鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

第20回日本クリニカルパス学会

2020-01-21 10:56:53 | 日記

第20回クリニカルパス学会ホームページ

20回目という節目となる日本クリニカルパス学会がパスの発祥地である熊本市で開催され、当地区から7演題を報告してきました。

一般演題(ポスター)

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大腿骨近位部骨折地域連携パス生活期転倒不安予測因子について
茂木 紹良(鶴岡協立リハビリテーション病院)

転倒不安感を予測する因子を、不安あり、不安なし群に分けて検討。術後4週目のBI損失40点以上に有意差があり、早期の回復の遅れが、退院後の不安感に関連していることが示唆された。
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当院での重症脳梗塞・脳出血患者におけるFIM運動項目利得の予測
佐藤 尚哉(湯田川温泉リハビリテーション病院)

重症脳卒中患者(mFIM20点以下)を対象に、退院時のmFIM利得に影響を与える因子を検討した。mFIM利得に影響を与える因子として、入院1か月後のmFIM、入院前のADL、年齢が関与することが示唆された。
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「座長賞」
膀胱留置カテーテル抜去パス運用状況分析と抜去率向上への取り組み
阿部 真里(湯田川温泉リハビリテーション病院)

カテーテル挿入状態で入院した患者のカテーテル抜去可能に影響を与える因子を抜去成功群、不成功群に分類し比較分析した。カテーテル抜去成功は、入院時のADLが高いこと(入院時BI、入院時mFIM)と相関していた。
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PANSSは統合失調症の退院予測につながるか
三原美雪(こころの医療センター)

PANSSは統合失調症の重症度を評価する指標のひとつである。当院での入院後2週目PANSS改善率は19.6%であり、標準的医療を達成できている。また、PANSS改善率上位群と下位群の在院日の比較で入院2週後のPANSS改善率は退院予測につながることが示唆された。

一般演題(口演)
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脳卒中地域携パスデータからみた生活期ADL変化と認知症の関係
渡部 美穂(荘内病院)

生活期のADLの推移を認知症あり群、なし群で比較した。認知症あり群の半年、1年後のBI低下は、認知症なし群に比し有意に高かった。また、過去の調査に比し、ADL低下群の比率が改善していた。この背景に、患者ノートの活用や、ICTによる多職種連携の普及があると考えられた。
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地域医療構想の実現を加速化する地域連携パスデータの活用
鈴木 哲(株式会社ストローハット)

地域連携パスのデータは、疾病、患者に関する現場の医療従事者の視点によるデータであり、地域医療構想の実現に資する可能性がある。
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小児のパス電子化の取り組み
大瀧 志保(荘内病院)

小児科のパス電子化の問題点は、状態や体重で薬剤料や輸液量が異なり、個別性や多様性に対応することが困難という一面があった。多職種で検討を重ね、電子化パスを54本作成した。
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懇親会

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山形県人会
次々回の日本クリニカルパス学会は、山形済生病院石井院長のもと、山形市で開催されることになり、その決起集会が賑々しく行われました。


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復旧中の熊本城



次回のパス学会

第21回日本クリニカルパス学術集会

会期:2020年11月6日(金)・7日(土)
会場:都ホテル 岐阜長良川
長良川国際会議場
会長:松波 和寿(社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院 病院長)
テーマ:Diversity2020 - 新世代のクリニカルパス -








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