北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十八年度八月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2016.08.27/28)

2016-08-26 19:58:18 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
八月も終わり、皆様いかがお過ごしでしょうか、気温は高かったですが、まあ、過ごせなくはない夏でしたね。さて、今週末の自衛隊関連行事について。

富士総合火力演習、陸上自衛隊富士学校が実施する教育演習で元々は現代戦の様相をBOC学生へ展示する演習でしたが、陸上自衛隊の能力を国民へ広報しようとの観点から一般公開が行われ、抽選倍率が非常に高い行事となっています、入場券が必要ですのでご留意ください。陸上自衛隊では当日0930時より陸上自衛隊HPにて動画中継配信も行っているとの事で、こちらとあわせて熱気を感じるのもいいでしょう。

美幌駐屯地祭、第5旅団隷下の第6普通科連隊と第1特科群の第101特科大隊が駐屯してます。ゴジラvsキングギドラ、劇中にて復活したゴジラが網走に上陸、美幌訓練場でゴジラとキングギドラが激突する状況を美幌駐屯地から自衛隊が警戒監視にあたる描写が出てきます。劇中、護衛艦たかつき探知のUFOが富士山麓に着陸する状況で富士教導団がUFOを包囲する描写もありまして、富士総合火力演習と美幌駐屯地祭、ゴジラvsキングギドラで繋がっている、そんな愉しみ方もどうでしょうか。

富士総合火力演習と云いますと切り離せないのがホテル確保の話題、先日触れましたが、観光協会のHPや地道な電話でのホテルの宿泊探しは意外と有用な方法です。実は、インターネット予約を行っていませんが観光協会に電話番号のみを載せているホテル、というものは意外と少なからずあります、そしてビジネス旅館などは施設規模の関係からインターネットでも検索できないものは実はかなり多い。

そこで、どうしても宿泊が必要な場合ですが、諦めて三島や沼津、という選択肢も内には無いのですが、御殿場や富士岡にもホテルはたくさんあります、片端から電話で聞きまして、その際に手元にインターネット上で載っているホテルの名前をメモしておき、それ以外の他のホテルが無いか、と満室の場合には思い切って聞いてみますと、ホテルにもよりますがかなり丁寧に案内、若しくは地元同業者の間だけでキャンセル情報など、つまり、他に近傍で開いているホテルの部屋は無いか、という問いに貴重な一室、頂いたことがありました。

そして、観光協会HPなどは、インターネット予約ではなく昔からの家族経営や固定客のあるホテルなどを電話番号のみ示しているところがありまして、更に急なキャンセルなどは直前に発生した場合、電話の方が自由度も高く聞いたこともありました。インターネット検索だけで諦めず、もう少し地道な手段に頼ると、努力の分いいことがあるようですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭
・8月28日:釧路駐屯地創設65周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/5d/01_unit/butai/02_bihoro.html
・8月28日:平成28年度富士総合火力演習…http://www.mod.go.jp/gsdf/event/fire_power/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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最強を誇った英国海軍「凋落」の教訓【前篇】 財政難下の防衛力縮小弊害は我が国へも教訓

2016-08-25 21:27:24 | 国際・政治
■海軍戦略の崩壊
ロイターコラムにて”最強を誇った英国海軍「凋落」の教訓”という興味深い、しかし手厳しいコラムが掲載されていました。

そこで、本日から海上防衛について、その意義や努力という面ではなく、ロイターコラムの内容に触れつつ、一旦喪失すればどうなるか、という事について短期集中連載として、考えてみましょう。イギリス海軍はかつて17世紀にスペインから制海権を奪い、18世紀にはオランダ海軍の挑戦を撃退し、19世紀には世界の制海権を握り、海上交通の自由、という今日に繋がる国際公序を構築しました、20世紀にはドイツの挑戦を破砕し、その後、同じく海洋交通の自由を掲げるアメリカは我が国帝国海軍を打ち破った事で、海上航行自由原則は完全な国際公序として定着しています。

しかし、イギリス海軍は現在、末期状態にあり、予算難を理由として海軍の縮小改編を繰り返し積み重ね、事実上、イギリスは本国周辺の哨戒任務を辛うじて継続できる程度にまで衰退、艦艇縮小と人員縮小は、限られた艦艇の稼働率を維持できず、この数年間繰り返される最新鋭45型駆逐艦の故障漂流、23型フリゲイトの電子系統異常、イギリス政府は漸く、アラブの春暴動化内戦やISIL勢力拡大を受け、その海軍力再建を世界に公約しましたが、英海軍の凋落は客観的な教訓、というものを、同じく財政状況の悪化に曝される我が国も、今後の海上自衛隊の能力維持という視点から、考えなければなりません。

イギリス海軍の戦力は、最早空母は残っていません、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦に当たるものも無くなりつつあり、後継艦の完成を待っている状況、いったん廃止すれば航空部隊も解体され、その訓練基盤も無くなってしまいます。インヴィンシブル級空母はハリアー運用終了で全艦廃艦が決定し、最後のアークロイヤルも除籍されました。攻撃型原潜6隻、戦略ミサイル原潜4隻、水上戦闘艦19隻、外洋哨戒艦4隻、掃海艇15隻、強襲揚陸艦1隻、ドック型揚陸艦2隻、港湾沿岸哨戒艇18隻、今年アスチュート級攻撃型原潜の三番艦アーティフルが竣工予定です。このほか、補給艦3隻、輸送揚陸艦3隻、航空練習艦1隻、と。新空母クイーンエリザベス級の建造は遅れています。

