北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

アメリカのリスク 大統領選にみる変容と国際公序再構築【10】 西太平洋放棄と対中強硬の矛盾

2016-09-29 22:08:50 | 国際・政治
■アメリカ対中軍事政策
 アメリカの国防政策は対中軍事政策においてどのように転換するのか、この展望が読めない。

 日本は日米同盟を軸とした専守防衛を基軸としていますが、武力紛争は軍事均衡の破たんによって発生します、一方が前に出過ぎると発生しますが、逆に引きすぎると相手がその分前進し、やはり発生してしまう、今世紀に入って以降の東南アジア、中東や東欧のここ数年間の趨勢がこれを端的に示しています。例えば今回の大統領選挙においては“日中の軍事的摩擦に巻き込まれたくない”という主張の下で候補者からの発言が目立つところ。

 曰く、“日本への核武装の道を模索”もしくは“駐留経費全額負担が実現されなければ在日米軍を撤退させる”という、後に撤回される事になりましたが、アメリカ大統領選挙において此処まで日本の軍事力強化への圧力が示されたことはかつてありません。いわば西太平洋からアメリカ軍は撤収する方向性を示し世界中をあわてさせました。この発言は核武装の発言のみ、云っていないとの発言と再度の示唆が拮抗したまま、撤回も転換も為されておらず、逆にこの声を支持した支持者の行動のみがその支持の厚さを示すもの。

 在日米軍基地は西太平洋において東シナ海と南シナ海地域における米軍の最重要拠点で、陸軍師団及び戦術航空部隊の基地である在韓米軍を全般的に支える、グアムと在日米軍基地が西太平洋における米軍の要諦を構成しています。ここから米軍が引く、と言いましても他にアメリカの拠点はグアム準州のアンダーセン基地まで後退する事となります。こうした主張を支持するアメリカ世論の動き、世界はどのように受け止めるのか。

 基地は単なる係留場所ではありません。海軍艦艇の整備補給施設となれば横須賀と佐世保を除けばパールハーバー基地とアメリカ本土のサンディエゴ基地まで後退する事となり、実質的にアジア30億の一大経済圏において、現在南シナ海において中国が進めているような海洋交通の閉塞化を企図した軍事進出を看過する、ということにほかなりません。

 西太平洋放棄という行動の示唆、いいかえれば1941年後半から1944年まで日本が東南アジア北東アジア地域において実施したような海洋の閉塞化が強行される事に対し実質的になすすべがなくなるものであり、更にシーレーンが遮断されたならば日本経済の命脈もたたれ、その上で軍事力を背景とした恫喝を通じ、日米安保条約廃止、日中善隣条約締結、という次の段階に進められる。

 西太平洋戦争、行き着く先は日本が巻き込まれる戦争として大規模な軍事衝突が発生するか、という非常に懸念すべき状況へ繋がる危機を孕むものでした。自主防衛を日本本土に留まらずシーレーンを南シナ海と東シナ海において占有を企図する勢力に対し海上交通を維持させる防衛力整備は非常に難しいものがあります。どちらの陣営で参加するかという結論が変わるのみ、戦争の抑止が難しくなるという一点だけが進んでゆく。

 一方こうした懸念に対し、アメリカ大統領選挙ではアメリカ軍の再建と強力な軍隊の整備、南シナ海において中国に思い知らせる、という勇ましい、しかし同じ候補からの発言としては在日米軍撤退とは真逆の発言が出るに至りまして、これは分かっていっているのか、朝令暮改の様に在日米軍撤退を反故にしつつ対中強硬姿勢を呈示しようとしているのか、かなり不明確な発言が出ています。

 アメリカの技術をもってすれば在日米軍を撤退させたとしても、南シナ海地域において中国への優勢を確保出来るのかと問われるならば、グアムを後方地域として連絡線を形成するにはグアムのアプラ軍港とアンダーセン基地の事前集積能力や兵站支援能力は日本本土の在日米軍基地とは比較になりません、在比米軍基地として1960年代の水準に米軍基地をフィリピンに構築すれば、その面積から事前集積能力は大きくなります。

 加えて、新規に基地を増勢する必要は在日米軍施設であれば日本政府が建設費を負担しますがフィリピン政府の財政状況では不可能であり、加えてフィリピン軍施設では米軍施設として転用した場合、整備施設や防護施設、集積施設や供用インフラの水準及び総量で米軍施設を支える程の規模はありません。この視点が意味するのは、アメリカは何をしたいのか、という事を目的と手段が矛盾し分かりにくいものとなっている実情があり、これを同盟国としてどのように共有するのか、共有できない明後日の方向に向かうのか、不明確であることは、不確定性をもたらすという意味で非常に大きなリスクとなっています。

北大路機関:はるな くらま
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将来艦隊戦闘と巡航ミサイル【8】 艦隊ミサイル戦力向上期す、むらさめ型護衛艦トマホーク搭載案

2016-09-28 22:42:31 | 先端軍事テクノロジー
■むらさめ型トマホーク搭載案
 潜水艦にトマホークを搭載し、周辺国の我が国主要都市への攻撃に対する報復的抑止力を整備する視点、そして前回、新たに視点を転じて艦対艦ミサイルの長射程化へトマホークを以て対応する施策を示しました。

 むらさめ型護衛艦、むらさめ、はるさめ、ゆうだち、きりさめ、いなづま、さみだれ、いかづち、あけぼの、ありあけ、以上9隻が配備、満載排水量6200tの護衛艦はステルス性に配慮し、対水上対潜対空の一通りの能力を有する近代的な護衛艦です。RGM-109E/RGM-109Hを搭載する護衛艦として護衛艦隊に9隻が配備されている汎用護衛艦を提案します。

 四個護衛隊群に配置されているミサイル護衛艦中心のDDG部隊は4個、各部隊に2隻を配置できることとなります。この護衛艦むらさめ型を提示しました背景ですが、本型の特異な装備配置方式に着眼したものです。むらさめ型護衛艦は、船体中央部に個艦防空用ミサイルシースパローを搭載するMk48VLSを配置しています。

 これはアメリカ海軍がシースパロー用に開発したVLSですが、海上自衛隊が採用を決定したものの、アメリカ海軍では艦隊防空ミサイルをイージス艦に統合する指針が示され、結果イージス艦へ搭載するMk41を大量配備する事としMk48の大量配備は行われていません。もちろん、そのことをもってMk48選定やMk41導入への遅滞は、日本側の視点等を問題とするのではなく、改修の方式や将来運用体制に転換が生じ得る、余地が生まれている事に気付くべきでしょう。

 将来運用の余地とは、それはMk48からの改修の余地が生まれ、この結果広い区画が余剰区画 として生まれる可能性です。むらさめ型護衛艦は、潜水艦を攻撃するアスロック用に船体前部にMk41VLSを、個艦防空用にMk48VLSを船体中央部に配置する変則的な配置を採用しました。今回注目したいのは、Mk48VLSの広い区画をRGM-109E/RGM-109H搭載区画に一部転用することです。もともとMk48はMk41の軽量型として開発されましたが、初期型のMk.48 Mod.0から、発展型シースパローESSMの搭載能力を付与するためにMk.48 Mod.4へと改修しました。

