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乃木坂の風 20Mar14 ~「気づいたら片想い」個別第6次後の分析、総部数増加、商品過剰供給、そして「組閣」

2014-03-20 18:15:00 | 芸能
昨日、19日水曜日から今日に掛けて、8枚目「気づいたら片想い」個別握手会の第7次応募が行われ、それに伴って第6次受付終了後の完売状況が明らかになりました。

オリコン初動がどれくらいの枚数になるのか、完売表から考えてみます。

まず、第6次後の時点で完売を一つ以上出しているメンバーを見てみましょう。

表1 : 8枚目「気づいたら片想い」第6次後の完売部数順にメンバーを並べた表

凡例
完売部数 メンバー名 (/担当部数, 8th5次後からの完売部数の積み上げ)

30部 白石麻衣 (/30, +4)、秋元真夏 (/30, 0)、西野七瀬 (/30, 0)
28部 橋本奈々未 (/30, +8)
26部 松村沙友理 (/30, +8)
25部 桜井玲香 (/30, +8)
20部 深川麻衣 (/30, +2)
19部 衛藤美彩 (/28, +4)
17部 若月佑美 (/30, +6)
14部 生田絵梨花 (/25, +4)
7部 永島聖羅 (/16, +2)
5部 高山一実 (/30, +1)
3部 北野日奈子 (/18, +1)
2部 中元日芽香 (/16, +1)
1部 堀未央奈 (/28, 0)、井上小百合(/26, +1)、中田花奈 (/26, 0)、伊藤万理華 (/21, 0)、樋口日奈 (/10, +1)、和田まあや (/7, 0)、山崎怜奈 (/10, +1)

第5次後と比べると、完売部数の積み上げは、全員併せて52部でした。

白石麻衣が全完売を達成、橋本奈々未、松村沙友理、桜井玲香も大きく積み上げて全完売に近づいています。

また、深川麻衣、衛藤美彩、若月佑美、生田絵梨花は安定した人気で、着実に完売部数を増やしています。

さらに、8枚目個別で好調さが目立つのが永島聖羅で、前作を上回るペースで売り上げを伸ばしていて、テレビ、ラジオを通したバラエティ面での活躍が、握手会人気の上昇に結びつき始めている印象を受けます。


このように、個々のメンバーで強さを見せている人はいるのだけど、全体としてどうかと言うと、前作「バレッタ」個別に比べると、低調という感じは否めません。

西川七海が卒業するので、設定総部数を6部減の754部とすると、その内、完売は263部、1期の完売率が42%、2期が4%、全体完売率は35%となっています。

7枚目「バレッタ」個別第6次終了後の状況は、664部中319部完売、1期完売率55%、2期12%、全体完売率48%だったので、やはり前作と比べると、売り上げに勢いが乏しい。

さらに、シミュレーション計算で売り上げ枚数を求めると、「バレッタ」第6次後より4万枚ほど少ない結果が出てきて、枚数でも前作のペースを下回っている可能性が高いようです。

しかし、オリコン第1週への算入は、「バレッタ」が第5次応募分までだったのに対して、「気づいたら片想い」個別では、第6次と第7次応募分は、4月2日(水)までに発送すると公式サイトに明記されているので、初動集計締め切り日である4月6日(日)までには、少なくとも第7次分まで流し込める筈です。

以下の表で、スケジュールを確認してみましょう

表3 : 7枚目と8枚目の各応募受付における、前次からの積み上げ完売部数と受付時期

凡例
[個別握手会の応募受付次数] その応募での積み上げ完売部数* (受付時期**、受付最終日から初動集計締め切り日までの日数***)
* 積み上げ完売部数が赤色の数字で示されているものは、その全部がオリコン初動に算入された、あるいは算入される予定であること、ピンク色の数字は、その一部が算入された、あるいは算入される可能性が高いことを示す
**オレンジ色は予想日程
***「-60d」は、集計締め切り日の60日前という意味

7枚目「バレッタ」
初動集計締め切り 2013年12月1日(日)

[1次] 0 (2013/10/08~10/09, -53d)
[2次] +49 (2013/10/16~10/18, -44d)
[3次] +84 (2013/10/25~10/28, -34d)
[4次] +75 (2013/11/06~11/08, -23d)
[5次] +64 (2013/11/15~11/18, -13d)
[6次] +47 (2013/11/26~11/28, -3d)
[7次] +19 (2013/12/05~12/06, +5d)
[8次] +20 (2013/12/13~12/16, +15d)
[9次] +40 (2013/12/25~12/26, +25d)

8枚目「気づいたら片想い」
初動集計締め切り 2014年4月6日(日)

[1次] 0 (2014/02/04~02/05, -60d)
[2次] +35 (2014/02/12~02/13, -52d)
[3次] +47 (2014/02/19~02/20, -45d)
[4次] +62 (2014/02/26~02/27, -38d)
[5次] +67 (2014/03/05~03/06, -31d)
[6次] +52 (2014/03/12~03/13, -24d)
[7次] +?? (2014/03/19~03/20, -17d)
[8次] +?? (2014/03/27~03/28, -9d)
[9次] +?? (2014/04/02~04/03, -3d)

