北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十九年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2018.02.24/25)

2018-02-23 20:02:56 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 梅花の蕾が花見の下見を誘う中、皆様いかがお過ごしでしょうか、さて今週末の自衛隊行事ですが、一般公開の物は海上自衛隊基地の一部広報以外、無いようです。

 今週末の自衛隊行事無し、という週末にはしっかりと自宅周辺の警備体制強化や火の用心の提灯準備に励みたいところですが、近所にある自衛隊機保存展示航空機等を散策してみてはどうでしょうか。京都は京都嵐山美術館が凄かったようですが閉館し、戦艦陸奥主砲は横須賀に移ったものの、三式戦飛燕等多くの貴重な軍事遺物が散逸してしまいました。

 ただ、百里航空祭で御馴染みの茨城空港前のファントムなど自衛隊機の保存展示航空機は防衛省貸与という形を取っている為、散逸の心配はそれ程高くありません、保存展示状態の悪いものが大半ですが中にはしっかりと管理された場所もあります。美幌航空公園等は知人の御勧めで、しかし遠く中々いけないのですが旧海軍美幌航空基地所縁の地とあり、T-34A,T-6,T-33,H-21,HU-1B等がさり気なく並んでいるという。

 茨城空港公園にF-4EJとRF-4が展示され、航空祭以外の日にもファントムを間近に眺められるのは有名です。しかし知られざるといいますと、八戸公園こどもの国展示のB-65練習機や静岡理科大学のOH-6DとLR-1,中には静岡県の国道363号線沿いの永野自動車店内にT-34練習機、出雲市目田森林公園の山中にT-33等、ぽつんと一機、というものもある。

 さて撮影の話題、撮影に遠出する際の話題ですね。自衛隊行事で遠出する際には、やはり土産物で日本各地の一品や自衛隊行事ゆえの興味深い逸品を買ってゆきたいところですが、何を買うのかが難しい。一番喜ばれたものは、部隊パッチ、これは自衛隊や軍隊に興味のない人でも精緻に造り込まれた刺繍工芸品で、喜ばれるものです。頑丈ですし、本来の縫い付け用以外に卓上を明るく飾る用途にも向く。

 部隊パッチは一つ当たりの値段が張りますので、何枚も何人に配る訳には参りませんが、土産物としては喜ばれます、何よりも自衛隊行事に行ったのだ、という事を強調できるお土産ですし、其処でしか買えないご当地品、そして重さもほとんどありませんし、数枚買ってもカメラバックの隙間に収めることができます。お饅頭や地酒ではこうは参りません。

 ただ、第8飛行隊のパッチが丸いからと言って、コースターは勘弁だ。刺繍で日本製パッチの製造能力は繊維不況と言われる中でも一応の需要があり、土産物ですので活用方法はお任せしているのですが、仕事場で冷たい緑茶を湛えたグラスの水滴を一手にパッチが受け止めている様子を見ますと、少しだけ使い方を考えてほしいなあ、と思ってしまいます。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭
・今週末の自衛隊行事はありません

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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新防衛大綱とF-35B&EA-18G【04】新田原F-35B飛行隊いずも型護衛艦艦上運用の可能性

2018-02-22 20:09:45 | 防衛・安全保障
■F-35B,洋上防空と九州防空
 南九州新田原基地へのF-35B飛行隊新編構想、しかし鹿児島県の海上自衛隊鹿屋航空基地ではなく宮崎県の航空自衛隊新田原基地へ。

 さてその前に本記事作成中に気になる情報が。ロイター通信昨日2月21日付記事によれば、防衛省関係者の話として航空自衛隊は現在調達中のF-35戦闘機を更に25機程度追加する方針を示したとの事で、事実とすれば現在調達中の42機に加え合計67機のF-35Aが配備される事となります。この25機はF-15J戦闘機の後継であり、更に75機を開発を検討している国産機で代替する検討を行うという。

 国産戦闘機を数年間で管制させる事になり、F-2戦闘機後継機をF-15J後継機に前倒しする技術的見通しが気になるところですが、併せて、同記事は現在の三菱名古屋FACOでの最終組立を割高であるとして取りやめる可能性を示し、現在1機130億円で取得のF-35Aを1機あたり数十億円程度安価に取得するという、主開発国イギリスが1機1億ポンドで取得するF-35以下に圧縮したい構えとのこと。

 三菱FACO閉鎖の示唆とは、契約中断という我が国の悪い癖が出ているようで呆れますが、OH-1観測ヘリコプターやAH-64D戦闘ヘリコプターン調達中断の経験から、三菱FACO建設費は既に別枠で計上されており、この税金を無駄にするという視点で、なお調達費を圧縮できるのならば、選択肢にはなり得るのでしょう。この記事についてはロイター通信記事のみ、詳細は後日改めて検証しましょう。

 新田原基地へのF-35B配備報道ですが、F-35AとF-35Bの最大の相違点は垂直離着陸能力の有無です。全長は同じ、垂直離着陸機構を搭載する分、F-35BはF-35Aよりも燃料搭載能力が限られ、F-35Aの航続距離は2200kmですがF-35Bは1670kmに留まる。しかしレーダーや電子装備は同一、エンジンは共にF-135系統、整備互換性は非常に高いのです。

 F-35A戦闘機の配備開始により、F-35B戦闘機を運用する障壁は非常に低くなりました。ただ、将来的にF-35B戦闘機の能力を考えた場合、海上自衛隊の護衛艦へ配備する意義というものは低くはありません。現代の海上戦闘はミサイル射程の長大化により対艦対空とも交戦距離が年々長大化しており、その上で如何に索敵を行う情報優位を得るかが重要だ。

 ヘリコプター搭載護衛艦艦上からのF-35B戦闘機運用、これは事実上の護衛艦の空母運用となります。F-35Bには敵のレーダーに捕捉されないステルス性を有し、索敵でも高機能レーダーAPG-82の他に電子複合監視装置EO-DASシステム等、レーダー波を出さずに、つまり相手に感知される事無く索敵する能力があります。艦上運用は情報優位に繋がる。

