北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】京都ゑびす神社(恵美須神社)栄西禅師の神社で名刺には今年も来年も感謝

2019-12-31 20:19:18 | 写真
■さよなら二〇一〇年代
 大晦日という事で如何な話題をとも考えたのですが、ふと卓上には数多名刺が積まれていまして、一つ名刺に感謝する社殿を暑い日中に探訪した際の話題を。

 京都ゑびす神社、恵美須神社という社殿は東山区大和大路通四条下ル、五条通から清水界隈を建仁寺へ散策した際に至るちいさな神社です。ここは都七福神としまして、繁華街寺町通に近い革堂や宇治市は大陸風情の万福寺といった寺社仏閣と共に知られる神社です。

 日本三大ゑびす、としましてここ京都ゑびす神社は、旧郷社の社殿とともに、全国では、今宮戎神社という別表神社に列せられる大阪市浪速区恵美須の社殿、西宮神社というゑびす神社の総本社として知られる兵庫県西宮市社家町の社殿、とともに崇敬を集めています。

 名刺塚がありまして、今年も名刺にお世話になりましたので手を合せます。創建は建仁年間の1202年、創建の頃はもう少し今よりも離れた立地であったといわれるのですが、これは応仁の乱に際し、社殿がすべて失われまして再建に際し現在の位置に遷座したとのこと。

 商売繁盛、家運隆盛、旅行安全、御利益は身近なものであり、それだけに多くの信仰を集めています。その大祭は十日ゑびす大祭としまして1月8日から12日の実に5日間に渡り祭事が執り行われ、祇園は舞妓さんの奉仕による福笹と福餅の授与祭事なども行われる。

 熊手、神社の鳥居にはゑびすさんが迎えているのですが、このゑびすさんの前に熊手が掲げられていまして、お賽銭とは別に此処に賽銭を投じる情景もありました。なかなか難しいようですが隣に自販機もあり、ここで両替できるという事でしょう。何かゲームのよう。

 放課後さいころ倶楽部。BS-211にて2019年秋季に放映の作品ですが、ゑびす神社参拝の直後に何気なく放映を視ていますと、この日が四話でしたか初見でしたが、ヒロインの武笠美姫さんと凶犬のキョーコこと牧京子さんの出会いの場として唐突に描かれ驚きました。

 京都が舞台の作品だったのか、とまあ驚いたのですが、成程しっかり視聴しますと京都の加茂川北高校が舞台という設定で、ここでボードゲーム等アナログゲームを通じ主人公が交流を広げてゆく、という作品なのですね。知っている場所が聖地に、これはうれしいぞ。

 建仁寺に程近いとは記しましたが此処は実が御縁あるものでして、その始まりは、明菴栄西栄西禅師、保元年間1157年に得度し上京した後の日本の臨済宗の祖、栄西禅師が天台宗寺院を出て新しい法理を探すべく南宋に渡った事がこの京都ゑびす神社はじまり、という。

 栄西禅師が日本最初の禅寺として建仁寺を建立するべく、南宋に渡った建久年間1191年、この年は台風が多く南宋から帰途に激しい暴風雨に見舞われ、その際に恵美須神の守護が在り無事帰国出来た事から、建仁寺の鎮守社として開いた社殿が京都ゑびす神社でした。

 八重事代主大神と大国主大神と少彦名神とを祀る社殿はその境内に菅原道真を祀る小松天満宮に白太夫社や岩本社と八幡神社に猿田彦神社が並びまして、また鳥居から本殿に向かう右手には名刺塚と財布塚とが並んでいます。小松天満宮は奥の奥で、少し探しましたね。

 名刺塚といいますと、今年も業績が上がらず無為に配られた多数の名刺にもう少し立身しなければ、と合掌するものかとおもいきや、いやいや名刺により広がる人々との縁は立身出世に繋がった事を感謝して合掌する、という。財布塚も併せプラスの要素が多いという。

 縁起物の熊手が常に参拝者を迎えるこの社殿、その歴史と共に境内に仲良く並びます、名刺塚に財布塚、それ程広大な社殿ではないのですけれども、散策の際にふと日々の営みを支える小物や御縁というものに感謝する、そんな風情で参るのも、情感を深められました。それでは皆様、良いお年を。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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計画運休と本土防衛【3】平時に協定を!自衛隊鉄道部隊の回想と複雑な現代鉄道システム

2019-12-30 20:04:49 | 防衛・安全保障
■JRとの綿密な協定が必要
 有事の際に電車は動くのかという一利用者の視点を自衛隊の戦略輸送に転じて考えた本特集ですが検証を進める程に現実は深刻です。

 計画運休と本土防衛、JR各社が計画運休という制度を導入し、実際の有事の際には多発するであろうJアラートによるミサイル飛翔情報と共に非常停止を頻発した場合、有事の際に、自衛隊が専守防衛を貫徹する為に戦略機動、移動しなければならない時に、安全第一で計画運休、部隊は移動出来ず戦線が次々と手遅れに近い状況へ拡大、この可能性はある。

 鉄道連隊、陸上自衛隊第101施設隊という鉄道専門部隊が1966年まで維持されていまして、自衛隊全体では2015年まで、比較的最近と言うことに驚きます、ディーゼル機関車を海上自衛隊が弾薬補給処での輸送用に維持していました。海上自衛隊のディーゼル機関車は専ら補給処内での輸送が任務でしたが、第101施設隊は旧陸軍鉄道連隊を範としています。

