一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第33期女流王位戦挑戦者決定リーグ

2021-10-31 13:04:40 | 女流棋戦
第33期女流王位戦の紅白リーグ表が発表されたので、雑感を記そう。なお、今期は個別の勝敗予想はしない。

<紅組>
山根ことみ女流二段 加藤・渡部・本田・山口・香川
本田小百合女流三段 香川・山口・山根・加藤・渡部
香川愛生女流四段 本田・加藤・山口・渡部・山根
渡部愛女流三段 山口・山根・加藤・香川・本田
加藤圭女流二段 山根・香川・渡部・本田・山口
山口稀良莉女流1級 渡部・本田・香川・山根・加藤

紅組は30代がいるものの、山口女流1級のリーグ入りもあり、フレッシュな印象。渡部女流三段、加藤女流二段の復帰もさすがだ。
メンバーは実力伯仲で、山口女流1級はさすがに厳しいが、ほかは誰が優勝してもおかしくない。その中で加藤女流二段が異色の存在感だ。29日の女流順位戦A級では、いま絶好調の加藤桃子女流三段に勝った。渡部女流三段を押さえて本命の感があり、どうも渡部女流三段と加藤女流二段の勝者が優勝しそうな気がする。

<白組>
伊藤沙恵女流三段 中井・西山・清水・加藤・甲斐
甲斐智美女流五段 加藤・清水・中井・西山・伊藤
加藤桃子女流三段 甲斐・中井・西山・伊藤・清水
清水市代女流七段 西山・甲斐・伊藤・中井・加藤
中井広恵女流六段 伊藤・加藤・甲斐・清水・西山
西山朋佳女流四冠 清水・伊藤・加藤・甲斐・中井

白組は清水女流七段、中井女流六段、甲斐女流五段と、こってりというか熟女系が集い、それに西山女流四冠に加藤女流三段、伊藤女流三段が加わって、ものすごい迫力だ。むせ返るようで、私がリーグ入りできるなら、紅組で指したいところである。
まあそれはともかく、白組は西山女流四冠が大本命。ただ1敗でもすると、女流王位戦は直接対決の結果が優先されるので、西山女流四冠とて油断はできない。
個人的には、清水女流七段VS中井女流六段戦を楽しみにしている。おふたりの初対戦は1987年で、そこから34年、いまも第一線で活躍しているのは賞賛に値する。いまや谷川浩司九段VS羽生善治九段戦に匹敵する伝説的カードといえる。

挑戦者決定戦だが、紅組は誰が出ても西山女流四冠が勝ち、挑戦者になるだろう。だからその途中の勝敗予想をやっても無駄なのである。
リーグ戦は持ち時間3時間。これだけあればじっくり考えられる。皆様いい将棋を指してください。
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今年の将棋ペンクラブ大賞贈呈式は、ネット配信

2021-10-30 23:13:51 | 将棋ペンクラブ
今年の将棋ペンクラブ大賞贈呈式も、コロナ禍によって、なし。というか正確には、今年はネット配信で行われる。日時は11月7日(日)、13時より。配信は「YouTube Live」。ただし参加費がかかり、1,000円である。
申し込みは将棋ペンクラブのHPからで、〆切は11月2日いっぱいまで。振込も同日まで。
なお申し込みいただいた方から抽選で10名に、棋士の直筆色紙が当たる。将棋ペンクラブ、なかなか太っ腹である。
肝心の配信内容は以下の通り。

・開式の挨拶&将棋ペンクラブについて(5分)
・書評紹介
・贈呈式&受賞者の挨拶(30分)
・書評紹介
・トークショー①(30分)
『なれるかな会議』の裏側
出演:高野秀行六段×岡部敬史氏×さくらはな。さん
・書評紹介
・トークショー②(30分)
タブーなし!文春に聞きたい5つの質問!
出演:文春オンライン編集部・池澤龍太氏×『Sports Graphic Number』編集部・寺島史彦氏
聞き手・高野秀行六段
※編集部への質問も募集している。申し込み時に記入のこと。
・閉式の挨拶(5分)

私は申し込むかどうか微妙なところ。リアルでの贈呈式は8,000円を出しても出席するのに、配信だと1,000円のおカネを惜しむのである。
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第34期竜王戦第2局

2021-10-29 00:07:40 | 男性棋戦
22日・23日は第34期竜王戦第2局が行われた。開幕局は藤井聡太王位・叡王・棋聖の逆転勝ち。第2局に勝って2勝0敗となれば、いかに豊島将之竜王といえども残り5局を4勝1敗で乗り切るのは至難の業だ。よって本局、豊島竜王は早くも土俵際に近かった。
将棋は豊島竜王の先手で相掛かりに進む。両者得意の戦型で、このあとはどちらが新味を出すかの展開になった。
というところで19手目、豊島竜王▲6六角!(第1図) 飛車取りに飛び出た。

以下△7四飛▲7五角△5四飛の局面をどう見るか。▲6六角は豊島竜王の研究手だったらしいが初心者が指しそうな手にも見えるし、そもそもこれで先手が良くなるなら、AIがとっくに提示しているのではないか?
私には先手がでかしたようには見えなかった。
その後は藤井三冠の右銀がスルスルと進出し、後手が面白い形勢になった。
さらに指し手は進み、46手目△7三桂(第2図)が、個人的に唸った手だった。