 海上自衛隊は対水上戦闘において艦砲と対艦ミサイルという選択肢を有します。艦砲射程は30km、近年の水上戦闘艦は第二次世界大戦中に主流であった対水上戦闘用の長魚雷は搭載せず、対艦ミサイルがその攻撃の主力となっています。海上自衛隊は国産のSSM-1とハープーン艦対艦ミサイルを採用しており、射程は150kmから200km程度となっています。

 地球は丸く電波は直進しますので、護衛艦のマストに搭載されているレーダーは水平線の向こうを見る事は出来ません。すると護衛艦のマストからは艦船を目標とする場合に50km程度しか見通せないのです。この為、護衛艦は哨戒ヘリコプターを飛行させ索敵を行うのですが、相手に広域防空艦、イージス艦やターター艦同等の防空艦がいれば生き残れない。

 日米やNATOの対艦ミサイルは200kmが標準ですが、中国ロシアのミサイルは300km以上の対艦ミサイルが標準となりつつあります、これは1970年代に開発されたハープーンミサイルが西側の標準となり、ミサイルの規格が確立し、本体部分に搭載出来る燃料から射程の上限が決まるのに対し、PJ-10やS-1000,YJ-62等、ロシア中国にその成約が無いため。

 戦闘機としてではなく艦上固定翼哨戒機としてF-35Bを搭載出来れば、射程で既に大きく限られた日本の水上戦闘能力を最大限発揮が出来る。海上自衛隊には過去に固定翼艦載機という区分が存在し、S-2対潜哨戒機という機種が、母艦は整備に至りませんでしたが、存在していました。この艦上固定翼哨戒機という区分で、F-35Bがあれば高い抑止力となる。

 勿論F-35Bについて、中距離弾道弾攻撃や巡航ミサイル攻撃により航空自衛隊基地の飛行場施設が破壊された場合においての分散運用も念頭としていると報じられ、垂直離着陸能力を有するF-35Bは、必要であれば鹿屋航空基地、高遊原分屯地、宮崎空港、鹿児島空港と多数ある九州南部や離島の飛行場等へ分散し、粘り強く防空戦闘を展開可能となります。

 しかし、新田原基地の現在のF-15一個飛行隊という体制では、増大する九州南部方面への中国大陸からの国籍不明機接近増大への対処能力について限界が指摘されます。中国爆撃機は九州沖を越え紀伊半島沖まで進出、脅威は無視できません。海上自衛隊の艦隊運用への資する点も大きいのですが、喫緊の課題としては新田原基地強化の優先度が高いのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】飛騨国分寺,雪舞う白銀の高山に飛騨三十三観音霊場第一札所醫王山を探訪

2018-02-21 20:10:36 | 旅行記
■飛騨国分寺,小京都の境界線
 豪雪報道林立する最中に敢えて雪と親しむ岐阜県は飛騨高山、高山市の飛騨国分寺拝観の様子をお伝えしましょう。

 飛騨国分寺、弘法大師空海が拓いた高野山真言宗の寺院です。岐阜県飛騨高山、昨今は一つ奥の飛騨古川が映画作品舞台となり世界的観光地として飛躍を遂げていますが、一つ奥とはいえ、やはり飛騨古川は遠い。もっと高山は氷菓されるべき、いや評価されるべき。

 聖武天皇の治世下にある天平13年、西暦では741年に全国へ仏法による救済を願う国分寺建立の詔が発せられ、日本全土へ国分寺の建立が進められました。飛騨国分寺もその流れの中で建立、醫王山、医王山飛騨国分寺として757年に創建、永らくこの位置に鎮座しています。

 三重塔が迎える伽藍の情景は、京都の荘厳雄大な寺院とは比較にならないものの、しかし山国の中の信仰を集める為の拠り所としての役割を経て、崇敬を集め続けた、つまり文字通り大事にされてきました点が現在の美しい木造建築の威容からも感じ取る事が出来る。

 飛騨三十三観音霊場第一札所にも数えられる飛騨国分寺は、神山市の玄関口である神山駅、ではなく高山市の玄関口である高山駅からも市の中心部に向かう道中、歩みを進めて数分と指呼の距離にあり、豪雪地として名高い飛騨山脈の盆地でもアーケード沿いに行ける。

 高山駅前の近代的な街並み、小京都とも称される高山では、観光地開発と共に駅ビルも新しく建て替えられ、駅前の中層建築のホテル群を見上げ、成程小京都、京都駅前の京都タワーや新阪急ホテルと同じ様相だ、と感じた数分後に小京都の境界線、出会う国分寺が歴史情緒のはじまり。

 小京都の境界線、国分寺建立の詔と共に全国へ創建の一連の国分寺にあって、757年建立の飛騨国分寺は、創建当初には七重塔を中央に拝する大きな寺領を誇ったようです。しかし819年の弘仁年間には火災により呆気なく焼失、寄進も限られ855年の斉衡年間に漸く再建を果たしました。

 木造薬師如来坐像と木造聖観音菩薩立像を本尊とする本堂は、斉衡年間の再建においても完全に再建されておらず、正確に何時頃再建されたかについては諸説ある状況、当時の飛騨国の産業や経済状況から、記録も多く残っていないようで、まだまだ日本史は奥が深い。

 応永年間の1410年頃には全て再建されていたらしいのですが、この根拠が応永年間に再度全て火災により焼失したから、という記録があるからだそうで、全ても得たからには全てあったのだろう、と。本堂や三重塔の風情と規模が、その流れを物語っているようですね。

 安土桃山時代には1585年、金森長近による姉小路頼綱の松倉城攻めの戦火が延焼し、翌年の1586年天正地震によりまたしてもすべて焼失、震災復興と全く再建が出来ない最中で飛騨国は江戸時代を迎え、元和元年即ち1615年に現在の国分寺のほぼ全てが再建されました。

 行基によって建立された飛騨国分寺は、ここまで度重なる火災と戦禍に脅かされたのですが、御本尊の木造薬師如来坐像と木造聖観音菩薩立像は平安年間の国指定重要文化財であり、数多の災厄に直面しつつも、御本尊だけは平安朝の頃より護り続けたのは信仰の証だ。

飛騨国分寺の大銀杏は推定樹齢1250年であり、国指定天然記念物、実はこの銀杏こそが飛騨国分寺が創建以来この地に鎮座し続けている象徴との事です。1695年に飛騨国は幕府天領となり、天災にて三重塔が倒壊しつつ1820年に再建、その後は戦災等を免れ今に至る。

