北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【土曜詳報】オタワHMCS-OTTAWA舞鶴親善訪問(9)北吸岸壁と前島埠頭(2019-08-24)

2020-10-31 20:14:40 | 世界の艦艇
■カナダ艦オタワ舞鶴入港
 舞鶴基地の一般公開時間もそろそろ終盤が近づいてまいりました、カナダ艦オタワ見聞録は今回が最終回です。

 オタワ、せとぎり。カナダ海軍フリゲイトと海上自衛隊護衛艦の比較ができる角度にて。カナダ海軍の印象は厳しい極地方の運用を考えた結果、全体的にレーダーを反射しにくそうな形状となっていますが、護衛艦の方は、これこそが海で戦う水上戦闘艦、というもの。

 オタワ艦尾側から、並んでいた長大な行列はかなり短くなっている。一時はどうなることか、と思いました。見学できたようで幸い。いや、前の年の晴海でのイギリス揚陸艦アルビオンなどは並びすぎて相当数が乗れずに手続き終了、となってしまいましたから、ね。

 オタワ上部構造物を岸壁から、行列はまだまだ続いている様子は見えるのですが、カナダ海軍の当初同時に40名までしか乗せない規約を急遽緩和したことで混雑は緩和されつつあります。護衛艦と違うハープーンやレーダーといった配置がよくわかる構図がおもしろい。

 カナダ海軍のメイプルマーク。カナダといえば国旗にあるメイプルさんです。驚く無かれ、同じ英連邦だからというわけではないのでしょうが、オーストラリア海軍の艦艇にはこの位置にカンガルーが描かれている。英連邦だからか、一目でどの海軍かわかるのですね。

 オタワを正面から、太陽がかげってきた。北太平洋や北大西洋に資する塗装であるカナダ海軍艦オタワ、太陽が順光でよく当たるときには白く輝くのですが、日が陰ってきますと、目立たなくなりまして、なるほどこれもロービジなのだなあ、と気づかされるところです。

 57mm艦砲と航海レーダーにRaytheonの表示が。サーチライトが目立つのもカナダ海軍の任務が日本の海上自衛隊と共に法執行任務を司る海上保安庁とさらに水産資源管理を担う水産庁の任務をも担っている為の、警備救難用なのだ、という印象が伝わってきますね。

 341艦番号が水面の乱反射に輝いている。海上自衛隊の護衛艦は艦番号が濃い灰色に白くしるされていますが、艦番号はカナダ海軍では黒く示しています。い峰昨今海上自衛隊の護衛艦や練習艦は艦番号をロービジとしていますか、カナダ海軍は今後どうなるのでしょう。

 オタワとその対岸の艦番号156は護衛艦せとぎり。ちょっと距離がありますか、満載排水量ですと同じくらいの艦艇です、いやオタワの方が若干大きい。しかし搭載武装では、せとぎり、の方が遥かに大きく強靭ですので、乗員も多く必要で、窮屈なのかもしれません。

 オタワ真横から、しかし興味を引くのは自動車の方でして、黄色い軽自動車は舞鶴地方隊総監部管理のもの。海上自衛隊はジムニーなど興味深い車両も採用していまして、もちろん業務車ですのであまり関心を以ては迷惑を掛けてしまいますが、渋いなあ、と思います。

 前島埠頭からオタワ、せんだい、まつゆき。舞鶴基地にはイージス艦みょうこう、あたご、なども母港となっているのですが、基地に停泊している護衛艦は静かなものでした。しかしこの真夏の舞鶴は暑かった、京都よりも暑いというよりも熱いというほど、遠かった。

 五老岳と補給艦ましゅう。カナダ海軍にも巨大な補給艦建造が進んでおり、戦力投射艦として補給艦に揚陸艦の機能を付与させ海外派遣での拠点として用いる設計ともいう。補給艦にも様々なものがあると思いながら、しかしこの補給艦ましゅう、大きい、と改めて。

 ドックに入る護衛艦ひゅうが。満載排水量19000tの全通飛行甲板型護衛艦です、重整備に際して飛行甲板を仮設構造物にて覆っていましたので、飛行甲板を強化していたのかな、と想像してしまうのですが、将来像を期待しつつ、舞鶴から帰路に就く事となりました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和二年度十月期十一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2020.10.31-11.01)

2020-10-30 20:07:14 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 鎮西演習とキーンソード演習にて九州沖縄中心に賑やかな模様ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は懐かしの清水港まつり情景とともに。

 新型コロナウィルスCOVID-19感染者数が日本国内で遂に10万名を超えました。こうした中、下関あるかぽーとにて31日と1日に練習艦はたかぜ、練習艦しまゆき一般公開が行われます、が、募集対象年齢者限定で山口地方協力本部に電話受付を行った上で見学を行うとのこと。まだまだ自由な自衛隊行事には程遠い様で、先ず隊員を募集している段階です。

 新型コロナウィルスワクチン。2020年内にも一定の方向性が示される、過去のワクチン開発と比して非常に早い水準にて開発が進められています。すると、ワクチンの接種が医学的に可能となった先の、大規模なワクチン接種体制を我が国も真剣に議論する段階となってきました。当然の論点ですが、日本への輸送に全国民への接種、簡単ではありません。

 ファイザーなどワクチンの一部は空輸に際して数十時間以上長期保存する場合にはマイナス40度からマイナス80度という超低温でなければ不活性化するため、航空貨物機に超低温冷蔵コンテナを搭載し輸送する必要があります。この空輸、簡単そうに見えますが日本国内だけでも1億3000万回分に近いワクチンが必要となり、空輸所要は膨大となります。

 超低温冷蔵コンテナ。またはドライアイスの温度がマイナス79度ですのでドライアイスを充填したコンテナでも可能ですが、常温保存できないワクチンでは航空貨物として空輸する場合にはワクチンそのものの重量よりもコンテナや冷凍設備の方が重量が大きくなり、また輸送筐体も大型化するため、航空貨物庫では目一杯搭載出来ない可能性もありますね。

 ボーイング747換算で8000機分の空輸能力が求められる、ワクチン空輸に関しては世界全体に普及させるためにこうした空輸能力が必要になると分析されていますが、やはり航空各社はコロナウィルスCOVID-19による各国での航空需要低下により旅客機や貨物機の多くが数週間の再点検を行わねば運用出来ない状況にあり、再整備、これ一つとって課題だ。

