hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

東直己『旧友は春に帰る』を読む

2012年12月22日 | 読書2

東直己『ススキノ探偵シリーズ 旧友は春に帰る』(ハヤカワ文庫JA1042、2011年8月早川書房発行)を読んだ。

裏表紙にはこうある。
「・・・ただ、お願い。助けて」突然送られてきたモンローからのメッセージは、<俺>の眠気を覚ますのに充分なものだった。どうしても事情を話そうとしない彼女を夕張のホテルから助け出し、無事に本州へと逃がしてやった直後から、<俺>の周りを怪しげな輩がうろつき始める。正体不明のトラブルに巻き込まれ、地元やくざに追われるはめになった<俺>は、ひとり調査を開始するが・・・旧友との再会、そして別れが哀切を誘う感動作。


ススキノ探偵シリーズの第10作。初出:2009年11月単行本で刊行

久しぶりに読んだハードボイルド。お定まりの文句にやはり「いいな!」を付ける。

「車は運転しない。ケータイは持たない。クレジットカードは持たない。どんどん世界が狭くなるわね」
と言われてしまう<俺>


モンローを置いて逃げたほうがよいとアンジェラに勧められて、
「わかってるが、今は、それはナシだ」
「長生きするわね。・・・長生きできないわよ」
「別に、長生きするために、生きているわけじゃない」


モンローが捨てていく服を選んでいて
これ以上の選択は「とても、不可能。ゴーンさんだって、無理」



私の評価としては、★★★★(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)

10作も続くシリーズものなので、久しぶりに登場する人もいるようで、続けて読んでいる人は懐かしく、より楽しめるだろう。私はこの著者の本ははじめて読んだのだが、支障なく楽しめた。
手練ぎみだが登場人物が魅力あり、次々展開していく話に引き込まれる。ただし、文庫本569頁は長く、最後の20頁であっさり決着がつき、納得はするが、意外なあっさり感が。



東直己(あすま・なおみ)
1956年札幌生まれ。北海道大学文学部哲学科中退。
北の歓楽街ススキノでその日暮らしの一方、家庭教師、土木作業員、ポスター貼り、カラオケ外勤、タウン誌編集者などの職業を経て、
1992年『探偵はバーにいる』で作家デビュー
2001年には『残光』で日本推理作家協会賞の“長編および短編集部門”賞を受賞



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