 これによりVLS1基、1セルあたりのミサイルはESSMが長射程化と小型化を両立させることに成功しましたので4倍となっていますが、必要なミサイル数を搭載した場合でも空間に余裕が出てきたわけです。そこで、護衛艦の上部構造物にミサイルを搭載する、具体的には、Mk41を8セル程度追加し、ここにRGM-109E/RGM-109Hを搭載する、ということ。

 もしくは、前甲板にアスロックを収容した16セルのMk41がありますので、8セルの中央部Mk41VLSを追加した上でここにアスロックを移転し、前部VLS区画に16発のRGM-109E/RGM-109Hを搭載する、という選択肢も考えられるでしょう。むらさめ型は9隻、4個護衛隊へ分散配置した場合でも余裕があります、2隻で各16基を運用した場合32発を投射可能で、射程3000kmを有しますので艦隊として離隔していた場合でもそれほど問題になりません。

 またRGM-109E/RGM-109Hが対艦攻撃能力を有していますので、DDHを中心とした護衛隊に対しても、ミサイルによる支援を展開する事が可能でしょう。イージス艦による弾道ミサイル防衛任務ですが、この際にイージス艦は広域防空能力を弾道ミサイル防衛へ指向させることで個艦防空に制約が加わる可能性があるとして、海上自衛隊ではミサイル防衛に当たるイージス艦を掩護するべく、僚艦防空能力として限定的な艦隊防空能力を有するFCS-3を搭載した護衛艦あきづき型を開発、あきづき、てるづき、すずつき、ふゆづき、の4隻がミサイル防衛に当たる4個護衛隊へ配備されています。

 護衛隊はイージス艦と汎用護衛艦3隻との編成ですので、あきづき型護衛艦1隻、むらさめ型2隻、という構成を基本とし、ミサイル防衛に当たると共に、ミサイル策源地への打撃という任務を併せて実施する、という運用が可能となります。RGM-109E/RGM-109Hを搭載する事で敵には高付加価値目標となりますが、この場合はイージス艦の防空支援をうけることで行動が可能でしょう。

北大路機関:はるな くらま
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アメリカのリスク 大統領選にみる変容と国際公序再構築【9】 ロシア懐疑派クリントンの「強硬姿勢」

2016-09-27 22:45:07 | 国際・政治
■ロシア関係をどう展開させるか
 アメリカ大統領選、共和党民主党両候補テレビ討論会が行われました。

 論点の一つに、日本は日本を防衛しているアメリカ軍に対価を支払っていない、という、恰も自衛隊の存在とアメリカが自衛隊と協力する恩恵を知らないような発言があり、少々不安を再確認させる主張と、批判だけの政治屋に政策立案と具現化の調整を担える政治家では、場合によっては大衆迎合主義に徹する事が出来る前者へ支持が集まる実情があり、不安を感じました次第です。こうしたなか、ロイター記事に“焦点:ロシア懐疑派のクリントン氏、垣間見える「強硬姿勢」”というものがありました、クリントン国務長官時代のロシア政策のリセット頓挫と、ロシアにとりトランプ氏が御しやすい存在だ、という視点です。

 ロシアとアメリカの関係、第二次世界大戦後の東西冷戦以降の古典的でありながら最も新しい国際政治の命題ですが、大統領選において、果たしてロシアとの宥和派と強硬派、どちらをアメリカ国民が選択するかについて大きな関心があります。民主党のクリントン候補は、この中でロシアとの厳しい外交戦を永らく戦い抜いたという実績とともに、ウクライナ介入とクリミア併合を受けてのロシアへの警戒感から、強硬姿勢を執るものと考えられています。

 オバマ政権での反省は、アメリカは中東地域からイラク撤兵を筆頭公約としたアメリカは引いたアメリカ軍をクウェートやサウジアラビアへ駐屯させるのではなく、中東から米本土へ撤収させることとなりました。無論、これは前のブッシュ政権時代からの米軍再編、地域紛争が増大する冷戦後の国際情勢へ対応させるべく、本土へ米軍を集中させ世界に少数の戦略拠点を配置し、緊急展開により紛争を迅速に鎮静化させるとの、米軍再編、を受けての改編にも沿ったものですが、紛争地へ出る、ということはイラク戦争の戦訓から大きな出血を覚悟しなければならず及び腰となり、結果的に中東からアメリカが引いた部分を、ISILの台頭とロシアの展開が埋め、地域不安定が増しただけでした。

 クリントン候補は、ロシアからすれば国務長官時代、ロシアのクリミア介入に強硬に反対し、対ロ強硬派という強い印象をロシア側へ植えつけていますが、グルジア戦争後のロシアへの様々な圧力をブッシュ政権からオバマ政権へ受け継いで以降継続しており、ロシアに対し、関係改善を試みた事はあるものの、基本的にロシアに対しては圧力しかかけていない、政治家としての実績を有しています。他方、共和党候補であるトランプ氏は対照的といえるかもしれません。

 トランプ候補は、ロシアと宥和的な発言を繰り返していまして、元々、アメリカ第一主義を掲げるものの対外政策からはアメリカの関与度合いの低下により負担の軽減を掲げています、いわばアメリカの本土防衛主義、アメリカ孤立主義への転換を進めると理解できる施策を呈示していますので、オバマ政権時代以上にアメリカが中東や欧州とアジア地域からの撤収を進める事は必至とみられ、引いた部分にロシアが逆に入れ替わる余地を示すわけでもあり、ロシア側からはトランプ氏の引きこもり政策は歓迎するでしょう。

 その一方で、対ロ政策について、アメリカが中東からの関与度合いの低下、軍事力を前面に出した力強い外交政策というものから距離を置く政策へ転換したオバマ政権の一員であったクリントン氏には、ロシアへの融和的な、もちろん、これはクリミア併合などロシアの周辺国への軍事行動が表面化する以前の、グルジア戦争後における関係悪化の回復、という意味ですが、ロシアへの歩み寄りを試みた、という実績と云いますか、過去の経緯があります。

 宥和政策の失敗という実績を以て、オバマ政権時代からは脱却し、ロシアへの強硬姿勢を強調することとなるのか、場合によってはトランプ氏が政権をとった場合、ロシアの周辺国への影響力拡大、東部ウクライナ地域へのロシア正規軍大規模介入、シリア領内へのロシア軍部隊戦略拠点構築と中東全域への影響力拡大、東欧カリーニングラード周辺地域への回廊確保を期した軍事行動、こうした次の段階へロシアが行動をすすめた場合、この抑止へ軍事的強硬選択肢を執る際に、時機を逸する可能性、本土撤収を進め過ぎ緊急展開能力では対処できなくなる可能性、否定できない。