多用な任務へ対応する水上戦闘艦の不足は、例えば自衛隊の護衛艦よりも遥かに勢力が少なくなり、特に深刻です。45型ミサイル駆逐艦、デアリング、ドーントレス、ダイヤモンド、ドラゴン、ディフェンダー、ダンカン、以上かつての戦艦の艦名を冠した六隻、23型フリゲイト、アーガイル、ランカスター、アイアンデューク、モンマス、ウェストミンスター、ノーサンバーランド、リッチモンド、サマセット、サザーランド、ポートランド、セントオールバンズ、以上13隻、水上戦闘艦戦力は19隻となっています。26型フリゲイトは計画されていますが、42型ミサイル駆逐艦、22型フリゲイト、21型フリゲイト、これらは全て除籍され、停泊実習艦兼宿泊艦に転用された元42型駆逐艦ブリストル以外は、輸出されるか解体されてしまいました。

人員削減に悩むイギリス海軍が出した解決策は、現役艦艇の一部を運行停止し、その乗員を他の簡易回すというものです。外洋航行を行う艦艇は基本的に三交代方式を採ります、一日いつクルー当たり4時間連続勤務を二回行う、という方式です。しかし乗員が不足しますと、二交代制として、4時間連続勤務を一日三回行う必要が出てくるわけです。そこで、水上戦闘艦1隻を運用停止すれば、2交替まで人員が縮小している3隻の水上戦闘艦へ各1クルーを配属させることができる。しかし、忘れてはならないのが、訓練を縮小すれば、その分練度不足による事故が発生する。

日本へ親善訪問するイギリス海軍艦艇は年々減っていますのも、この表れというべきでしょう。数少ない艦艇さえも運用を中止させ、乗員を他の巻に回す苦肉の策ですが、イギリス海軍は23型フリゲイトランカスターを停止、また、画期的な電気推進システムを採用し不具合が続発している45型ミサイル駆逐艦ドーントレスが電気系統破損により半年以上修理に時間を要する事が判明し、この運用を停止し、他の45型に人員を振り分けました。この問題は、単純に練度の低下となります、海軍艦艇は戦闘が任務、航行するだけの船舶ではありません。7月にイギリス海軍の最新型攻撃型原潜アンブッシュが、ジブラルタル海峡にて商船と衝突、損害は大きく半年程度の修理期間が必要となりました、商船を回避できず大破、練度低下の一例といえるでしょう。

北大路機関:はるな くらま
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将来艦隊戦闘と巡航ミサイル【4】 旧式潜水艦の巡航ミサイル潜水艦転用艦と練習潜水艦試案

2016-08-24 22:45:46 | 先端軍事テクノロジー
■潜水艦要員教育という視点から
 今朝、北朝鮮による潜水艦発射弾道弾SLBM実験が行われ、我が国防空識別圏内へ落下しました、今後は日本海における北朝鮮ミサイル潜水艦の探知が新しい防衛課題として挙げられることとなるでしょう。さて。巡航ミサイル潜水艦の整備、実現のためには乗員という人的補強が必要となりますが、これがもう一つの好影響を及ぼす可能性があります。

 さて。旧式潜水艦を苛烈な対水上戦闘や対潜水艦戦闘の第一線から、搭載魚雷及び対艦ミサイルを最低限度以下まで縮小し、自衛用に若干数の対潜魚雷を搭載する他をすべて巡航ミサイルの搭載に置き換える、こうして巡航ミサイル潜水艦を整備し安全な日本周辺海域を遊弋、万一の際には長射程のUGM-109E,UGM-109Hが有する長射程を活かし必要な戦力投射を行う、という提案を示しました。

 その巡航ミサイル潜水艦へ転用可能とする規模ですが、毎年潜水艦は1隻が建造されており、各国並みに潜水艦の運用寿命を30年程度、32年とした場合、海上自衛隊は防衛計画の大綱に潜水艦定数を22隻として明示していますので、一隻建造され竣工すると同時に一隻の潜水艦を巡航ミサイル潜水艦へとベルトコンベア方式、トコロテン方式にて転用すれば、耐用年数一杯として10隻の潜水艦を巡航ミサイル潜水艦へ転用できることとなります。

 潜水艦に搭載可能である魚雷及び対艦ミサイルは合計20発、うち最小限度の自衛用魚雷として4発を搭載した場合、16発のUGM-109E,UGM-109Hを搭載可能、10隻の潜水艦には単純計算で160発のUGM-109E,UGM-109Hを洋上に遊弋させることが可能です。我が国周辺海域、護衛艦と哨戒機に哨戒ヘリコプター、対潜バリアーにより防護された海域に潜む無音の通常動力潜水艦に搭載される打撃力、我が国本土へ大規模攻撃を企図する国にはこの打撃力、無視できません。

 もちろん、乗員の補給や重整備などの期間を見込みますと、10隻全てをミサイルパトロールに充てる事は出来ませんが、乗員をアメリカの戦略ミサイル原潜のように、一隻に対し複数クルー、アメリカ海軍の戦略ミサイル原潜ではゴールドチームとブルーチームに分け、潜水艦と乗員の補給と休養期間を明確に分け、稼働率を高めています、潜水艦乗員は70名、対水上戦闘及び対潜水艦戦闘を主任務から省くため若干の余裕はあるかもしれませんが。

 10隻の潜水艦に各70名の乗員を見込めば700名、稼動率向上の施策として、2クルーとしてゴールドチームとブルーチームに分けるならば、倍の1400名の乗員が必要となり、この意味するところは、潜水艦要員教育体系も大幅に増勢する必要がある事を意味するもので、この為には潜水艦教育訓練体系を根本から再整備し、潜水艦敵性のある乗員を一人でも海上自衛官から選抜し、訓練しなければなりません。

 しかし、第一線で対潜戦闘や対水上戦闘に充当させる潜水艦に対し、巡航ミサイルは遊弋し敵の第一撃から確実に生存しつつ万一に備える姿勢を以て抑止力を構成する、という任務に充当されるのですから、練習潜水艦としての運用もその範疇に含まれる。少なくとも第一線で最前線へ展開する潜水艦よりは運用を航行能力等へ重点を置くことが出来ますので、潜水艦教育訓練基盤の一要素ともできる事を意味します。

