一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第82期名人戦第1局1日目

2024-04-11 00:47:38 | 男性棋戦
さあ、待ちに待った名人戦である(主催:毎日新聞社、朝日新聞社、日本将棋連盟)。優勝賞金は竜王戦が上だが、歴史と伝統ある名人戦は、他棋戦とは一線を画す。名人を獲ってこそアレである。
その名人は藤井聡太八冠。挑戦者は豊島将之九段である。豊島九段も「藤井八冠被害者の会」の役員で、藤井名人がいなかったらいまごろはタイトルの2~3個を持ち、ブイブイいわせていたはずである。今回、久しぶりにリベンジの機会がやってきた。
ふたりの対戦成績は、藤井名人22勝、豊島九段11勝。ダブルスコアではあるが、最初の6局は、豊島九段が全勝したのだ。そこから藤井名人が力をつけ、反撃開始。あとの27局を22勝5敗としたわけだ。
ことに直近では、藤井名人が9連勝中である。最新の対局は昨年8月4日の王座戦挑戦者決定戦で、豊島九段が村田システムを用い、激戦になった。それが今年度の名局賞にもなったわけだが、あぁそれでなぜ、本家の村田顕弘六段に升田幸三賞が授与されなかったのかよく分からぬがそれはともかく、藤井名人を何度も叩いたことがあるのが豊島九段の主張点で、今シリーズも好勝負が期待された。
藤井名人の先手となり、名人が飛車先の歩を突いて、名人戦がスタートした。
ここで早くも、豊島九段の作戦が問われる。先の叡王戦の伊藤匠七段のときもそうだったが、藤井名人は角換わりのスペシャリストで、ことに先手番ではとりわけ高い勝率を誇る。だから私などは、研究が行き届いてない振り飛車で臨めばいいと主張しているのだが、振り飛車の専門家である菅井竜也八段があの有様では、居飛車党が飛車を振れるはずもない。よって、同じ居飛車戦でも毛色の変わったものがいい……と考えていたら、豊島九段が角道を開けたあと、4手目に端歩を突いて、不穏な動きになった。
すると7手目に藤井名人が玉を上がり、もう実戦例がない感じである。「豊島さんが力戦をお望みなら、応戦しますよ」と言っているようではないか。藤井名人は、けっこうケンカを買うタイプなのである。
その後、先手の横歩取りの形になり、豊島九段が馬を作る。持ち角対馬、はどちらが有利なのだろう。
そこから藤井名人も馬を作ったが、なぜか馬同士が交換になり、再び双方の駒台に載った。
39手目、藤井名人が玉形を整え、そこで豊島九段が封じ、1日目が終わった。
局面はまだ序盤のようで、最近のタイトル戦は序盤を飛ばすのでアレだったが、今回は久しぶりにコクのある展開である。
形勢は互角。まったくの手将棋なのに、形勢に差がついてないのがすごい。お互い角を持っているから、次の馬作りには双方気を付けなければならない。とても神経を遣う将棋である。封じ手は△6二銀かな、などと考えてみる。
2日目は11日午前9時から開始。11日は、一日中PCを見られる余裕がある。ABEMAにはいつもながら感謝だ。
(つづく)
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