 日本国内での接種計画も、総合病院や診療所など全て動員したとしましても簡単ではありません。先ず医療関係者、接種に当たる医療従事者に優先投与し、続いて高リスク対象の高齢者、エッセンシャルワーカー、順番に接種しますと集団免疫形成には2022年後半まで時間を要する分析もあるほどです、故に大規模接種計画、慎重で綿密な計算が必要です。

 アメリカ大統領選挙。さて。11月3日といえば例年ならば入間基地航空祭のにぎわいを思い出すところですが、今年度は新型コロナウィルスCOVID-19影響にて、やはり中止となっています。しかしこの同じ11月3日が大統領選挙投票日なのですね。アメリカのみなさまは期日前投票を済ませられている型が歴史的高水準に達している、ということで大きな関心が。

 アメリカ大統領選。2016年に日本の核武装やNATO離脱とロシア制裁の流れに反しての強化に西太平洋地域におけるアメリカ影響力低下を示唆していた、あの2016年に比較しますと、外交安全保障問題に言及が薄く、少々、現状維持以外の民主党が政権を執った場合の安全保障政策全般が曖昧模糊としていまして、なかなか論点としにくい現実がありまして。

 中国の影響力。アメリカの内向きの政策のさなかに中国は失敗しています、アメリカが移民排斥に進む中で中国はウイグルチベット民族大量収監や香港での人権隔離政策を実施、アメリカの脱対外駐留を進める中で中国は南シナ海の離島奪取と軍事拠点化、アメリカが内向きとなった際に世界での支持を得る施策を捕らず逆行した政策を実施し失敗しました。

 共和党で現職のドナルドトランプ大統領と民主党で前オバマ政権時の副大統領のジョーバイデン氏が大統領選を争うところではありますが、支持率調査においてバイデン氏の優勢が伝えられる一方、現職の強みとともに前回2016年大統領選でも支持率では下位にあったトランプ氏の大統領当選という歴史がありますので、支持率調査は確定ではないのですね。

 トランプ政権は、既得権益の打破をポピュリズム的な手法で喧伝し変革を訴えました。この変革は、チェンジ!を掲げて大統領に導かれたオバマ前大統領と同じ、一種アメリカ世論の変革への憧憬と開拓精神の発露ともとれる共有知が背景にあると考えますが、現職大統領に進められる変革。発展の可能性をもう一回、示せているかが分水嶺となりましょう。

 バイデン候補は、難しいのですがフランス大統領選における極右か新人かの選択肢をペストかコレラかの選択肢に準えた論評を思い出しまして、ポピュリストよりは老人であっても昔ながらの政治への回帰を期して、言い換えるならば本命はポピュリズムの嵐が晴れた後に選ぼうという、認識が支持に消極的ながら後押しするのかが、大きな鍵となり得ます。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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検証:防衛省令和3年度概算要求5兆4897億円(3)少子高齢化を背景とした自衛官人材の確保

2020-10-29 20:02:46 | 国際・政治
■規模と内容とも不十分だが一歩
 来年度予算概算要求では人員確保の面で特筆すべき視点が少し含まれていました。ただ、もう少し本質的な問題に注目してほしいとも。

 来年度予算概算要求において一つの重要事項が少子高齢化を背景とした人材確保の強化です。2000年代に実施された新隊員制度の廃止による自衛官候補生制度の創設、並行して曹候補士制度の廃止による曹候補学生制度への転換は、事実上、幹部自衛官をのぞく自衛官の特別国家公務員としての身分を任官から数年間、実質の非正規雇用としてしまいました。

 募集難は少子高齢化だけが原因ではなく、財政難を背景とする人件費圧縮の政治的要求をそのまま曹候補士制度廃止として、いわば終身雇用を選抜制に切り替える事としたため、若者から人材を使い捨てとする曹候補学生よりは終身雇用、人材を大事にする組織、民間企業や地方公務員などに流れたことが、募集難の一つの大きな背景ではないでしょうか。

 募集広報動画作成と配信に3億円。実は自衛官のそれ誤解です、というような動画が話題を集めましたが、実は募集官のそれ誤解です、というような自衛官としての過ごしやすい環境ではなく人材が大切にされるのかという問題から選びにくくなっている現状を少々無視しているような印象のある施策に3億円投じられるわけで、ちょっと考えさせられる。

 人材の確保を目指すのであれば現在の曹候補学生制度、学生なのだから任期満了の退職金は出ないが選抜制で上位者は終身雇用の陸曹に昇進できる、昇進できなければ七年後に除隊、という制度ではなく、2007年まで有った曹候補士制度、時間はかかるがいつかは陸曹昇進できる事実上の終身雇用制度、安定の公務員、ここに回帰する必要を感じるのですね。少子高齢化の内の少子化は生活が安定しない為に婚期が遅くなるためというのも原因の一つ。

 公務員だから安定している、ソレ誤解です。現実はここにあるのですが。前制度に戻せない理由には、財政難があります、自衛隊としては人件費を削りたい、人件費を圧縮するよう財務当局からの圧力が大きい。もちろん曹候補士制度では七年後にほぼ自動的に陸曹に昇進するために勤務意欲の低い陸曹の増加、という問題があったことは理解しています。

 即応予備自衛官任官を条件に大学へ奨学金のような制度を構築できないか、これは前防衛大臣であった河野防衛大臣の発案です。高校を卒業し二年間、海上自衛隊では一任期三年、任官した上で退官後に即応予備自衛官に任官した上で大学に進学する。即応予備自衛官の訓練年間30日間、退官後の企業就職か、任期延長しつつ大学院に行ってもよいでしょう。

 任期制自衛官進学支援。高校卒業後に大学進学前に任期制自衛官に任官した場合は、任期満了後の大学進学に際し即応予備自衛官任官を条件に入学金と授業料の一部を支援する、新しい制度が始まります。学費負担の大きさと事実上の教育ローンを貸与制奨学金としている現状で、高校生に進学の道を開く、ここは大きな一歩でしょう、ただし規模に問題が。

 進学支援ですが、来年度に要求されたのは0.8億円、8000万円なのですね。学費が私学では年間百万円を越えることも多い現状、この予算規模ではフルブライト奨学金並に狭き門となりそうです。ただ、現在の即応予備自衛官制度では企業協力金として毎月42500円が支払われていますが、これを学費に転用できるならば、まあ多少の足しとはなりましょう。ただ、国に奉仕したのだから学費位は全額、と思うのは当方だけでしょうか。

 即応予備自衛官の確保には必要な措置とはいえるのですが、質も量も不十分で、例えば延灯許可を受けて入試対策を行うとして、制度では現役勤務の訓練日程とオープンキャンパスの日程を確保できるのか、大学入試日程と勤務の両立の難しさもあり、例えば早い時期に進学先を画定できるAO入試と勤務が両立できるような冗長性ある制度が求められます。