 第101施設隊の訓練は、架線修理や鉄道線路敷設とポイントや信号の運行管理から貨物ホーム設営まで、鉄道線を維持のみ成らず敷設まで含めて実施できる水準のものでした。有事の際に国鉄が輸送不能となった際に鉄道輸送を自衛隊が代行する、というものです。当時は国鉄ストが度々起きており、有事の際にストが起きる可能性が現実で在ったのですね。

 国鉄ストが有事の際に発生した場合には第一線へ移動する部隊には大変な影響が生じますが、令和時代には有事の際に職員が危険にさらされる懸念があるとしてストは起きないが計画運休が起こる可能性が、ということ。ストで有ろうと計画運休であろうと運行出来無い事には変わりがありません、そして安全を保障しようにも結局は“万一”が残るという。

 ただ、今日的視点から見ますと、2016年熊本地震におけるJR各社と新幹線開通にともなう経営移管の第三セクター鉄道の再開への時間を見るとおり、鉄道は安易に修復できないほどに複雑なものとなっており、特に信号系統や運行システムは自衛隊が簡単に代行できるものでもありません。第101施設隊も廃止から半世紀以上が過ぎており、これが現実だ。

 ダメコン、ダメージコントロールについて、有事の際の輸送を考えるならば平時の内に鉄道会社と政府が国民保護計画と武力攻撃事態を念頭に整備しておく必要があると考えます。計画運休が有事の際に必要となるのはどういう条件でどの条件がそろった際に運行再開可能か、平時にはこの協定が重要と思う。寧ろ協定は平時にこそ結ぶ必要があると考えます。

 鉄道施設周辺での警察警備強化や緊急時の救急搬送優先権という条件が在れば良いのか、主要駅毎に防護用機関銃陣地が必要なのか、路線が弾道弾迎撃網下に収まっていれば運行できるのか、どれも駄目ならば政府が対応できる鉄道職員を準備し鉄道と線路の上下分離を有事法制に盛り込む必要があるか、緊急時に動かせ命令だ、という時代ではありません。

 緊急時には社会全体を停止させる必要があるのではないか、これは2019年多発した巨大災害を念頭に災害には社会を停止させる事で被害が及ばないようにするという消極的な確実論を示したものでした。しかし、緊急時にこそ動かなければならない状況というものは在るように思うのですよね。鉄道会社についてはその公共性故の税制優遇もあるのですから。

 緊急時に社会を止める、しかし緊急時ならば危機管理機能も停滞させて良いのか、と問われれば、それは2019年に多発した台風災害を前に、被害ほぼなし、被害情報が入ってきていないから、と消極的姿勢を長期間継続し、結果的に初動の立ち上がりを遅滞させた千葉県庁の対応が妥当だったのか、という視点にも進んでしまいます。賛同は少ないでしょう。

 鉄道を一例として示しましたが、日本は専守防衛を堅持しています。その上で国内インフラに依存する事で自衛隊は広大な国土を少ない部隊で防衛してきました。日本列島を欧州に移動させれば北海道稚内の位置に北欧デンマークの首都コペンハーゲン、沖縄南部の位置にはなんと北アフリカリビアのトリポリが来る程に、日本列島は長大なのですから、ね。

 有事の際の指定公共機関、電話網や物流網と陸運業や建築業、しかし過去の戦争、イラク戦争やウクライナ東部紛争を視ますと電話会社等は通信遮断を念頭に空爆かミサイル攻撃を受けているのですよね。攻撃を受ける可能性は、特に近年の巡航ミサイル長射程化等により常に万全の安全というものは在り得ません。どう有事の際に維持するのかは課題です。

 民間インフラを有事の際に用いる、これを期待できるかどうかで、自衛隊は国土戦でありながら外地で戦う外征軍隊のような戦略展開や策源地機動基盤等が必要となってしまいます。だからこそ、有事法制が一旦整備された現代だからこそ、平時の内に指定公共機関協力企業の安全確保、そして有事の際の運用継続計画を国と協定する必要、在ると思います。これを本論の結論としましょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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北大路機関『自衛隊最新装備2019』政府専用機-無人機新時代-護衛艦整備完了(年末特集)

2019-12-29 20:19:59 | 北大路機関特別企画
■令和元年自衛隊最新装備
 本日は2019年に撮影しました自衛隊最新装備についてお伝えしましょう、令和元年に相応しい新時代の装備が並びます。

 政府専用機B-777。本年の千歳基地航空祭にて初公開となりました。政府要人輸送を中心に邦人救出や自衛隊輸送に用いる長距離輸送機で、2019年4月より前型のボーイング747-400から更新された最新の政府専用機でボーイング777-300ERを政府仕様としたもの。航空自衛隊千歳基地の航空支援集団特別航空輸送隊に配備、主務機と副務機で運用されています。

 護衛艦しらぬい。あさひ型護衛艦2番艦で前型あきづき型が防空重視であったのに対し高度な個艦防空能力に併せて対潜性能を重視、むらさめ型に始る艦隊護衛艦の集大成として本年2月27日の三菱重工長崎工場にて竣工した最新鋭護衛艦です。満載排水量6800t、第3護衛隊群第7護衛隊に配備され母港は大湊基地、久々の新造護衛艦大湊配備となりました。

 19式装輪自走155mm榴弾砲。火力戦闘車として開発され評価試験中の装備が富士総合火力演習において初公開されました。日本製鋼所が生産する52口径155mm榴弾砲をドイツMAN社製大型トラックに搭載した装輪自走榴弾砲であり、北海道以外の方面特科連隊に配備、現在本州九州四国に配備されている牽引式のFH-70榴弾砲を置き換える計画です。