具体的には△6五銀にヒモを付け、場合によっては△8五桂と跳ねる手を見ているが、先手が端攻めしているのを尻目にひょいと桂を跳ぶ図は、四枚落ちの上手が▲9一歩成に△7三桂と跳ぶ味にも似て爽快である。
思うに藤井三冠はすべての駒を目一杯働かせるのがうまい。相手に取られる寸前まで、機能以上の働きを与えている。▲2四歩の垂らしを受けず、ギリギリまで△3二金に門番の働きを与えていたことがそうだ。
結局藤井三冠が70手まで完勝。第1局もほぼそうだったが、第2局も駒を引く手がまったくなく、前進前進の会心譜だった。
ちなみに70手といえば、大山康晴十五世名人と中原誠十六世名人の初対局の手数と同じだった。

局後のインタビューで藤井三冠は、「最後まで際どいところが多いと思っていました」。
快勝だったのにそれをおくびにも出さず、相手を慮ってもいるコメントが秀逸。優等生すぎる。
対して豊島竜王は「結果的にかなりまずい将棋になったので、準備不足だったと思います」と語った。私見だが、▲6六角は見切り発車だったのではなかろうか。
さてこれで、藤井三冠の2勝0敗。両者の通算成績も、ついに藤井三冠の10勝9敗となった。もはや竜王奪取も時間の問題という雰囲気で、時の竜王がこんなに頼りなく見えるのは、藤井猛新竜王が誕生した、第11期の谷川浩司竜王以来かもしれない。
第3局は30日・31日。豊島竜王は劣勢だが、1つ勝てば流れも変わる。それには第3局を絶対に勝たねばならない。
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谷川九段、順位戦1勝5敗に

2021-10-28 13:21:00 | 男性棋士
27日は第80期B級2組順位戦が行われた。ここまで1勝4敗の谷川浩司九段は、高崎一生七段と対戦。中盤まで優位に進めたがそこから変調をきたし、第1図は何とも言えない形勢。

ここで谷川九段は▲4四成香と引いたが、これがココセの大悪手だった。以下△同金▲同玉△5三銀(投了図)まで、谷川九段の投了となった。

以下は▲5五玉△4四金▲5六玉△5五香まで、とくに妙手もない並べ詰みである。戻って▲4四成香では、▲4四飛くらいで難しい戦いが続いていた。
第1図で谷川九段にはまだ持ち時間が残っていた。そこでココセを指した理由が分からぬ。かつての四冠王・十七世名人の谷川九段も寄る年波には勝てないのかと、さびしい気持ちになったのである。
これで谷川九段は1勝5敗。他者より1局多く指している関係もあって、現在の順位は25名中24位である。これは降級点取得の勢いだ。
残る対戦相手と対戦成績を見ると、大石直嗣七段1-6、窪田義行七段1-0、深浦康市九段13-18、中田宏樹八段6-3である。この4局を●○●○と仮定して3勝7敗。今期降級点は6名なので、付くか付かないか微妙なところである。
ところでこの日は、弟弟子の井上慶太九段が深浦康市九段に超手数の将棋を制し、5勝1敗とした。
谷川九段と井上九段はよい信頼関係にある。井上九段は五段時代の1989年、第47期C級2組順位戦で8勝1敗の成績で、最終戦を迎えた。その将棋は必勝形だったが、最終盤で大悪手を指し、頭ハネで昇級を逸した。
そのとき谷川九段は井上五段に「報われない努力はない」としたためた手紙を出したとされる。
なおこのとき3位にすべりこみ昇級したのは、佐藤康光四段だった。
その10年後の第57期A級順位戦では、谷川九段7勝0敗、井上八段2勝5敗、島朗八段2勝5敗で最終戦を迎えた。しかし谷川九段が島八段に負け、井上八段が羽生善治四冠に負け、井上八段が降級してしまった。このときも谷川九段が「井上君には申し訳ないことをした」と語ったとされる。
これらのエピソードからも分かる通り、谷川九段は井上九段のいい兄貴分なのだが、現在は同じクラスで対照的な成績となっている。これが勝負の世界の厳しいところである。
そして谷川九段は来年4月6日に、60歳となる。かつて中原誠永世十段が60歳になったときは、その年の将棋の日に「十六世名人」を襲位した。
となれば谷川九段の場合も、来年の将棋の日に日本将棋連盟が十七世名人襲位を打診する可能性が高い。
そのとき谷川九段が受けたら、順位戦B級2組に十七世名人がいては相当まずいだろう。少なくとも谷川九段はそう考える。だからもしその話が来た場合、谷川九段には固辞してもらいたいが、もし受けたら――。それが現役引退の引き金になりそうで、こわい。
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社団戦2日目の結果

2021-10-27 23:19:37 | 社団戦
24日は社団戦交流大会2日目があった。私は所用で参加できなかったが、社団戦(東京アマチュア将棋連盟)HPにはすでに速報版がアップされているので、その結果を記そう。
その前に第1日目の順位の確認である。我が将棋ペンクラブはチーム1勝3敗の、14位中11位だった。
ちなみに私が4回戦で勝っていれば、大野教室2、天野チルドレン3、OBER将棋と同じ星で並び、6位になっていた。私は本当に大きい星を落としたのだ。
さて2日目の成績は、

3-2、2-3、3-2、4-1

の3勝1敗だった。順位も8位に上がった。
ふっ……笑える。私が参加したときはチーム1勝で、参加しないと3勝だった。いかに私が戦力になっていなかったかが分かる。ことに4回戦は、6勝1敗の天野チルドレン1に、4-1で勝ったのだ。いったいどんなメンバーだったのだろう。
ともあれペンクラブ、大健闘でした。
さて最終3日目は、来月28日に開催。もし参加させていただけるなら、せいぜい頑張るつもりである。
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