天領となった後に飛騨国分寺は、鐘楼門や屋根瓦等を廃城となった高山城より継承し、山国の小京都と呼ばれる街づくりの中心に崇敬を集めてきました。高山駅から朝市で名高い宮川へ向かう道中に佇む古寺は雪の日にも多くの拝観者を集め、小京都の境界線は常に賑わいを見せています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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陸上防衛作戦部隊論(第七〇回):装甲機動旅団試案と新編即応機動連隊,その将来可能性検証

2018-02-20 20:08:30 | 防衛・安全保障
■即応機動連隊,年度末新編開始
 即応機動連隊の新編が今年度末より開始され、善通寺の第15普通科連隊、北熊本の第42普通科連隊が最初の改編部隊となります。

 即応機動連隊、陸上自衛隊の新しい作戦単位です。自衛隊の統合機動防衛力、つまり全国への基盤的防衛力としての部隊画一配置を見直す新しい防衛計画に基づき整備される部隊で、96式装輪装甲車やその改良型の新装甲車を主体とした機械化部隊に最新鋭16式機動戦闘車や小規模高射特科部隊と重迫撃砲部隊を統合し、独立した戦闘力を有するものです。

 統合機動防衛力整備の主眼は、有事の際の着上陸事案に際し、初動部隊として着上陸正面の部隊が防衛線を展開すると共に、即応機動連隊が駆けつけ前衛部隊を担う方針です。即応機動連隊は2017年度に最初の二個が普通科連隊より改編、この部隊を各方面隊へ配備、有事の際には全国から集合させる事で迅速な防衛体制立ち上げを期する事ができましょう。

 本部管理中隊、軽装甲機動車装備中隊、3個装輪装甲車化中隊、重迫撃砲装備火力支援中隊、機動戦闘車中隊、という陣容です。欧州の軽装甲車大隊に匹敵し、自衛隊では有数の機械化部隊といえるものですが、装輪装甲車化中隊は96式装輪装甲車の総数が十分ではない状況、自衛隊全体で400両弱しかない故、完全に充足させる事は当面の間、できません。

 装甲車の不足に際し、防弾ではなく防水布製の幌で覆う高機動車が装甲車の不足を補完します。装甲車化の連隊を全国に7個新編するのですから、ただでさえ少ない装甲車両をスクラップ&ビルドではなく統合機動防衛力整備に併せ、不足分の装甲車両を即応機動連隊所要として新たに500両程度増強する程度の施策は必要なのですが、予算難が許しません。

 自衛隊は規模から考えて、装甲車両が圧倒的に不足しています。一昔では戦車1100両にたいして装甲車が600両程度で、戦車と協同する上で不均衡という問題がありました、戦車が300両まで削減されたのですから、戦車縮小の台数分を装甲戦闘車が補えば問題がなかったのですけれども、装甲戦闘車の調達は2004年が最後、そのまま放置されています。

 冷戦時代では装甲車は少ないものの、その分は空中機動能力を重視していたわけですが、予算難と弾道ミサイル防衛などの新任務付与により少ない予算が新装備に取られ、ヘリコプター調達が停滞、航空部隊の優位も諸外国と比較し低下しつつあります。このため、装甲車両は装甲戦闘車で600両程度、軽装甲車両も1000両程度あって不思議ではありません。

 現在の予算をみる限りでは難しい事は認めますが、政治は自衛隊による国土防衛を真剣に考えるのであれば、即応機動連隊の編成を普通科連隊の基本編成としなければなりません、96式装輪装甲車はNATO等欧米の装甲車両と比較したならば、重装甲ではありませんが基本的な性能を備えています。車体は小型ではありますが、道路事情を考えると致し方ない。

 その上で我が国ではデフレ経済が長期継続したために実は取得費用は諸外国の装甲車よりも割安となっており、96式装輪装甲車の取得費用は9000万円程度ですが、この費用は輸出競争力があるほど安価となりました。ただ、96式装輪装甲車(改)として小松製作所が新型装甲車を開発、車高が高すぎる印象がありますが、当面この大量調達を期待しましょう。

 即応機動連隊という新しい部隊編成ですが、此処まで記した通り、装甲車不足により目的とした高い水準の装甲車緊急展開部隊完成までには時間を要しそうです。しかし、編成を見る限り、統合機動防衛力、自衛隊の陸上防衛を新しい水準で開拓する可能性を大いに秘めた部隊です。今回から数回に分けて、新しい即応機動連隊について考えてゆきましょう。

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新防衛大綱とF-35B&EA-18G【03】九州西日本狙う中国巡航ミサイル飽和攻撃への防衛策

2018-02-19 20:17:18 | 防衛・安全保障
■九州防空,JAS-39/F-35B必要
 中国巡航ミサイル総数の爆発的増大とミサイル爆撃機の脅威を前に南西諸島、九州、西日本は何らかの防衛手段を構築する必要がありました。

 F-35B戦闘機の新田原基地への新飛行隊新編を検討、という報道は驚きでした。F-35A戦闘機の実戦配備へ、三沢基地での臨時F-35飛行隊への配備が開始された同時期の報道ですが、特に佐世保への水陸機動団新編、統合機動防衛力整備という一大転換、南西諸島への中国大陸からの脅威は九州と西日本へ及ぶ中での検討報道は、意味合いが根本から違う。

 新田原基地へF-35飛行隊を新編する、との選択肢であれば、戦闘機飛行隊を新編する防衛予算上の裏付けのみで驚くには至らなかったでしょう。しかし、航空自衛隊がF-35B,つまり垂直離着陸が可能であり、短い滑走路は勿論、ひゅうが型護衛艦、いずも型護衛艦艦上においても運用可能な機種を新田原基地へ配備し島嶼部防衛に充てる、との点が注視だ。

 JAS-39戦闘機を緊急リースし入間基地へ配備すべきではないか、中立政策で名高いスウェーデンの主力戦闘機JAS-39は、世界へ輸出と共に有償リースを提示しており、特に同盟国へ依存できない中立政策を守り抜く為の戦闘機として、短距離滑走路や高速道路からも離着陸が可能で、飛行隊を一機二機単位で分散した場合も整備等運用が可能という機種です。