 13式空挺傘。フランス設計の696MI落下傘の後継装備で、藤倉航装により開発されました。空中安全性と着地安全性が第一の従来の落下傘に加え島嶼部等の限られた地域への集団密集降下性強化が求められ、傘体外面気流活用による相互反発性の確保を通じ空中衝突時に潰れにくく原復帰が迅速という特性を有しています。空挺降下訓練始めにて撮影のもの。

 スキャンイーグル無人偵察機。陸上自衛隊が導入したアメリカインシツ社製の無人偵察機で、僅か22kgと軽量ながら高度4500mを24時間に渡り飛行し光学情報を収集、監視標定任務に当る。最高速度は148m/hで上昇限度は5900m、地上管制システムと無人機4機によりシステムを構成します。本年の富士学校創設記念行事にて観閲行進に初参加しました。

 災害用ドローン。フランスのパロット社製民生無人機ANAFIシリーズを防衛省が災害派遣に限定し導入したもの。パロット社はドローンとして小型民生用無人機市販を開拓した精密機器メーカーです。ANAFIは電動モーターによる25分間の飛行を通じ高画質画像を収集可能で、電子妨害下等での運用は想定されていませんが災害用として全国配備予定です。

 XUH-2多用途ヘリコプター。富士重工が開発したUH-1J多用途ヘリコプター後継機で、ベル412EPIを自衛隊仕様としたもの。2019年2月28日に富士重工より引き渡され、現在明野駐屯地において評価試験中の新装備であり、航空学校明野航空祭にて一般初公開となりました。評価試験完了後は全国の師団旅団飛行隊や方面航空隊に150機が配備される。

 スナイパーXR照準ポッド。赤外線監視装置とレーザー照準装置及び高解像カメラを統合した器材で航空自衛隊ではレーザーJDAM精密誘導爆弾照準や超低空侵攻時の暗視装置として使用する他、赤外線感知能力を活かした空対空戦闘にも資する装備で、ロッキードマーティン社製でアメリカ空軍が運用するAN/AAQ-33を採用、2019年より試験が開始された。

 移動用多重通信装置O/H-J/TRQ-506。要撃管制通信を司る基地固定用多重通信網が攻撃された場合に備える見通し外通信装備で、移動用多重通信装置O/H-J/TRQ-504後継として2012年より配備開始となりました。空中線装置2両と通信装置により構成される、写真は千歳基地第3移動通信隊のもの。こうした形で本年も数多くの新装備と巡り合えました。

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年末特集:写真で振り返る自衛隊行事二〇一九 イージス艦あたご艦上で迎えた平成令和時代

2019-12-28 20:19:56 | 北大路機関特別企画
■平成時代から令和時代へ
 本年は平成時代から令和時代への転換となった一年ですが、その様子を自衛隊行事写真から振り返りましょう。

 令和元年。本年も様々な自衛隊行事を撮影しましたが、天皇陛下御譲位と上皇陛下御即位という新時代、新しい時代の始りを感じるその御即位の式典の日を、当方一行は舞鶴基地にて迎えました。平成と令和の移ろいを舞鶴にて迎えた、北大路機関らしさ、でしょう。

 新年度の行事は駒門駐屯地創設記念行事より撮影を開始しました。静岡県の駒門、例年は相馬原を重点的に撮影していました故に久々の撮影でしたが、本年は戦車教導隊と第1機甲教育隊を統合した機甲教導連隊新編を撮影、物凄い来場者の増大に、もう驚きでした。

 第12旅団創設記念相馬原駐屯地祭、本年は快晴と共に桜花満開の季節、榛名山麓の木々の向こうに雪を冠した赤城山、最高の情景を撮影する事が出来ました。ここ数年は改編の部隊多忙や悪天候で行事が左右されましたが、平成最後の旅団祭は最高の条件が揃いました。

 美保基地航空祭。C-2輸送機の大編隊です。C-2輸送機はC-X時代より見守り、その初飛行にも立ち会った国産機、量産も順調に進んでいる事は知っていたのですが前に航空祭を訪問した際には主力のC-1が既に美保では完全に引退していた事には、新鮮な驚きでしたね。

 RF-4戦術偵察機、いよいよ今年度いっぱいで除籍され航空自衛隊の永い戦術偵察機の運用は終了、遠くない将来に導入されるRQ-4無人偵察機に置き換わります。RF-4からRQ-4,同じ“4”ですが別物、百里基地の機体ですが全国の航空祭地上展示で身近な機体でした。

 16式機動戦闘車、第15即応機動連隊の改編と共にこの装備の配備がそのまま74式戦車の退役を意味するのですが、機動力を活かして其処此処の行事に続々登場しています関係からか、僅か配備から翌年という装備ながら、親近感を覚えるようになってきたところです。

 きりしま。蒲郡港一般公開の様子です。本年は自衛隊観艦式実施とあり地方隊展示訓練は行われなかったものの、艦艇広報は全国で展開していまして、敦賀港護衛艦かが一般公開など、今年はいろいろな港町を散策する機会がありました。海というものは、よいものだ。

 自衛隊観艦式フリートウィーク。巨大台風直撃により令和元年自衛隊行事がまさかの中止という事になってしまいましたが、フリートウィークは盛況でした。直前に御厚意や御縁のお話しが在りまして、成程一種同窓会的機運もあり、個人的には楽しい艦隊週間でした。

 AIRBOSS,海上自衛隊の弾道ミサイル赤外線長距離監視センサーを搭載したP-3試験機です。こちらは新しく導入したG-3デジカメの試験へ岐阜へ行った際の写真です。デジタルズーム2400mmの1型センサー搭載コンデジ、今年はこのカメラで撮影が一新しています。