 他方、単純計算で1400名という人員規模ですが、これは本特集と連接する陸上自衛隊関連の特集において、広域師団構想、各方面隊に重厚な装備を有する広域師団を配置し、その隷下に装甲機動旅団と航空機動旅団を配置し、既存装備の管理替えと運用改編を軸に、戦車300両体制と火砲300門体制と両立しつつ、装甲戦闘車など若干の新装備を加える事で陸上自衛隊の部隊規模を10万強程度の人員規模に、最盛期の陸上自衛隊からは実に8万名近い規模の縮小を盛り込んでいるのは、こうした海上自衛隊の人員増強の必要性などへ対応させることも主眼に置いています。

 トマホーク、10隻の旧式ではあるがUGM-109E,UGM-109Hを搭載する潜水艦が遊弋、しかし、航行する事が重要であり応報に展開するという運用方式故に、この潜水艦が同時に潜水艦乗員錬成へも応用する、海上自衛隊の潜水艦増勢に対しその教育体制が追いついていない現状への解決策を提示すると共に、巡航ミサイルによる抑止力を整備する、巡航ミサイル潜水艦は難題を同時に解決する施策として提示できるかもしれません。

北大路機関:はるな くらま
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陸上防衛作戦部隊論(第五七回):航空機動旅団、9個中隊戦闘群の発揮する機動防衛力

2016-08-23 22:56:19 | 防衛・安全保障
■多用な任務へ対応
 中隊戦闘群/中隊戦闘隊は航空機動旅団連隊戦闘団の基幹部隊となり複数の戦闘群を有機的に運用し広域での機動戦闘を展開し、且つ航空支援による火力と補給により常続的運動戦を展開します。

 中隊規模であっても独立した戦闘能力を持ち、しかもデータリンクによりクラウド化し、確実に旅団全体の戦闘行動を統合して展開する、我が国へ侵攻する敵の視点からは、なにより一個旅団の独立戦闘単位が各連隊3個中隊戦闘群、旅団全体で9単位の部隊が、段列や火砲支援網から独立して、浸透し迂回し包囲し突破し攪乱し、防衛行動をとるのですから、攻めにくくて仕方がない。

 高機動車/四輪駆動軽装甲車14両、軽装甲機動車7両、中距離多目的誘導弾4両、81mm迫撃砲4門、120mm重迫撃砲2門、牽引車と併せ車両数はこれだけで31両、ここに3t半トラック等の支援車両が加わります、人員規模は概ね250名、車両共々輸送艦おおすみ型一隻にまとまって乗艦して、なお余裕があります。こうした意味からも、島嶼部防衛、水陸両用戦にも資する編成として中隊基幹の独立戦闘部隊の意味をあげる事が出来るでしょう。

 中隊戦闘群/中隊戦闘隊と呼称する通り増強中隊ではあるのですが、陸上自衛隊の普通科中隊は元々独自の対戦車小隊と迫撃砲小隊を有し、NATO各国の歩兵中隊にはこの種の迫撃砲小隊や対戦車小隊は元来大隊直轄部隊との位置づけであった為、独立した火力を持つ、本部機能の充実、という意味で、その編成規模から縮小大隊に近い規模の大型中隊という編成を採ってきました。

 この中隊戦闘群/中隊戦闘隊が独立した戦闘を展開できるため、有事の際に一方面を担当する連隊戦闘団の一個中隊というだけではなく、在外邦人救出任務や緊急国際人道支援任務に際し、一つの纏まった戦闘群としての能力を発揮します。中隊戦闘群/中隊戦闘隊は後述する機動戦闘車や特科火砲と施設部隊との連携を連隊戦闘団の一員として担う事となります。

 ですが、例えば中隊戦闘群/中隊戦闘隊は普通科連隊を構成する四個中隊のうち、軽装甲機動車中隊を除く三個中隊が中隊戦闘群/中隊戦闘隊を構成する事となり、各連隊戦闘団は三個中隊戦闘群/中隊戦闘隊、各旅団は九個中隊戦闘群/中隊戦闘隊を隷下に置くこととなります。例えば、機動戦闘車小隊若しくは連隊戦闘団へ配属する機動戦闘車を増強小隊として5両から可能ならば6両で編成できるならば、中隊戦闘群/中隊戦闘隊へ機動戦闘車分遣隊として2両を置くことが可能となる。

 その上で、直接火力支援を可能とする機動戦闘車を分隊若しくは分遣隊として配属出来るならば、あらゆる任務へ独立した戦闘が可能となります。また、連隊戦闘団へヘリコプター隊より戦闘支援に当たる多用途ヘリコプターを前進位置することを通じ、例えば全通飛行甲板を有する輸送艦へ車両航空機を人員と共に搭載可能となることから、戦略展開任務等として輸送艦おおすみ型により同時機動が可能となるでしょう。

 この意味するところは、自衛隊が進める統合機動防衛力整備へ大きく寄与すると共に、我が国周辺情勢への対応能力や抑止力全般も向上する事となります。更に航空自衛隊へ配備されまもなく部隊配備へ進むC-2輸送機へも、機動戦闘車を筆頭に全ての装備が搭載可能です。C-2輸送機の貨物室は搭載能力37t、全長16mと幅4m及び全高4mとランプ長5.5mとの車体規模であるため、例えば現用装甲車の場合、96式装輪装甲車2両と軽装甲機動車1両の総重量34.1tを同時空輸可能です。

 C-2輸送機の貨物室幅4mは81mm迫撃砲を車載する1/2tトラックの全幅1.76mと中距離多目的誘導弾のシステムを搭載する高機動車の全幅2.15mを並列に収容できるため、各3両の計6両をC-2輸送機1機に纏めて搭載出来、弾薬車両等を加え対戦車及び迫撃砲の2個小隊を2機で搭載可能です。