 働き方改革。来年度予算には上記の制度とともに今話題の働き方改革が盛り込まれています、具体的にはOA化の促進やペーパーレス化による勤務時間の短縮が挙げられているのですが。演習は仕方ないとしても、業務にはデスクワークの調整業務も相応に大きくなっており、ペーパーレス化だけで対応できるかは未知数ですが、一歩は踏み出すようです。

 NATOジェンダー関連年次会合への派遣、働き方改革の一端としてこうした取り組みも行われるようです。そして女性自衛官隊舎の環境整備などに50億円が投じられるとのことで、また自衛官全体の勤務環境整備を含めた、含めたという点で全てではないと示しているようですが、自衛隊施設整備に574億円、日用品調達に44億円が要求されていました。

 輝号計画、過去には自衛官の待遇改善に昭和末期から平成初期にこうした取り組みがあり、大部屋の中部屋への改編や外出時の制服着用義務の廃止などがありました、しかしこれは1990年代の視点での改善であり、2020年代と1990年代では、そもそも自衛官候補生が2000年代生まれの時代なのですから、もう一歩踏み込んだ待遇改善を望みたいところです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】清瀧寺徳源院(滋賀米原)三重塔が迎える太平記は京極高氏ゆかりの寺院

2020-10-28 20:10:13 | 旅行記
■青椛迎える霊通山清瀧寺徳源院
 京極氏の菩提寺が米原にある、米原といえば東海道新幹線とJR西日本223系からJR東海313系が交差するという印象の街です。

 清瀧寺徳源院。ここは滋賀県米原市清滝に所在しています寺院で東海道本線柏原駅から少し歩み進めたところに位置する寺院です。米原、滋賀県と云いますと大津と彦根に長浜、と寺社仏閣が集まる印象がありますが、京に隣接する近江国と云いますともう歴史が長い。

 京極氏の菩提寺が米原にある、こういうお話を頂き、鎌倉幕府の評定衆を務めた京極氏信からはじまる京極氏は足利尊氏に仕えた佐々木道誉こと京極高氏としてかの楠木正成と尊氏の間を取り持った風流な武人といわれまして、俄然興味がわきました故歩み進めました。

 天台宗寺院である清瀧寺は山号を霊通山といい、山手に伽藍を開いています。ここには寛文12年こと西暦1672年に建立されました三重塔が現存していまして、青椛の中に不思議な静寂を響かせるとともに庭園なども、昨今諸般事情から非公開ですが維持されています。

 京極高氏、私が記憶に残る最初の印象的な大河ドラマ“太平記”では陣内孝則が演じました武人でして、奇しくもこの太平記は2020年にNHK-BSにて再放送されているのですね。こう思い立ちまして清瀧寺、その伽藍には17世紀に造営しました三重塔が聳えています。

 近江清瀧寺。歴史を紐解きますと京極氏の初代当主京極氏信は近江守即ち地頭を弘安6年の西暦1283年に任じられまして、江北高島郡と伊香郡に浅井郡と坂田郡と犬上郡及び愛智郡を京極氏の本拠地としていました、その頃弘安9年の1286年に清瀧寺は創建されました。

 足利尊氏との親しい関係を保ち、結果的に悲劇の英雄の道を辿る尊氏の分岐点、幕府の後醍醐天皇追討令に背き鎌倉幕府討幕を決意した尊氏にこの関ヶ原近くの関所で対峙した京極高氏は恭順の意を示し一路上京し六波羅探題占領、室町幕府立役者の一人となりました。

 湖北名刹札所23番として数えられる清瀧寺、しかし実は近江清瀧寺とは別の立地でもあります。実はこれにも不思議な歴史がありまして、京極氏は出雲守護に隠岐守護と飛騨の守護とを務め幕府の要職四職を担いましたが、後に応仁の乱により没落してしまうのですね。

 浅井氏の台頭。近江の実力者と云えばかの織田信長と最後まで上洛を巡り覇を競った浅井氏を思い出される事でしょう、戦国時代に京極氏は浅井氏の下剋上により没落していましたが京極高次、永禄6年の1563年に生まれた京極高次により再興の機会を迎えてゆく。

 京極高次は織田信長と豊臣秀吉に仕え、続いて徳川家康のもとに。そして大津城主としての地位を得まして関ヶ原の戦いでは東軍に就き大津城にて遅滞戦闘を展開し、西軍支隊の関ヶ原合流を阻止、この勲功を受け江戸時代に若狭藩主、弟は丹後宮津藩主となります。

 近江との所縁を尊ぶ京極氏は丸亀藩移封となりまして、藩主京極高豊治世下の寛文12年こと1672年、幕府に近江蒲生郡内1400石加増を受けた際に請願し鎌倉末期、京極高氏が陣屋を敷いたこの地を得ました。こうしてここに菩提寺清瀧寺を再興するに至ったのですね。

 三重塔、西暦1672年に建立されました三重塔はこの時に造営されたものでして、寺院再興に際して京極氏の墓標は散逸していましたが、集めれば全て揃ったといい、国の史跡となりました数えれば応仁の乱から実に二百年以上を経て帰参した、というところでしょうか。

 徳源院、ここは東海道本線近江長岡駅から柏原駅へ、こう列車が伊吹山を借景に隣接する東海道新幹線が見えるよう大きく曲がる線形となっています山手にありまして、参道も広く整備されています。柏原には旧東海道宿場町の風情も保たれており不思議な情感です。

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日本版ハリケーンハンターが必要だ(3)真剣に配備検討されたマリアナ沖漁船大量遭難事件

2020-10-27 20:20:42 | 防災・災害派遣
■マリアナ,自衛隊初の海外派遣
 日本版ハリケーンハンターというべき航空気象観測機はマリアナ沖漁船大量遭難事件の際にかなり真剣に検討されています。

 マリアナ沖漁船大量遭難事件は、海上保安庁とアメリカ沿岸警備隊支援だけでは行方不明者を発見することが出来ず、なにしろ膨大な漁船の残骸の中での太平洋上の捜索、海上自衛隊P-2V対潜哨戒機が派遣されることとなりました。また蛇足ですが、このP-2V派遣は訓練派遣を除けば自衛隊創設以来初の実任務による部隊派遣、空前規模といえました。

