僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

ナオキチの思い

2016年12月08日 | 日記
家内から、電話がありました。

 「ナオキチ(息子)に、電話してくれない。
  来年夏にある、修行が心配で、不眠症になっているって。

  情けないって、叱らないでよ」

そう念を押して、家内は電話を切りました。

まだ先のことなのに、なにがそんなに心配なのかな。
とにかく、ナオキチに電話をしました。

  なにが、心配なの?

 「・・・本山の朝勤で、人前でなにかさせられたり、
  変な人がいて、いじめられるとか、
  お寺に住み込みの人が、上から目線で接してくるとか。

  そんなことを考えていたら、眠れなくなる」

事前審査で一緒だった友だちは、春の修行に行くとのこと。
未知の世界に一人で行くのは、心細いと思います。

それに、情報だけが、ひとり歩きして、ありもしないことまで語られています。

 「それに、荒行に行くと、死ぬ人もいるって言うし・・・」

  オイ、オイ、いつの時代の話をしているんだよ。
  荒行は、志願して入るんだから、それなりに厳しいのは、当たり前。

  でも、君が行くのは、修行と言っても、お坊さんになる研修でしょう?
  荒行とは、次元が違うの。

夏の修行の参加者で、お坊さん生活経験者は、一握り。
後は、君と同じ、普通の学生。

できなくて、当たり前なんだって。

お坊さんとしての、知識を学ぶ所なんだから。
合宿と思いなさい。

夏の修行は、とても貴重な経験になります。

  夏の早朝、身延山の祖師堂に向かう。
  天台傘を頭にのせて、うちわ太鼓をたたく。

  坂の右手には、川のせせらぎ。
  僕の今日が、いま始まった。


あの情景を、僕は忘れない。

苦しいかもしれないけれど、一生の友だちを作って、一生の経験をしておいで・・・。

ナオキチ、頑張れ。



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