 勿論、各車1tトレーラ等を牽引しますし、集積資材等の空輸も必要となりますので、C-2輸送機1個飛行隊10機に支援としてKC-767空中給油輸送機を2~3機支援に充て、弾薬等2基数を運搬するのが精一杯となりましょうが、更に先行し警備班やフォークリフトや地上支援要員等別枠でC-2輸送機による搬入も必要となりますが、海外派遣任務へも中隊戦闘群/中隊戦闘隊は資する編成といえます。

北大路機関:はるな くらま
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新しい不安定の弧【後篇】 南北貫く“新しい不安定の弧”と東西の“不安定の弧”不安定の総和

2016-08-22 22:27:48 | 国際・政治
■双子の不安定の弧、世界を交差
 新しい不安定の弧は、クリミア半島に始まりトルコの騒擾と中東のテロと民主化の混迷、そしてアフリカの戦乱を経て、事実上地球を南北に貫きつつあります。

 中東地域の現状について、前回、中東の一部地域での懸念という従来の“不安定の弧”に対し、アラブの春民主化運動の暴動化が暗渠として紛争要素を広範化している、としました。この中東は石油の最大算出地域です。石油価格を高めるためのOPECへの減産要求、これに対してOPECの石油生産は過去最高水準で推移しているようです。産油国は、かつて枯渇したともいわれたロシアとアメリカのシェールオイル、南米などの新油田採掘により、世界の埋蔵量でのシェアでは中東は比較的その地位を後退させていますが、一方で掘削コストが1バレルあたり40ドル以下の石油生産総量では中東OPEC諸国のシェアは大きく、1バレルあたり30ドル以下の埋蔵量となれば、中東が独占します、ここが問題を世界規模のものとしてしまう。

 アフリカ中部情勢も緊迫しています。アフリカ地域ではボコハラムやダルフール紛争が継続されていますが最たる事案は、南スーダン内戦、でしょう。難民が100万という非常に懸念すべき状況、自衛隊がPKOへ派遣されている南スーダンですが、スーダンから独立した以前よりも明らかに悪化した状況となっています。実際問題、T-72戦車とMi-24攻撃ヘリコプターが戦闘を実施する状況ですので、国連による南スーダン国連ミッションでの新国家建設支援は、事実上、内戦状態を受け入れない状況で、内戦の合間を縫って土木工事などを実施している状況に近く、特に内戦の難民は南スーダンを越境し、隣国ウガンダなどに流失しています、場合によっては国連南スーダン任務の失敗を受け入れるよう突き付け、ウガンダでの難民キャンプ設営などに自衛隊PKO部隊は軸を移行する方向を国連に打診したほうがよいのかもしれません。

 南スーダン内戦、長期化の様相を呈してきました、マシャール元副大統領が南スーダンからコンゴ共和国へ脱出しまして、この内戦はキール大統領がマシャール副大統領を一方的に解任したことで始まっており、マシャール元副大統領が出国してしまってはマシャール元副大統領派部隊を停船させることも、もちろん、キール大統領とマシャール元副大統領の和解も有り得ません、一方、国連担当官がマシャール元副大統領家族の今後脱出を支援したと表明しており、今後は南スーダンPKO部隊はキール大統領派から攻撃の目標となる可能性さえ、出てきました、そうなっては、新しい国家創造を支援するというPKO任務は不可能となり、現在のPKOは安保理決議、国連憲章七章措置により実施されていますので、国連防護軍派遣による治安維持と南スーダンとの対決を選ぶのか、PKO部隊撤退と南スーダン内戦拡大を看過するのか、となってしまいました。

 パワーバランスの変化は、そもそも武力紛争そのものが軍事均衡の崩壊により生起する事象であることから、アメリカの消極的姿勢が具体的政治行動へ発展することで顕著化します。米軍が急に引けば逆に出てくる勢力が現れ戦争になる、と。この点で、消極的姿勢の具現化事例としまして、アメリカのイラク戦争後における中東地域からの段階的撤退、元来、湾岸戦争以前も含めアメリカ軍はサウジアラビア国内に一定規模の常駐部隊を、更に湾岸戦争後には再度のイラク侵攻を警戒する形でクウェート国内に一定以上の規模の部隊を駐留させてきましたが、イラク戦争後は中東地域最大の不確定要素であったイラク脅威の消滅、重ねて、イラク治安作戦としてアメリカ軍のイラク駐留部隊が必要となったことで、サウジアラビア、クウェートでの駐留が抜本的に見直されています、その後、イラク駐屯米軍は段階的に撤退、現在のオバマ政権下では一時完全撤退も行われました。撤退は米本土への撤退です。

 米軍再編として、アメリカは自国のポテンシャルを過大評価し、従来の前方展開という、紛争が発生する以前に部隊を駐留しておくとの軍事戦略を、主力の米本土駐留と全軍の緊急展開部隊への改編を視野に進め、米本土以外は世界の限られた戦略展開拠点、日本の嘉手納と横田横須賀、イギリスのフェアフォード、インドのディエゴガルシアなどに展開拠点を維持し、ここを経由し緊急展開を行うことで、世界危機に際しても当面は対応できる、という認識を持たせたわけです。この過大評価とは、米軍が常駐していなくとも即座に展開できる環境を軍事的、技術的に整備することで、あたかも駐屯している米軍のごとく抑止力を行使できるとの認識でしたが、世界の軍事指導者はあくまで自己の認識に依拠しているわけであり、そこにいない米軍が、仮に即座に展開できるとの示威がなされたばあいでも、現時点ではまだ居ないのだ、という認識を越えることはなかなかありません。

