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横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

日銀利上げをけん制 大田経済相

2007-01-15 08:17:43 | 経済
「消費弱い状態」と経財相、日銀利上げの動きけん制(読売新聞) - goo ニュース

昨日サンプロの番組で大田経済相が「日銀による利上げの動きをけん制する場面」を見た
一見優しそうに見える中年のおばさんだがどうしてどうして豪腕のお方の様だ

さて景気の回復と金利の関係だが一般的には相反するとされている
日銀利上げがあると銀行金利も上がり景気に水をさす 事実10年前にそれで失敗した
でも金利を上げなければ景気が回復するのであろうか? 政府関係者は日本の景気は「いざなぎ景気を越える長期の好景気」と言い触らしているではないか

日銀金利が余りに低いので国際的金利水準との格差から「日本円はドルは勿論ユーロに対しても弱い」
この事は輸出業に有利であり輸入業/品に不利に働いている
その結果近頃の金の動きは(数字は年間):
貿易とサービス収支は:貿易黒字12兆円 サービス赤字6兆円 正味黒字6兆円

所得収支:海外での投資に対する黒字  7兆円
資本収支:海外への投資に対する赤字 16兆円
投資合計           赤字  9兆円
という概況である

このうち貿易黒字は政府がドルに換えて米国財務証券を買うので国内を素通り
円安によるコスト高を嫌う企業は円をドルに換えて海外に持ち出すからその分内需が落ちる事になる
ここ10年内需特に個人消費が落ち込み景気が悪いから企業は正規雇用を減らし契約社員を増やす 労働者の雇用と所得は減りますます金を使わない 加えて事実上0%に近い預金金利で預金切り崩しの生活 更に個人消費が落ち込む という負の連鎖が続いているのだよ

「景気の回復」とは先の戦争で大本営が「次の決戦で米国に勝利したら、今度の会戦で打撃を与えたら」と言ってる間に足腰立たなくなった様子に似ている

爺の処方箋:
その1:日銀金利の上げは日銀に任せ緩やかに国際水準に近づける
その2:ドル相場は貿易収支がトントンになる(恐らく1ドル105円前後)水準を睨み今の様な介入をしない 当然ドルが余れば円になり国内に還流する ドルが弱くなれば輸入品(石油が最たる物)の値段が下がり物価が安定する
その3:金利の上がりで国債の金利も上がる 政府の一般・特別会計約300兆円を聖域無く行政・財政改革を行い年間約10%つまり30兆円ほどの冗費を節約すれば国債の金利負担分どころか新規国債の発行が不要になる 
その4:金利が上がり国債の利払いが問題になる様になれば利払いの一時停止とか国債償還の停止とか大手術の方法は幾らでもある
その5:そこ迄はーとためらうなら政府の外貨準備のドルを保証金に無金利の国債を発行し政府系の組織の持ち合いしている旧国債を償却整理しても良い
但しこの時は政府要人に清廉で人格の高い人を任命しないと国民の納得を得るのが難しいと思うが でも方法はある

景気回復が果たされればそれはそれで結構な話だ でも景気回復なんて無いとの前提で政治を行えば今日からでも確実に出来る事が幾つもある
安倍総理も大田経済相そして藤井日銀総裁も大局感無しの官僚の発想に乗り「景気が回復するとの夢から覚めないと対処を誤るであろう

読売新聞:
大田経済財政相は14日の民放の報道番組で、日本銀行が今月17~18日の金融政策決定会合で追加利上げを行うとの見方が強まっていることについて、「今、消費は弱い状態で、デフレ脱却の道筋が後戻りする可能性がある。日銀もその点は十分認識したうえで判断すると思っている」と述べた。景気回復の動きに停滞感が見られる中で、利上げの動きをけん制した。
 大田経財相は、日本経済の現状について、「デフレ脱却ができるかどうかの本当の正念場だ」との認識を示し、日銀に対しては「しっかりと説明責任を果たし、責任を持って判断してもらいたい」と注文をつけた。(引用終わり)


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