
写真左は、昨年9月 貴州省で摘発された「地溝油」(下水油) 違法工場。 右は04年11月、江蘇省蘇州市で摘発されたリサイクル食用油製造拠点。
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中国には何でもある。 聖人君子から大悪人、世界の三大発明から、様々な中華料理から食の国ともいわれ、最近はドブ油から病死ブタ油まで頻繁に登場する。 中国へ旅行などしたら、いつ そうした闇油を使った料理が出てくるか分からない。 ということは、中国旅行などできないということだ。
料理人が正規の油を使用しているかどうかなんて四六時中 監視などできない。 倉庫で正規のビンやカンに詰め替えていたとしたら、分からないだろう。
国を上げて利益優先を推奨しすぎると、こういうことが起きる。 しかも マスコミに出てくるのは、氷山の一角だろうから 記事中にある「中国では、外食時の10回に1回は地溝油を使用した料理を食べる可能性がある」より、もっと確率は高いと見なして間違いないだろう。
恐ろしい食事事情になってしまったものだ、食の国 中国は。
国全体でこうした利益優先の風潮を是正しないと、中国のイメージは悪いまま固定してしまうだろう。 そういうことは、今後の中国にとって利益をもたらさないと想像するのだが、どうだろうか?
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「下水油と同じこと…ゼラチン有名企業、原料は残飯=中国」(4月25日 サーチナ) _ ※追加1へ
「工場廃油、ヒ素の 100倍の毒が含まれる食用ドブ油が中国で蔓延する理由」(4月23日 近兼拓史/週プレNEWS) _ ※追加2へ
「病死したブタで作った “毒ソーセージ” が全土に出回る=中国」(3月27日 サーチナ) _ ※追加3へ
「下水や残飯を原料とした “地溝油”、生産・販売業者に最高で死刑も―中国」(2月25日 サーチナ) _ ※追加4へ
「工場廃油、ヒ素の 100倍の毒が含まれる食用ドブ油が中国で蔓延する理由」(4月23日 近兼拓史/週プレNEWS) _ ※追加2へ
「病死したブタで作った “毒ソーセージ” が全土に出回る=中国」(3月27日 サーチナ) _ ※追加3へ
「下水や残飯を原料とした “地溝油”、生産・販売業者に最高で死刑も―中国」(2月25日 サーチナ) _ ※追加4へ
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以上
※追加1_ 中国におけるゼラチン製造大手の青海明膠 (青海ゼラチン、本社:青海省西寧市) について、「原料に残飯として出た骨も使っている」などの証言が出始めた。 中国では、有毒なクロム (クロミウム) などを基準以上に含むゼラチンを使った医療用カプセルが出回っていた「毒カプセル事件」が大きな社会問題になっている。 中国新聞社が報じた。
「毒カプセル」は、食用や医薬用に使えない工業用ゼラチンを原料にしていたとされる。 政府が業界の整理に乗り出すことがはっきりしたため、大手の青海明膠はかえって好感され、13日の終値が5.42元 (約 70.16 日本円) だった同社株価は、23日までに 8.73元 (約 113.01 日本円) に値上がりした。 上昇率は 61.07% だった。
しかし23日、青海明膠の「飲食店から出た残飯中の骨などを原料に使っていた」と報道があり、同社の株式売買は「取引価格に大きな影響が出る報道があったため」として停止された。
報道は青海明膠の地元住民や同社関係者の証言として「普通の人は下水油なら知っているが、(医薬用などの) カプセルも同じようなものだ」、「青海明膠が使う原料は動物の骨で、多くは廃品回収ステーションから来る。 その中のかなりの部分は、飲食店がごみとして出した残飯だ」などと紹介した。
同社の2011年の年次決算報告書によると、年間で動物の骨 5万トンを原料として使用したことになっている。 しかし、同社に動物の骨を納入している業者の供給能力は 5万トンにはるかに及ばず、同社がどのように原料を集めていたか、現在のところは「謎」とされている。
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※追加2_ 今 中国では「地溝油 (ちこうゆ)」(=ドブ油) の蔓延が社会問題になっている。 地溝油とは、有毒な工場廃油や腐敗獣肉、下水にたまった油などを加工した “食用油” のことだ。
中国食品の事情に詳しいジャーナリストの程健軍氏によると、中国国内の地溝油は、すでに年間生産量 600万t 以上。 価格が安いため普及しているという。
「販売価格は 1t 当たり約 1万3000元 (約 17万円) と、ホンモノの食用油の約半値ですから、人気が出るのも当然でしょう」(程氏)
ひと口に “地溝油” といっても、原料や製造法はさまざまだ。 程氏が続ける。
「中国では使用済みの油を平気で下水に捨てるので、工場や食堂などの排水溝や下水溝には黄色いクリーム状の油が大量にたまる。 これを集めて濾過し、不純物を凝固させる薬品とともに煮詰めて精製するのが最もポピュラーな地溝油です。 腐敗したドロのような廃棄油が、一夜にして澄みきった偽食用油に変身します」
