hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

と学会『トンデモ本の世界X』を読む

2011年10月29日 | 読書2
と学会『トンデモ本の世界X』2011年7月楽工社発行、を読んだ。

「トンデモ本」とは、「著者は大マジメなのに、常識からするとギャグとしか思えない本」「作者の意図とは別の意味で楽しめる本」だそうだ。例えば、「東京スカイツリーは原発よりも危険だ」「阪神淡路大震災は核爆発で起こされた人口地震だ」「日本は宇宙戦艦『大和』を建造せよ」など著者が大真面目に主張する本だ。

石原慎太郎『スパルタ教育』
「父親は夭折することが理想である」石原さんはこの本の42年後も元気だ。
「わたくしの家庭では、妻や、母親は反対するが、わたくしは子どもたちの前でヌード写真の氾濫した雑誌を隠さぬことにしている」なんだ、いいこと言ってるじゃん。

山野車輪『マンガ嫌韓流4』
「日本の性犯罪率は一万人当り0.74件だが、韓国は3.16件で、韓国は性犯罪大国」「韓国では昔から強姦が横行し、強姦も辞さない父親の粗暴な遺伝子が受継がれ」と主張する。しかし、1000人当り強姦件数は、南ア1.2件で韓国0.12件は16位、日本は0.018件で58位。犯罪が異常に少ない日本とだけ比べるのは欺瞞だ。

安部司『食品の裏側』
著者は添加物(白い粉)だけでラーメンのスープが作れると実演して見せる。しかし、そのリストにはネギやゴマだけでなく、豚骨エキスやガラエキスが入っているのだから豚骨スープができるのは当然だ。これで味噌ラーメンができたら私は驚くけど。

大川隆法『宇宙人との対話』 
「幸福の科学」主催の大川隆法氏は、古今東西の偉人の霊や宇宙人が降りてきていろいろなことを喋るという。昭和天皇は「裕仁です」と、明治天皇は「明治です」と自己紹介するという。明治は名前ではないだろう! 

こんな調子で、突っ込みどころ満点の、笑える本がズラズラ並ぶ。


と学会 
 1992年に結成された趣味人の集まり。現在の会員数は約120名。
各自のトンデモ本コレクションを持ち寄って楽しむことから活動を開始。活動の成果をまとめた『トンデモ本の世界』(洋泉社、1995)がベストセラーとなり、「トンデモ」という言葉が広まるきっかけをつくる



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

ジョークとしか思えない本がかなり出まわっていることがわかった。しかし、この本で次々紹介されるトンデモ本のおかしな点を、揚げ足取りのように笑い飛ばして読んでいるうちになんだか虚しくなってきた。社会の大きなムーブメントにならない限り、「イワシの頭も信心から」と、目くじらたてずに突き放していれば良いのだと思えてきた。


コメント
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