北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ロプチャー型戦車揚陸艦2隻への攻撃とロストフから占領地へ鉄道を敷設

2024-03-28 07:00:51 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 損害の程度は確認中との事ですが、さてロプチャー級戦車揚陸艦といえばアリゲーター級と並んで有事の際に北海道へ押し寄せてくると考えられたものだ。

 ロシア黒海艦隊揚陸艦最後の2隻が攻撃により火災が発生したもようである、ISWアメリカ戦争研究所3月24日付戦況報告によれば、ウクライナ軍参謀本部発表としてウクライナ軍はクリミア半島のロシア海軍セヴァストポリ軍港を攻撃し、ロシア海軍揚陸艦2隻と通信センターや基地関連設備などを破損させることに成功したとしています。

 ロシア側ミルブロガーの情報としてこの攻撃には巡航ミサイル40発以上と自爆用無人機などを用いたとしていますが、詳細については確認ができません。ウクライナ海軍のプレチュンテツ報道官によれば、揚陸艦2隻が火災を起こしたものの、その破損規模は評価中としました。黒海艦隊に残る揚陸艦は2隻のみ、ほかは既に全損か撃沈されました。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 修理可能だとしてもセバストポリのドックはウクライナの射程圏内にあり黒海沿岸にはほかにドックもなく修理着手は終戦後となります。

 ロシア海軍黒海艦隊揚陸艦について。ロシア海軍黒海艦隊はクリミア半島とロシア本土を結ぶ橋梁が、もともと開戦前にウクライナのアゾフ海から国会への船舶航行を阻害することを目的として橋脚を低くしたため、度々無人艇攻撃により破壊ないし破損による交通制限に見舞われ、その際に揚陸艦は貴重な代替の兵站輸送手段でした。

 ロプチャー型戦車揚陸艦、現在はアゾフとヤマールが攻撃前には稼働状態でしたが、ミンスクが2023年9月にミサイル攻撃を受け大破、ノボチェルカルスクが2023年12月に大破修理不能、2024年2月にツェーザリクリニコフが撃沈、また北海艦隊のオレネゴールスキイゴルニャークもノボロシスク基地で無人機攻撃を受け破損しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 揚陸艦の破損とともにロシア軍の兵站輸送の問題についてですが鉄道を建設するというものの敷設予定地はウクライナの射程圏内だ。

 ロシア軍はロストフからウクライナ領内占領地へ鉄道を敷設する、3月24日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、ロストフからクリミア半島のセヴァストポリまでの鉄道線を開通させる方針といい、これは3月18日にプーチン大統領が建設を発言したものの具体的な敷設計画というもので、既存のケルチ海峡大橋などを補うもの。

 ロシア軍の占領地鉄道建設はドネツク州南部で既に実施されており、8か月間を用いて頃スキーと紙安価を結ぶ60㎞の鉄道を建設しています。イギリス国防省の分析ではマリウポリのアゾフスターリ製鉄所などを将来ロシアが接収し修理し用いる可能性があり、ウクライナ重工業施設を自国の生産に転用する試みの一環という可能性を分析しました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【京都発幕間旅情】長浜城-梅... | トップ | 【防衛情報】第9戦車大隊・第... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

防衛・安全保障」カテゴリの最新記事