「気づいたら片想い」のオリコン初動集計締め切り日は4月6日(日)で、第8次応募分は、発売日である4月2日(水)より順次発送ということなので、積み上げ完売部数を赤字で示した第6次と第7次は確実に、加えて、ピンク色である第8次の一部まで算入される可能性があります。

一方、「バレッタ」の場合、2013年12月1日(日)の集計締め切り日までに、オリコン初動に流し込めたのは第5次応募分までで、しかも、オリコンデイリーの動きを見ると、第5次分をすべて流し込めたわけでなく、1万枚ほど遅れてしまい、第1週に間に合わなかった可能性があります。

つまり、「バレッタ」個別握手会の売り上げで、初動に算入されたのは、第5次終了後までの売り上げ枚数から1万枚を引いた枚数ということになります。

そして、シミュレーションしてみると、「気づいたら片想い」第6次後は、「バレッタ」第5次後より、売り上げが1万枚ほど低いという計算が出てきます。

従って、「気づいたら片想い」個別第6次後の売り上げ枚数は、「バレッタ」個別で、初動に算入された分に、ほぼ並んだということです。

もし初回限定盤の第1週売り上げが、前作と同じ8万3千枚であれば、オリコン初動が、前作と同じ39万5千枚となるレベルまでは、個別握手会で枚数を稼いだと見ていいかもしれません。

「気づいたら片想い」個別は、完売率が低く非完売部の数が多いため、シミュレーション計算の誤差が大きい可能性があって、前作と並んだ並ばないといった微妙な状況だと、やや自信が持てない部分があるのですが、「気づいたら片想い」個別の売り上げは、「バレッタ」個別の初動算入分と同じ水準まで上がってきているという結果が、取り敢えず出ています(笑)。


「気づいたら片想い」個別は、「バレッタ」ほどの勢いはないけど、オリコン初動の集計締め切り日までの応募回数を増やすことで、何とか前作を越えることは出来そうだと思います。

第7次応募分は、すべてオリコン初動に算入される予定で、いくら悪くても3万枚ほどの上積みは見込めるので、個別握手分としては、前作を3万枚以上は上回る枚数になると予想されます。

しかし、それは長期販売で累計を伸ばすのと同じく、締め切り日までの応募回数増というテクニックを使って初動を伸ばしているだけで、「前作越え」を達成しても、あまり意味のある話ではありません。

むしろ、握手会人気に陰りが出てきたことの方が、乃木坂にとってより重要な問題と言えます。

これまで鉄壁だった乃木坂の握手会人気が、なぜ8枚目で勢いを失っているのでしょう。

次の表は、「バレッタ」第6次後と比べて、売り上げ枚数を伸ばしているメンバーを、その伸びの大きさ順に並べたものです。

表2 : 8枚目「気づいたら片想い」第6次後の推定売り上げ枚数から7枚目「バレッタ」第6次後のそれを引いた「伸び枚数」による順位表
伸び枚数がマイナスでない上位14人のメンバーだけを示しています。

凡例
[順位] メンバー名 (7th6次後と比べた完売部数の伸び)

[1] 衛藤美彩 (+6)
[2] 深川麻衣 (+6)
[3] 桜井玲香 (+2)
[4] 永島聖羅 (+2)
[5] 和田まあや (+1)
[6] 松村沙友理 (+1)
[7] 市來玲奈 (0)
[8] 山崎怜奈 (0)
[9] 川村真洋 (0)、米徳京花 (0)
[11] 北野日奈子 (0)
[12] 西野七瀬 (0)、秋元真夏 (0)、白石麻衣 (0)

この中で、完売がまだ出ていなくて、担当部数の増加のみによって推定「伸び枚数」がプラスと判断されているメンバーの場合は、シミュレーション計算の誤差が大きい可能性があります。

そのため、前作同次と比べて、ほぼ確実に売り上げを伸ばしたと言えるのは、上位6人と北野日奈子と山崎怜奈の8人だけです。

そして、表に載っている14人の「伸び枚数」の合計は9千枚、一方、それ以外の28人、売り上げを減らしている可能性がある、あるいは、ほぼ確実に減らしているメンバー全員を併せた減少幅は4万9千枚と推定されます。


確かに、良くないです。

まず大きな理由としては、「総部数の急激な増加」が考えられます。

乃木坂の歴代シングルを振り返ると、個別の総部数がもっとも増やされたのが6枚目「ガールズルール」で、5枚目「君の名は希望」から180部も多く設定されました。

しかし、この時は、握手会日数も5日から6日に増やされて、日程や会場の多様性によって、ファンがアクセスしやすくなったというプラス面がありました。

一方、8枚目「気づいたら片想い」は、7枚目「バレッタ」と比べて84部多く設定されましたが、握手会日数は据え置かれています。

握手会日数を増やさないままでの総部数増加としては、過去最大の上げ幅となっていて、次に多い、6枚目「ガールズルール」から7枚目「バレッタ」での40部増加の2倍以上に達しています。