 クリントン候補は、国務長官時代にロシアとの関係を、ロシアの強硬路線を止められなかったという意味で失敗している訳なのですが、宥和か強硬か、難しいのは、クリントン政権においてはロシアとの関係の再構築、ロシアの軍事行動を止められなかった、という反省を持つ現在の民主党政権の流れをくむクリントン候補に対し、伝統的にロシアに対しては強硬路線を採ってきました共和党が共和党本流ではなく、ロシアへの融和的な、しかし朝令暮改の様に政策が一定とならない共和党候補へ決まってしまったことから、対ロシア政策に決め手を双方ともに持っていない、という実情を、ロシアとの国際関係を有する諸国は認識すべきでしょう。

 アメリカ大統領選は、今後の世界の流れを決める非常に重要な大統領選挙人の選挙であるのですが、現在のところどうしてもポピュリズムの応酬に陥ってしまっているという印象から脱する事が出来ません。アメリカの世論調査では支持率は言葉と共に上下し、文字通り選挙戦の投票日の時機、というものが大きく反映されるところです。運も政治家の実力、とはよく聞かれる言葉ではあるのですが、ポピュリズムの揚げ足取りで政権が決まってしまう状況は、運不運というよりも、この運不運の結果の政権に振り回されるアメリカ国民と世界の安定に恩恵を得る諸国民の、不運といえるのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま
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防衛省平成二九年度予算概算要求の検証【4】 統合機動防衛力整備へ中期防四年目

2016-09-26 22:24:07 | 北大路機関特別企画
■統合機動防衛力整備へ
 統合機動防衛力整備へ中期防衛力整備計画四年目という節目となる概算予算要求です。

 平成29年度概算要求の考え方としまして、本文では“「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」(平成25年12月17日閣議決定)及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」(平成25年12月17日閣議決定)に基づく防衛力整備の4年度目として、統合機動防衛力の構築に向け、引き続き防衛力整備を着実に実施。”と明示しています。中期防衛力整備計画は後半に入り、新しい防衛施策の実現への転換事業が続いています。

 中期防、中期防衛力整備計画とは、防衛計画を五年単位で中期的に整備を計画しているものです。これは年度ごとに防衛計画を構築する場合、毎年の防衛計画が迷走する事を防ぐためのもので、まず、十年二十年単位の防衛政策の方向性を、防衛計画の大綱、として画定し、その上で五年単位の中期防衛力整備計画として、主要装備の調達計画や部隊編制を防衛計画の対抗が示す防衛政策を具現化するため、順次改編や増勢減勢を行ってゆく、というもの。

 統合機動防衛力の構築は、自衛隊創設以来最大の改革と位置づけられており、中期防衛力整備計画ではその整備へ必ずしも十分とは言い難いものの着実に転換が進められています。統合機動防衛力が我が国防衛政策最大の転換となったのは、そもそも我が国の防衛計画は専守防衛に依拠した基盤的防衛力整備を念頭に、基盤的、つまり全国に防衛部隊を均等に配備する防衛基盤を構築する施策を展開してきました。これが転換しようとしている背景には、第一に弾道ミサイル防衛能力整備、第二に北方脅威に加えた西方脅威の現出、があります。膨大な新任務に伴う所要費用と脅威の多極化に基盤的防衛力が維持不能となった。

 専守防衛政策は平和憲法の観点から維持されますが、基盤的防衛力整備が弾道ミサイル防衛及び西方脅威の顕在化により維持できなくなった事から、自衛隊の全部隊を機動運用部隊とすることで、防衛力の希薄な地域が平時から生じている事を是認しつつ、必要に応じて自衛隊を緊急展開させる事で防衛力不均衡という現実に合わせようとしている訳です。この施策が従来実施できなかった背景には、例えば北海道から沖縄へ緊急展開する能力は北へ転じればカムチャツカ半島へ、南に転じればヴェトナムまで展開できる距離に匹敵しますので、緊急展開能力の転用が濫用に繋がらないよう、かつては自粛されてきました。

 平成29年度概算要求の考え方、“各種事態における実効的な抑止及び対処並びにアジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善といった防衛力の役割にシームレスかつ機動的に対応し得るよう、統合機能の更なる充実に留意しつつ、特に、警戒監視能力、情報機能、輸送能力及び指揮統制・情報通信能力のほか、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応、宇宙空間及びサイバー空間における対応、大規模災害等への対応並びに国際平和協力活動等への対応を重視するとともに、技術優越の確保、防衛生産・技術基盤の維持等を踏まえ、防衛力を整備。”と続く。

 ここで述べられています、各種事態における実効的な抑止及び対処並びにアジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善といった防衛力の役割、という部分は、北東アジア地域における不安定よそが、冷戦時代においてはソ連の軍事圧力に対抗するものへ、アメリカを中心とした価値観を共有する諸国の連携がその圧力が均衡を超えた武力紛争へ展開する事を回避するという視点から進められてきましたが、アジア太平洋地域の安定化、というものは具体的には東シナ海及び南シナ海においての情勢が反映されている。

 我が国防衛政策は、警戒監視能力、情報機能、輸送能力及び指揮統制情報通信能力、島嶼部攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃対応、という施策を以て我が国防衛を具現化してゆく事となりますが、警戒監視能力とは広大な南西諸島などへの陸海空による警備部隊と監視部隊の配置というものを想定しているのでしょう。情報機能、これについては電子偵察や宇宙からの監視を含め有事を未然に察知する機能、というものを示唆しているのでしょう。

 輸送能力及び指揮統制情報通信能力、この施策は情報RMA等今世紀初頭から本格化する軍事通信技術に対応するべく、自衛隊統合通信基盤やや連隊指揮統制システムを筆頭に情報連携による少数部隊の有効利用への共同作戦展開能力構築を示唆しているとかんがえます。島嶼部攻撃への対応、これは新しい限定侵攻という脅威に対処するものです。弾道ミサイル攻撃対応、この整備は従来進められているものの延長ですが、質と量双方が増大する弾道ミサイル脅威へ更なる増勢が求められます、ただ、巡航ミサイル脅威が顕在化しつつある今日、将来的に包括的なミサイル防衛として統合化される可能性もあります。

 技術優越の確保と防衛生産技術基盤の維持、これについては、自衛隊任務の多様化、弾道ミサイル防衛を筆頭とする新防衛事業へ、限られた防衛予算が微増微減を繰り返す中で比率の少なくない部分を投じている為、装備品の調達数が減少し、民間企業である防衛産業への継続的な発注を行えず、防衛生産基盤と防衛装備開発基盤が危機に曝されており、この内なる危機に際して対応しようとしている、こうした施策が重点政策として提示されました。

北大路機関:はるな くらま
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小松基地 '16航空祭 in KOMATSU 小松空港展望デッキからのF-15イーグル戦闘機離陸飛行

2016-09-25 23:00:44 | 航空自衛隊 装備名鑑
■小松航空祭二〇一六
 航空自衛隊向けF-35戦闘機初号機がロールアウトし、翌朝に沖縄県の宮古島沖へ中国軍機8機が接近、防空への関心が高まる中ですが、日本海防空の要衝、小松基地航空祭2016の様子を見てみましょう。