 緊急展開の大きな難点としては、仮に必要であっても、展開する、という事実だけで十分に軍事行動です。実際問題、こうした展開は国際法上の武力攻撃ではありませんが、定義の上では武力行使には含まれます。更に展開する、臨時とはいえ抑止力として脅威と対峙するには、それなりの国家方針との摩擦、具体的にいえば偶発的衝突可能性が生じますし、受け入れ国との政治的摩擦、駐留費用、問題は数知れません。故に緊急展開する能力を整備したとしても政権の対応、脅威評価の温度差、情報収集の限界などにより必要な対応がとれないことが多々あるのです。アメリカ軍がサウジアラビアへ大量に駐屯した時代であれば、イエメン内戦へはもう少し迅速な解決策が図られたでしょう、イラク駐留米軍が撤退先を本土ではなくサウジアラビアやクウェートとしていたならばISILの跳梁を早い時期で抑止できたでしょう、アフガニスタン駐留米軍を最盛期の半分程度に維持したならば、タリバンの再攻勢を阻止しISILにたいしてもイランの関与を現在ほどロシアよりのものとはしなかったでしょう。

 こうして、新しい不安定の弧は中東地域において、それまで、従来の不安定の弧にはふくまれなかった地域に対して、アラブの春という内戦へ暴発する要素を残し、更に米軍の大幅な縮小により親米国の多い中東地域において、新たに勢力を伸張させているロシアの影響度があくまで比較面の話ではありますが、増大することを意味しています。今後、大規模な民主化運動場暴力革命へ発展する危惧を生んだ場合、欧米諸国から政権は、穏健な王政をとる諸国も含め支援をうけられる可能性は低くなり、消去法により支援をロシアの、シリアに大規模な駐留部隊を展開させ、イランでも基地使用を開始し、軍事力を近傍に展開させているロシアの実力に頼るようなることは、当然考えられます。しかし、このアメリカの交代により生じたポテンシャルの変化について、アメリカが軍事的に引いている行動に対し政治的には引いていない、という姿勢を執っている事は、米軍再編における緊急展開重視体制への変革から視てとれますが、当該地域とその周辺国はこれを政策として理解し繁栄させていません。

 新しい不安定の弧は、欧州とアジアの境界線から中東アフリカを縦断しました。一方、従来の不安定の弧、地中海から中東中央部と中央アジアに南アジアと東南アジアを経て台湾朝鮮半島に至る、ユーラシア大陸南部を覆う不安定の弧もその問題は解決されておらず、むしろ不安定の弧は、中国の海洋における軍事行動の増大が南シナ海において顕著化し、朝鮮半島の北朝鮮核武装は脅威が顕在化し、新しい不安定の弧が南北を、従来の不安定の弧が東西を貫き、弧状の覆域は交差し、憎悪の満月へと成就しつつあります、しかし、この問題が即座に世界危機への不可避な分岐点を超えているのかと問われたならば、まだ楽観要素はあります。具体的には、この要員の背景にはポテンシャルの変化が起因するものである一方、ポテンシャルの変化は軍事技術変化を受けての配置変化にほかならず、その再認識の広範化、もしくは再進出、他には政策を変化させる事により、解消できるものです。こうした、一種の誤解が拡大再生産され生まれる摩擦要素を再検討することで、世界危機への展開を回避できる、道はまだ残っています。

北大路機関:はるな くらま
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榛名防衛備忘録:航空機搭乗員用自衛装備の必要性、SIG P-220やPDWなど携行性と両立

2016-08-21 21:41:00 | 先端軍事テクノロジー
■9mm拳銃SIG P-220
 AH-64D,陸上自衛隊航空打撃力の骨幹戦力であると共に頑丈で強力なヘリコプターですが実戦での損傷や故障による墜落事例は海外では幾つもあります。『新しい不安定の弧』最終回をお送りする予定でしたが、諸般の事情で変更させていただきました。

 SIG P-220など拳銃の再評価と広範な配備が必要ではないか。イギリスのヘンリー王子が陸軍将校として任官中、WAH-64D戦闘ヘリコプターの操縦士としてアフガニスタンへ派遣され、実任務に当たった事は広く知られ、ノブレスオブリージェという今日的には大時代的な認識が欧州においてはまだまだ広範な認識であると感心させられたものですが、ヘンリー王子はイギリス陸軍が67機導入し最重要装備として世界中で駆使しているWAH-64Dの操縦士として文字通り第一線で戦われたようです。

 ブローニングハイパワー、報道などを観ますと王子がWAH-64Dにて任務飛行に当たる際、着用しているボディーアーマーのSTANAG マガジン用パウチにブローニングハイパワー拳銃を押し込んで飛行に当たっている様子が報じられています、嵩張ります、STANAG マガジンは22口径NATO弾30連弾倉で形状として自動拳銃とはかなり異なるものですが、差し込めば装着できることを示しています、そして即座に取り出すことができる。

 実はWAH-64Dには操縦士の操縦席にL-85小銃固定器具が用意されており、万一不時着の際には自衛用に用いる事が出来るのですが、航空機搭乗員用自衛装備の必要性としまして我が国ももう少し拳銃の位置づけを再検討し、広範な装備を考えるべきかもしれません、不時着した場合でも搭乗員さえ無事であれば予備機を以て即座に復帰できますし、拳銃一丁でも落伍者救出線まで退避できる可能性は高まります、航空救難部隊展開まで時間を稼ぐこともできるでしょう。

 拳銃一丁あるだけで、最後の瞬間の自衛戦闘が可能であるか、できないのか、おおきく変わってくることは言うまでもありません。ただ、9mm拳銃として採用されているSIG P-220はトリガーカバーが大型でMOLLE用STANAGパウチにはやや大柄であるのが難点です。こうした大型拳銃とMOLLEですが、MOLLE方式のボディアーマーであればホルスターも存在するのです、拳銃用ホルスターメーカーではブラックホーク社やサファリランド社などが、マガジンパウチではなく専用のホルスターが開発されていますので拳銃は官品としまして、ホルスターなど、こちらを部隊単位の部隊長使用承認を経ての私物扱いで装着する、ということも考えられるところ。