 F-35B戦闘機が九州沖縄の防空を考える場合、最善の選択肢ではあると考えます、海上自衛隊航空基地は勿論、離島空港や陸上自衛隊の航空部隊駐屯地に代替滑走路を活用できるところまではJAS-39と同様ですが、JAS-39が着艦できない全通飛行甲板艦上へF-35Bは着艦出来まして、運用柔軟性はF-35Bの方が高いのですが、機体の費用も高く、財政上困難と思っていました。

 JAS-39戦闘機を一個飛行隊か二個飛行隊程度をリース、可能であればそのまま中古取得する事が一つの選択肢、この選択肢が不可能であっても、F-15J等の戦闘機部隊を南西諸島や南九州の民間空港へ2機3機単位で分散配置させ、那覇基地や新田原基地、鹿屋航空基地が攻撃を受け機能喪失となった状況でも、要撃任務と制空戦闘を維持する必要があります。

 南西諸島の防空体制維持とは、日本がこれまでにまったく経験がないスウェーデン製戦闘機を提示する他ない程、実は厳しい状況にあります。これは中国空軍のH-6ミサイル爆撃機が紀伊半島沖まで進出するようになり、射程1500kmの東海10型巡航ミサイル6発を運用可能、H-6爆撃機は120機が配備され、極めて大きな脅威であるといわざるを得ない。

 東風21型中距離弾道弾、中国大陸からは東風21型中距離弾道弾という脅威があります。東風21は150発から200発程度を保有しているとされ、射程は本州全域と北海道を含む2100km、対艦弾道弾型が現在愛発されており、その総数は現在も量産が続き増大中です。H-6ミサイル爆撃機に加え、東風21型中距離弾道弾の脅威下、防空維持は大きな課題です。

 台湾、実は中国大陸からの軍事脅威に直面する台湾の中華民国空軍もAV-8BやF-35Bといった垂直離着陸可能な戦闘機について永らく取得を希望していました。台湾は中国が600発という多数を装備する短距離弾道弾東風15型の射程600kmに照準され、滑走路を破壊された状況下で制空権喪失の懸念があった為で、今日では日本も同様の状況になっている。

 いずも、かが、へF-35Bを配備する、という主眼ではなく、新田原基地へF-35B戦闘機を配備し、中国大陸からの長距離巡航ミサイル攻撃や中距離弾道弾攻撃により飛行場の滑走路などの施設が破壊された場合に、飛行場施設が復旧するまでの間、他の飛行場施設からF-35Bを運用し、その飛行場に、ひゅうが、いせ、いずも、かが、を含む、との構図です。

 また、海上自衛隊が航空集団を改編史F-35Bを配備する場合、航空集団が装備する練習機はT-5練習機まで、ジェット練習機がありません。この為、実現には航空自衛隊か米海軍へ航空学生を留学させる必要がありますが、航空自衛隊がF-35Bを配備するのであれば、F-35A要員の教育をそのまま応用する事さえ可能で、実現への障壁は一挙に低くなります。

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【日曜特集】ミストラル東京寄港【1】最新鋭フランス海軍指揮戦力投射艦(2008-04-13)

2018-02-18 20:11:25 | 世界の艦艇
■L-9013:Mistral
 強襲揚陸艦、来月に迫る陸上自衛隊水陸機動団新編を前に両用戦艦への関心が高まる中、10年前となりますフランス海軍の当時の最新鋭艦の様子を紹介しましょう。

 写真特集ミストラル東京寄港、ミストラル級強襲揚陸艦が2008年4月に日本を初訪問した際の情景をお届けしましょう。実はミストラル級強襲揚陸艦が佐世保入港時に改めて撮影したものを紹介する予定でしたが、流れてしまい少々古い懐かしの写真紹介となりました。

 ミストラル、フランス海軍が誇る強襲揚陸艦です。小野寺防衛大臣が昨年フランスにて視察した事で有名な多目的艦、フランス海軍では指揮戦力投射艦に区分され、基準排水量16500t、満載排水量21500t、全通飛行甲板を有する船体はその全長210.0 mと全幅32.0 mに吃水6.2 m、巨大な船体には1800㎡の格納庫を有し、クーガー等の強襲ヘリコプターを最大16機収容できるという、16機は大隊規模の落下傘部隊を同時空輸できる水準で中々凄い。

 水陸両用作戦への対応を最大の任務としており、車両甲板面積は2650㎡、ルクレルク主力戦車ではフランス軍編成1個中隊に相当する13両を収容でき、VBCI装輪装甲戦闘車では60両、飛行甲板と航空機格納庫を車両甲板として転用した場合では更に230両を積める、ちなみにフランス海軍は湾岸戦争でも当時の空母クレマンソー飛行甲板に車両を敷き詰めて輸送したことがあったりします。

 揚陸艇は艦内にドックを有し、L-CAT/EDA-R高速機動揚陸艇や海上自衛隊でも運用するLCAC-1型エアクッション揚陸艇で2隻、若しくは低速ながら戦車を輸送可能な汎用揚陸艇4隻と上陸用舟艇8隻搭載可能、こうした能力の結果、船体が非常に大きいのが特色だ、風の影響が大きそうな印象がありまして、この形状と艦容美の比較には議論の余地がある、かもしれませんね。

 クルーズ船設計を大胆に採用した事で満載排水量21500tという巨大な揚陸艦であるにもかかわらず、その建造費は前級にあたる基準排水量8200tと満載排水量12000tのフードル級ドック型揚陸艦よりも安価に抑えられ、乗員は最小140名、通常運用時200名で運用する。

 東京港へフランス海軍艦艇入港、当方はフランスの大型水上戦闘艦を撮影するのは初めての事でした。最新鋭揚陸艦、当時はEOS-40Dカメラに70-300mmEF-ISレンズを装着し撮影していましたが、東京の友人と共に意気揚々と新木場埠頭へと向かったものです。

 ジャンヌダルク、フランス海軍艦艇と云えばヘリコプター巡洋艦ジャンヌダルクが練習巡洋艦として毎年のように日本に寄港していました、満載排水量13000t、100mm単装砲4門に加え、シュペルピューマ中型ヘリコプター8機を格納庫に搭載、強襲揚陸艦任務を担う。

