一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第82期名人戦第1局2日目

2024-04-12 00:21:32 | 男性棋戦
第82期名人戦(主催:毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟)第1局、2日目である。豊島将之九段の封じ手は、銀をまっすぐ上がる手だった。私予想の△6二銀だと、藤井聡太名人に8筋を逆襲されて、すぐに窮してしまう。アマチュアヘボが指すと、一手で不利になるのだ。
そこからも双方慎重な運びで、あまり局面が動かない。まさに名人戦である。
豊島九段は端の狭いところに角を打ち、藤井名人の8筋の飛車を引かせた。先手玉は右に寄っていたので、藤井名人の振り飛車にも見えてきた。局面はほぼ互角だ。ただ、見たこともない局面になっているので、藤井名人の研究が活きない展開とはいえる。
先手は通常の振り飛車と比べて2筋が凹んでいる。この修正が急務で、ABEMA解説の佐藤康光九段などは、「私ならまず歩を突いてからそれからのことを考える」とつぶやく。ここじゃプロもアマも考えることは同じだ。だが、肝心の藤井名人が、なかなかその歩を上げない。さすがに八冠王は考えることが違う。
その後も難しい戦いが続いたが、藤井名人、いつもは遊び駒を作らないが、8筋の銀がボヤけているか。
抜け出したのは豊島九段だった。飛車を取り、敵陣に打つ。
さらに飛車を成り、王手。藤井名人は玉を上部に逃がす。ここで私レベルのアマなら、何はともあれ金を取る。
ところが豊島九段は香を打ち、間接的に玉を縛った。
ところが藤井名人は、相手の桂を取りつつ玉を逃げ、同時に金も助けた。これが一石三鳥の好手で、イーブンに戻った。豊島九段、香打ちはノータイム。予定の手だったとはいえ、どうしてここで手を止めて再考できなかったか。
さらに豊島九段が竜を横すべりしたのが疑問手。私には当然の手に見えたが、AIは桂成を推奨する。そのココロが分からなかったが、佐藤九段は解説を続けるうち、正解に気づいた。藤井名人に桂を跳ねる手があるのだ。これが▲3三銀以下の詰めろになっていて、それが受けづらい。
さっきの8筋の遊び銀?は飛車と交換になったし、そしていまも桂を跳ね、遊び駒を活用した。ここに藤井名人の勝ちが決まったのである。
21時23分、141手まで藤井名人の勝ち。
いや、豊島九段にとっては、悔やんでも悔やみきれない敗戦となった。豊島九段、勝てるチャンスのある将棋は確実に勝たないと、今後4勝もできない。
対して藤井名人はいつもながら、強い勝ち方だった。悪くなっても崩れず、いつも逆転と隣り合わせの位置にいる。よい将棋はそのまま勝ち、悪い将棋も逆転する。これから先、藤井名人がタイトル戦で負けることがあるのだろうか。
コメント (4)
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