 YS-11型航空機と2000tいず型巡視船導入。海上保安庁はマリアナ沖大量遭難事件を受け、気象用ドップラーレーダーの巨大なレドームを備えた当時最大の大型巡視船2隻を新造するとともに、広範囲の捜索救難を支援できるYS-11を導入しています。なお、いず型は気象観測を任務としていますがYS-11は目視天候偵察以外気象観測は任務とはしていません。

 台風観測機、実は1959年伊勢湾台風の際に検討されたのですが1964年の富士山レーダーによる富士山測候所の建設により、富士山から800km範囲の台風を気象レーダーにより観測できる体制が完成した為、専用の台風観測機は不要、と結論付けられました。しかし、マリアナ沖漁船大量遭難事件が、改めて台風観測機の必要性を痛感させる出来事となった。

 WB-50観測機、アメリカ空軍ではB-50爆撃機の気象観測型であるために区分はWB-50も爆撃機に区分されていたようですが、気象庁では1960年代初頭、数機程度を自衛隊が運用し、気象庁観測要員が同乗して観測するというものでした。また当時アメリカはWB-50の後継機としてWB-47を運用中、こちらはジェット機であり、こちらも一応検討されている。

 WB-47,これはB-47戦略爆撃機の派生型であり、航続距離もエンジン出力も十分あり、台風の中央を突破した場合でも安全性を高く確保できるというものでした。もちろん実現していません、WB-50は外見がどうみても成層圏の悪魔ことB-29そのものですが、気象庁が導入を検討したのは1960年代初頭、小笠原返還前であったため、航続距離が必要でした。

 防衛庁が検討の結果、予算上非現実的である、として実現していません。WB-50やWB-47を自衛隊が導入する場合、一定の数が必要となります。ただ、元は爆撃機、中古であったとしてどの程度アメリカからの供与があり得たのかは未知数ですが1960年代初頭といえばF-104戦闘機導入が始まったばかり、予算面でもそれほど余裕があったわけではありません。

 WB-50導入が検討されたのは自衛隊草創期、この自衛隊草創期というのは巨大台風被害が際だって多く、1947年カスリーン台風は利根川の堤防が破壊され死者行方不明者1930名、1951年ルース台風では鹿児島を中心に死者行方不明者943名、1954年洞爺丸台風では多数の連絡船が転覆沈没するなど死者行方不明者1781名、青函航路は事実上壊滅しています。

 令和時代に話題となりましたが、1958年狩野川台風は静岡を直撃し昨年の台風19号はその再来と警戒された規模で死者行方不明者1269名、1959年伊勢湾台風は死者5098名と阪神大震災まで戦後最大の災害でした。1961年第二室戸台風は中心気圧888hPsと日本上陸台風としては最強で死者202名を出し、負傷者が4972名と際だって多いことも特色でした。

 ハリケーンハンター、日本でいう台風観測機、注意しなければならないのは台風観測機が必要とされていた時代には気象衛星が無い為、台風が接近しているかどうかはアメリカ軍の台風観測機に依存し、この他には気象観測船が概要を遊弋し、不穏な気圧変化等から台風の接近を予報していたもので、台風上陸24時間前までに発見する事が任務だったのです。

 現代のハリケーンハンターは、台風が存在するかどうかは気象衛星がいち早く発見します、しかしその正確な観測と進路の予報に必要な、より精密な情報収集を行うのが、航空機、という。具体的に例えるならば、防衛安全保障において偵察衛星が発見した興味深い事象に対して偵察機を派遣して詳細を把握する、というような理解がただしいのでしょうか。

 C-2輸送機の配備数にもう少し色を付けることはできないか、タイフーンハンターとして考えるのはC-2の一部をWC-2として天候観測任務に充てる事です。気象庁の観測なのだから気象庁が配備し運用すべきではないか、自衛隊の任務は天気予報ではない、こう、ハリケーンハンターの日本版タイフーンハンターを構築する場合反論はあり得るでしょう。

 しかし、自衛隊であるべき、と考える背景には幾つか論拠があります。一つは気象庁はチャーター機を飛行させることは、予算さえ付けば可能でしょう。実際にガルフストリームⅣをチャーターする研究はありました、しかし、官庁の業務命令と軍隊の命令は生殺与奪を含むかで、軍事機構と行政機構の間に大きな隔たりがあります、ここが重要です。

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【防衛情報】AH-1Z初輸出とベル360可動翼機量産,100km先狙うALE空中発射センサー

2020-10-26 20:01:22 | インポート
■週報:世界の防衛,最新10論点
 今回の防衛情報はヘリコプター等の空中機動装備や携帯火器などの歩兵用装備を中心に最新の情報を集めました。

 ベルテキストロンヘリコプター社は九月、AH-1Z戦闘ヘリコプターとUH-1Y多用途ヘリコプターのチェコへの輸出契約が成立したと発表した。今回の契約は2019年12月にアメリカとチェコの間で成約した導入が正式契約となった事を意味しており、UH-1Y“ヴェノム”を8機、AH-1Z“ヴァイパー”を4機で契約総額は2億7200万ドルとなっている。

 チェコ軍参謀総長アレシュオパタ将軍は今回導入のヘリコプター12機について、旧ソ連製装備が残るチェコ軍においてNATOの一員としてロシア製兵器への依存度を低くするという意義を強調している。AH-1ZとUH-1Yはアメリカ海兵隊が運用する機体でAH-1ZはAH-64Dに匹敵するとされつつこれまで輸出実績は無く、今回のチェコ輸出が初となった。

 ベル-テキストロン社は8月10日、テキサス州フォートワースに最新ヘリコプターベル360インビクタス製造工場の建設を発表しました。インビクタスはアメリカ陸軍が進めるFARA:将来偵察攻撃航空機構想に基づき開発されている高速ヘリコプターで、高速度を志向する複合ヘリコプターではありませんが翼を大型化し330km/hの巡航速度を発揮します。

 ベル360インビクタスはベル525リレントレス高速ヘリコプターの機体設計から派生しており、タンデム複座構造と機首に機関砲を搭載、主翼等にヘルファイアクラスの統合型ミサイルを12発搭載可能、機動力が重視されており最高速度は370km/hを越え、戦闘行動半径では250km進出し90分間の偵察飛行が可能、2023年にも初飛行を予定しています。

 エアバスヘリコプター社は八月、アメリカ陸軍向け最新のUH-72Bラコタ軽多用途ヘリコプターを発表しました。原型のUH-72ラコタはアメリカ本土の州兵部隊部隊へ配備され、既に460機が配備されています、原型は川崎BK-117として親しまれる日独共同開発ヘリコプターの発展型で、原型UH-72はUH-72Aとなり最後の17機が九月に完成します。