 しかし、フランス政府の日仏交流年度記念行事として1999年に挙行されたフランス練習艦隊親善訪問が最後の訪日となってしまいました。ジャンヌダルクは2010年に除籍されましたので、1963年竣工と護衛艦はるな竣工よりも10年古く、しかし重要な練習艦としての任務やヘリコプター母艦としての即応体制維持が求められて長生きし、はるな除籍翌年に除籍された。

 フランス練習艦隊親善訪問は、ヘリコプター巡洋艦ジャンヌダルク、駆逐艦デュゲイトルーアンが本国から、タヒチのフランス太平洋艦隊から通報艦プレリアルが加わり、盛況な行事だったようですが、流石に当時は行く事が出来なかった、という悲しい思い出がある。

 レインボーブリッジが1993年に完成した事で、この橋は海面から52mしかなく、大型水上戦闘艦は勿論、豪華客船の入港もままならず、東京港過疎化の元凶となりました。レインボーブリッジよりは港湾の活況を考えるとゲートブリッジが必要だった、という事ですね。この部分は更に問題が大きくなり、昨今、クルーズ船は大型化が進み65m程度の高さが必要、ジャンヌダルクはこうして若洲埠頭へ。

 晴海埠頭ではなく、ミストラルも新木場の若洲埠頭に入港しました。これはレインボーブリッジの橋脚が52mでジャンヌダルクの高さが52m、喫水7.2mで余裕が全くなく、満潮時には海面がさらに上昇する為、レインボーブリッジと接触する危険性があった為でした。

 レインボーブリッジにより豪華客船が東京港入港を軒並み諦め、横浜港が日本の玄関となったのですが、この欠陥橋梁が仕様で纏まった背景には近傍に羽田空港があり、レインボーブリッジを建築する際に橋脚高に制限があった。それならば勝鬨橋のように大型客船が航行できるよう可動橋とするか目一杯橋脚の高さに車道を通行させる事が出来るよう吊り橋方式を諦めれば良かった。

 ミストラル東京寄港はそんな中でフランス海軍の大型艦艇日本寄港というまたとない機会でした。ただ、寄港中に一般公開の予定は無く、日曜日に出港という日程でしたので、出航時間を見計らって、若洲は何処だ此処豊洲、と日曜日の朝に新木場へと展開した形です、がテロ対策の改正ソーラス条約の関係上、撮影できる立地が限られていたという。

 ミストラル級強襲揚陸艦、BPC指揮-戦力投射艦という新しい区分で建造されたフランス海軍の新型艦で一番艦ミストラル竣工2006年、つまり東京港に入港した2009年は文字通り最新鋭艦といえる段階でした、フランス海軍は本級を現在三番艦まで保有運用しています。

 フランス海軍は原子力空母や戦略ミサイル原潜、強襲揚陸艦等を装備していますが人員規模は海軍将兵と文民職員含め39000名であり、海上自衛隊と同程度です。原子力空母シャルルドゴールは満載排水量40600t、ラファール戦闘機やE-2C早期警戒機を搭載している、一方で当初二隻を建造する展望であったものの財政難に阻まれ、シャルルドゴールが整備中にはフランス海軍に動かせる空母が無いという状況が続く。

 水上戦闘艦はフォルバン級防空駆逐艦が満載排水量7500tで2隻、アキテーヌ級駆逐艦が満載排水量6100tで防空型対潜型を建造中で4隻就役、2021年までに8隻竣工予定、満載排水量4100tのジョルジュレイグ級駆逐艦4隻、准同型カサール級防空駆逐艦が2隻、と。

 アキテーヌ級駆逐艦が期待の新型艦、というフランス海軍ですが満載排水量4000t以上の大型水上戦闘艦は12隻しかありません、広大な海外県を世界に持つフランスの数の上での主力は通報艦、所謂コルベットと外洋哨戒任務に当たる小型フリゲイトとなっています。小型艦艇による世界規模の海外県警備体制に依拠した少数の大型艦運用、というかたちです。

 通報艦は、満載排水量2900tのフロレアル級6隻、満載排水量1400tのデスティエンヌドルヴ級9隻、満載排水量3500tでステルス設計が竣工当時世界の注目を集めたラファイエット級フリゲイト5隻、大型水上艦12隻に対し警備用艦艇20隻、という陣容なのですね。

 原子力潜水艦はフランス海軍の強力な戦力であり、ル-トリオンファン級戦略ミサイル原潜4隻、射程10000kmで100kt核弾頭6発を備えた多弾頭型M-51潜水艦発射弾道弾16発を搭載し核抑止力を担う。フランスは過去にアルビオン高原の中距離弾道弾戦力を有していましたが、現在は戦略ミサイル原潜と戦闘機発射核巡航ミサイルへ転換しています。そして水中排水量2600tの小型攻撃型原潜リュビ級6隻が守る。

 海軍2015構想、として将来のフランス海軍計画は、戦闘艦艇80隻、戦闘航空機130機、5個艦隊司令部、という兵力整備を念頭に勧められています。この80隻とは水上戦闘艦に潜水艦や掃海艇と揚陸艇や哨戒艇と含んだ数、戦闘航空機は固定翼にヘリコプターを含む。

 海軍2025構想、は上記計画が財政難により達成困難であるとの視点から、大型水上戦闘艦12隻、2025年を目処に二隻目の航空母艦を竣工、新型攻撃型原潜バラクーダ級6隻の建造、と下方修正されました。この海軍2025構想の発表は2008年、ミストラル寄港の前年だ。

 PA-2計画、フランス海軍は唯一の空母として原子力空母シャルルドゴールを運用しています。元々は1961年にクレマンソー級航空母艦のクレマンソーとフォッシュを竣工させ永らく運用していたのですが、財政難により後継艦は一隻しか建造する事が出来ませんでした。

 原子力空母シャルルドゴールに続く第二の航空母艦PA-2はこのミストラル東京寄港時進展中の計画で、当時はイギリス海軍のクイーンエリザベス級航空母艦設計を購入する構想や、英仏共同空母の可能性が盛んに働きかけられていますが2018年現在も具体化していない、すると戦力投射任務を補完する強襲揚陸艦に焦点が、と。

