鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

No.293 (鶴岡みらい健康調査セミナー)

2014-03-10 10:05:09 | 日記


3月9日、鶴岡みらい健康調査セミナーが、鶴岡メタボロームキャンパス レクチャーホールで行われました。以下は主催者からのメッセージです。

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「鶴岡みらい健康調査」の取り組みにつきましては、広報つるおかなどでもご紹介をさせて頂いておりますが、慶應義塾大学先端生命科学研究所が開発した最先端の解析技術を用い、これからの新しい市民健診や健康づくりに役立てるために、慶應先端研と地域の医療関係機関と市が協同して、鶴岡市民1万人の健康状態を中・長期にわたって調査する取り組みでございます。

この調査は、3年間で1万人の市民の皆さんからのご協力をいただいくことを目標に、平成24年の4月から取組みをスタートし、2年が経過しようとしておりますが、おかげさまをもちまして、参加者も順調に推移し、現時点で6千4百人を超える市民の皆様にご協力をいただいているところです。本日、会場にお越し頂いている方にもご協力いただいている方もいらっしゃるかと思います。この場をお借りして御礼を申し上げます。

この健康調査を契機としまして、鶴岡地区医師会、鶴岡地区歯科医師会、鶴岡地区薬剤師会、慶應義塾大学先端生命科学研究所及び鶴岡市では、実行委員会体制を組みまして、本調査の活動状況や進捗状況、研究成果等をご紹介するとともに、健康情報も盛り込みながら、市民の皆さんと一緒に健康について考えるセミナーを企画したところでございます。「鶴岡みらい健康調査」は、開始して間もないこということもあり、当面の間は、皆様の健康に役立つ情報の提供を中心に、セミナーという形で開催していきたいと考えております。
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さて、今回のセミナーのテーマは、「高血圧と脳卒中~予防と治療の最前線」でした。

超高齢社会が進行するなか、元気で生き生きと生活していくためには、健康であることが大事ですが、障害を残す代表的な疾患が脳卒中です。一方で、脳卒中の70%に高血圧の既往があることは当地区の地域連携パスのデータからも示されています。したがって、血圧をコントロールすることは、元気で、生き生きと、楽しく生活していくためにとても重要です。ということで、3人の先生から講義がありました。

■「ほんとうの血圧とは?ー家庭で計る血圧と健康」
  帝京大学医学部 主任教授 大久保孝義氏

家庭血圧が重要。岩手県大迫町でのデータでは、家庭血圧が高いと脳卒中の危険が 2.8倍に、家庭血圧だけが高い人(仮面高血圧) のリスクはさらに2倍、早朝血圧が高いのもリスクになる。また、大迫町では地域全体で血圧管理に取り組むことで、死亡率、医療費が下がった。まとめ、「家庭血圧を計りながら、生活習慣改善の効果を実感しましょう!」


■「簡単にできる高血圧予防 ~食べて動いて健康長寿」
  慶応義塾大学医学部 教授 岡村智教

日本と欧米(イギリス、アメリカ)との食事の比較で、日本の食事は、飽和脂肪酸(動物性脂肪)摂取量が低く、多貨不飽和脂肪酸(魚)が多いが、塩分摂取量が多く、カリウム摂取(野菜、果物)が少ない。食習慣を変えるには、個人の努力では難しく、ポピュレーションアプローチ (組織的にみんなでやること)が効果的である。例えば、会社ないでの意識づけ、ラーメンのスープを飲まないための穴あき蓮華、一滴醤油差しなどの工夫。

■早く見つけて治そう
~鶴岡の脳卒中治療の最前線~
荘内病院 脳神経外科 佐藤和彦氏

脳出血は血圧管理、脳梗塞は、血圧管理に加えて、禁煙、食事、運動、飲酒など生活習慣の改善による予防が重要。南庄内地区では、脳卒中の前方連携としての血栓溶解療法、後方連携としての地域連携パスを実践している。

■パネルディスカッション
「高血圧予防、脳卒中予防へ向けた鶴岡の取り組み
~現状そして未来へのアクション~」
司会:庄内保健所長 松田 徹氏

高血圧 鶴岡市の取り組み
鶴岡市健康課 上野氏

脳卒中発症予防セミナー、鶴岡市ヘルスアップセミナー(全8回 2コース)、保健衛生推進員(980人)による、市民健康のつどい、町内会の健康教室、健康づくりサポーター養成(1083人)、スーパー健康つくりサポーター養成などの活動を行っている。

大久保氏
血圧が高いほど、脳卒中のリスクがあがる
家庭血圧が大事、
高血圧を予防することが脳卒中を予防することになる

岡村氏、
塩分を控えることが重要。
減塩醤油、塩に代わる食材の利用、
講演会に来るような人は意識が高いので問題ない、
意識の低い人をどうするかが課題

佐藤氏
脳卒中は予防につきる。血圧、たばこ、運動、食事などが大事。

松田氏
庄内、野菜の接種量少ない、塩分が多い、平均12g、田舎の方が塩分高い、
自分たちで自分たちの健康が守る、という意識が大事

■閉会のあいさつに代えて
 庄内を健康にするIABの活動紹介
  生命先端研 富田所長
 動画で生命先端研のメタボローム技術や人材育成などを紹介し、閉会のあいさつとした。

案内ポスター
http://tsuruoka-mirai.net/uploads/ivent/2013/140309_mirai-kenkou-chousa.pdf

鶴岡みらい健康調査
http://tsuruoka-mirai.net/
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