 今回の小松基地航空祭は新しい試みとしまして小松空港での撮影に挑戦しました。小松空港、その昔は金沢大学の知人と東京で会う際、いつも小松から羽田への旅客機を使っていたのを思い出しまして、当時は北陸新幹線が長野まで、しかし、雷鳥を利用して京都から東海道新幹線、はくたか利用と上越新幹線、夜行急行能登、寝台特急北陸、いろいろあるのに不思議に思ったものです。

 この小松空港、小松基地とは滑走路を挟んで反対側にありまして、しかし航空管制は航空自衛隊が行っているという場所、貨物ターミナルの強化によりボーイング747貨物機の乗り入れが行われている日本海側有数の航空貨物拠点です、そして航空祭を展望デッキから望むことができる、ということで、小松基地内での大混雑を忌避して、敢えて空港側から撮影するという方も多い、とのこと。

 空港展望デッキからの撮影、今回、この撮影位置を選択しましたのは、1にも2にも、悪天候への懸念です。空港デッキならば、万一、というか天気予報では確実に荒天となります際、雨宿りに待避することが容易です。屋根があるというのは大きい、基地にも格納庫が雨宿り用に開放されることとなるのはわかっているのですが、来場する方が多い分、全員を収容できるとは限りません。

 小松基地、F15戦闘機の離陸、展望デッキから撮影しまして気づいたのは、この場所が上層階にある、ということ。それほど高い場所ではないのですが、少なくとも小松基地の脚立使用許可エリアに持ち込める脚立の高さよりは高い視線から撮影することができます、すると、離陸する戦闘機を高い位置から俯瞰風景で撮影することができるのですよね、F15、いつもとは違う視線から、この風景は新鮮でした。

 しかし、難点はあります。素晴らしい情景で、晴れていれば小松基地と霊峰白山を一望できるでしょう、が、晴れていれば午前中は完全逆光となる撮影位置であることを忘れてはなりません、白山から太陽は昇るわけですから、太陽が昇れば、飛行展示は滑走路上空でおこなわれる、即ち、F15の美しい編隊飛行を逆光で撮影することになってしまうのです、もちろん基地から撮影すれば機体が輝くほどに順光です。

 航空機の撮影に際し、逆光ほど寂しいものはありません、順光ならば青空はどこまでも青く、機体はくっきりと鮮明な迷彩が浮かび上がります、しかし、逆光ですと、空は如何に快晴でもどこまでも灰色に、機体は太陽の光を受けてカメラにはその黒い陰だけが届く、U2やF117のような黒い航空機以外、逆光写真はちょっと残念で、例えば航空機のポスターでも基本逆光の写真は前衛的なアングルを求める以外つかわれません。

 今年の小松基地航空祭にて展望デッキを選んだ背景には、どう考えても悪天候ならば青空が順光の位置へ移動したとしても撮影することはできない、それならば、一風変わった写真を撮ってみよう、という撮影位置の変更です。小松基地側からでも編隊離陸などを撮影できますし、特に上昇してゆく戦闘機を見上げるお馴染みの撮影位置というものも捨てがたいものではあったのですけれども、ね。

 小松基地航空祭特設HPをみますと、小松基地周辺は例年大渋滞となることが明記されていまして、小松基地周辺と小松駅及び粟津駅周辺の臨時駐車場の案内とともに、渋滞回避の方法に、特急停車駅である福井駅や金沢駅に自動車を停めてのパーク&ライド、基地周辺住民の方へは自転車での来場を勧めていました。そこで、浜松基地航空祭以来の力業としまして、折畳式自転車を車載する方法を選んでみました。

 南雲艦隊が、ハワイ近海までは空母で、真珠湾まではゼロ戦で、という日本海軍伝統の方法を、元々海軍航空部隊基地として建設された小松で実施、ここは加賀地方、空母加賀の由来の地であり、偶然、横浜では護衛艦かが建造中、小松航空祭といったらば、もう車に自転車積んでいくしかないでしょう、という、自分を納得させた上での展開です。折畳式自転車は鈍足ですが、これは致し方ない。

 駐車場ですが、今年の航空祭は荒天予報、台風16号の影響、この文章を作成している現在は北陸本線の列車に乗車中なのですが、現時点で関西線の運行に影響がでており、北陸本線の列車も乗車位置変更や編成に変更がでるほど、台風16号の影響は大きかったわけですが、この台風16号が刻一刻と接近している状況での航空祭、来場者は昨年度の半分程度で、駐車場にも影響、というか、余裕があったのです。

 小松航空祭、特設駐車場ですが、確実に混雑するのはシャトルバス乗り場付近、続いて空港付近の特設駐車場です。空港駐車場は有料利用を含め航空祭観覧者による混雑を空港利用者が巻き込まれる状況を回避するべく、早朝は厳重に封鎖されていましたが、空港付近は撮影適地であることから、この付近の特設駐車場も混雑するのです。故に、空港から3km以上離れた特設駐車場が、余裕ありました。

 F15、良い撮影条件で記録することができました、特に空港側からも、小松、という地名、つまり航空祭らしい情景の写真を撮影することができましたし、空港から3kmも進めば小松基地です。基地駐輪場はかなり余裕がありまして、小松基地が自転車利用を呼びかけた理由も納得です。ブルーインパルスは基地内で撮影、自転車はシャトルバス待ち行列とも無縁で、充実した一日を過ごすことができたわけです。帰路、彦根付近の渋滞がすごかったのがありましたが、ね。

北大路機関:はるな くらま
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ミグ25函館亡命事件から40年【後篇】九月戦争の回避と法整備へ40年の遠い道のり

2016-09-24 22:15:28 | 北大路機関特別企画
■九月戦争回避と政治の限界
 函館に亡命したソ連最新鋭戦闘機MiG-25は、当初危惧されたソ連側の奪還作戦も実行されず、四十年前の今日9月24日、調査のために分解され、アメリカ空軍C-5輸送機により航空自衛隊百里基地へ移送されています。

ミ グ25函館亡命事件において、防空能力というハードウェアは新型戦闘機と早期警戒機の導入、その後の基地防空部隊の強化やレーダーサイトなど施設の地下化、様々な部分で進められましたが、法整備という部分では残念ながら40年を経て、今年安全保障関連法施行により多少は前進したといえるのですが、根本的な解決に至ったのか、と問われればまだまだ不十分な事例が山積しています。それは、防衛出動という事象、平和憲法下の我が国へ侵攻する勢力は、そもそも平和憲法制定時点ではアメリカ軍4個師団と第7艦隊に第5空軍が展開していたため、考える必要はなかった事象だったわけですが、ミグ25函館亡命事件は冷徹にその問いを突き立てました。

