鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

ほたる多職種研修会「ヒアリングフレイル」

2024-02-10 10:10:06 | 日記

ほたる多職種研修会を開催しました。今回はヒアリングフレイルという目新しいテーマで、その概念の提唱者である中西 真一路 氏から、とても分かりやすく、貴重な講演を拝聴しました。

日時:R6年2月9日 18:45-20:15

場所:ニコフル

演題「ヒアリングフレイル ~高齢者の耳を学ぼう~」

講師
 ユニバーサル・サウンドデザイン㈱
 聴脳科学総合研究所 所長 中西 真一路 氏
 
 
われわれ医療者にとって、難聴は歳なんだからしょうがないね~で済まされることが多く、聴こえにくい患者さんとのコミュニケーションは、耳元で声を大きくして対応しているケースが多いのではないでしょうか。

一方で、難聴の人からみれば、何度も大きな声で説明してもらうことに恐縮し、理解したふりをすることも容易に想像できます。このようにコミュニ―ケーションがうまくいかないことが原因となり、社会から孤立し、人との接触が疎遠となるケースも少なくないようです。

以上のように難聴が要因で、コミュニケーションが低下し、引きこもりや孤独、さらには認知症が進みフレイル状態に至る状態をヒアリングフレイルと呼びます。

ヒアリングフレイルを予防するには、早めに聴覚機能の低下に気づき、適切な対応をすることが重要で、コミュニケーションの質が改善されるとことでQOL維持につながる可能性があります。

一方で、難聴の解決策のひとつである補聴器は高額であることもあり、軽度から中等度の難聴者の10~20%程度しか所有しておらず、買ってはみたものの使っていない人が多いとのデータがあります。

このような背景から、今回の演者である中西氏らは、難聴者に聴こえやすいスピーカーシステムの研究に携わり、耳につけない対話支援システムコミューンを開発し、その普及に努めています。

https://cpos.u-s-d.co.jp/detail/CS6WNW-WSG

われわれが難聴の人と接するときに知っておくべきことを列記しておきます。

・音量の設定
 大声は控え、通常の声より少し大きめの声にする。
 (大きすぎる声は逆に聴こえにくいことがある)

・耳までの距離の確認
 至近距離(耳元)での大声のコミュニケーションは、双方で表情がみえず、むしろ伝わらないことが多い。
 対話支援システムの利用を検討する。

・話すスピード
 相手の話すスピードの75~80%程度とする
 
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ヒアリングフレイル
聴覚機能の衰え(難聴)が要因で周囲との関りが希薄となり、フレイルに陥ってしまうことを指す。この状態を放置すると心身の活力が衰えが進み、認知症やうつ病となるリスクが高まる。
 
難聴は歳なのでしょうがないと済まされてきたが、早期に発見し、正しく介入することが重要。
 
https://u-s-d.co.jp/mimicare/
 
 
対話支援機器 comuoon(コミューン)
https://cpos.u-s-d.co.jp/detail/CS6WNW-WSG
マイクから入力された音声を音声高解像技術「SonicBrain®」で解像度を向上させることで聴き取りやすいクリアな音声へと変換する。
 
https://u-s-d.co.jp/hfs/
 
 
https://u-s-d.co.jp/hearingfrail/
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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