おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒュ.ーマン・ギルド の岩井俊憲です。
遅い時間の更新の今日は3つのことについてお伝えします。
1.カウンセリング道場で話題になった【不機嫌】のこと
2.メルマガで『自分を信じる勇気』出版記念イベント」のアーカイブ動画視聴販売のお知らせ
3.アドラーが直面した【トラウマ】のこと
1.カウンセリング道場で話題になった【不機嫌】のこと
昨日のカウンセリング道場(ミドルコース)では、夫婦間のイライラの感情をめぐる【不機嫌】のことをテーマに2人をカウンセラーとする演習、さらには一人のクライアントに対して参加者全員でカウンセリングという珍しい対応をしました。

(写真:草島智咲さんご提供)
【不機嫌】はアドラー心理学で相手との間に距離をとる感情ですが、不機嫌である【状況】【相手役】【目的】が必ず存在する、とみなすことができます。
【状況】としては、かなり気分が悪い時を除いてどんな場面でも不機嫌であることはなかなかありません。
例えば、家では不機嫌でも、職場では機嫌がいい上司として通している人もいます。
家庭では、パートナーには不機嫌そのものであっても、子どもに対してはとても機嫌がいい振る舞いをする親がいます。
目的という点では、ドライカースの『不適切な行動の4つの目標』に即して言えば、注目、主導権争い、復讐、無気力無能力の誇示と様々です。
この『不適切な行動の4つの目標』のどれかは、【状況】と【相手役】を手掛かりにすればかなり見えてきます。
この演習において2人のカウンセラー役を担当した人には、最初の人には、話のスピードを合わせすぎること、2人目のカウンセリングを担当した人には、「・・・・したことがあるか?」「・・・・をしてみたらどうか?」の提案型(私の表現では誘導型)の質問が多かったことのフィードバックをしました。
勉強になりますね、カウンセリングの演習は。
■ 周囲に【不機嫌】な人がいる人へのお勧めの動画です。
You Tube「アドラー心理学専門チャンネル/ヒューマン・ギルド では「【アドラー心理学】不機嫌さを振りまく人との付き合い方」のタイトルで永藤かおるさんがご提供。

身近にいませんんか、不機嫌さを振りまく人。
このYouTubeでは、不機嫌さを振りまく人の特徴・目的・対処法が理解できますよ。
ご視聴はこちらから
↓
https://youtu.be/SwvOCZ7fkCI
2.メルマガで『自分を信じる勇気』出版記念イベント」のアーカイブ動画視聴販売のお知らせ
「10代の子どもたちに勇気と希望を !―『自分を信じる勇気』出版記念イベント」のをアーカイブ動画視聴できるようになりました。
このアーカイブ動画には、8月3日(日)13:30―16:30に名古屋の中日ホールで行われたイベントでの、林 興弘さんの「もがき苦しみ、生きにくさをどう超えたか?」及び岩井俊憲の「自分を信じられる子どもたちの未来のために」のそれぞれのPDF資料付きの講演、それに続くシンポジウム(百瀬敬子さん、林 興弘さん、岩井俊憲+司会:野口久美子さん))と質疑応答と意見交換が収録されています。
林さんの講演部分では「特別な存在でありたい」というライフスタイルの林さんの影(【不】登校】と光(現在のラジオディレクターのお仕事)のコントラストが心に迫りました。
私の講演では「不登校はもったいない、いじめなんてばかばかしい、自死なんて思いつかない」、そんな生き方を親や教師、10代の子どもたちに伝えたいという思いで『自分を信じる勇気』を書いたことを語っています。
シンポジウムでは「1日中ゲームをして過ごす不登校の子どもに悩んでいます」という参加者からの質問に対するシンポジストの三者三様の回答が注目を引きました。
価格は4,000円で、【不登校】に関心を持つ人には超値打ちものです。
視聴を希望される方は https://www.hgld.co.jp/plecture/view/1322 のページからお申込みください。
※当日のイベントの模様をお知りになりたい方は、岩井俊憲の8月4日付けブログ 「感謝を込めてご報告@『自分を信じる勇気』出版記念イベント」( https://blog.goo.ne.jp/iwai-humanguild/d/20250804 )をお読みください。
3.アドラーが直面した【トラウマ】のこと
あるアドラー心理学のベストセラー本では「トラウマは、存在しない」と小見出しにあります。
このことについて私は発刊時から批判的です。
なぜならば、アドラー自身も後継者たちもほとんどの人が「トラウマは存在しない」とは言っていないからです。
アドラー自身の体験で、そのことについて明確な根拠があります。
8月8日付けの産経新聞で「戦後80年トラウマ 埋もれた傷痕」(https://www.sankei.com/article/20250808-QYKXK2XETBKGHNEU6ZQA6TW2H4/)にはこんな一文がありました。
≪戦場でのトラウマと精神的な症状が初めて関連付けられたのは、第一次大戦を契機に欧米を中心に研究されたシェルショック(砲弾病)だった。砲弾を受けて兵士が次々と発症。「戦争神経症」とも呼ばれたが、英国やドイツでは詐病の恐れもあるとして、しっかりと対処されなかった。≫
第一次世界大戦の最中、戦線に出向きこのような「戦争神経症」に真正面から向き合ったのは他ならぬ軍医アドラーでした。
その意味では、アドラーこそが今日のトラウマ研究の先駆者ということになります。
出版元のD社に対して「せめて小見出しでも訂正できないか」と申し出た人がいますが、却下されたということをその方からお聞きしています。
アドラー心理学の定説では「トラウマは存在する。そしてその先駆者はアルフレッドアドラーであり、トラウマ研究をさらに促進したのはアドラーの次女のアレクサンドラ・アドラーで、その伝統は今日もなお引き継がれていることを改めてお伝えいたします。

(クリックして勇気づけを)
<お目休めコーナー> 8月の花(10)