 第28普通科連隊、函館駐屯地に駐屯する第11師団隷下の連隊で青函地区北部の防衛警備を担当する普通科連隊です。冷戦時代、今日では想像さえ難しくなりましたが、北海道へソ連軍が侵攻する可能性は常に存在しており、74式戦車とT62戦車が戦車戦闘を展開する可能性は十分あったわけです。そうした意味で、有事の際には日本国家は防衛力である自衛隊を駆使し、交渉を超えた軍事力による恫喝に対しては毅然たる態度を執る姿勢が必要だったわけです。

 ソ連軍は太平洋艦隊が日本列島により蓋をされ日本海よりも外海にでることができません、ソ連海軍はアメリカ海軍に対し有事の際、もう少し太平洋の中央部で迎え撃ちたい、という視点とともにアメリカ本土近海に遊弋するアメリカ海軍戦略ミサイル原潜を無力化しなければ、絶対発見されずソ連側は手を出すこともできない聖域からソ連中枢部を制圧する能力がアメリカにはあり、これを大平洋への進出により打破し戦力的な均衡を求めていました。そもそも第二次世界大戦後、留萌から旭川の線以北をソ連側に編入する要求をスターリンは示しており、アメリカ軍は精鋭第7歩兵師団を北海道へ素早く駐屯させ、既に北海道千島列島と樺太まで侵攻したソ連軍の北海道島への上陸を阻止しました。

 太平洋へ。ソ連は間宮海峡と宗谷海峡北部を占領しましたが、冬季には流氷により使用不能となります、この際に穫れなかった北海道、冷戦時代には更に戦略上の要衝となった北海道において、函館は本州からの膨大な増援へ威力と物資、特に広や相模原の米軍物資を自衛隊へ供給し支える上で絶対不可欠な連絡線で、ここ函館にソ連軍スペツナズが降下したならば、もちろん、亡命戦闘機の奪還乃至破壊か、函館の占領か、という意味合いの違いは小さくはないのですが、第28普通科連隊は重大な決意を迫られることとなるのはいうまでもありません。具体的には、64式小銃と62式機銃により、これを排除し毅然とした姿勢を示さなければ、ソ連側に北海道割譲へ無抵抗の意志を示すこととなり、数年後に更に強い姿勢を以て北海道占領を試みる次の戦火へ道民600万を追い落とすこととなった可能性が、ある。

 この部分において、有事という平時の概念と制度の維持が不可能となる非常時、法哲学的にいう例外状態の成立に、対応できる法整備が為されたのは2003年の小泉内閣時代にはいってからの政治の怠惰があり、同盟国と同盟を活かした防衛任務を展開するための法制度は安倍内閣時代にようやく着手、ミグ25函館亡命事件から実に40年をへた2016年にようやく、その雛形が形成されたわけです。

 一方、防衛力が暴走するのではないかという世論の偏見、なぜならばそれは主権者である国民が防衛力を統制できる為政者を選挙民として国政へ送ることを怠った故の自らの影法師に怯えているのみなのですが、これにより防衛力に主体性を持たせず、長いモラトリアムを続けてきました。実際問題として、第28普通科連隊はソ連軍スペツナズ奇襲という確度の隊秋情報をうけ待機態勢を執っていたとされていますが、支援の61式戦車やL90機関砲の加入、その所要弾薬の集積など、連隊長や師団長ではなく、方面総監や陸幕での命令系統の上での行動であったことは考えられます。

 当時はまだ、戦後21年、そしてその事件から40年です。この奇襲事案への即応、という部分は防衛出動という政治手続きと、防衛上の要請との認識の離隔があることも確かで、これは続く栗栖統幕議長の超法規発言とその後の更迭、それ以前の自衛隊部内研究としての三矢研究など、有事への責任者たる当局者の検討を萎縮させ、苦肉の策として、有事法制は研究に止め、有事の際に防衛庁内局より閣議決定を経て国会に緊急法案として提出、有事の混乱の中、起こらないことが起こったのだからとの議論省略の上で有事法制を急速整備するという、当時の説明ではこのようなものでした。

 この施策、仕方ないとはいえ、平和主義を形式的に維持したが故の民主主義上の問題点をはらむ、いわば、平和主義は民主主義に優先する、という不可思議な概念を21世紀初頭まで醸成し続けてゆきました。ミグ25函館亡命事件へ、ハードウェアとソフトウェアにて突きつけられた課題は、前者については素早く解消されましたが、ソフトウェアとして法整備には、長い長い課題解決までの道がここを端緒として、始まったわけです。結果、第28普通科連隊の即応体制、という歴史は長らく関係者間の秘話として扱われ、実質的に我が国の制度はこの問題の視点をなかったものとして扱った。しかし、近年に入り徐々に関係者は当時の証言を様々な機会にて残すようになりました、こうした事象が再度起こらないよう、40年前のこの出来事は現在の安全保障におけるさまざまな事象についても、投げかけているのかもしれません。

北大路機関:はるな くらま
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平成二十八年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2016.09.24/25)

2016-09-23 21:44:20 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 今週末の自衛隊関連行事について。今月、首都圏は二日しか晴れ間が無かったとの事ですが、雨がちと台風行列の最中、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 自衛隊行事の話題と共に、新しい台風発生の報道がありました、午前中に台風17号がはっせい、1000hpaの規模でバシー海峡へ向かっているもよう、幸い日本列島直撃は回避の公算が高く、もう少し時間的猶予があるようで、一方今週末の自衛隊行事は、駐屯地祭あり、海上自衛隊と航空自衛隊の航空祭あり、航空自衛隊分屯基地祭あり、東北から沖縄まで百花繚乱、という状況となっています。

 東北方面隊創設56周年記念行事仙台駐屯地祭、今週末最大の行事は仙台市にて執り行われます陸上自衛隊東北方面隊の創設記念行事です。東日本大震災翌年の2012年より、東北方面総監部の置かれる仙台駐屯地にて実施されています、もともとは霞目飛行場の広大な会場にて自衛隊最大規模の観閲行進を実施し、訓練展示は大迫力となっていますが、苦竹駅前の仙台駐屯地に舞台を移し、式典から観閲行進と訓練展示までを実施します。

 金沢駐屯地創立66周年記念行事、第10師団隷下の第14普通科連隊が駐屯する駐屯地で、あの203高地を落とした金沢第9師団の伝統を受け継ぐ精鋭部隊です、金沢駅から路線バスにて展開出来まして、今月初旬には市街パレードも実施されました。軽装甲機動車から高機動車に重迫撃砲までを駆使する精鋭連隊、火炎放射の迫力や隊舎を用いた突入展示では迫力に定評があります。臨時駐車場も金沢大学付属小中学校や北陵学院大学などに設けられるとのこと。

 福江島分屯基地開庁62周年記念行事、春日基地の分屯基地で離島である五島列島福江島、長崎県五島市に位置しています。西部航空警戒管制団第15警戒隊のレーダーサイトなのですが、福江島着陸場を有していまして、全長900mの臨時滑走路を維持、有事の際には補助飛行場として転用できる基地です。航空自衛隊が朝鮮半島情勢を受け創設されたという由来を感じる場所です。長崎港から福江港まで高速艇で80分、五島列島は今年、アニメ”蒼の彼方のフォーリズム”の舞台となりました。

