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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

安倍談話の意義はあったか?

2015年08月22日 | 政治家 政治屋?
左の絵は十字架を背負うネット画像から (キリストとローマ兵、民衆と想像する)。
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安倍首相による戦後70年談話 (14日発表) ですが、発表前から内外で注目されていました。 首相にとっても 相当精神的な圧迫があったらしく、(10日?) 官邸内で嘔吐したらしいですね。 

同じ敗戦国であるドイツが、こうした談話を 50年・60年・70年の節目毎に発表したという報道は聞きませんね。 また 周辺国から圧力があるとも聞きません。 なぜなのでしょうか? 逆に考えると、なぜ日本はこうした談話を発表するのか、また周辺国はなぜ内容に注文を付けるのか、対比してよくよく考えてみるべきことかも知れません。 もっとも 日本のこの場合の周辺国というのは “2国だけ” なんですが__

私はこう推測します、日本の首相が節目毎に「侵略」「謝罪」を談話で発表することは、周辺国にとって日本との外交上 “有利な立場に立てる” からだ、と。 先の戦争による物理的な被害や心の傷はもう殆ど修復・賠償されているのですが、日本の首脳が反省の弁を垂れることを要求し続ける方が日本に対し圧力として使えるし、様々な交渉上で優位な位置を占められ、”このオイシイカードは永遠に手放したくない” と周辺国は考えているのです。 

もう1つ、国内の不満を日本に転嫁して、不満が政府に向かわないようにすることです (これは戦前のナチス・ドイツがユダヤ人をスケープゴートに使ったことで有名ですね)。 周辺国の1国は民主国家ではありますが、その民主主義はまだ発展途上段階ですから マスコミが表立って反政府的な表現をせず (政府からにらまれたくない?)、もう1国は民主国家ではなく共産国家です。 両国とも民衆の不満のはけ口として日本を利用しているのです。 この2つが本音でしょう。 まず発表前の記事からは__
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「70年談話報告書 韓国紙、批判強める 併合過程触れず」(8月8日 毎日新聞/ソウル)
「安倍首相が14日に発表 そもそも “戦後70年談話” は必要なの?」(11日 The Page)
「安倍談話に “侵略” “謝罪” 入れるな! 日本の団体が要求」「戦後70年談話、”おわび” や “侵略” を盛り込む方針」「安倍首相、戦後70年談話めぐる中韓からのプレッシャーで体調に異変か」(以上 11日 Record China)
「韓国政府 “日本、歴代の談話継承要求がどんな意味かわかっているだろう”」(13日 WoW!Korea)

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平均的な日本人でしたら、いつまでも首相が戦争の反省と謝罪をいう (いわされる?) のは苦痛 (うんざり?) だと感じているのではないでしょうか。 もう戦争が終わって70年も経ったんだから、先の戦争のことで非難されたくない、これまでにもう十分謝罪しつくした、こう考えていると想像します。 だから 国内の一部から “侵略” “謝罪” を入れるな!という声が出てくるのです。

首相が誰であっても こうした国内外からの様々な圧力には悩むでしょう。 だから安倍首相は嘔吐してしまったのでしょう。 そして 発表後、日本国内のメディアの評価は__
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「70年談話 “反省とおわび” 言及 歴代内閣の立場堅持」(14日 日経)
「安倍カラーを抑制 支持率急落受け軟化」(14日 毎日)
「安倍首相 “反省とおわび” 継承 … 談話」(15日 読売)

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直前の内閣支持率が3割台に下がったのを考慮、また友党からの要求を入れ、当初は言及しない予定だった「おわび」を安倍首相は盛り込んだようです。 だから首相の積極的な “謝罪” 表現とはならず、”歴代内閣の立場は揺るぎない” としたのでしょう。

