の有線ランキング

凡例
シングル番号 (発売日) 有線ランクイン回数 [最高順位] 「タイトル名」

1枚目 (2012/02/22) : 7回 [54位] 「ぐるぐるカーテン」
2枚目 (2012/05/02) : 8回 [44位] 「おいでシャンプー」
3枚目 (2012/08/22) : 7回 [69位] 「走れ!Bicycle」
4枚目 (2012/12/19) : 7回 [66位] 「制服のマネキン」
5枚目 (2013/03/13) : 3回 [112位] 「君の名は希望」
6枚目 (2013/07/03) : 4回 [96位] 「ガールズルール」
7枚目 (2013/11/27) : 0回 [圏外] 「バレッタ」

ブログで何度も指摘しましたが、「バレッタ」は、一度もランクインせず、「完全圏外」となってしまいました。

ただ、ここまで乃木坂の一般人気が落ちてしまったのは、5枚目「君の名は希望」以来、表題曲のCMタイアップを止めるなど、運営が握手会ばかりにのめり込んで、一般層を意識したプロモーションを行ってこなかったことが一番大きいと思います。

実際、「君の名は希望」と「ガールズルール」は、ランクイン回数が4枚目までの半分に減り、最高順位も100位あたりで、AKBグループと比べても、異常に芳しくない成績となっています。

「バレッタ」で運営が行った「煽り」は、「君の名は希望」以来、低迷を続けてきた乃木坂の一般人気に、とどめを刺した感があります。

そして、一般人気の低迷を放置しておくと、コアファンのリクルートが弱くなり、やがて握手会人気も落ち始め、今、AKB48が直面しているのと同じ状況に、乃木坂も置かれるでしょう。

乃木坂も、オリコンの数字を追いかけるのは程々にして、一般層へアピールする方針に転換しないと、シングル毎に厳しい数字が並ぶようになると思います。


AKB48と異なり、乃木坂46は、握手会人気に関しては、まだ「底堅い」ものを持っています。

例えば、「バレッタ」では、個別1日で5万枚程度CDを売っていますが、もし、乃木坂がAKB48の握手会に参加して、「前しか向かねえ」の17万枚/日に、この数字が上乗せされるとなると22万枚/日となり、5日間行えば、握手会だけで110万枚を売り上げることが出来ます。

もちろん、乃木坂ファンが、AKB48のCDをどこまで買うかは分かりませんが、乃木坂が大握手会に参加すれば、強力な戦力となることは間違いないでしょう。

AKB48のシングルに乃木坂の曲を入れたり、「組閣」でメンバーを交換して、AKB48へのシンパシーを乃木坂ファンに持ってもらえば、乃木坂は、AKB48のCDセースルを支える要になる可能性がある。

AKB48の運営がそう考えても、不思議ではない。

従って、「交換留学」で始まった乃木坂46の「支店」化は、今後も加速していくと考える方が自然です。

それは乃木坂46にとっても、AKB48にとっても、最悪の選択肢だと思いますが、厳しい状況に直面したとき、組織というのは、得てして、自分たちにとって不利な方向に、勢いよく突入していくことが多い。

AKB48の運営は、もはや意味を失っている連続ミリオン記録の更新を止め、握手会など、メンバーの特典サービス負担を減らし、アイドルとしての価値そのものを高める方向に舵を切るべきだと思います。

しかし、今回の「組閣」を見ても、乃木坂や「支店」に、グループの人気にとって致命的となる「独自性の放棄」を強制してでも、オリコンの数字を維持したいようで、このままでは全員共倒れの危険があります。

ミリオンさえ諦めれば、打つ手はいくらでもある筈ですが、どうしても諦められないところに、問題の根本があるのでしょう。

ソニー本社にしても、もっと早い段階で軌道修正を図っていれば、ここまで赤字が膨らむことはなかったと思いますが、おそらく優秀な人材が集まっている組織である筈なのに、それが出来なかったわけで、切ない社会の摂理としか言いようがないですね。

究極的に残念なお知らせです(笑)。


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// 星野みなみの溢れる魅力

7月18日14:18 星野みなみ

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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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