鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

医師会勉強会 新しいがん標的放射線治療、BNCTの可能性

2019-10-12 16:06:24 | 日記
新しいがん標的放射線治療、BNCTの可能性
 脳神経疾患研究所 附属南東北BNCT研究センター 廣瀬勝巳
BNCT ホウ素中性子補足療法

南東北がん陽子線治療センター
 46億、経産省の補助金で設立
 日本最大

ホウ素 がん細胞に選択的に集積
熱中性子
 ホウ素 BPAsアミノ酸トランスフォーマー か BSH の2種
 浅いところの腫瘍しか効果がない
熱外中性子
 より深いところへ 6-7cm

腫瘍選択性が高い
頭頚部癌 CR 17% ~ 46%
悪性膠芽腫
 48時間で消退、効果が早い
BNCTにも有害事象はある
 アミラーゼ上昇、嘔気嘔吐、味覚異常、リンパ球減少、脱毛、粘膜炎、
 重篤な有害事象:内径動脈の破裂、脳膿瘍

従来の熱中性子は原子炉が必要、 現在は使えない
治療:世界で1350回、日本が768回、
加速器(サイクロトロン)の開発
 加速器BNCT
 治療時間 4時間程(点滴2時間、ホウ素濃度測定し照射量を決定、照射は1時間以内)
 1週間ほどで腫瘍消失
 有害事象
  ほぼ全例で脱毛、皮膚炎、脳膿瘍、アミラーゼ上昇(問題ない)、
 有効性 
  SCC,CR:50%、極めて高い中性子
 課題
  占領評価系の再構築が必要

 重粒子線 放射線抵抗性のがんに用いられるべき
  重粒子がより有効なのは、頭頚部腺様嚢胞癌のみ その他は陽子線と同様だった
 
 最も臨床で重要なことは、生物学的効果の優位性
 重粒子線に採算性は見込めない

 治療費、237万

 放射線、
  電磁波(ガンマ線、エックス線)
  粒子線(アルファ線、ベータ線、中性子線、電子線、陽子線、重粒子線など)

  原子:陽子、中性子からなる原子核の周りを電子がまわっている。これらが高速に加速されると放射線になる。

  放射能同位元素:放射線をだす元素 ラジオアイソトープ
   カリウム40、ラドン、ラジウム、ヨウ素 

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庄内ALS連携講演会

2019-10-11 09:18:42 | 日記
当院におけるリハビリテーションの現状
~ALS患者に対するロボットリハの可能性~
鶴岡協立リハ病院 リハ科 科長 松島得好


ロボットリハビリテーション (HAL)
 ALSに対するリハビリテーション 有益か、むしろ悪化か 結論はでていない
 20日の入院リハで著明に改善した事例の紹介:
 10回のロボットリハで、修正自立となった
 症状の進行抑制効果
 サイバニクスとの併用で

ALS治療方法と地域連携
吉野内科・神経内科院長 吉野 英

・ALSの病態とラジカットの作用機序・効果
 2年で寝たきり、3-4年で人工呼吸器 
 病理:脊髄前角の運動神経細胞の脱落とミクログリア細胞の出現
 ドミノ倒しのような進行性
 エダラボン(ラジカット)
  呼吸器装着した患者3名、全員が呼吸器を外すことができた
  承認されるまで14年
  早期に投与した方が効果高い(進行抑制)治療開始は早ければ早いほど良い
  半数近い患者に進行抑制がみられた
  典型的なALSに効果が高い(有意差)
  確定、probableのALS患者で有意差がでた
  治療期間が長くなるほど優位差がでる
  効果がないと思って止めると悪化が早くなる例がある
  
・在宅におけるカジカット治療の連携
  吉野内科
  在宅でのラジカット治療 
  ALS 71名、
  半数にラジカット投与
  第1クールは、専門医のもとで入院、外来で導入
  以後は、訪問看護師が点滴
  定期的な肝機能、腎機能評価
  経口ラジカットの日米欧グローバル治験
  
・呼吸器装着したALS患者さんが生活できる施設
  難病病床
  メリット、活きのよいスタッフ
  難病マンション「つばさハウス弐番館」(10室)2億借金
  40名の重度障害者
  地域にひらかれた施設
  難病患者を24時間ケアする手厚い介護がQOLを維持し合併症を予防。
  いのちを救う医療 いのちを支える医療
  to cure sometimes..
to relieve often,
to comfort always
  最終目標は、「生きていてよかった」と思えること

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