韓国のテレビ局は首相が発表するのを同時中継までしました。 韓国の注目度の高さがうかがえます。 そして 発表後、国外のメディアの評価は__
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「”意味ある談話”=反省と謝罪に言及と一定評価―韓国与党」(14日 ソウル時事)
「韓国メディアは批判的に報道」(14日 TBS 系)
「海外反応は様々 メディアは厳しい声も 米国 “痛切な反省を歓迎”、台湾 “歴史事実直視を”」(15日 日経)
「韓国、談話への対応に苦慮、世論の評価を注視か」(15日 Record China)
「中国 “直接のおわび回避”、韓国 “誠意がない”」「中韓、正面から批判せず」(15~16日 読売)
「安倍談話が台湾を韓国や中国よりも “前” に、台湾ネットに歓喜の声続々」「アジア各国から批判、フィリピンだけは “日本の戦後の努力” を称賛」(16~17日 FOCUS-ASIA.COM)
「談話を英紙が評価」(18日 NewSphere)
「談話の意味は “謝罪要求はもうやめて”、韓国紙が激しく批判」(19日 FOCUS-ASIA.COM)

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概ね 周辺国のマスコミは厳し目だが、その政府は抑制的のようだ。 つまり 積極的に非難はしないが、積極的に評価もしないという傾向だろうか。

その理由は幾つかあるだろう。 韓国は同盟国の米国から 日本との関係改善を迫られているし、中国は9月3日の中国戦勝記念行事に安倍首相を招待している手前 表立って談話反対とはいいにくい、また9月には中国首脳の米国訪問も控えている、などではないだろうか?
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私が1つ驚いたのは、何をどう発表しようが 毎回強烈な日本叩きをしていた韓国政府が、意外と大人しいことだ。 これには幾つも理由があるのだろうが、最大の理由は韓国外交が孤立化しつつあることではないか? 韓国が “笛” を繰り返し何度吹いても、国際社会は一向に踊らなかった。 少しは考え直したのかも__韓国のこれ迄の反日戦略は間違っていたのかと。
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「孤立する韓国、日中関係の急速な回復で取り残される格好に」「”韓国人はなぜ謝らない?” 外国人が嘆く韓国のマナー」「韓国で目立つ “日本に無視されている” 記事や投稿」「韓国だけ素通り! … 国際社会の大物たち、日本と中国には足を運ぶのに!!=韓国メディア」(8~12日 Record China)
「”韓国外し” に乗り出した安倍政権」(20日 鈴置 高史/日経ビジネス)

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私が談話を読んだ感想では、中国への言及は4カ所と多くありましたが、韓国への言及は1カ所だけで これに韓国が勢い込んで “噛み付いてくる” と予想したのですが、外れましたね。 8月が来る度に (戦後生まれの私を含め 多くの日本人が) 十字架を背負わされる気分になるのも、もう いい加減 止めたい気分ですものね。
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「首相談話全文」(8月14日 産經新聞) __ 追加1へ
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以上


追加1_ 終戦70年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、20世紀という時代を、私たちは、心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならないと考えます。

百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、19世紀 アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。 アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。 日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。

世界を巻き込んだ第1次世界大戦を経て、民族自決の動きが広がり、それまでの植民地化にブレーキがかかりました。 この戦争は、一千万人もの戦死者を出す、悲惨な戦争でありました。 人々は「平和」を強く願い、国際連盟を創設し、不戦条約を生み出しました。戦争自体を違法化する、新たな国際社会の潮流が生まれました。

当初は日本も足並みを揃えました。 しかし 世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。 その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な行き詰まりを、力の行使によって解決しようと試みました。 国内の政治システムは、その歯止めたりえなかった。 こうして 日本は、世界の大勢を見失っていきました。

満州事変、そして国際連盟からの脱退。 日本は、次第に、国際社会が壮絶な犠牲の上に築こうとした「新しい国際秩序」への「挑戦者」となっていった。 進むべき針路を誤り、戦争への道を進んで行きました。

そして70年前。 日本は敗戦しました。

戦後70年にあたり、国内外に斃れたすべての人々の命の前に、深く頭を垂れ、痛惜の念を表すとともに、永劫の、哀悼の誠を捧げます。

先の大戦では、300万余の同胞の命が失われました。 祖国の行く末を案じ、家族の幸せを願いながら、戦陣に散った方々。 終戦後、酷寒の、あるいは灼熱の、遠い異郷の地にあって、飢えや病に苦しみ、亡くなられた方々。 広島や長崎での原爆投下、東京をはじめ各都市での爆撃、沖縄における地上戦などによって、たくさんの市井の人々が、無残にも犠牲となりました。