 OH-6D観測ヘリコプター。明野航空祭にて撮影です、久々の明野は前回未だTH-480運用直前の時代でしたが今年度はOH-6Dのラストフライトが実施、永く陸上自衛隊の象徴的な機体は後継機OH-1の調達が不充分のまま打ち切り後、耐用年数限界により廃止されます。

 F-15J戦闘機大編隊、千歳基地航空祭の撮影です。例年の千歳は大編隊が縮小されたり曇天悪天候等が重なるという事ですが本年は久々に真夏の北海道に行きますと、天候は素晴らしく気温僅か33度と京都より7度近く涼しく、中々に快適な環境で航空祭が楽しめました。

 富士総合火力演習。こちらも直前に御縁頂きまして、今年も撮影する事が出来ました。AAV-7の射撃展示も板についてきましたが、驚いたのは16式機動戦闘車が4kmの長距離射撃を展示した事、4kmといえば阪急河原町から京都駅までに匹敵し、その性能は凄かったです。

 小松基地航空祭。今回反省したのは、予行を確認せずにブルーインパルスを小松空港から撮影しよう、とお友達を巻き込んでしまい、実は小松空港の展望デッキからはそれほどブルーインパルス展示が見えなかった事です。いや申し訳ないことした、と反省しています。

 練習艦隊江田島出航。感心しました。こういうのは護衛艦いなづま出航が練習艦かしま、よりも先という点です。かしま揚錨装置が故障したのですね、直後に揚錨しましたが、時間に間に合わなければ旗艦を置いてでも出航する、自衛隊の時間厳守ぶりに感動しました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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令和元年度十二月期一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2019.12.28-2020.01.05)

2019-12-27 20:00:12 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 師走もいよいよ終わりですが皆様いかがお過ごしでしょうか。年末から年始にかけての行事紹介を特例として二週間分掲載します、が今週末と来週末に自衛隊行事は行われません。

 今週末の自衛隊行事は一つも無し、そんな週末にはじっくりと買いためた書籍を読破したいものですが、例えば旅客機が飛行する空港へ進出してみては如何でしょうか。戦闘機部隊の置かれる小松空港や千歳空港に岩国錦帯橋空港か、と思われるかもしれませんが週末は訓練飛行が基本行われません、しかし、旅客機を撮影する事は行事写真に活かせます。

 戦車と普通科隊員が重なる時機、特科火砲の前を装甲車部隊が一斉に転回する瞬間、突撃発起の時機、陸上自衛隊行事などは特に訓練展示を撮影する際には部隊が動く時機に併せて撮影する事が必要です、が、慣れていないと難しい。練習が必要なのですが、時機に併せて撮影する技法は、別に駐屯地祭でなくとも練習できる、その練習の場が空港なのです。

 旅客機が重なった瞬間、誘導路を進む旅客機と離陸する滑走路の旅客機が重なる瞬間、誘導路を進む旅客機三機が一枚に圧縮効果で操縦席部分が一枚に収まる瞬間、旅客機の小銃隻が真正面に画面いっぱいに構図が撮れる一瞬、ここを撮影できるような、瞬間を逃さない技術を身に着けておきますと、訓練展示模擬戦の撮影にも大きく寄与する事でしょう。

 さて撮影の話題を。空の青さを知る人よ、という劇場版アニメ映画が在りますが、今回はそれに少し関連しまして、蕎麦の甘さを知る人よ、という話題から。全く関係ないではないかと憤られる方が多いでしょうが、このノリで2005年からやってきましたのでお許しを。自衛隊関連行事で様々なところを歩きますと、まあ手軽で美味しいお蕎麦を色々なところで頂くのですが。

 蕎麦の出汁の甘み、強めと濃いめと地域色があるのですが、先日驚いたのは大津駐屯地祭の帰路に頂いた日吉蕎麦と、今津駐屯地第二廠舎近くの田舎蕎麦、そして小松基地航空祭の際に小松駅で頂いたお蕎麦の甘みが、甘口醤油を基調とした、しかし京都の薄口出汁とは明らかに違った風味となっていまして、おお、鯖街道と北陸路の繋がりだ、と驚きます。

 風味の地域差は文字で簡単に甘口辛口濃口薄口、表現されるのですけれども、文字にしますと長すぎて百聞は一食にという印象を毎回強くします。いや、一般に言われる事ですが、地域差を地域ごと実感する機会というものは在りそうでありません。味の牛歩戦術、という訳ではありませんが、蕎麦の甘さを知る人よ、の趣きで基地を巡っては、と思います。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事無し

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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スマトラ島沖地震インド洋大津波から十五年 3.11と1.17とを結ぶ巨大災害への教訓と鎮魂

2019-12-26 20:04:27 | 防災・災害派遣
■人類史上最大の津波被害
 2004年に人類史上最大の津波被害が発生しました、これよりも大きな災害は1976年の中国唐山地震くらいでしょう。

 スマトラ島沖地震インド洋大津波から今日で15年となりました。2004年12月26日のグリニッジ標準時間0058時、現地のインドネシア西部時間0758時にスマトラ島バンダ-アチェ南南東250kmにて発生したマグニチュード9.3の巨大地震は、広範囲に津波を引き起こし、津波警報の不備から避難が遅れ、実に22万もの人命が失われる惨事となりました。