 UH-72BはUH-72Aと比較し、エアバスH-145ヘリコプターの改良技術が応用され、テイルローターの改良とエンジン出力の強化が行われました、最大の外見上の相違点はテイルローターが日本のOH-1やユーロコプターEC-135のようなクローズ型となっている点で、これにより飛行中の電線などへの接触時に安全性が確保されます、2021年に完成予定です。

 インド陸軍向けでヒンディスタン航空機製造会社が開発中の次世代ヘリコプターLUH軽多用途ヘリコプターは九月上旬までにヒマラヤ山脈での高高度試験を終了した。ヒマラヤ山脈での評価試験は標高5000mのヘリポートでの発着試験も含まれており、中国兵によるインド兵集団暴行事件以来緊張が続く中3500kmに及ぶ中印国境での運用に期待される。

 LUH軽多用途ヘリコプターは乗員2名の他に6名の人員を輸送する連絡ヘリコプターで798kw出力1070hpエンジンを搭載し巡航速度235km/h、最高速度は250km/hを発揮し400kgの人員及び物資を搭載した場合の航続距離は350km、計画は1990年代より進められており、遠くない将来に部隊配備へと進み、初度作戦力を確保するものとみられている。

 アメリカ陸軍CCDC開発実験司令部は八月ALE空中発射センサーに関するRFI情報要求書を公開しました。これは固定翼航空機に、ヘリコプター等の航空機や大型無人航空機等から発進させる偵察用航空機で、航空機へはミサイルのように搭載し、発進後は偵察及び監視任務にあたる無人機で、偵察監視に加えて将来的には攻撃任務等も担う構想です。

 ALE空中発射センサーは主として堅固な防空システムや既存の無人航空機の接近を拒否する地域への強行侵入が任務とされており、例えば無人機管制能力を有するAH-64E戦闘ヘリコプターに搭載し、敵の強力な防空圏外から無人機を発進、レーダー覆域外等を標定しAH-64E部隊の展開可能な空域を捜索、空中打撃力の発揮に資する運用を目指します。

 ヘリコプター火力は現在射程延伸の過渡期にあります。例えばAH-64E戦闘ヘリコプター等は本来、搭載ミサイルの射程は10km前後のものとなっていますが近年の野戦防空システム強化を背景に将来的には100km以遠への打撃力を付与させる構想があり、ALE空中発射センサーはヘリコプターの見通し線外における索敵など担う運用が考えられましょう。

 中国人民解放軍は八月、評価試験中の新ヘリコプターZ-8Lの試験映像を初めて発表しました、Z-8Lは国際共同開発のS-92多用途ヘリコプター延長線上にあるヘリコプターで中国軍としては大型である15t級ヘリコプターに位置付けられZ-8よりも2t重量増大、海軍歩兵部隊用に現在建造中の075型強襲揚陸艦への搭載を念頭に回転翼折畳機構があります。

 S-92多用途ヘリコプターは共同開発でありアメリカのシコルスキーが開発を主導し国際共同生産には三菱重工も参加していまして、カナダ海軍のCH-148哨戒ヘリコプターとして運用されるほか、V-22可動翼機開発遅延の際にはCH-46の暫定後継機として期待され、一時はアメリカ大統領専用ヘリコプターマリーンワン選定において有力視されていました。

 アメリカ海兵隊は8月4日、新型軽量携帯ロケット兵器M-72A10/LAW-FFEの評価を実施したと発表した。M-72A10は原型が使い捨て式の対装甲ロケット弾であるM-72の最新型で、M-72は口径66mmのHEAT弾、これはM-1小銃用に開発され陸上自衛隊でも64式小銃から運用したM-31小銃擲弾の弾頭構造を応用したものとなっている、口径も同じだ。

 M-72A10/LAW-FFEの改良点はロケットモータの改良により後方爆風を局限化し閉所からの射撃を可能とした点で、更に弾頭は目標識別信管を採用、対装甲では瞬発作動し敵陣地攻撃では遅発信管により陣地そのものを破壊する。M-72の装甲貫徹力は300mm、これは現在の主力戦車や新型の装甲戦闘車には正面貫徹は不可能であるが、軽装甲車には有効だ。

 アメリカ陸軍は八月、最新のカールグスタフM-4携帯無反動砲を1億ドルでサーブ社へ発注した。カールグスタフM-4携帯無反動砲はカールグスタフシリーズの最新型で軽量合金合複合素材の採用により84mm無反動砲ながら重量を6.8kgと軽量に収めている。ただアメリカ軍では既存のカールグスタフM-3と混成運用を期しカールグスタフM-3E1とする。

 カールグスタフM-3は2013年より合衆国特殊作戦部隊、アメリカ海兵隊でも既に使用されており、陸軍は特殊部隊やレンジャー部隊へ配備するとみられる。またアメリカ四軍では弾薬扱いで使い捨てのカールグスタフというべきAT-4を運用中、84mm弾薬、その威力は装甲貫徹力500mmと比較的長く、射程も1000mと対戦車ミサイル等を補完できる。

 ドイツ連邦軍は欠陥が判明したH&K-G36小銃後継としてハーネルMk556を内定したとのこと。ハーネル社は第二次大戦中に革新的なMP-44/StG-44突撃銃を開発し、従来の小銃や自動小銃という装備体系を一新させ事で知られる。G-36は画期的な樹脂とフローティングバレル構造を採用したが数十発の射撃で銃身基部の樹脂が熱変質する欠陥が在った。

 G-36小銃後継選定ではH&K社製HK416とHK433、ラインメタルステアー合弁のRS556小銃、そしてSIG社製SG556等が名乗りを上げていた。当初はフランスやノルウェー等に採用実績がありアメリカ海兵隊支援火器や海上自衛隊特殊部隊が採用のHK416に無難に落ち着くと考えられたが、正規従業員十数名のハーネル社が返り咲いた意外な結果である。

 インド陸軍は八月、シグザウエルSG716/7.62mm小銃7万2000丁の追加調達を発表しました。SG716はシグザウエルアメリカ法人が製造する小銃で、シグザウエルアメリカ法人はSIG-556としてM-16を基本に再設計しシグ社系列の特色である高い命中精度を有する商品を民間用や法執行機関へ供給しています。SIG-716も16の名の通りM-16の系譜に。

 インド陸軍は2018年にこのSIG716を7万2400丁取得しており、これはロシア製AK-203小銃のライセンス生産に際しインド国内のKOF社が提示した納入価格がAK-203のライセンス権を有するロステック社との間で折り合わなかった為、その代替案としてSIG716が選定されたもの。SIG-716は7.62×51mm弾を使用、AK-203は7.62×39mm弾仕様です。