もちろん、握手会人気が順調に伸びていれば、個々人の担当部数を増やしても、売り上げは問題なく伸びていく筈ですが、今回は、部数の増加に、メンバーの握手会人気が追いついていないようです。

もし、完売率が大きく下がるのであれば、むしろ担当部数は増やさない方が良いんですね。

コンビニやスーパーで品薄感のある商品は、「売れている人気商品」と受け取られて、売れ行きが加速するのはよくあることですが、逆に、ゼロがずらっと並んだ完売表は、それ自体がファンの購買意欲を低下させる効果があるので、担当部数の増加は慎重を期す必要がある。

乃木坂の運営は、握手会主義でファンを「煽り」立てて実現した、「バレッタ」個別の勢いに幻惑されて、各メンバーの担当部数設定をかなり誤った可能性があると思います。

星野みなみなんか、10部から、いきなり17部ですから、そりゃ大変です(笑)。

実は、AKB48の大握手会は、ファンの利便性を高めるために、握手会の日数を増やして、開催地域も多様化させ、一方で、総部数は減少させているようです。

もう担当部数を増やしても、売り上げ枚数は伸びないということで、AKB48グループの握手会人気が深刻な状況に入っていることを示しています。


「総部数の急激な増加」に加えて、「商品の過剰供給」が、握手会人気に影響を与えている可能性があります。

DVD「1ST YEAR BIRTHDAY LIVE MAKUHARI MESSE」が2月5日(水)発売、写真集「季刊 乃木坂vol.1早春」が3月5日(水)、DVD「NOGIBINGO!」が3月7日(金)、ムック本「乃木坂と、まなぶ」が3月18日(火)。

この1ヶ月半ほどの間に、矢継ぎ早に乃木坂関連の商品が発売されています。

シングルCDを売り出す時期に、なぜ他の商品発売をここまで重ねてくるのか、ちょっと理解に苦しみますが、ファンの財布は一つなので、個別の売り上げに影響を与えると見るのが自然です。

CDデビュー1周年記念DVDなんて、もっと早い時期に出せたと思うんですが、どういうことなんでしょう(笑)。


さて、もう一つ指摘しなければならないのは、「組閣」の影響です。

生駒里奈は、第6次でも完売が出ず、「組閣」の影響を受けていると言わざるをない状況になってきました。

前作「バレッタ」からの売り上げ減少は、メンバー中でもっとも下げ幅が大きく、次に良くないメンバーと比べても、2倍以上の減少幅となっていて、突出して成績が良くない。

また、生駒里奈の握手会人気は、前作では、担当部数が同じ高山一実と似た完売部数の推移を見せることが多く、例えば、「バレッタ」第6次後の完売部数は、高山一実10部に対して、生駒里奈13部でした。

「気づいたら片想い」第6次後、高山一実の完売部数は5部で、「総部数の急激な増加」や「商品の過剰供給」という「逆風」のためだと思いますが、前作よりは芳しくない数字となっています。

しかし、それだけであれば、生駒里奈にも5部ほどの完売が出ておかしくないのですが、8th選抜で久しぶりに「フロント入り」したにも関わらず、未だに完売が出ていません。

これはもう「組閣」の影響が出てしまっているとしか考えられません。

AKB48グループの「組閣」に乃木坂46が巻き込まれてしまったことへの乃木坂ファンの複雑な心境が、渦中の人である生駒里奈の個別伸び悩みという形になって表れているのかもしれません。


実は、「組閣」への反対論、乃木坂ファンだけではないようです。

SKE48の14枚目「未来とは?」が、昨日19日(水)に発売され、初日の売り上げ枚数が出てきましたが、初動前作割れの危険がある厳しい数字となっています。

また、来週26日(水)には、NMB48が9枚目「高嶺の林檎」を発売しますが、こちらもCDセールスは楽観出来ない状況です。

SKE48とNMB48は、AKB48の握手会負担が大きい上に、「組閣」で重要メンバーを持って行かれ、メンバーの卒業が相次ぎ、それに伴って、コアファンが減少しつつある可能性が高い。

今回の大規模な「組閣」は、そういった良くない流れを決定的にしてしまった感があって、ネット上の声を読んでいても、「支店」のファンで「組閣」に反対している人は多いようです。

乃木坂の場合、CDセールスへの影響は、生駒里奈の売り上げ減少以外は、まだ何とも言えませんが、AKB48グループ全体がファンを失い、本格的な人気低迷が始まりつつある中、「兼任」の具体化、「総選挙」や「大握手会」への参加など、「48」化が進む度に、乃木坂も影響を受けざるを得ないでしょう。

48グループのファンの中でさえ、「組閣」反対論が渦巻いているときに、「交換留学」を強行することは、乃木坂46と生駒里奈にとって、危険な行為だと思います。

乃木坂がこれまで通り「独自性」を保持しながら、既存のファンを大切にして活動を続ければ、2014年というアイドル業界の大転換期を、乗り切ることが可能じゃないでしょうか。

メンバーの卒業がほとんどなく、ファンの離脱もまだ少ない乃木坂46、今は、内部の結束を固めるべき時で、軽々に動かない方が良いと思います。


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています


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