 マグニチュード9.3の巨大地震、この発生により引き起こした津波被害はインドネシアとタイ東岸を中心に大被害を引き起こしつつ、遠くインド洋沿岸全域に及びインド国内やアフリカ沿岸部でも被害を引き起こしています。被災地では本日、巨大地震での犠牲者へ慰霊祭が行われると共に地震発災後の復興と共に次の巨大地震への備えが続いているとのこと。

 インド洋大津波と称されていますが、実際、この巨大地震は津波被害が人命被害を拡大しました。インドネシアに被害が集中、スマトラ島のアチェ特別州では州都バンダ-アチェが壊滅的な被害を受け、実は東ティモールに続いて模索された独立機運がこの地震被害復興目処を建てられず自由アチェ運動そのものが終焉を迎えるという程の打撃を受けています。

 自衛隊派遣。インド洋大津波は、自衛隊の海外派遣という規模からみても意外なほど大規模な緊急人道支援任務が実施され、先ず初動として当時アフガニスタンで続くテロとの戦いへアラビア海海上阻止行動給油支援へ派遣中であったイージス艦きりしま、護衛艦たかなみ、がアラビア海からの横須賀への帰途の最中に津波に遭い、人道支援へ投入された。

 インドネシアアチェ州へ海上自衛隊派遣は続いて翌週に当時の小泉政権が派遣を決定し、ヘリコプター搭載護衛艦くらま、輸送艦くにさき、補給艦ときわからなる緊急人道支援部隊派遣が決定、続いて航空自衛隊のC-130H輸送機2機先遣隊として、また陸上自衛隊は東千歳駐屯地の第7師団より派遣部隊を釧路港より輸送艦に乗艦させ、派遣されています。

 スマトラ島沖地震は、しかし幾つかの課題を突き付ける事となりまして、巨大地震に際しての外国人保護の問題が置き去り人ると共に、情報通信の途絶下での救命救急体系の維持や航空機に関する有効活用、各国からの人道支援部隊への連携基盤の不備など、一種のダメージコントロールが不随状態となっている事が震災関連犠牲者という問題を出しました。

 東日本大震災。実のところインド洋全域に被害を引き起こしましたこの巨大地震に伴う教訓は、もう少し被災地から隔てた日本でこそ学ぶ点が大きかったのかもしれません。いや、津波警報の不備や防波堤の有無という、インドネシアと日本との違いが強調されていた津波報道を思い出しますと、巨大地震と津波への一種の、慢心、が在ったのかもしれません。

 南海トラフ巨大地震の脅威が現実問題として警戒される今日、思い起こせば世界最大の三陸海岸防波堤は東日本大震災巨大津波に乗り越えられると共に、しかし、津波警報の不備は我が国でも最近、1983年の日本海中部地震では津波警報の不備が指摘されているように、当時は気象庁が電報により発信の津波情報が津波到達の遥か後に公表される事例があった。

 東日本大震災が発災した時点で、スマトラ沖地震インド洋大津波の経験は、迅速な避難により回避できると信じられていたものではあるのですが、結局、巨大災害は実際に襲来してみますと、当時の我が国でも政府は、想定外、こうした表現を連続して不備の責務を回避する事に終始していました。マグニチュード9の巨大地震、本当に想定外であったのか。

 人類史上最大の津波被害、こう表現するインド洋大津波ですが、実のところ東日本大震災までに教訓として得るものは幾つかあったようにも思えます、そしてその教訓ですが、繰り返し津波被害に直面し高い準備を進めていました三陸地方は比較的高度な準備を以て被害を局限した、といえるのですが、次の巨大地震へ太平洋岸の地域は準備は万全なのか。

 南海トラフ地震、現在政府が想定する最大規模の発生に対しては37万の死者数が想定されています。四国沿岸部と紀伊半島を中心に九州南岸から京浜地区まで津波が襲う想定であり、過去の歴史地震を俯瞰するならば、この被害は充分有り得る災害です。これこそ、人類史上最大の津波被害、というものを15年前のアジアの同胞が警鐘を鳴らせている様にも。

 巨大災害には“相”というものがある様にも思う、東日本大震災とインド洋大津波の備えを基調とした防災政策を続けますと、次に来るのは来年に25年を迎える阪神大震災のような直下型地震の叩きつけるような激震が中層建築物を圧潰させる災害の再来もあり得ますし、伊勢湾台風の被害が再来する懸念もあります。数多の災害を思い返し、その個々の再来を警戒し準備する事が、鎮魂なのかもしれませんね。


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【京都幕間旅情】護王神社,御所西いのしし神社に伝わる和気清麻呂の勲功と海軍重巡高雄絵馬

2019-12-25 20:02:32 | 写真
■明治の時代が生んだこの社殿
 時代の流れ、しかし考えればあと僅かとなりました本年は平成時代と令和時代の架け橋であり転換点という一年でした。

 護王神社、いのししの神社として親しまれるこの社殿は上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町の、簡単に言えば京都御所の向かい側、烏丸通の信号を渡った隣に位置しています。創建は不詳ではあるのですが、旧別格官幣社であり現在も神社本庁の別表神社に列せられる。

 高雄、帝国海軍が誇る重巡洋艦の絵画が奉納されています。実は平野神社の重巡衣笠始め京都は旧海軍の艦艇と御縁が深い、巡洋戦艦鞍馬、戦艦三笠、戦艦比叡、重巡高雄、重巡愛宕、重巡衣笠などなど。高雄神護寺のはじまりから此処には重巡高雄の縁が在るという。

 和気清麻呂を祀る社殿です。もともとは高雄神護寺に在った護王善神社がその始まりとされまして、和気清麻呂の忠臣を讃え江戸時代末期に孝明天皇が護王大明神の神号と正一位の神階を授けた事を契機としまして、明治時代にここ京都御所となりへ遷座となりました。