 SG716第一次契約7万2400丁の費用は9500万ドル、長い交戦距離が評価された。SG716の追加発注が実現すればインド軍には14万4400丁が揃う事となりますが、インド軍は今年三月にイスラエルIWI社よりネゲブ7.62×51mm汎用機関銃に関する1億1700万ドルの契約を交わしており、インド軍は7.62×51mm系統に収斂してゆく事となるのでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【日曜特集】航空自衛隊60周年小松基地航空祭(3)F15デジタル迷彩機動飛行(2014-09-20)

2020-10-25 20:09:17 | 航空自衛隊 装備名鑑
■イーグルの機動飛行は激しく
 航空自衛隊創設60周年記念の小松基地航空祭はF-15J戦闘機デジタル迷彩の機動飛行が続きます。

 デジタル迷彩、旋回へ。ソ連空軍全力の侵攻になんとか十日間、アメリカ太平洋軍の増援が本格化するまでの十日間を自衛隊だけで北海道の航空優勢を遠い松島基地から維持できる戦闘機が求められ、結果、F-16やミラージュF1は選外となります。F-14かF-15に。

 デジタル迷彩、ヴェイパーを曳いて。F-14は高コストで導入が実現しなかった、こう説明される識者も多いのですがよくよく当時の実状を調べますと空母艦載機であるF-14は松島から北海道へ航空優勢確保に進出する運用よりも、拠点を防空する設計だという評価に。

 デジタル迷彩、青空と仰ぐ。F-14は射程165kmのAIM-54フェニックス空対空ミサイルを運用できますが、空母を防護しA-6攻撃機の打撃を防空するための明確な守る対象と攻撃を受ける時機が明瞭な場合に威力を発揮し、F-14には日本列島は空母として大きすぎた。

 デジタル迷彩、紺碧の空へ急上昇だ。F-15は制空戦闘機、要するに航空優勢の確保できていない空域へ進出して敵の迎撃戦闘機を全てたたき落として制空権を奪取する、という運用思想の戦闘機でして、空母という点を守るF-14に対しF-15は、大地という面を守れる。

 デジタル迷彩、逆光気味に戻ってきた。1976年の入間基地国際航空ショーにてアメリカはマクダネルダグラスがF-15を、グラマンがF-14を展開させ当時熾烈な売り込み合戦と報道を白熱させましたが、結局この時点ですでにF-15戦闘機という結論がでていたとも。

 デジタル迷彩、群青の天頂へ。1977年の国防会議にてこのF-15導入は正式決定、1978年にはライセンス生産を受け持つ三菱重工技師団がマクダネルダグラスのセントルイス工場へ大挙渡米し、また有償供与の機体は1980年に完成、1981年3月に岐阜に到着した。

 F-15機動飛行、ヴェイパーを曳き急旋回を。このF-15は導入当時のレートから一機180億円といわれていましたがそれほどは高くなく、ほぼ一機102億円という。そして前述の通り、F-15は贅沢な部品と設計を潤沢に注いだ戦闘機故に性能もものすごいものでした。

 F-15戦闘機デジタル迷彩、真下から撮る。F-15は機内燃料だけでフェリー航続距離が4600kmとグアムまで十分飛行でき、戦闘行動半径は1900kmあるために小松基地から北京まで1789km、要するに北京上空の敵と一戦交えて小松に戻ることも十分可能だ、という。

 デジタル迷彩、機体正面が。F-15戦闘機のエンジンはIHIがライセンス生産するプラットアンドホイットニーF100-IHI-100でアフターバーナー点火時の出力は10.8t、ドライ推力でも6.62tありますので空虚重量12.9tのF-15は理論上垂直離陸であっても可能という。

 F-15機動飛行、真下から日光浴びて。空戦能力ももの凄くAPG-63レーダーは150km以遠の戦闘機を捕捉、射程70kmのAIM-7や国産で射程75kmというAAM-4ミサイルにて精密に狙えるとともに、自重12.9tながら最大離陸重量は30.8tもあり、10tの兵装も積む。

 デジタル迷彩、着陸しボーイング767ならぶターミナルと。F-15戦闘機、その最大の強みは巨大すぎる機体で、これはレーダーの改良を筆頭に近代化改修をどれだけでも重ねられ、頑丈な構造は改修に費用をかけてももとをとれるほど長期間飛行させられるということ。

 F-15滑走路上、着陸しボーイング767とまるターミナルと。航空自衛隊は213機を導入しまして、これは世界第二位、そして予定数で世界第二位となるF-35の導入予定数147機よりも多く、まだまだおそらく2040年代まで日本の防空に重要な航空機となっています。

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【土曜詳報】キャンプ富士日米友好祭二〇一六(6)日米軽装甲車と中型戦術車(2016-05-07)

2020-10-24 20:15:51 | 在日米軍
■M-1161グロウラー車内写真
 軍用車は様々な極限状態を想定し運用するものですが用途によって印象が様変わりします。

 M-1161グロウラーを予備タイヤ装着する正面から。グロウラーはM-1161とM-1163がありまして機銃搭載のスカウト型がM-1161-ITV-LSV,重迫撃砲牽引型がM-1163-ITV-PMです、1161がスカウト型で1163が迫撃砲用、自衛隊の高機動車と重迫牽引車の関係ににる。

 M-1161グロウラーを前方より。スカウト型は12.7mm重機関銃を車載し基本的に乗員は3名、ただ緊急時ロールバーに掴まるなどして輸送ならば12名くらいを数十km運ぶのは簡単という。戦車と遭遇した際にはAT-4対戦車弾やジャベリン対戦車ミサイルで対応する。

 M-1161の装甲座席、このグロウラーは一見無防備に見えますが地雷などの被害から乗員を守るためにアブソーバー付耐衝撃座席と防弾板などが追加されています、装甲車ではないのですが、この程度防弾がなければ第一線で使いにくい、海兵隊なりの考えなのでしょう。

 M-1161の運転装置と折り畳まれたフロントガラス、もともと海兵隊はメルセデスベンツのIFAV暫定高速攻撃車両というスカウト用の車両を装備していました、ベンツのオフロードカーですね、なにしろベンツでM-151よりも便利でしたが、全てはMV-22に載せるため。