 航空搭乗員は航空機以上に重要な防衛力です、乱暴な話ですが例えばAH-64D戦闘ヘリコプターが戦闘により喪失した場合でも、搭乗員さえ装甲車などで救出できたという前提では、予算を積めば同盟国アメリカから緊急にAH-64E戦闘ヘリコプターを調達し、空輸し在日米軍基地にて引き渡す事も可能でしょう、しかし搭乗員は代えが無く、民間軍事会社等から探そうにも法的及び人的限界があります、航空機搭乗員用自衛装備の必要性、かなり真剣に考えるべきではないでしょうか。報道写真に残るマガジンパウチのブローニングハイパワーは、ふとそんなことを考えさせられるものでした。

北大路機関:はるな くらま
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新しい不安定の弧【中篇】 シリア・イラク・イエメンと地中海からアラビア海へ中東全域を覆う暗渠

2016-08-20 22:16:45 | 国際・政治
■不安定は中東全域を蝕む
 新しい不安定の弧、ここには従来の不安定の弧に含まれた中東地域が含まれますが、中東地域の全域へその懸念が及んでいる実状を無視してはなりません。

 中東地域での最大の懸念要素は、ISILの台頭やアラブの春民主化運動を原因とする内戦、以上の影響に乗じたパワーバランスの変化です。ISILの台頭は確かに脅威ではありますが、世界規模のイスラム国家運動につながることは、少なくとも暴力至上主義と回教法典曲解を訂正できない現在のISILには不可能です。アラブの春民主化運動は、リビアやシリアの内戦、エジプトの騒擾とチュニジアの動揺、懸念すべきものがありますが、これらの行動そのものよりも、その結果として生じるパワーバランスの変化が、特に力の不均衡、空白地帯の醸成、などを通じ、地域大国の枠組みに影響が及ぼすことの方が長期的な課題です。

 中東情勢では最大の焦眉は、シリア内戦とイラクISILで、シリアへはロシア軍が展開しており、米英有志連合も空爆、一歩間違えれば世界大戦へと繋がる世界の導火線です。ここでは国境なき医師団が、シリア内戦でシリア軍に包囲されたアレッポの開放、アメリカ政府へ具体的な行動を促しました、アレッポは反政府勢力が展開している為シリア軍が完全包囲しているのですが、ここを開放するようアメリカ軍に要請する、という事は、外交的な呼びかけはやりつくし、経済制裁もやりつくし、この上でやれることは、と問われますと、もう、具体的な坑道、米軍にISILに加えてシリア政府との全面戦争に入りかねない支援しか想定できない為、難しい所です、人道危機ですが、過度に介入すれば、更なる人道危機へ繋がる、という懸念を忘れてはなりません。

 シリアのアレッポ包囲、人道危機へ発展しています。シリア政府は市外への離脱への安全回廊を設定し、全市民へ市外へ離脱するよう促していますが、回廊へは検問所が設置されるとともに、徴兵適齢期のシリア市民がそのまま通行できるとの保証がない為、これを断念するのではないか、シリア軍はアレッポ全域を戦闘地域として無力化する姿勢を示していますが、このままでは離脱を断念した市民がさらに追い詰められる可能性、更に、市街地の食料などの備蓄品は既に尽きており、シリア政府が実質的なISILとの共生関係を強いられたアレッポ市民がシリア軍による解放後、どのように扱われるかを考えますと、問題は根深いところです。

 イエメン情勢について。イエメンはアラビア半島のアラビア海側、世界最大の産油地域中東とアジア地域を結ぶ重要航路に面し、世界最大の石油貯蔵量を誇るというサウジアラビアの隣国です。同じく、国境なき医師団によれば、イエメン内戦、激化しているようです。反政府武装勢力フーシ派の首都制圧、内戦の拡大と共に周辺地域へ被害が出始めた事で有志連合が介入、一時的な停戦と共にサウジアラビア軍を中心とした有志連合の任務もひと段落しましたが、停戦後の和平への端緒へ繋げる事が出来ず、結果的にサウジアラビア軍を中心とする有志連合軍が再度介入、特にこの一週間は戦闘が激化しているとの事でして、今回はサーダ州にて、学校が誤爆され犠牲者が出ました。

 不安定の当事者は安定を求めます。この必要性と合致した、ロシアの中東進出、これはこの地域に新しい枠組みを形成することとなるでしょう。シリア内戦の長期化に際し、ロシアは一貫して関与を継続してきています、シリアの独裁政権に対しては欧米諸国は距離をおくと同時に、内戦へ関与することは、例えばアフガニスタン治安作戦、例えばイラク治安作戦、などの経験から忌避し続けてきました。ここにロシアはシリア政府支援という明確な意志を示し、その上で武器供与や軍事顧問派遣など支援策を実施してきました。欧米諸国はシリア政権の崩壊を期待しつつ、しかし関与しないという空隙を生み、そこにシリアとロシアの関係が構築されたかたちです。

 イランとロシアの接近も新しい兆候で、イランは宗派との相違からこの地域へ2000年以来の脅威となっているタリバンやテロ組織アルカイダとの対決姿勢を明示してきましたが、イランはイスラム国家建設以来、その革命のさなかでの外交官拘束や各国の在外公館を占拠するなど、不法行為により経済制裁を受けており、地域的な影響力の大きさとは反面、友好関係を締結できる諸国を求めていました。確かに近年であればアメリカとイランの関係良好化という動きはありますが、経済制裁解除、という程度にとどまるもので、この空隙にロシアはイラン領内に基地使用の協定を締結、軍用機上空通過など軍事協力態勢を強めました。