 中院家邸、内大臣源通親土御門通親を始祖とする公家の旧家ですが、京都からの東京遷都に際して明治帝と共に東京へ遷る事となりまして、京都御所となりの中院家邸は空き地となりました。明治天皇はこの邸宅跡地に護王神社社殿を遷座するよう勅令を出しています。

 明治天皇の勅令により遷座する事となったこの護王神社は、創建の時代が高雄神護寺の社殿まで遡る為に定かではないのですけれども、ここに遷座してからは百年と少しを経ているのみ。しかし護王大祭として4月4日、11月1日亥子祭を行い御所へ提灯行列を行う。

 宇佐八幡宮神託事件、平安朝初期の頃に寺社勢力による政治介入の動きが強まり、高僧道鏡による称徳天皇後継への皇位奪取の陰謀が起こります、和気清麻呂は当時朝廷の高官として皇統遵守の主張を強く続け、結果左遷されその道中に暗殺の危機にも曝される事に。

 いのししの神社というその由来は、九州宇佐へ配流即ち左遷の最中に暗殺の危機に曝された和気清麻呂が山道で猪の大群に遭遇し寄り添うように実に三〇〇の猪が山道を護った事が暗殺の危機を脱する事に繋がった故事に因み、狛犬ならぬ狛猪が社殿に数多鎮座します。

 和気広虫、和気清麻呂の姉でして大正時代にここ護王神社へ祀られる事となりました。奈良時代の女官でして、宇佐八幡宮神託事件では事実上道教の皇統奪取陰謀に巻き込まれる事となりましたが、結果2年間の配流となりますが、帰洛後は従四位上に叙せられました。

 神階正一位、和気清麻呂は皇統を護ったとの勲功から孝明天皇により神階を授けられまして、実のところ日本史上初めての事であり、明治大正昭和の軍神へ繋がる云わば一種現代のクローン技術やAI技術の様な禁忌の端緒であるようにも思えるのですが、その始まりの社殿です。

 孝明天皇の贈位、江戸時代末期というやはり時代の移ろう時代でなければ、ある意味東照権現こと徳川家康を事実上神格化しつつ、神格化の二重権力状態という得御時代最盛期は難しかったでしょうし、室町時代にも、応仁の乱並の騒擾を呼ぶ故に難しかったでしょう。

 明治国家の建設、成程京都というものは時代と共にその在り方と都市軽悪が移ろう、歴史と伝統よりは最先端都市であった時代も長いのですが、云わば天皇の時代というべき、実態には明治憲法と共に立憲君主制を藩閥政治が不協和音を示す時代故の建立ともいえます。

 平成31年正月、令和元年には想像もつかないといいますか、令和時代というものが定着したものだなあと思いつつ、考えればこの平成31年という過渡期の始まりはもう少し趣き深く過ごしておくべきであったかと、日々の写真を眺めつつ思いすごす今日この頃、という。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【G7X撮影速報】横須賀基地夜景,いずも-エンタープライズ-フォーミダブル(2019-10-15)

2019-12-24 20:03:27 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■クリスマスイヴ記念特集
 今晩はクリスマスイヴです。クリスマスイヴ特集という事で一つ横須賀は横須賀基地の美しい夜景を紹介しましょう。

 ヘリコプター搭載護衛艦いずも。海上自衛隊最大の護衛艦は横須賀基地逸見桟橋を、ほぼ定位置としています。ここはJR横須賀駅前で京急汐入駅前に広がるヴェルニー公園から対
岸に位置しまして、強力な防衛力が日常風景として見守り見守られる不思議な場所です。

 おやしお型潜水艦2隻と奥によく見ますとイギリス海軍測量艦エンタープライズが停泊している。この写真は十月に撮影したものですが、クリスマスシーズンにはアメリカ海軍ではクリスマスイルミネーションを実施し、旗日である23日には自衛隊では電燈艦飾を行う。

 ヴェルニー公園より望む海上自衛隊横須賀基地逸見桟橋とその奥に位置する吉倉桟橋、ヴェルニー公園は横須賀を幕末から明治時代にかけ造成したフランスのヴェルニー技師を顕彰して造成された、横須賀市民憩いの場であり臨海の散歩道、ウッドデッキが長く続く。

 いかづち、しらせ、フォーミダブルなど。この日の吉倉桟橋には自衛隊観艦式へ参加するべく遠くシンガポールより来日したフォーミダブルが吉倉桟橋に停泊していまして、よく奥の方を視てみますと3200tの外国艦、護衛艦とは趣を改めたマストがおぼろげに見える。

 いずも。全通飛行甲板型護衛艦である本艦は二番艦に護衛艦かが、これは大戦中の空母加賀を継承する艦名となっていますが、前述するシンガポール海軍のフリゲイトフォーミダブルは、第二次世界大戦中のイギリス海軍航空母艦と、期せずして同名となっています。

 陸奥主砲。旧海軍の戦艦陸奥のその主砲が現在、ヴェルニー公園には展示されています。第二次世界大戦中に弾薬庫爆発により突如没した悲劇の戦艦は、長門型戦艦二番艦として、大和型戦艦の大和と武蔵と共に旧海軍の骨幹水上打撃力を構成していた戦艦の主砲です。

 41センチ砲は世界の艦砲が16インチ、即ち40.8cm砲である中で一際強力であり、世界の16インチ砲搭載戦艦であるネルソン級2隻とコロラド級3隻に対する強力なポテンシャルを有していました。近代化改修を終えた戦艦陸奥は実に基準排水量39000t、に達します。

