僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

同級生

2019年11月29日 | 日記
昨日、同級生の夢を見ました。

本堂を背にして、笑っていました。
学生時代と変わらない笑顔。

「俺とお前は、やっぱり気が合わないよな」
学生時代によく交わした言葉です。

気が合いそうで、会わない。
そんな関係でした。

そんな彼がこの世を去ったのは、4年前の12月30日。
心臓麻痺でした。

悲しみは月日とともに小さくなり。
いつしか、心の片すみに追いやられていきました。

{忘れたんでしょう?」
どこからか、そんな言葉が聞こえてきます。

奥様にお電話をしました。

「どうですか? 大丈夫ですか?]

もっと気の利いた言葉は言えないのか。
自分で自分が腹立たしい。

「昨日、〇〇君の夢を見ました。
 それで気になって・・・」

受話器の向こうから明るい声が聞こえてきます。
元気そうでよかった。

でも、そのうち声が震えてきて。
涙声に変わっていきました。

「月日が悲しみを癒していく」

それは、嘘だ・・・。

受話器を握りしめながら、
私は発すべき言葉を探しました。

「私・・・太ったんですよ」
泣き笑いの声に、僕まで笑ってしまった。

僕が気を使ってもらって、どうするの。

「こうして年を取っていくんですね」

受話器を置く直前の言葉が、耳に残りました。

来月は祥月命日。

「俺とお前は、やっぱり気が合わないよな」

お酒を飲みながら、そんな会話をしてみたい。
僕は、いつでも待ってるぜ。

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