 MTVR-AMK36レッカーとM-1161グロウラーつり上げ。安価ならば案外大きくなりすぎたハンヴィーの後継をめざせたのでしょうか、ハンヴィーは防弾が足りないとしてM-1114が開発されましたが、軽量で使いやすい部分がどんどん防弾装甲で覆われてゆきました。

 M-1161の座席と運転装置、M-1114は結局イラクで壮絶なIED簡易爆発物の攻撃に日々さらされ、後継となったJLTVは完璧な防弾とともに重さが7t規模となり、もはやヘリコプターで運べない代物となりつつ価格も25万ドル、軽装甲機動車より高くなってしまった。

 M-1163とEFSSの牽引状態、ハンヴィーの後継は、いやハンヴィーが軽量なM-151ケネディジープの後継ですのであれとて大柄でしたが、更に巨大と、これでは簡便に乗り回そうにも空輸はC-130輸送機で漸く1両か2両、ストライカー装甲車並に大柄となります。

 M-1163の2両。ちなみにこのM-1163やM-1161はMV-22に搭載できるほどに小型、ということは説明しましたが、驚くなかれ、この車両はなんとAAV-7両用強襲車にも搭載できてしまう。そしてこのキャンプ富士は富士の中腹に位置するのですが上の方にまだ続く。

 AAV-7両用強襲車を右後方から。キャンプ富士で一般公開されている区画では一番標高の高いところにAAV-7は展示されていました、もう少しで気づかずに帰ってしまうところではあったのですけれども、AAV-7あるよ、と東京の知人にお教えいただいた故になんとか。

 AAV-7両用強襲車の凌波形状車体全部を真横より。巨大です、全長8.161mと全幅3.269mに全高は3.315mもあり、変な話車高は観光バスよりも高い。乗員は3名と海兵25名を運ぶため自衛隊で言えばほぼまるまる小銃小隊を運べるという、重量は25.6tしかありません。

 AAV-7を前方より眺める。AAVとは両用強襲車両の略称で、自衛隊もAAV-7を採用しましたが水陸両用車としています、この最大の特色は海上、それも波浪ある沖合から揚陸艦を発進し、13km/hで機動し上陸すると72km/hで高速機動できる。海上で毎分220m進める。

 AAV-7の全景、このAAV-7を自衛隊は水陸機動団用に52両調達します、2000年代初頭、北大路機関が出来たばかりのころにまさか自衛隊がこのAAV-7導入、当時は考えてもみませんでした。基本設計はLTVP-7という1972年のものですが、今をもって最高性能を誇る。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和二年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2020.10.24-10.25)

2020-10-23 20:01:37 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 今週もCOVID-19影響で自衛隊行事はありません。世界感染者数が4000万を越え、今回は行事とは無関係ですが自衛隊広報対象である大学生の生活について少し考えましょう。

 写真は懐かしい舞鶴展示訓練を。大学教育はVRゴーグルによる教育効果をもっと真剣に検討すべきではないでしょうか。リモート授業は幾つかの重要な教育効果を学生に提供できるはずなのですが、コロナウィルスCOVID-19の影響が余りに奇襲的であり泥縄式の対応を強いられることとなったためにその真価を発揮できていません。リモート教育の最大の利点は距離を越える事です。

 NHK報道をみますと対面講義全面解禁をおこなっているのは32%に留まるという、理系でしょう、文系講義と異なり実験施設などは学生が準備することは出来ませんし、なによりこの分野はデジタルで検証するには配信できる容量よりも大きな命題を行います、そして全面配信の大学はごくわずかなようですが、リモートと対面を半々に行っているという。

 講義を受けている実感がない、ここがリモート講義における厳しい指摘です。実際そうだ、とはおもうのです。もっとも昔のPHS回線時代とは情報量がけた違いに強化されていますので今だからこそウィズコロナ時代にリモートでも講義が行えるのだと思います。ただ、物足りないという部分はVRゴーグルを活用することでかなり解決できないでしょうか。

 リモート講義、重要な点は距離を飛び越える、という点でこの利点を無視しているように思えます。大学キャンパスが複数の府県に跨がることは多くあることでして、隣県のキャンパスでも移動に二時間近く要する事など普通です、これがリモート講義ですと、受講できる幅が増えるように思う、必修科目故に次時限の他学部講義をあきらめる人は多い。

 学会傍聴や質疑応答。実は筑波が苦手でした、東京であればビジネスホテルがかなり確保が容易なのですが、筑波ですと鉄道に、つくばエクスプレス開通までは打つ手なし、始発に近いつくばエクスプレスで漸く、というものでした。東京ですと、始発のぞみ号でも京都駅からかなり早い時間に到着できたのですが。また学会研究会などは交通費が痛い。

 学会研究会などは金曜日の夕方に行われるものがおおく、北陸新幹線金沢開通前には金沢大学の方などは急行能登で帰るか、上越新幹線でいったん新潟にでて特急はくつるなどを利用していた、という。大学から交通費補助がでる場合もありますが、現実問題として交通費はいたいものでして。これがリモートならば交通費不要で通信費だけで対応できます。

 運営をお手伝いする視点からは、文京区のいまは眺望で有名になってしまった施設を筆頭に、やはり会場確保ひとつとっても費用的な負担が大きなものでした。リモートですと、もちろんそこらへんの広場で、というわけには参りませんが、通信回線さえ確保できれば大学施設を転用することも不可能ではありません、学術の面でこれは大きな意義と思う。

 シンポジウム。いま実施するならばよほどの覚悟が必要でしょう、感染対策に社会的距離の確保、いやいまは文部科学省がホールなどへの補助金を大盤振る舞いしていまして、企画が通れば最大250万円の補助金という、これを平時にやってくれれば日本の学術水準はもっと高度だったろうなあ、と思いつつ、それでも社会的距離はじめ簡単ではない。

 リモートシンポジウム、という手が。懇親会が難しい、いやシンポジウムは質疑応答以外に懇親会とその二次会で人脈を暖める意味がありますので、此処を省かれることは厳しいものがありますし、対面でなければ議論と討議というものが高められないという限界はあります、しかし行ける回数に交通費の上限が課せられない、ということは大きいですよね。

 VRは、リモートシンポジウムを質的に高めることが出来るように思います。回数を大きくできますし、金曜日ではなく平日の遠隔地でのシンポジウムにも五限目以降の時間帯で有れば十分参加できるようになり、これが学生の研究水準を底上げることにつなげられるでしょう。問題は、リモート充実の動きがいまだに各大学において緩慢である、ということ。大学で学ぶのですからこうした機会は整備して欲しい。