 秋田分屯基地航空祭、秋田分屯基地は三沢基地の分屯基地で1987年に創設された新しい分屯基地です。秋田救難隊が展開している分屯基地で、日本海での航空救難を受け持ちます、UH-60救難ヘリコプターとU-125捜索救難機が配備されていまして、救難飛行展示、地上作動展示、消防車展示、等が予定されています。秋田分屯基地の場所は秋田空港に隣接、秋田空港駐車場からシャトルバスが運行されるとのことです、模擬店など売店は無いとの事でご留意ください。

 徳島航空基地開庁記念行事、徳島航空基地は徳島教育航空群が展開する海上自衛隊の基地で徳島空港に隣接し、第14飛行隊の駐屯する陸上自衛隊北徳島分屯地とも隣接します。開隊58周年記念式典、祝賀飛行、飛行展示、車両展示、航空機地上展示、等が予定されています。TC-90練習機を運用していますが、近傍にSH-60哨戒ヘリコプターを運用する小松島航空基地があり、祝賀飛行はTC-90,T-5,SH-60Jなどと陸上自衛隊UH-1J.OH-6など陸海混成飛行を実施、飛行展示もT-5やUH-1Jが参加し実施されます。

 静浜基地航空祭2016、航空教育集団第11飛行教育団の基地です。1944年に海軍航空隊の飛行場として創設された基地で、彗星艦上爆撃機を駆使した海軍の夜間攻撃部隊として名高い芙蓉部隊の拠点となっていました。海抜7mと沿岸部にありますが東海地震では復旧後に重要な防災拠点としての役割が期待されます。第11飛行教育団は飛行教育群隷下に第1飛行教育隊と第2飛行教育隊のT-7練習機部隊を有しています。T-7、T-4、RF-4、F-15、C-130、F-2など展示飛行を予定し、藤枝駅と焼津駅からシャトルバスを運行するとのことで、駐車場はありません。

普天間フライトラインフェア2016、土曜日と日曜日に行われる予定で、最新鋭攻撃ヘリコプターAH-1Zバイパーの飛行展示、MV-22オスプレイ可動翼機などの展示も期待されるところです。2200時まで施設が開放され花火も打ち上げられる事で有名ですが、テロ対策や過激派対策等で望遠ズームレンズや望遠レンズの持ち込み制限や動画撮影が禁止され、厳しいときには一眼レフの持ち込みが禁止されました、フィリピンや台湾海峡と朝鮮半島の安定を左右する重要航空施設ですので、致し方ありません。昨日沖縄沖ではAV-8攻撃機の墜落事故が発生しましたが、在沖米海兵隊によればAV-8の全飛行が停止されているものの、普天間フライトラインフェア2016は開催されるとの事でした。

自衛隊行事を撮影する上での留意点について。陣地変換、写真の出来を左右する重大な決断について。写真の出来を左右する重大な決断というと大げさですが、実は観閲行進を良好に撮影できる撮影位置がそのまま訓練展示を良好に撮影できる位置であるとは限りません、訓練展示では観閲行進を撮影できる位置は仮設敵陣地の真後ろであったり、仮設敵の車両によりなにも見えなくなることもしばしば。

仮設敵陣地の真後ろからは攻撃部隊の動きが見える、という言い分もありますが、これは仮設敵が車両を伴っていない場合や、仮設敵の車両が目の前に展開しない場合に限定されるもので、訓練展示は真横から撮影する事が基本です、更に真後ろからでは訓練展示は展示なのですから観閲台に対し展示します、みられる事を余り想定していない位置でもある。

すると陣地変換する事となりますが、訓練展示模擬戦が開始される事案は最も駐屯地に人が集まる時間であるといっても過言ではありません、そこで、陣地変換を行うか、行った場合撮影できなくなる、という可能性も生じますので、その是非を決断しなければならないのです。人が多すぎれば多少傾いてもカメラを高く掲げ、勘で撮影も出来ますが、ね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭
・9月25日:秋田分屯基地航空祭2016…http://www.mod.go.jp/asdf/akita/sp/
・9月25日:東北方面隊創設56周年記念行事仙台駐屯地祭…http://www.mod.go.jp/gsdf/neae/neahq/
・9月25日:静浜基地航空祭2016…http://www.mod.go.jp/asdf/shizuhama/shizuhama.html
・9月25日:金沢駐屯地創立66周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/mae/10d/butai/sta/kanazawa/
・9月25日:徳島航空基地開庁記念行事…http://www.mod.go.jp/msdf/tokusima/
・9月25日:福江島分屯基地開庁62周年記念行事…http://www.mod.go.jp/asdf/wacw/index.html
・9月24日・25日:普天間フライトラインフェア2016…https://twitter.com/mcipacpao

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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防衛省平成二九年度予算概算要求の検証【3】 平成29年度概算要求の考え方

2016-09-22 22:21:19 | 北大路機関特別企画
■平成29年度概算要求の考え方
 防衛省平成二九年度予算概算要求の検証、この第三回は、平成29年度概算要求の考え方、についてみてみましょう。

 平成29年度概算要求の考え方、としまして全般的な概算要求の主要事業を目次から見てゆく事とします。各種事態における実効的な抑止及び対処、アジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善、日米同盟の強化、人事教育に関する施策、効率化への取組、防衛装備・技術政策への取組、概算要求は以上六区分に分けて要求されています。

 各種事態における実効的な抑止及び対処が第一に提示されています。この部分については、周辺海空域における安全確保と島嶼部に対する攻撃への対応に二分化されています。島嶼部に対する攻撃への対応は我が国防衛の新しい防衛力整備であり、常続監視体制の整備と航空優勢の獲得維持及び海上優勢の獲得維持と迅速な展開対処能力の向上や指揮統制・情報通信体制の整備という施策と防衛事業を呈示しています。

 特殊武器及び特殊攻撃に対する対応としまして、来年度概算要求に、弾道ミサイル攻撃への対応が明示されています。弾道ミサイル攻撃への対応とともにゲリラ特殊部隊による攻撃への対応の防衛力整備が加えて整備維持されます。また、宇宙空間における対応等の施策も継続される。

 サイバー空間における対応、こちらも特殊攻撃への対処の一環として明示され、体制の充実強化や運用基盤の充実強化と最新技術の研究が継続して要求されることとなっています。サイバー攻撃は防衛施設や防衛ネットワークシステム全般への攻撃のみならず、我が国経済基盤及び社会基盤への重大な脅威として顕在化していると共に、憲法上の武力行使や国際法上の武力攻撃との類型が難しい部分ですが、その部分へは踏み込んでいません。