 ヴェルニー公園の陸奥主砲は元々東京品川に在ります、船の科学館、此処に展示されていたものですが2011年に科学館は本館が閉館、これを受け2016年9月に横須賀市文化事業の一環として古巣の横須賀軍港を一望するヴェルニー公園に移設された経緯がありました。

 エンタープライズ。エンタープライズが入港しています。これは原子力空母エンタープライズではなく、あの艦が除籍され同名の艦が建造中なのですけれども、こちらのエンタープライズはイギリス海軍測量艦エンタープライズ、自衛隊観艦式参加へ来日したものだ。

 アーレイバーク級ミサイル駆逐艦、今年は北朝鮮がクリスマスに併せてミサイル実験を示唆しており、イージス艦のクリスマスイルミネーションがどのようになっているのか、ちょっと心配でもあります。長距離弾道弾実験となれば警戒体制を執る必要がありますゆえ。

 陸奥主砲と潜水艦、この日は自衛隊観艦式が台風上陸に伴う自衛隊災害派遣により中止された為、電燈艦飾等の付帯行事等が行われていないのですが、常夜灯でも不思議な温かみのある情景を醸し出していました。こうした風景は軍港都市の一つの日常風景なのですね。

 クリスマス期間にはアメリカ海軍停泊艦艇がクリスマスイルミネーションを実施していまして、横須賀はヴェルニー公園と繁華街の駅前どぶ板通も指呼の距離、一つクリスマスらしい日常風景を探しに、皆様も横須賀のヴェルニー公園散策は如何でしょう、お勧めです。

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計画運休と本土防衛【2】運休決定は絶対不動!初のJR計画運休下の微弱な被害と前例踏襲主義

2019-12-23 20:11:51 | 防衛・安全保障
■Jアラート警報と列車運行
 有事の際にも列車は運行されるのかという視点、自衛隊が輸送で依存する鉄道輸送の脆弱性について更に考えてみましょう。

 初の計画運休が実施された平成26年度台風19号、JR西日本が1200本もの列車を運休させたことで、鉄道への被害は抑えられました。そしてJR西日本路線を利用するJR貨物の貨物列車も運休し車両への被害はありませんでした。しかし、平成26年度台風19号を観返しますと、日本本土へ接近する頃にはマリアナの頃より相当勢力が落ちていたのですね。

 台風19号は、ただし、激甚災害に指定されることはなく、実際に被害を視ましても住宅被害は全壊家屋なし、半壊家屋3棟と床上床下浸水298棟となっています、犠牲者が出ていますが計画運休を実施する規模としては少々大袈裟のようにもおもえてなりません。万一を考えて鉄道は輸送機関としての使命を計画的に安全第一の美名と共に取り下げた構図だ。

 計画運休はその後定着しまして、一旦計画運休を数日前に決定したならば、台風の勢力が急激に収まろうと列車は計画通り止まり続け、更には運転士の安全確保を第一とする事で新幹線車両基地が水没したとしても車両を退避させないという人命第一振り、多数新幹線が全損する中でも一種建前を貫き利用者の運賃で補填する姿はある意味感心できるもの。

 しかし、一旦動かさないと決定し、これを継続する事は、勿論危険がある為に動かさない事には賛成するのですが、危険がなくなろうと動かさない事を決定したのだから動かさない、という目的と手段の混同には少々疑問があります。そして日本の鉄道には計画運休と共にもう一つ、突如重要な輸送機関が一気に麻痺する状況があるのですね。Jアラートだ


 Jアラート、周辺事態の際に計画運休が決断されるか、という視点についてですが、ここで忘れては成らないのは北朝鮮ミサイル実験に際してのJアラート発令時の列車運行停止です。Jアラートでのミサイル警報、当方は沖縄那覇市内にてJアラートがスマートフォンから鳴り響く初めての経験に際して、なるほど21世紀なのだなあ、と妙に感心しました。

 空襲警報が個人情報端末に届いたぞ、と驚いたものですがミサイル実験が北朝鮮から本州上空を飛翔し太平洋側へ着弾する弾道経路が多発するようになりますと、Jアラートのミサイル警報にあわせて鉄道網が緊急停止する、という事例が散見されるようになりました。ここで前述の疑問が生じるわけです、有事の際に鉄道輸送は可能なのか、という疑問が。

 Jアラートが発令されても弾道ミサイルが快速電車を撃破したとか新幹線が破損した、という事例はありません、もちろん北朝鮮は核実験を継続し事実上の核保有国として認識されているため、弾道ミサイルであっても通常弾頭であれば精々中層ビルが全壊する程度の被害で収まりますが、核弾頭であれば15ktのものであってもかなり広範囲が破壊されます。

 15kt規模の核攻撃を仮定しますと爆発する高度にもよりますが、半径500m以内が致命傷を負い、熱戦被害は2000m圏内に、また爆風被害は更に外苑部に広がります。弾道に何を搭載しているのかは未知数であり、しかも実験なのか核による奇襲攻撃を実施しているのかは安易にレーダー情報から判別できるものではなく、万一を考えると停止は理解できる。

 特に高高度を飛翔するロフテッド軌道では不確定要素が大きくなる。ただ、わずかな危険でも鉄道会社は最大限の安全策を執っているのですね、一見は安全第一の美談とも見えますが、これでは輸送機関の使命を果たしていません。Jアラートでは数十分で安全確認が示されるのですが、本土有事の際、特に交通網が標的となり得た場合、どうなるのでしょう。