 この意味するところは、中東地域においてアラブの春民主化運動が、暴動化する状況に陥った場合にロシアの介入基盤を構築できた点に他なりません。かつて、アメリカなどは冷戦時代に民主化運動が例えばソ連の支援下に、もしくはその疑いがある場合において、その運動を支援することはなく、南米や中米においては独裁に定義される政権であっても、共産化を防ぐ上で必要ならば政権支援を実施してきました。こうした行動は近年、特に東西冷戦の枠組みが崩壊して以降為されなくなり、一方で民主化運動に対しては間接的な支援、留学生受け入れや政治亡命の受け入れという形で受け入れるほか、最大限のものとしてはシリアにたいして実施しているような、民主化運動勢力への訓練受け入れ、という範疇で為される程度です。こうした消極的姿勢は、アメリカの地域的ポテンシャルが、ロシアの積極的姿勢に対し劣勢に留まることを意味し、結果的にパワーバランスの変化という形へ収斂してゆくのです。

北大路機関:はるな くらま
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平成二十八年度八月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2016.08.20/21)

2016-08-19 21:29:33 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
防衛予算概算要求の発表が近づく中、天気図を視れば台風まで近づき、場合によっては三つの台風が発生しそうな状況下、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今週末の自衛隊関連行事は、北海道、釧路駐屯地祭と函館駐屯地祭が行われます。函館駐屯地祭、40年前の1976年にMiG-25函館亡命事件が発生、ソ連軍スペツナズの奪還作戦の可能性がアメリカより示唆され、臨戦態勢を執った事で知られる第28普通科連隊の駐屯地です。当時の緊迫した写真などが残されており、防衛の第一線、思いをはせてみるのは如何でしょうか。

釧路駐屯地には第5旅団隷下、第27普通科連隊と第342施設中隊が駐屯しています、第27普通科連隊は第3中隊のみ別海駐屯地に駐屯していますが、連隊創設記念行事という位置づけでもありますので、隷下中隊が勢ぞろいしての行事となるでしょう、自衛隊最大の演習場である矢臼別演習場にちかい連隊で、訓練環境に恵まれている。

さて、北海道の話題。航空券は航空会社と格安航空会社の競争によりそうとう安価となり、全日空や日本航空でも九州北海道へかなり安価に足を運ぶという事が可能となりました、が、困るのはホテルの確保です、航空券だけ確保出来てもそれでは意味がありませんから、ね。外国人観光客の増大なども背景に全国的なホテル不足が指摘されていますが、特に北海道は顕著です。

北海道の千歳市内での自衛隊行事へ展開するべく、千歳空港付近のホテルを予約しようとしたのですが、提示されたホテルの大半が定山渓という札幌近郊の観光地で札幌駅からバスで70分、それでは駅に近いホテルは、となりますと、滝川駅近く、という、これでは札幌駅よりも旭川駅の方が近いではないか、というホテルを勧められたこともありました。

一泊ひとり25000円前後という水準のホテルならば、一定数空きがあるのですが、それ以外はバックパッカー向けの簡易宿くらい、10000円前後のホテルというものが、需要に対し異常に少なくなっているように感じる次第なのですが、困ったものです。インターネットで検索できない宿などが穴場らしいのですが、この当たり今後は開拓したいですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭
・8月21日:釧路駐屯地創設63周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/5d/01_unit/butai/03_kushiro.html
・8月21日:函館駐屯地創設66周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/11d/jgsdf-post/images/hakodate/


■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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新しい不安定の弧【前篇】 欧州とアジアの境界点、トルコ騒擾の長期化とクリミア情勢の蠢動

2016-08-18 21:25:34 | 国際・政治
■新しい不安定の弧の広がり
中東から中央アジアを経て北東アジアに掛け、“不安定の弧”が広がっている、2001年に時のブッシュ米大統領が地域紛争多発地域と潜在的紛争地域の広域化へ警鐘を鳴らせたものです。しかし現在、新しい不安定の弧、というものが広がっています。そこで短期集中としてこの問題を考えてみましょう。

新しい不安定の弧は、クリミア半島、トルコ、中東、北アフリカ、中央アフリカ、へと分布します。トルコクーデター危機を受けての大規模な粛清は、世界からの懸念を集めていますが、トルコ政府は子の粛清への圧力を加えるEU欧州連合に対し、EUとの難民協定を破棄する示唆を行っています。アフリカと中東からのEUへの難民をトルコ政府は管理する見返りに経済協力の強化や、EU加盟交渉での繁栄を要求していますが、クーデター未遂後の粛清や死刑制度再開などの示唆はEUとの関係を難しいものとしていました。

トルコ政府は難民管理放棄を一つの交渉材料とする示唆を行い、今後も溝は深まりそうです。トルコを突き放せばロシアと接近する可能性があり、問題は単純ではありません。トルコでは核兵器の問題もあります、トルコの核兵器と云えば、その撤去が課題となった1962年のキューバ危機を思い出させるものですが、トルコ国内のインジルリク空軍基地、アメリカ空軍が展開しますが、核兵器が事前配備されている可能性が高いとのこと。

トルコクーデター危機、未遂に終わりましたがトルコ国内で進むクーデター関係者とその知人や団体に関係した人物、人口の一割以上に対する粛清が新たな危機を及ぼしていまして、インジルリク空軍基地トルコ部隊司令官が逮捕されたことで警備が手薄となっておりここらテロリストに襲撃された場合、インジルリク空軍基地内の米軍核兵器が危険に曝されるのではないか、というものです、粛清による社会不安の長期化は、こうした新しい問題を出してしまいました。トルコの弱体化、現時点で既に杞憂ではありません。

