無料送迎バス

　朝刊の折込広告を見て「凄いことをやったな」という驚きとともに、商売の厳しさを改めて感じる。八千代市の大型ショッピングセンター「フルルガーデン八千代」が、4月1日からユーカリが丘地区に無料のバスを運行する。

　ユーカリが丘にはスーパーイオンと専門店を集めたプラザがある。しかし規模の大きさではイトーヨーカ堂を中心にしたフルルが勝る。加えて宮ノ台地区の人はイオンや駅前で買い物をするのにも車かモノレールを利用するが、そのモノレールは高齢者や身障者に優しくない。

　高架を走るので6駅のうち3駅は階段を昇り降りしなければならない高い位置にあるが、エスカレーター、エレベーターはない。足の悪い高齢者は身体の不自由な人は利用できない。2丁目の一戸建て住宅から宮ノ台のマンションに引っ越した高齢者が、「買い物難民になった」とこぼしていた。

　この人たちにとっては便利なバスになる。最初から1時間に1本の12便も走らすのだから半端ではない。ユーカリが丘駅にこそ寄らないがモノレールの外側を1周する。停留所もユーカリ、宮ノ台だけで9ヶ所もある。

　殴り込みをかけられたようなイオンの打撃は大きいだろう。専門店も例えばダイソーでもフルルの店はイオン店内の5～6倍も広いから、品揃えでは勝負にならない。最終便はフルル発8時35分と早いが、それでもフルル周辺の飲食店で飲んで帰ることもできる。

　途中下車には制限があるのでユーカリが丘地区内の足にはならないが、食料品の買い物にも利用できる。さらにフルルには申し訳ないが、大きな買い物でなければジョイフル本田を利用することもできる。地元の商店を大事にしたい私には、素直に喜べない面もあるのだが―。