花粉症とは?
体の免疫反応が過剰に反応することにより症状が出ます。
主に、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出ますが、これは花粉を体の外へ出そうとする反応です。厚生労働省が1998年に発表した推計によると人口の約16%が花粉症であると言われています。
原因は?
現在日本では約40種類以上の花粉が報告されています。これらの花粉はほとんどが「風媒花」と呼ばれ、風によって花粉が運ばれるため、開花期には大量の花粉が飛散し、花粉症の原因となります。
主なものはスギ・ヒノキ・ブタクサなどです。スギは日本特有の樹木なので、スギ花粉症が問題になっているのはほとんど日本だけと言えます。
体の中でどのようになっているの?
鼻から吸い込まれた例を挙げてみましょう。鼻の粘膜に花粉が付着すると、花粉表面のアレルギー原因物質となるタンパク質(以下「抗原」)が溶け出します。そのタンパク質が体内に入ったことをBリンパ球が認識し、ヘルパーTリンパ球に報告します。
その情報を基に、ヘルパーTリンパ球はBリンパ球に抗体となる「IgE抗体」を産生するように指示。Bリンパ球がIgE抗体を産生します。そのIgE抗体は「肥満細胞」と呼ばれる好塩基球(白血球)に結合します。
再び抗原が侵入してくると、抗原と抗体が結合し、抗原抗体反応が起こります。その刺激により、肥満細胞から「ヒスタミン」や「ロイコトリエン」といった化学伝達物質が放出され、くしゃみや鼻づまりといった症状が表れます。
花粉症の人は、このIgE抗体を多量に産生し、また制御する機能が低くなっているために、症状を強く引き起こしてしまうのです。
対策
①「花粉を避けよう」
まず抗原を避けることが第一です。外出するときは、マスクやめがねをし、花粉が体内に入らないようにしましょう。また帰ったあとも玄関先で付着した花粉を払う、うがいや手洗いをすることも大切です。
②「早めに治療を受けよう」
炎症の進行を止め、早く正常化させることで、花粉症の重症化を防ぐことができます。治療には「薬物治療」「減感作療法」「手術治療」があります。「減感作療法」とは原因抗原のエキスを少量ずつ体内に入れることにより体を慣らし、症状を根本的に少なくさせる根本的治療法です。厚生労働省でも現在臨床実験が行われる等、研究が進められています。