 大規模災害等への対応について。東日本大震災以降特にその発生が危惧される事となりました南海トラフ巨大地震への対応は、自己完結能力を持つ軍事機構である自衛隊へも重要な任務となりつつあり、災害対処拠点となる駐屯地基地等の機能維持強化、大規模・特殊災害等に対応する訓練等の実施、災害対処に資する装備品の取得等が明示されました。併せて全般的な施策として、情報機能の強化も盛り込まれています。

 アジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善、集団的自衛権行使という憲法に直結する問題は従来避けられていたものではありますが、防衛力の任務が多様化し信頼醸成や人道支援と軍事力による防衛力が参画し得る部分が拡大しているここ25年間の趨勢を反映し、更に安全保障分野での協力、軍事非軍事に関わらず拡大する多国間協力と地球規模の問題へ参画する姿勢が示されました。

 多国間協力は、アジア太平洋諸国、同盟国アメリカとの協力、に二分し平成29年度概算要求の考え方が明示されています。アジア太平洋地域の安定化への対応とグローバルな安全保障課題への適切な対応、日米同盟の強化には、地元の負担軽減に資する措置とSACO関係経費が防衛事業の軸として提示されています。防衛協力というよりは、防衛力が参画し得る国際協力の具現化を強調しているもよう。

 人事教育に関する施策、平成29年度概算要求の考え方では、人材確保という部分が強調されています。国防を担う優秀な人材を確保するための施策の推進と女性の活躍とワークライフバランスのための施策の推進および人事制度改革、以上三点が重要施策として提示されています。男女共同参画は現政権の重要政策、また少子高齢化に伴う労働力不足を背景とした人材確保、こちらも防衛力に直結するものの一つ。

 効率化への取組、平成29年度概算要求はこの数年間に例外のない厳しい財政状況を背景に計画されたものです。長期契約を活用した装備品等及び役務の調達、維持・整備方法の見直し、民生品の使用・仕様の見直し、装備品のまとめ買い、以上四点を強調し防衛装備品の調達へ費用を圧縮する施策を模索し提示しています。また、これまでの効率化による縮減額、としまして、事業評価も明示しました。

 防衛装備・技術政策への取組、平成29年度概算要求では防衛装備庁の技術開発など、単なる装備品や人員の数に留まらない、防衛技術による抑止力や、我が国技術力の防衛力へ反映させる取り組みが示されています。この為に、技術的優越を確保するための戦略的な取組の推進、プロジェクト管理等を通じた最適な取得の推進、防衛生産・技術基盤の維持・強化施策の推進、という施策と防衛事業が明示されています。

北大路機関:はるな くらま
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将来艦隊戦闘と巡航ミサイル【7】 護衛艦トマホーク搭載と対艦ミサイル射程延伸という視点

2016-09-21 22:10:35 | 先端軍事テクノロジー
■護衛艦トマホーク搭載案
 水上戦闘艦への巡航ミサイルの搭載について。巡航ミサイルはRGM-109トマホークが艦対艦型を開発しましたが、当時のアメリカ海軍ではRGM-84ハープーンに優位性があると判断されました。

 ハープーンは射程120km、トマホークよりもかなり射程が短いのですがトマホークは2発でハープーン3発分の費用を要し、優位性がないとの判断でしたが、RGM-109E/RGM-109Hは再度対艦攻撃能力が復活しています、アメリカ海軍は現在建造中となっているアーレイバーク級ミサイル駆逐艦からハープーンミサイルの運用能力を低コスト化という主眼から省いていますが、これはミサイル駆逐艦の主武装であるイージスシステム、その能力を最大限発揮する対空ミサイルを搭載するMK41VLSに、RGM-109E/RGM-109Hを併せて搭載できるからにほかなりません。

 もっとも、米海軍の場合はニミッツ級原子力空母とジェラルドフォード級原子力空母が有する圧倒的な洋上打撃力に依存している為、対艦ミサイルを駆逐艦から発射する以前に空母艦載機が全て始末してしまう、という認識も背景にあるようですが。さて、RGM-109E/RGM-109H、費用面は相応に大きい事から、日本は導入するべき装備ではあると考えるものの、海上自衛隊が装備するSSM-1やハープーンを置き換えて装備するべきだとは考えません。

 もちろん、汎用護衛艦である護衛艦むらさめ型、たかなみ型、あきづき型、ミサイル護衛艦である護衛艦こんごう型、あたご型、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが型、にはMk41VLSが搭載されていますので、構造上はRGM-109E/RGM-109Hを搭載する事は、誘導装置等を別個に搭載する必要があるのですが、不可能ではありません。しかし、RGM-109E/RGM-109Hの射程は3000km、海上自衛隊には3000km先の目標を索敵する手段が限られており、その性能を最大限活かす事が出来ないでしょう。

 こうしたうえで考えるのは、護衛艦隊を構成する4個護衛隊群、護衛隊群は現在、ヘリコプター搭載護衛艦を基幹としてミサイル護衛艦と2隻の汎用護衛艦を運用するDDH部隊と、弾道ミサイル防衛にあたるイージス艦を中心に3隻の汎用護衛艦を配置するDDG部隊とに分かれています、この中で、DDG部隊へRGM-109E/RGM-109Hを運用する護衛艦を配置し、ミサイル護衛艦とともにミサイル投射任務に充てる部隊、という位置づけを付与する方式を提案します。

 現在、海上自衛隊のミサイル護衛艦はイージスシステム搭載護衛艦6隻、旧式化していますがターターシステム搭載護衛艦2隻が運用されていまして、ターターシステムを搭載するミサイル護衛艦はたかぜ型は近い将来8200t型ミサイル護衛艦により代替されることとなっています、しかしここで、ミサイル護衛艦という従来の艦隊防空に当たる護衛艦とは別のミサイル運用巻を、という視点を示してみましょう。

 元来、全ての護衛隊にイージス艦が配備される見通しが立ったことから、提案としまして新しい八八艦隊、全ての護衛隊にヘリコプター搭載護衛艦を配備し、ひゅうが型2隻、いずも型2隻に加え、更に4隻の全通飛行甲板型護衛艦を建造し、全ての護衛隊を、ヘリコプター搭載護衛艦、イージス護衛艦、汎用護衛艦、汎用護衛艦、という4隻の体制を構築する事を呈示していますが。

 この施策は我が国海上防衛に絶対必要な施策であると考えつつ、その実現にはヘリコプター搭載護衛艦を4隻建造するためには中期防二期分程度の時間を要する事になり即座の実現は出来ません、この為の繋ぎという施策として、RGM-109E/RGM-109Hを搭載する護衛艦をDDG部隊へ配属する編成案を提示しました。搭載改修だけならば、新造するよりも短期間で可能でしょう。

北大路機関:はるな くらま
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小松基地 '16航空祭 in KOMATSU 白山女神の寵愛か台風16号下の天候回復 みよ堂々の制空陣

2016-09-20 22:47:52 | 航空自衛隊 装備名鑑
■小松基地航空祭二〇一六
 イーグルは白山の守り神菊理媛神、くくりひめ、に愛されているという話を聞きました。

