おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(5月24日)は、9:30~17:20にヒューマン・ギルドで「感情コントロール法セミナー」を行っていました。
アドラー心理学をよく知る参加者が22名だったため、私は全体を把握できると共に質疑応答も充実していました。
私は「意識は2つのことを同時並行処理できない」とホワイトボードにも書き、怒りの感情が出たとき、ふと他のことに意識を向けると、怒り続けることが困難であることを伝え、さらに感情のコントロール法の1つとして「呼吸法」の説明をしたとき、呼吸を数え続けていると、他のことに意識が散らばりにくいことも教えたことで納得してもらいました。
ところで、講座の参加者の中に「親の呪縛」が成人してからも影響を受け続けている人がいました。
「不合理な信念」を扱っていたときにその方から発言がありました。
その方は、親から影響を受けた結果が「親の呪縛」になり、いつしか「自縄自縛」になっていたのです。
さて、「毒親」のオリジナル本の1つである『毒になる親』を読み解くシリーズの5回目。
今回は、「毒になる親」の7つの分類の中の「コントロールばかりする親」についてです。
コントロールばかりしたがる親の多くは自分が必要とされなくなることを恐れているため、子どもの心の中に非力感を植え付け、それが永久に消えないようにと望みます。
このことは実は、自分が子どもに依存していることの裏返しです。
コントロールしたがる親は、子どもが成長して独立し、家を出ていった後に、残された中高年の夫婦によく見られる精神的に不安定な状態である「巣立ち症候群」(注:心理学用語では「空の巣症候群」)と似たような不健康な不安感を抱いています。
ところで、親のコントロールには次の2種類があります。
2種類とこれぞれのタイプを書いておきます。
(1)露骨ではっきりわかる直接的なコントロール
a) 自分の都合を押し付けるタイプ
b)金でコントロールしようとするタイプ
c)子どもの能力を永久に認めないタイプ
(2)はっきりとわかりにくい心のコントロール
a)「干渉をやめぬ母」のタイプ
b)「兄弟姉妹まで親と一緒になって責める家」のタイプ
c)「兄弟を比較する親」のタイプ
「毒になる親」のコントロールに対する子どもの反応は2種類しかありません。
(1)服従か反抗か
(2)墓に入っている親からまだコントロールされる
「親の呪縛」からいつしか「自縄自縛」に陥るタイプは、この「コントロールばかりする親」に育てられた人だということですね。
◆『毒になる親』を読み解くシリーズの今までの4回は以下のとおりお読みいただけます。
5月19日 『毒になる親』を読み解く(1)
5月20日 『毒になる親』を読み解く(2)
5月22日 『毒になる親』を読み解く(3):余話 ― 帝大でなければ
5月24日 『毒になる親』を読み解く(4):義務を果たさない親
<お目休めコーナー> 5月の花(24)