 PA-2計画の遅延は、財政難下でシャルルドゴール建造に1989年の起工式から2001年の就役まで12年を要しており、この遅延には飛行甲板の長さが足りない事に建造中指摘されたり、原子炉の技術的問題などで遅延した訳ですけれども、時間を要した。仮に本年計画が具体化しようとも就役は2030年代、こう考えますとフランス海軍のミストラル級が有するポテンシャルの大きさが垣間見えましょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【EOS-M3撮影速報】伊勢湾機雷戦訓練2018,掃海艦艇訓練完了四日市入港Ⅱ(2018-02-09)

2018-02-17 20:05:38 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■伊勢湾機雷戦訓練2018続報
 掃海艦艇の四日市入港、EOS-7D撮影写真は整理中ですので、EOS-M3にて撮影の伊勢湾機雷戦訓練2018入港、その続報として入港後半部分の紹介です。

 伊勢湾機雷戦訓練2018完了の掃海部隊四日市港入港、掃海艇うくしま、が入港します。すがしま型掃海艇の艦型を良く分かる構図となりました、二本の煙突が識別点で、この設計は艦橋から真後ろを見えるよう配置したもの、後部は2機の機雷処分器具格納庫が並ぶ。

 うくしま接岸の様子、すがしま型はPAP-104 Mk.5機雷処分具による機雷掃討を行うと共に、53式普通掃海具も搭載しています、しかし磁気掃海器具や音響掃海器具はDYAD感応掃海具を運用可能であるものの、必要に応じ暫定搭載する方式で掃海より掃討重視の表れ。

 ゆげしま、うくしま、並ぶ様子、すがしま型掃海艇と、うわじま型掃海艇の形状の相違が顕著に見えます。掃海任務では艇内は機雷に触雷した際の安全確保の観点から、乗員は船体内ではなく上部構造物か露天甲板に集まる、しかし掃討では管制室が拠点となります。

 すがしま型掃海艇の船体を近づいて撮影しました、木造船体の形状が良く分かります。木造掃海艇は機雷に見つかりにくく万一の際にも衝撃を吸収し、最悪の場合も浮く、しかし木材は腐食しますので船体寿命が20年程度であり、寿命の大きなFRP製へ転換しました。

 えのしま型掃海艇はつしま、FRP船体を採用した、新型掃海艇で、はつしま、は2015年に竣工した最新型です。満載排水量660t、一見しますと掃海艇ひらしま型と艦形状が同一ですが、それもそのはず設計は掃海艇ひらしま型同一、船体構造物を木製からFRPとした。

 はつしま、入港は既に接岸している、あいしま、と所謂メザシ係留です。前甲板の形状が機雷戦室等共通しているのに対し、煙突が、あいしま二本に対し、はつしま、は単煙突でして、これは後部視界を煙突二本の中間を設けるより一本とした方が良好であったため。

 掃海隊群第1掃海隊に所属する掃海艇はつしま、はつしま型掃海艇は三隻あり、えのしま、ちちじま、が横須賀地方隊第41掃海隊へ配備中です。最新型ですが建造は現在、やえやま型掃海艦代替の、あわじ型掃海艦建造に重点化され、4番艇建造の目途は立っていません。

 四日市港千歳第一埠頭へ戻ると最初に接岸の掃海艇つのしま、掃海艇なおしま、に加え多数が、掃海艇すがしま、掃海艇えのしま、掃海艇のとじま、掃海艇くろしま、掃海艇いずしま、とこの日は45分間隔で2隻づつ入港し、第一埠頭と第三埠頭へ接岸していました。

 改正ソーラス条約により特定重要港湾の一部桟橋へはテロ対策の観点から立ち入りが禁じられています。四日市港千歳第一埠頭の此処も、写真に柵が写っている通り、立ち入りが制限されています。ただ、柵の写り込まないように工夫しますと、こうした写真が撮れる。

 掃海母艦うらが四日市港霞埠頭入港、港湾入港情報では千歳第三埠頭へ当初入港する予定だったとの事ですが、四日市港霞埠頭への入港となりました。四日市港霞埠頭にて12日の一般公開を行う為なのですが、四日市港霞埠頭と千歳埠頭は実は6.5kmも離れています。

 うらが、掃海母艦うらが型一番艦で満載排水量7200t、巨大な船体の能力を活かし掃海艇の支援や母艦任務と共に掃海輸送ヘリコプターの支援機能と機雷敷設等を担う。元々は掃海隊群旗艦や掃海隊群直轄艦でしたが、2016年に改編となり、第1掃海隊へ編入されました。

 掃海隊群2016年改編により、隷下に輸送艦おおすみ型三隻を有する第1輸送隊が隷下に入りました。うらが入港を背後から撮影、艦首方向から撮影を試みたのですが、改正ソーラス条約によりこの日はここから撮影が限界でした。うらが入港がこの日の最後の入港、撮影完了しこちらも撤収しました。

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平成二十九年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2018.02.17/18)

2018-02-16 20:09:51 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 市バスに乗るたび、地下鉄に乗るたび、猛威を振るうインフルエンザの怖さばかり感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。そんな中でも今週末の行事紹介です。

 芦屋基地航空祭、今年度末の航空祭シーズンの始りです。芦屋基地は福岡県遠賀郡芦屋町という福岡市と北九州市に挟まれた九州北部に立地していまして、第3術科学校と第13飛行教育団及び芦屋救難隊が展開しています。第13飛行教育団は2001年までT-1練習機を、現在はT-4練習機を運用していて、航空自衛隊ジェット機発祥の基地としても知られます。

 帝国陸軍芦屋飛行場として1942年に創設された芦屋基地は戦後進駐軍に接収され、1961年に芦屋基地が創設されました。第13飛行教育団はT-7初等練習機による初級操縦課程修了した飛行幹部候補生への最初のジェット機操縦を行う基本操縦前期課程を担当し、飛行教育群隷下に第1飛行教育隊と第2飛行教育隊が白地に紅色のT-4練習機を運用している。

 第13飛行教育団、臨時松島派遣隊第2操縦学校を起源とし、航空自衛隊発足東夷、T-33練習機により最初のジェット機操縦要員を練成しました。航空祭は第13飛行教育団に加え防府北基地や築城基地からの飛行展示等盛大に行われ、今年はブルーインパルスも飛行展示を行う。鹿児島本線遠賀川駅が最寄り駅で当日は快速列車が臨時停車、駅前から臨時バスが運行されます。