 大学はウィズコロナ時代をどう考えているのか。ワクチン開発が早ければ今冬にも完了するという報道も有れば、早くともCOVID-19での致命率が低い若者へのワクチン接種は2022年まで要するという報道もあり、ワクチン効力も三ヶ月や一年という話もあれば、ワクチンの治験中断という報道もある。この影響が短期的か長期化するかわかりません。

 問題はVR普及やリモート教育強化には大学が大きく舵を取るにはかなりの費用を要する、ということです。集団免疫がワクチンにより確立し、短期的収束し政府が終了宣言を発令しマスクも社会的距離も医学的に不要となるのであればこの投資は空振りとなるかもしれません。すると、単なる代替手段としてのオンライン授業ではなく他学部講義やシンポジウムなど新価値をオンライン方式に見い出すべきです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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全日空大型機半減へ,COVID-19コロナ影響赤字5300億円-余剰機を自衛隊が取得できないか

2020-10-22 20:20:34 | 防衛・安全保障
■旅客機,ワクチン空輸始め必要
 COVID-19最初の感染爆発地域中国武漢から政府チャーターの全日空機が邦人を救出してから八カ月、既に世界の感染者は4000万を越え死者は112万人です。

 全日空が大型旅客機の半数を削減する、衝撃の報道が21日にありました。奇しくも21日といえば航空ファンに航空情報やJウイング、エアワールド、最後のは休刊中ですが航空雑誌の発売日でした。全日空はボーイング777やボーイング787にボーイング767など70機を運行しており、半減となりますと先ず旧型の767などから除籍されるのでしょう。

 5300億円の赤字。全日空が旅客機を廃止する背景には新型コロナウィルスCOVID-19の感染拡大にともなう航空旅客需要の第二次世界大戦後最大ともいえる縮小です。あの2001年に発生した9.11同時多発テロにともなう世界規模の旅客機需要低下や1973年石油危機を背景とした燃料費高騰さえも、今回のCOVID-19影響と比較すればまだ生やさしいほど。

 ボーイング777やボーイング767。考えるのはこのうちで数機だけでも自衛隊が長期チャーターするか、もしくは中古機として取得できないか、という事です。困ったときは直ぐ自衛隊という課案があえはいい加減にしろ、という指摘がありそうですが、今回のコロナ禍では航空機がどうしても必要となる状況があり、また長期的に輸送機は必要なのです。

 武漢邦人救出作戦。COVID-19世界最初の感染爆発発生地である中国武漢において法人を救出したのは全日空のチャーター機でした。中国政府は武漢市と周辺都市を物理封鎖し、軍用機か政府チャーター機でなければ各国ともに自国民を救出出来ない状況で、この危険な邦人救出へ旅客機を派遣したのは全日空です。全日空はこの他に政府要人外遊など何度も政府傭機に対応しました。

 全日空の大型旅客機が半減するという事は、中長期的に考えるならば日本政府が大型旅客機により大量の法人を緊急輸送しなければならない際に、これまでのような即座の対応を全日空が実施する余力がなくなる事を意味するのですね。短期的には政府融資等対応策もありますが、COVID-19影響長期化はこれでは賄いきれない水準にある故の決定でしょう。

 ボーイング747貨物機8000機が必要だ。これは9月9日に国際航空輸送協会IATAが新型コロナウィルスCOVID-19用ワクチンの空輸に必要な航空輸送量をIATAの貨物担当部長が算出したものです。8000機、といっても8000機のボーイング747が延々と空輸を続けるのではなく、延べ機数でボーイング747が8000機分、ということなのですが、多数要る。

 航空会社は世界中で今年度は赤字から免れることが出来そうにありません、そして旅客機を処分し、当面の運用費用を圧縮する潮流が続くことでしょう。さらにはコロナウィルスワクチンが完成したとしても、全世界78億人に行き渡り世界規模で集団免疫が獲得されるまでには、早くとも2022年、どう考えても旅客需要回復は2025年以降となりましょう。

 ワクチン完成まで、十分な旅客機が維持できるのだろうか。問題は此処です、IATAのボーイング747換算8000機分というのはソーティ換算で仮にボーイング747が100機あれば何ヶ月で達成か数値が不明確です、ボーイング767旅客機ならばどれだけ必要か、という数値も不明確なのですが、ワクチン完成時、航空会社は今より更に疲弊しているのは確か。

 日本の国際貢献としてワクチン空輸への参画を求められる可能性があります。もちろんチャーター機を含めてですが、ワクチンが完成したとして、それを日本へ運び込む一点だけでも一大空輸作戦となりますので、日本が国家として一定規模の空輸能力を確保する必要があり、自衛隊が保有するC-2輸送機やKC-767空中給油機だけでは圧倒的に足りません。

 全日空と日本航空が保有するボーイング767とボーイング777であれば、E-767早期警戒管制機とKC-767空中給油輸送機、B-777政府専用機、と運用基盤があります。旅客機でも胴体の下半分は貨物輸送区画に転用できますし、既存旅客機の空中給油機への改修、フライングブーム方式故に手間は掛かりますが、不可能ではありません、これも一つ選択肢だ。

 政府専用機の維持のためにも全日空の経営が安定する必要があります、なぜならば前型政府専用機B-747が退役した背景には、海外空港において整備支援を行っていた日本航空からボーイング747が除籍されたため、という事情があったのです。このままでは最新鋭のB-777も全日空から消えかねない、自前の基盤が必要、こうした緊張感が必要でしょう。

 政府専用機の予備機が不足している、とは1990年代から指摘されている命題で、一時は中古のボーイング767を取得する構想もかなり真剣に検討されたようなのですが、費用面で実現していません。しかし、現状を見ますと時機を迎えているように思えます。現行のB-777政府専用機2機に加えて中古の多目的輸送機にボーイング777があと2機あっても良い。

 長い目で見ればPKOの観点から考えることも出来ましょう。PKOは南スーダンPKO任務完了後、現在のPKOは国連憲章七章措置であり集団的自衛権公使の問題が増大することから当面陸上自衛隊を出せない分、今後十年単位で自衛隊は陸上部隊ではなく航空輸送に特化した運用へ移行する、このために輸送機を増強する、こう説明することもできると考えるのですが、ね。

 全日空はエアバスA380というフラッグシップ機がかなり負担となっていますし、日本航空も遠くない将来に旅客機の維持が重大な課題となるでしょう。もちろん世界中で同様の状況が展開しているのですが、国家にとり空輸力は重要な国力の一つです、安易に廃棄や売却を見守るのではなく、自前の空輸力確保へ中古機取得を真剣に検討すべきと考えます。

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