戦火を交えた国々でも、将来ある若者たちの命が、数知れず失われました。 中国、東南アジア、太平洋の島々など、戦場となった地域では、戦闘のみならず、食糧難などにより、多くの無辜の民が苦しみ、犠牲となりました。戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたことも、忘れてはなりません。
 
何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。 歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。 一人ひとりに、それぞれの人生があり、夢があり、愛する家族があった。 この当然の事実をかみしめる時、今なお、言葉を失い、ただただ、断腸の念を禁じ得ません。

これほどまでの尊い犠牲の上に、現在の平和がある。 これが、戦後日本の原点であります。

二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。

事変、侵略、戦争。 いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。 植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。

先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。 自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。 70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たちは、静かな誇りを抱きながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。

我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。 その思いを実際の行動で示すため、インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など、隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻み、戦後一貫して、その平和と繁栄のために力を尽くしてきました。

こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

ただ、私たちがいかなる努力を尽くそうとも、家族を失った方々の悲しみ、戦禍によって塗炭の苦しみを味わった人々の辛い記憶は、これからも、決して癒えることはないでしょう。

ですから、私たちは、心に留めなければなりません。

戦後 600万人を超える引揚者が、アジア太平洋の各地から無事帰還でき、日本再建の原動力となった事実を。 中国に置き去りにされた 3000人近い日本人の子どもたちが、無事成長し、再び祖国の土を踏むことができた事実を。 米国や英国、オランダ、豪州などの元捕虜の皆さんが、長年にわたり、日本を訪れ、互いの戦死者のために慰霊を続けてくれている事実を。

戦争の苦痛を嘗め尽くした中国人の皆さんや、日本軍によって耐え難い苦痛を受けた元捕虜の皆さんが、それほど寛容であるためには、どれほどの心の葛藤があり、いかほどの努力が必要であったか。

そのことに、私たちは、思いを致さなければなりません。

寛容の心によって、日本は、戦後 国際社会に復帰することができました。 戦後70年のこの機にあたり、我が国は、和解のために力を尽くしてくださった、すべての国々 すべての方々に、心からの感謝の気持ちを表したいと思います。

日本では、戦後生まれの世代が、今や 人口の8割を超えています。 あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。

しかし それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。 謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。

私たちの親、そのまた親の世代が、戦後の焼け野原、貧しさのどん底の中で、命をつなぐことができた。 そして 現在の私たちの世代、さらに次の世代へと、未来をつないでいくことができる。 それは、先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。

そのことを、私たちは、未来へと語り継いでいかなければならない。 歴史の教訓を深く胸に刻み、より良い未来を切り拓いていく、アジア、そして世界の平和と繁栄に力を尽くす。 その大きな責任があります。

私たちは、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます。 だからこそ 我が国は、いかなる紛争も、法の支配を尊重し、力の行使ではなく、平和的・外交的に解決すべきである。 この原則を、これからも堅く守り、世界の国々にも働きかけてまいります。 唯一の戦争被爆国として、核兵器の不拡散と究極の廃絶を目指し、国際社会でその責任を果たしてまいります。

私たちは、20世紀において、戦時下 多くの女性たちの尊厳や名誉が深く傷つけられた過去を、この胸に刻み続けます。 だからこそ、我が国は、そうした女性たちの心に、常に寄り添う国でありたい。 21世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

私たちは、経済のブロック化が紛争の芽を育てた過去を、この胸に刻み続けます。 だからこそ 我が国は、いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引してまいります。繁栄こそ、平和の礎です。 暴力の温床ともなる貧困に立ち向かい、世界のあらゆる人々に、医療と教育、自立の機会を提供するため、一層、力を尽くしてまいります。

私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。 だからこそ 我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献してまいります。

終戦80年、90年、さらには百年に向けて、そのような日本を、国民の皆様と共に創り上げていく。 その決意であります。

平成27年8月14日

内閣総理大臣 安倍晋三

以上

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