 さて撮影の話題、行事撮影の一眼レフとサブカメラ、一眼レフは使い慣れた印象でしょうか、兎に角被写体を追尾し捕捉し撮影する能力に優れていまして、異論は認めますがカメラとして性能を最大限に振り回す事が出来る、しかし、コンパクト機種には性能に限界があり、被写体を前に小さなカメラに翻弄される、カメラに振り回されているという印象が無くもない。

 一方でコンパクト機種の性能は年々向上していまして、映像センサーが一眼レフで主流となっているAPS-Cセンサーを搭載するコンパクト機種もFUJIFILM-X100シリーズやPowershotG1XmarkⅢと徐々に頭角を示していますし、ミラーレス一眼カメラは小型であっても映像センサーはAPS-Cを備え、SONY等はフルサイズセンサー搭載も発表している。

 一眼レフとサブカメラの関係を考えますと、本気の撮影は後々に写真を拡大したならばまだまだAPS-Cやフルサイズという映像センサーの大きさが補正技術を乗越える優位性があります。持ち替えるタイミングが何よりも重要な要素となってきます。次のコンパクト機種をどうしようか左右するのですが、使い勝手か性能か頑丈さか、迷ってしまいますね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・2月18日:平成29年度芦屋基地航空祭…http://www.mod.go.jp/asdf/ashiya/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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フランス徴兵制再開と日本徴兵制再論【3】陸軍専門旅団化と高度技術と体力の要求

2018-02-15 20:03:48 | 国際・政治
■軍事的要求社会的要求の不一致
 フランスの徴兵制再開、徴兵期間一ヶ月というマクロン大統領の新制度は少なくとも軍事合理性からは外れています、日本にも徴兵制が考えられるかと問われた際に軍事的合理性からは無い、と言い切れます。

 フランス軍は現在、28000名規模2個師団を基幹とする陸軍編成となっています、一昔は自衛隊師団と同程度の小型師団でしたが再編に再編を経て。第1機甲師団と第3機甲師団で、第1機甲師団は機甲旅団と海兵軽機甲旅団と山岳旅団と国際旅団に直轄部隊、第3機甲師団は機甲旅団に軽機甲旅団と落下傘旅団に直轄部隊、ほかには第4航空旅団や特殊作戦旅団等専門色の強い部隊が主体で一朝一夕に訓練は出来ません。

 マクロン大統領の公約なので実施する、という様式であり陸軍は専門職要員を欲しているのに短期要員のみ充足する、大統領はもう一つの公約で財政再建を掲げ国防費を縮減した、即ち陸軍兵力再建は度外視している点がわかります。陸軍が必要とする人材は無いのですが、陸軍には冷戦時代に維持していた大軍時代の施設が残っていて、冷戦後大量に縮小し余る駐屯地、若年失業対策と壮年下士官の失業対策、徴兵制を受け入れる世論が推し進める背景にある。

 徴兵制は軍事的に時代遅れであり、日本も将来にわたりその可能性はない。この視点に対しフランスは徴兵制を再開したぞ、との反論が今回生じ得るのですが、ここまで述べた通り徴兵制は軍事的に時代遅れであっても、社会の団結や若年失業対策という政治的要求から実施される場合にはこの限りではない、といえる。外敵からの防衛という軍隊の抑止力という観点からではなく社会の団結という通常は教育と社会の役割を軍隊が押し付けられたかたち。では、視点を我が国に転じた場合は。

 日本の場合は駐屯地と演習場に余裕がありません、第二次大戦直後ならば兎も角、かつての帝国陸軍が国内に用意した本土決戦250万兵力の兵舎等は半世紀以上前に売却されている。また、例えば企業などでは大量に採用した場合でも短期間に離職する事は教育期間と費用を空費する事となりますので敬遠されますが、軍事機構についても全く同じです。日本で徴兵制を行うには駐屯地と演習場を増やした上で、徴兵要員に渡す装備と教育部隊を増強せねばなりませんが、その余裕はない。

 自衛隊は基本的に徴兵制へは距離を置く姿勢です。最新装備を基本とする装備体系に短期間で養成される人員は対応できず、という理由があります。歩兵部隊に当たる普通科部隊は昔ならば小銃さえ操作できれば班長さんに従っていればよかったのですが、近年は戦闘防弾チョッキはじめ装備の重量が増大し、機械化され車両整備の訓練、通信機器の普及も進み管理する装備が増えている。一見旧式の74式戦車も広帯域無線機の採用により電子化が大きく進みましたし、後継で数年内に74式戦車を全て置き換える16式機動戦闘車や10式戦車は電子装置の塊、といわれ自隊整備さえ難しい程です。

 予備自衛官補制度、未経験者を駐屯地雑務要員として有期任用する場合でさえ、三年間で50日間の訓練を分割して行い、この50日間でさえ短過ぎる為、体力錬成は三年間を各自が最低で自衛隊体力検定五級程度、二分間腕立伏せ25回以上腹筋33回以上、懸垂3回以上、ソフトボール投36m以上、3000m持久走16分以内、幅跳び3.3m、錬成せねばならない。後方支援部隊ならば短期間の訓練でも錬成可能、という考えは素人同然で、自衛隊では衛生職域や車両整備職域等の整備要員こそ高い専門知識が求められ、義務教育で看護士資格や車両整備士や測量士の資格を全員が採る時代でも来なければ、簡単な教育だけで対応できるものではない。

 普通科隊員のような第一線での近接戦闘を担う戦闘職種では自衛隊体力検定一級、二分間で腕立伏せ82回と腹筋80回以上、懸垂17回以上、ソフトボール投擲60m以上、3000m持久走10分38秒以内、幅跳び5.1m以上、が望ましい。国土の七割が山間部である我が国で火砲の射程外にあたる40km先から攻撃機動を行う際には、この程度が求められる。頑張れば出来そうな数字とは言われますが、全部できなければ一級とは認められません。