黒海沿岸、トルコ北方でも危機が再燃しています。クリミア半島、ウクライナ領からロシアにより事実上割譲されましたが、この情勢が最近再度緊迫化していまして、ムーディーズが格付けに影響があるとの見解を示しています、市場は敏感に反応しました。今月に入り、ロシア法施行機関職員とウクライナ法執行機関か陸軍部隊との銃撃戦が発生したとの報道があり、この地域はいまだ半島とウクライナ本国との間で緊張状態にある事を世界に示しましたが、市場の反応は、報じられている以上に懸念要素がある事を示しました。

クリミア情勢の主導権を握るのはロシアです。このロシアは、建国以来不凍港の確保を政策の重点としてきたことは世界史に記されているところですが、現代では中東地域への航路維持、そしてもう一つ、冷戦初期からアメリカの同盟国であり、モスクワへの匕首を突き付けたトルコの米軍基地を排する機会へ繋げようとする視点、若しくは、トルコクーデターを契機として、欧米が距離を置こうとする情勢に乗じて自陣営への編入、影響力の拡大を理想として接近する可能性はあるでしょう。

北大路機関:はるな くらま
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将来艦隊戦闘と巡航ミサイル【3】 旧式潜水艦の巡航ミサイル潜水艦への延命改修案

2016-08-17 22:51:47 | 先端軍事テクノロジー
■潜水艦の除籍前有効活用
 海上自衛隊にも巡航ミサイル潜水艦、という区分を構築し得るのではないか、将来艦隊戦闘を考える際にこうしたもう一つの視点を提示してみましょう。

 魚雷を全部降ろしてミサイルを搭載したらば本来の潜水艦任務を果たせません。海上自衛隊の潜水艦への魚雷及び対艦ミサイル搭載能力は20発とされていますが、ここに巡航ミサイルを大量に搭載した場合、肝心となる艦対艦ミサイルや魚雷を搭載する余地が小さくなってしまいます、潜水艦の任務には対水上戦闘及び対潜戦闘という重要な任務がある訳ですから、巡航ミサイルを大量に搭載した場合でも、その主任務は不変であり、即座に必要では無い装備品の搭載に必要なミサイル及び魚雷搭載能力が制約される事は避けなければなりません。

 潜水艦の総数に余裕がない故にできない、と。他方、対水上戦闘や対潜水艦戦闘を想定しない潜水艦を確保する事が出来たならば、即ち最小限の自衛戦闘に充てる対潜魚雷のみを若干数搭載し、それ以外の修養容積を全て巡航ミサイルの搭載に充て、日本近海を遊弋させることでUGM-109E,UGM-109Hの非常に長い射程を活かし、日本本土の着上陸に際しての着上陸点に対する打撃手段、また日本本土が大規模な攻撃、核攻撃を含めた攻撃に曝された場合には我が国は核兵器の報復手段を持ちませんし持つべきでもありませんが、日本国家が必要な措置としてその決意を示す事だけは可能となるでしょう。

 巡航ミサイル潜水艦があればその分、我が国本土への攻撃を抑止できる幅が広くなるという視点を挙げました。さて、巡航ミサイル潜水艦という視点についてですが、これは上記の対水上戦闘及び対潜水艦戦闘にも通る潜水艦の任務を終えた潜水案で、老朽化により所要の潜行能力や航行能力を喪失した旧式潜水艦を原型として、魚雷搭載能力を大きく縮小し、その装備搭載能力を巡航ミサイルに特化する、という方式が考えられます。対潜戦闘用の自衛用魚雷としては4発程度とし、16発をUGM-109E,UGM-109Hの搭載にあてる。

 トマホークキャリヤーとしての除籍前のもう一仕事を潜水艦に、という。日本の潜水艦は比較的早い時期で除籍されていますが、性能上潜水艦のポテンシャルはそれほど低下しているものではないため。そして対潜バリアーにより防護された海域を潜行し遊弋する、日本版ミサイルパトロールというべき運用です。日本周辺海域には、小笠原諸島と本州島により三角海域を構成する相模湾や遠州灘、九州島と四国島に防護された周防灘と日向灘、能登半島と丹後半島に囲まれ舞鶴基地と舞鶴航空基地により防護されている若狭湾、九州島と天草諸島に囲まれ佐世保基地及び大村航空基地からの防衛を受ける事が可能な天草灘、巡航ミサイル潜水艦を遊弋させることが可能な海域がいくつも存在します。

 潜行できるというだけで潜水艦は巨大なポテンシャルを維持します。勿論、こうした海域は良好な漁場でもありますから、潜水艦が漁船の底引き網や延縄に巻き込まれないよう、潜行しつつ注意しなければなりませんが、哨戒機のレーダーや水上戦闘艦のソナーから回避する第一線の新鋭潜水艦ほどにはその負担は大きくないでしょう、もちろん、通常動力潜水艦ですので、原子力潜水艦の様に先行したまま充電する事は出来ませんし、また、巡航ミサイル、それも通常弾頭を搭載した巡航ミサイルの能力には限度がありますが、現時点で戦略爆撃機から1500発もの長剣10巡航ミサイルを突き付けられているという状況に対して、打つ手として考えられるでしょう。

 数の余裕は実のところ、早めの除籍という贅沢を改めれば生まれる。海上自衛隊は毎年一隻の潜水艦を建造し、潜水艦定数が16隻の時代には毎年1隻を除籍させていました、潜水艦は概ね30年程度現役に留まる能力がありますので、勿論老朽化とともに潜行能力や船体への歪みによる水中騒音の増大といった不具合は生じますが、諸外国では16年間という短期間で潜水艦を除籍させるようなぜいたくな運用は行っていません、このため、延命改修を含め潜水艦運用年数を32年程度とし、勿論運用基盤構築に時間を要しますが、応用する施策は考えられるでしょう。

北大路機関:はるな くらま
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