この地溝油、専門家でも見た目やにおいだけで見分けることは不可能で、試薬を使うしか判別方法はない。 しかも、有毒物質までしっかり残っている。
「そもそも 工場廃油には食用でない鉱物油などが使われており、摂取し続ければ肝臓や腎臓への影響は避けられない。 特に恐ろしいのが多くの地溝油に含まれているとされるカビ毒『アフラトキシン』で、ヒ素の 100倍もの毒性があるといいます」(程氏)
最近では、こうした鉱物油を使っていなくとも、十分危険な製造法が広まりつつあるという。
「病死した家畜類を飼育業者から “産地直送” で引き取り、飲食店から回収したり、勝手に排水溝や下水溝から取った発酵油をたっぷりかける。 すると、従来の半分の時間で肉のロウ化が進み、取れる油の量も3割近く増えるんです。 鉱物製油を使用しないため
成分検査でも判別できず、しかも原料は安い。 業者にとって夢の新製品です (苦笑)」(程氏)
検査でも判別不可能とくれば、もはや飲食店の良心を信頼するしか対策はない。 しかし、安さがウリの地溝油の需要は、コスト削減が絶対条件の屋台や安食堂、若者向けの格安レストランに集中しているという。 中国のある飲食業者はこう語る。
「外食産業での地溝油の使用は公然の秘密。 多くのレストランには正規の食用油を裏で買い取る業者、違法油の原料として使用済み油を回収する業者、地溝油の販売業者が頻繁に出入りしており、彼らとの取引が調理人たちの副業……いや、本業になってしまっている。 調理人としての月収が 3万円 程度でも、食用油を地溝油にすり替えるだけで月に 5万 から 6万円 の収入が得られるんです」
そのため、店の経営者が正規の食用油を仕入れても、調理人が地溝油とすり替えてしまうのだとか。
「健康被害を恐れる富裕層は “マイ油瓶” を持参しますが、それすら厨房で中身をすり替えられる。 まさにイタチごっこです。 最近では、うまい地溝油をいかに仕入れるかも調理人の腕前だ …… などといわれます (苦笑)」(飲食業者)
中国では、外食時の10回に1回は地溝油を使用した料理を食べる可能性があるといわれるほど。 旅行の際には、注意が必要だ。
……………………………………………………※追加3_ 中国福建省で病死したブタ肉を利用してソーセージを製造・販売していた業者が摘発された。「毒ソーセージ」は、原価の10倍の価格で市場に出回っていたことが明らかになり、波紋が広がった。 中国メディアの食品商務網が26日付で報じた。
近年 中国では病死したブタ肉を使用して食品を製造・販売する事件が多発、その数量と金額の大きさが問題となった。 警察の調査によれば、病死したブタ肉が養豚場から秘密裏に出荷され、さまざまな検査をすり抜けて市場に出回るまで、運送、製造、販売を手掛ける犯罪ネットワークが存在していることが分かった。
病死したブタの肉は非常に安価で入手が可能で、摘発された業者は製造したソーセージを中国全土に出荷していたことも明らかになった。
病死したブタ肉にもかかわらず、食品検査では合格とされていた。 食品業界からは、関係部門に監督と法執行の徹底を求めるとともに、健全な行政と司法の仕組みを提案した。また、新たな犯罪の特徴を考慮して法律を改正することで、食の安全を提供できる環境を作ることも重要だ。
「毒ソーセージ」事件に中国人は大きなショックを受けているようだ。 あるネットユーザーは「毒ミルク、下水油に続いて、病死したブタが流通している。 まさに毒の天下だ」と描写した。
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※追加4_ 2月23日、中国の最高人民法院 (最高裁)、最高人民検察院 (最高検)、公安部は合同で、下水道の廃油や残飯などを原料とした「地溝油」(下水油) を「食用油」として生産・販売した業者に対し、最高で死刑を適用するとした通知を公布した。 24日付で京華時報が伝えた。
中国公安部、国務院食品安全弁公室など各部門が合同で昨年8月から、「地溝油」の取り締まりキャンペーンを展開、計 135件を摘発、 800人近い容疑者を拘束している。 今回の通知では初めて、「地溝油」に絡んだ違法行為とその罰則に関する定義が示された。
「地溝油」を「食用油」として生産・販売するなどした業者に対し、刑法第144条の「有毒、有害食品罪」の規定に従い、刑事責任を追及するというもの。 死亡あるいは人体の健康に特別に深刻な危害を与えた場合、最高で死刑をいい渡すことができるとしている。
このほか、国の職員が食用油の安全に対する監視・管理業務において、職権を濫用したり、職責をおろそかにしたり、私利に惑わされて不正を働いたりしたことで犯罪を構成する場合も、刑法に基づいて刑事責任を追及していくとしている。
「地溝油」はヒ素の百倍も毒性が高く、地上最強の発がん性物質とも呼ばれるアフラトキシンが含まれている。 レストランなどで違法に使われているだけでなく、家庭用の食用油としても流通していることが分かっている。
以上