僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

「シンデレラ」 星降る街

2016年12月04日 | Wish
2002/12/06

 「シンデレラのガラスの靴は、本当にあったんだ」

ゲートをくぐった私は、そうつぶやきました。

先日、子供たちを連れて、ディズニー・ランドにいきました。
12月のディズニー・ランドは、平日のためか、ゲートをくぐる人の数は少ないように思いました。

しかし、入場したとたん、私はその場に立ち尽くしました。

目の前に広がる、夢の世界。
大きなクリスマス・ツリーが、イルミネーションに飾られて、私たちをやさしく見つめていました。

 「叔母たちに虐げられていた、シンデレラ。

  そんなシンデレラの前に現れた魔法使いは、魔法の杖を一振りします。
  
  魔法をかけられたシンデレラは、美しいお姫様になって、かぼちゃの馬車に乗り、王子様の待つ舞踏会にいきました。」

その魔法の杖は、私たちを誘うかのように、奥へ奥へと進んでいきます。

クリスマス・パレードが目の前を通り過ぎていきました。
ミッキーやミニーが踊っています。

一緒に踊る、子供たち。
そして、微笑む両親の姿・・・。

ふと、私の脳裏にある情景が浮かびました。

昨年の12月、池田小学校で犠牲となった児童の父親が、一枚の写真を携え、ディズニー・ランドを訪れました。
子供との約束を果たすため、ひとつでも多くのアトラクションに乗り、パレードを見つめていました。

あの父親のたたずんでいた場所に、今私も立っている。

目を凝らすと、ミッキーマウスにあわせて、一生懸命手を振る子供たちの姿がよみがえってきました。

たとえ、一夜の夢でもいい。
幻想の世界でも、かまわない。

どうか、時間よ。
このまま止まっておくれ・・・。

シンデレラ城に、忘れ物をした子供たち。
ガラスの靴を持った召使が、今生きている、そして天国にいる、すべての子供たちのもとに訪れますように・・・。

夕闇の中、美しい灯りを着飾った、シンデレラ城。
その光景を、私はいつまでも見つめていました。

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