 JR各社は数週間単位の計画運休を実施し事実上交通が麻痺する懸念はないでしょうか。武力攻撃事態法では指定公共機関に協力を求められるとしており、そのなかにはJR各社も含まれています、法的に有事の際に自衛隊輸送を要請することは法的に可能なのですね。しかし鉄道網が危険にさらされた場合、鉄道会社はどのように運行維持するのでしょうか。

 鉄道会社への有事の際の脅威、これは必ずしも航空攻撃やゲリラコマンドー攻撃により鉄道施設が破壊されることを示すのではなく、万一の可能性が生じただけの場合も含め、JRは貨物列車で自衛隊の輸送支援に当たってくれるのでしょうか。安全が確認され次第運行、という部分が強調され事実上再開の見込みなし、という状態が続く懸念も否定できません。

 自衛隊が鉄道を実際にJRに代わって運行し維持する、若しくは自衛隊が出来なくともJR以外の協力企業をJRに代えて鉄道運行を行い、保線や復旧も行う準備を整える事は出来ないか、レーガン政権時代に空港職員ストで全米空港網が麻痺した際に空軍管制官を大統領令で動員、航空運航を維持したようできないものか、考えはします、が、難しいのですね。

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【G7X撮影速報】しらぬい横須賀初入港.春の横須賀軍港めぐり遊覧船乗船記(2019-04-06)

2019-12-22 20:10:39 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■吉倉桟橋の新鋭護衛艦群
 しらぬい、最新鋭護衛艦初入港の様子を横須賀軍港めぐりから撮影しました特集の後篇です。

 おおなみ。たかなみ型護衛艦です。停泊しているのは横須賀基地吉倉桟橋、鋭い駆逐艦然とした艦首と天を衝くマストが並ぶ吉倉桟橋、2019年4月6日の1500時便に乗船しました横須賀軍港めぐり遊覧船は吉倉桟橋の艨艟に春の陽光が輝かせる風情の陽射しでした。

 たかなみ型護衛艦、あきづき型護衛艦が並ぶ様子が見て取れます。艦番号の前に、たかなみ型が巨大な5インチ砲を搭載する艦、むらさめ型が3インチ砲を搭載しています。マストがラティス状ではなくモノポール型となっているものが、あきづき型護衛艦の特徴です。

 むらさめ型は9隻が建造され、たかなみ型は続いて5隻が、あきづき型は防空強化型として4隻が続き、あさひ型2隻の建造を以て20隻が配備されました。これは護衛艦隊を構成する4個護衛隊群の定数20隻を充足させたもので、ミニイージス艦とも呼ばれています。

 てるづき、たかなみ、おおなみ。DD-116てるづき、DD-110たかなみ、DD-111おおなみ、です。満載排水量でいずれも6000tを越える大型水上戦闘艦で、全世界どこに派遣しても第一線級で通用する艦、この日は土曜日で前日に一挙に帰港しました、と解説されました。

 ゆうぎり、あまぎり。DD-153ゆうぎり、DD-154あまぎり、共に護衛艦あさぎり型8隻の内の2隻です。むらさめ型に始る現行護衛隊群汎用護衛艦の前型にあたる第一世代汎用護衛艦で護衛艦隊第11護衛隊に所属し、建造開始の30FFM型が揃うまで、第一線に残る。

 あきづき型、たかなみ型、比較できる構図から。てるづき、の方がマストが低い分一見小型に見えますが基準排水量では一割以上、たかなみ型よりも大型です。板状のレーダーが、たかなみ型ではマスト上ですが、あきづき型は上部構造物と一体化しているのも相違点だ。

 きりしま、しらぬい、ときわ。DDG-174きりしま、はミサイル護衛艦こんごう型2番艦、DD-120しらぬい、は護衛艦あさひ型の2番艦、AOE-423ときわ、は補給艦とわだ型2番艦です。偶然とはいえ、不思議な事にここに並ぶ三隻はどれも各型の2番艦なのですね。

 しらぬい、最新鋭護衛艦です。大湊基地の護衛艦なのですが長崎で竣工して以来まだ一度も母港に入港せず横須賀に入港してこの日が二週間を越えています。故に撮れたのですが就役後の各種評価試験などを行う支援設備が横須賀にしかない、という事なのでしょうか。

 あさひ型護衛艦しらぬい就役を以て護衛艦隊護衛隊群所要の汎用護衛艦20隻の整備事業が完成しました。続いて掃海隊群配備用の30FFM/3900t型護衛艦22隻の量産が開始され、その終了後に、むらさめ型護衛艦の後継艦建造計画へと着手されることとなりましょう。

 きりしま、しらぬい、ゆうぎり、あまぎり、てるづき、たかなみ、おおなみ。逆光ですがこの日吉倉桟橋に停泊している護衛艦は実に7隻と護衛隊群定数の8隻に迫るものでした。ただ、一番大型の護衛艦きりしま、が端に停泊、ヴェルニー公園からはほぼ、みえません。

 いずも。逸見桟橋に停泊する巨大な護衛艦です。満載排水量27000tという海上自衛隊最大の護衛艦で二番艦かが、と共に現在、航空自衛隊へ配備予定のF-35B戦闘機搭載への改修計画が進められています。全長248m、ロナルドレーガンの333m程ではないですが、長い。

 逸見桟橋は、ひゅうが型護衛艦、海上自衛隊初の全通飛行甲板型護衛艦の建造に併せ大型護衛艦を接岸できるよう新設したものです。ひゅうが全長は198m、非常に大型ですが、いずも、はより長大です。いずも威容を眺めつつこの遊覧船は汐入桟橋へと入港しました。

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