 愛機を駆りて台風に、翼洗う荒天も、何ぞ遮るわが任務、敵空軍の真っただ中に勇む我らが精鋭機!民一億の守り担て、空切る翼鋭くも、みよ堂々の制空陣!、秋の航空祭シーズン到来となりましたが、これは台風の季節の到来をも意味する訳です。それでは、台風16号接近下で開催されました、小松基地航空祭2016についてお伝えしましょう。

 '16航空祭 in KOMATSU、昨日開催されました航空自衛隊小松基地の航空祭は、懸念された悪天候も奇跡的に回避され、来場者約7万2000名という盛況と共に終幕となりました。悪天候の危惧を乗り越えて集った来場者を迎えたのは精鋭F-15イーグル戦闘機尽くしの飛行展示と、悪天候の思わぬ贈り物、軌跡に沿った飛行機雲ベイパーを曳く情景でした。

 小松基地航空祭、北陸に位置し日本海側唯一の戦闘機部隊基地です。この小松基地航空祭、来場者の予測は、中々不明瞭でして、敬老の日三連休最終日、飛行教導群移駐、ブルーインパルス飛行展示、北陸新幹線開通、新特急ダイナスター運行開始、来場者を増やす要素が並びこの状況では来場者が15万名から20万名の大台に上る可能性もあったのです。

 日本海防空の要、と称される小松基地は1941年に帝国海軍舞鶴鎮守府が飛行場用地として取得し1944年に陸上攻撃機用飛行場として完成させた飛行場がその起源です。戦後は米軍が接収しましたが1955年より全日空が不定期旅客便の運航を開始、1958年に草創期の航空自衛隊の分遣隊が配置、同時に民間航空機を就航させる官民両用飛行場となりました。

 自衛隊基地としての小松基地は1959年に小松分遣隊を中心とした基地施設再建が本格化し、1961年に制式に小松基地が新編、1961年にF-86戦闘機二個飛行隊の移駐を受け第6航空団画創設されたわけです。1965年には超音速のF-104戦闘機運用を開始、1974年にはF-4EJ戦闘機を運用開始し、1986年には最強戦闘機F-15戦闘機が配備、今に至るところ。

 第6航空団は、司令部と飛行群第303飛行隊および第306飛行隊のF-15二個飛行隊に整備補給群と基地業務群が展開しています。加えて入間の中部航空施設隊から同第2作業隊、横田の航空戦術教導団から精鋭アグレッサーの飛行教導群が、入間の航空救難団から小松救難隊が、府中の航空支援集団からは小松管制隊および小松気象隊が派遣されています。

 イーグルの二個飛行隊を有する第6航空団、隷下の飛行隊をみてみましょう。第303飛行隊は1976年にF-4ファントムを運用する飛行隊として新編され、ドラゴンを冠する部隊で、F-86セイバー戦闘機を運用していました第4飛行隊の要員を基幹として編成されました。1987年には現在のF-15イーグル飛行隊へ改編、ドラゴンは記念塗装にも示されている。

 小松のイーグル、第306飛行隊は1981年にF-4ファントムを運用する飛行隊として編成、イヌワシが舞台マークとして描かれています。イヌワシはご当地石川県の県鳥、1997年にF-15運用部隊として改編されました。第306飛行隊はアメリカのトップガンと同様の、精鋭搭乗員の選抜と高度化研修を行うファイターウェポン課程の担任部隊となっています。

 飛行教導群、アグレッサー部隊、宮崎県新田原基地から今年小松基地へ移駐したばかりの精鋭部隊です。仮想敵機部隊として部隊は1981年に築城基地へ飛行教導隊として新編され、当時は超音速のT-2練習機を運用していましたが、1983年に新田原基地へ移駐、1990年に運用機種をF-15戦闘機へ転換し、巡回訓練に当たりました、自衛隊最精鋭部隊の筆頭です。

 今年の航空祭は、この飛行教導群小松移駐を受け、かなりの来客が予想されていました。昨年の来場者は14万7000名と全陸上自衛隊以上の来場者を誇り、航空自衛隊は今年の来場者を14万と予測していました。飛行教導群はアグレッサー部隊として、独特の迷彩を施したイーグルを駆っており、この迷彩目当てに新田原へ足を運ぶという方も多かったほど

 戦闘機部隊は広大な敷地を有しますが、開放されるのはエプロン地区という格納庫前の地区、この限られた会場に対し来場者が15万を超えますと、満員御礼、といいますか物理的に基地内の身動きが取れなくなるという可能性が、基地での撮影では地上展示機を撮影する以外は極力後方、格納庫付近から群集越しの航空機撮影、という選択肢しかなくなる。

 他方、難点は肝心の天候です、小松マジックは今回も実現するのか、それとも、基地側がゆるきゃら”晴レテル”君の威光を信じず、縮小開催という方針を示すのか、というところです。勿論、万一に備える防滴の準備は万全でして、ここで万一中止決定にでもなれば目も当てられないという状況でした。もっとも、開催しても飛行展示の可否は別問題です。

 天候偵察のF-15が持ち帰った情報は、視程5マイル、という非常に幸運な天候で、これにより航空祭の飛行展示が予定通り実施できることが画定しました。当初はこの転校偵察が最初で最後の飛行展示なのではと危惧したり、ブルーインパルス飛行展示も実施できないのではないか、という悲観的な予測は、しかし、小松ならば、という願いが通じたかたち。

 航空祭直前、0720時までは確かに降っていたのですよ、しかし0745時には雨が上がりました、1025時頃、若干雨滴が飛んできましたし、1315時にも飛んできたのですが、ブルーインパルスが水平系の飛行展示となった以外、予定通りに実施できました、これほどの天候回復は、かの、白山の守り神菊理媛神のご加護があったのかというほど。

 航空祭、思い起こせば2014年の美保基地航空祭は天候偵察の結果視程不良ということで飛行展示中止の決定が為されました、が、そのあと急速に天候回復の後もいったん中止の飛行展示を行う事は無く、という悲しい出来事もありました。海上保安庁の飛行展示のみ実施、C-1大編隊を期待していただけに、あの飛行展示中止の決定維持は残念でしたね。

 雨天は航空祭の天敵というべきものでして、視程不良ですと飛行展示が出来ません、2007年浜松基地航空祭は、サンダーバーズ来日という航空祭でしたので、悪天候でも可能な限りの飛行展示を実施してくれましたし2005年の岐阜基地航空祭は、OPフライトは晴天予定のまま、爾後は天候悪化を受け徐々に縮小、という展示を実施していました。

 小松マジック、天候回復となりました小松基地航空祭では、F-15戦闘機四機による天候偵察とオープニングフライト、第303飛行隊および第306飛行隊の機動飛行、飛行教導群を加えてイーグル12機大編隊、小松救難隊救難展示、F-2支援戦闘機機動飛行及び模擬対地攻撃、飛行教導群機動飛行、そしてブルーインパルス飛行展示まで全部を堪能できました。

北大路機関:はるな くらま
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