 それでも全く徴兵制の必要性は無いか、と問われたならば、世論が徴兵制を支持する場合に徴兵制を掲げる政党が与党となった場合にはあります、そして徴兵制を支持せざるを得ない程の緊迫した状況であれば可能性皆無とは言えません。様々な可能性の中、現在可能性が高いのは短期間で限定された地域を占領する限定戦争の脅威度であり、従来型の無条件降伏を迫るような戦争は非常に稀有な可能性しかありません。ロシア軍が北海道を占領し本州へ圧力を、呼号して中国軍も九州を占領、という可能性は日米安保下では低い。

 しかし、自衛隊に全く人数が不要な状況が続くのか、と問われますと、その上で国民が徴兵制を掲げる政党を支持せざるを得ない状況となる訳ですが、万一あり得るとしたならば犠牲者32万という南海トラフ地震が発生し、続いて東海地震や首都直下型地震の兆候が連続すると共に富士山や阿蘇山等が火山爆発地数7規模の噴火兆候を見せ、自衛隊でなくとも消防団や水防団を超える全国規模の数十万という民間防衛組織が必要となった場合、SF小説の日本沈没や死都日本のような状況となり、他に選択肢が無くなり招集、可能性はあるかもしれません。

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AH-64D佐賀県神埼市墜落事故:事故機は中古再生品装着,防衛予算不足と共食い整備の可能性

2018-02-14 20:18:12 | 国際・政治
■検証:神埼市AH-64D墜落事故
 AH-64D戦闘ヘリコプター墜落事故から明日で十日となります、乗員の犠牲者が出ており、真剣に再発防止を検証しなければなりません。

 AH-64D戦闘ヘリコプター墜落事故、中古部品利用による空中分解の可能性が出てきました。中古部品、正確には再生部品という区分で摩耗した部品の摩耗部分を補強再整備し新品同様に再生した部品で、規格外の中古品を海外市場から取り寄せたものではありません。ただ、再生部品は運用期間中に高頻度の振動に曝され疲労する部位が残る事も確かです。

 佐賀県神埼市で今月5日に発生した墜落事故では、メインローターとエンジン駆動系を連接するメインローターヘッド部分が砕けた状態で事故現場より300mから500mの範囲で飛び散り発見されています。ヘリコプターは回転翼航空機に区分されますがメインローターヘッドは回転翼を機体に連接する最重要部品で、ここが破損した場合即座に墜落する。

 メインローターヘッド部分は、別の機体で使用されたメインローターヘッドが摩耗により振動が確認されるようになり、アメリカ国内のメーカーへ送った上で点検修理を行ったうえで事故機に装着しており、その装着後最初の点検飛行の際に墜落したとしています。当初新品に交換したとした陸上自衛隊は事実確認不充分として記者会見の場で謝罪しました。

 再生部品は陸上自衛隊では日常的に使用していると記者会見の場において発表していますが、ローターヘッドは1750時間毎に交換する消耗品であり事故機が部隊配備後最初のローターヘッド換装を行ったとの発言があり、重要部品が日常的に不足する事で可動機から任務毎に部品を融通し稼働率を維持する共食い整備と呼ばれる状態の可能性が出てきました。

 共食い整備とは、予備部品費用や整備関連費用が枯渇した場合に行われる施策で飛行可能な状態の航空機から飛行不能となる航空機へ部品を一時的に移管する方法です。この場合、書類上の稼動率は高く維持されますが、部品が不足しているという根本要因は不変である為、例えば有事の際に書類上全て稼動状態にある航空機を同時に運用する事は出来ません。

 不良部品が原因であるとしてもその背景が再発防止のためには重要である。推測でしかないのですがメインローターヘッドの予備が潤沢に確保されているならば、再生部品を使用する事は無かったのではないでしょうか、その上でAH-64Dの運用費用が当初見積もりよりも増大、当初想定した予算内では必要な予備部品を確保出来なかった可能性があります。

 整備費用の増大、と推測した根拠はAH-64Dの調達数削減による作業特殊化です。60機を導入する予定が13機の調達で終了、ミサイル防衛や島嶼部防衛等新任務への対応により予算が圧迫され必要なAH-64Dを調達できなかったと共にライセンス生産予定の先行調達部品費用を製造元の富士重工より請求、最高裁で自衛隊は351億円の和解金を支払いました、この影響も小さいとは考えにくい。

 作業の特殊化とは慣れている整備熟練者が少ないという事で、96機ある機体の三年に一度交換する維持部品価格と、13機しかない機種の三年に一度交換する維持部品価格では、量産効果がまるで違う事は考える以前の問題ですが、一方、当初見積もりよりも整備費が異常増大した場合、財務当局へ要求する整備費用の増大部分を理解させる事が難しく、事業評価の観点から整備費用を圧縮しようとした可能性はあります。

 機数不足により整備要員経験蓄積への影響、という可能性の根拠となる点はメインローターヘッド交換の実績数で、3回のみだったという。メインローターヘッドの空中分解は整備要員としては文字通り想定外の要因といえますが、陸上自衛隊全体でAH-64Dメインローターヘッドの交換はまだ三例しかなく、事故機が三例目であったという。96機あった先代のAH-1Sと13機のAH-64Dでは整備員総数がまるで違う。

 一方で、新任務に関わる防衛費全体の圧迫は度を越しています。予算総額はそのまま、一例としてミサイル防衛に伴う費用は中期防単位では一兆円単位で必要となっており、AH-64D戦闘ヘリコプターの139機分に当たる費用です。この数字の意味するところは、ありとあらゆる装備品の運用経費や部隊装備定数割れを是認し無理矢理押し通している。

 現予算では任務遂行は不可能であり、予算を増額し必要な装備品を定数通り調達し維持できる体制を確保するか、予算をそのままに災害派遣任務等他省庁が対応可能な任務への移管を行い自衛隊の関与を終了するかミサイル防衛を断念し自治体に防空壕建設を義務付けるか、つまり国民の税金の負担をお願いするか国民の労力の負担をお願いするかが要る。

 そして繰り返しますが、AH-64Dは問題が最初に顕在化しただけであり、他の航空機についても、勿論航空機以外の装備品や部隊運用についても、事故という厳しい形で顕在化する可能性は否定できません。民間企業に対し政府は働き方改革を提唱していますが、政府はまずその前に足元の自衛隊について、現在の装備を維持する上で必要な予算を第三者委員会などを通じ無理を通し過ぎていないか検証する必要があります。

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