「第5回 地面出し競走 WORLD CUP 2014 in 肘折」
いよいよ開幕です。
会場の元肘折小中学校グラウンドには、
全国から参集した精鋭(?)34チーム(1チーム6名)が
スコップやスノーダンプを持って結集。
栄光の金のスコップを目指して、
地面出しの速さを競います。
「(昨夜の)前夜祭で、地面出しのテクニックに関する
マル秘情報がとうとう流出してしまった。したがって
今回は地元のみならずどこのチームが優勝するのかまったく分からない」
というような思わせぶりな会長挨拶で開会しました。
競技はまずソリンピックから始まります。
ソリは何かと言いますと、
特設大蔵山シャンツェから1チーム2名が一人ずつソリで滑降して、
その滑った距離の長さ順で、地面出しをする場所を決めるものです。
ちなみに大蔵山シャンツェとは、
体育館の屋根から滑り落ちた雪が溜まった天然の斜面なのでした。
けっこうな急斜です。
わが「焚火研究会ホリターンズ」の滑走者はユージとイッセイ。
なんとイッセイは坂の頂上でやおら衣服を脱ぎ捨て、
ポーズを決めて上半身裸のまま滑走して喝采を浴びていました。
(photo by イーノ)
そのためアナウンスされたチーム名は、
「チームらぞく」ってソリは何じゃい!
残念ながら滑走距離はイマイチで34チーム中27番目なのでした。
滑走距離の長い順に掘る場所を決めました。
ちなみに掘る場所の決め方としましては、
地面出しを報告する審判員まで近いか、
掘り上げた雪の排出スペースの有る無しなどを
考慮して決めるそうなのですが、よく解からん。
掘る場所の周りにスノーダンプ2台とスコップ4丁を刺して、
いったん選手は枠外のスタートラインに並びます。
号砲一発、選手はルマン方式でダッシュして
地面出しの陣地まで新雪を漕ぐのです。
競技が始まりました。
最初はスノーダンプ2台で表面の雪を少し大きめに掘ります。
私はその係りだったのですが、
スタートダッシュを張り切りすぎてしまって
陣地に到着したときには心拍数が上がりすぎてしまって
(ネイティブに言うと「こうぇぐでこうぇぐで」)
スノーダンプのハンドルを持つ手が定まらなくて困りました。
ある程度掘ると、今度はスコップ隊が掘り始めます。
現場に入れるのは6人中4人です。
作業は交代交代で行います。
(photo by イーノ)
次第に段階上に掘り進み、
1番坑(?)の作業者が掘り上げた雪を、
2番手、3番手の作業者が排雪します。
チームワークが大切です。
中盤の層からはざら目雪が出てきました。
先月よく降った雨の影響で、地面の雪が締まったのです。
と本部から早くも法螺貝の音が鳴り響きました。
開始からわずか8分弱、
優勝チーム地面掘り出し終了の合図です。
「えっ!もう!早すぎ」
それからは次々と法螺貝が・・・・
「もう少しだぞ」
しかし穴が狭くなるにつけ、
スコップをうまく傾けることが出来ないために、
なかなか効率良く底の雪を掻き出せません。
最後はショーホが剣スコを突き刺して、
ついに肘折の春を掘り起こしました。
3m45cm下の地面の土くれをリレーして上に上げて
最後はイッセイがチーム名のプラカードと一緒に
審判長までダッシュして、晴れてゴールインとなりました。
やったー!疲れたー
順位は17番目だから参加チーム中真ん中でした。
タイムはいったい何分だったのでしょうか。
掘った穴最深部は上から見るとこんな感じ。
こちらが優勝したチーム「ラブスノー」の竪穴。
なんと人数はたった2名。
いかに効率よく最適な大きさの穴を掘り、
効率よく雪を掘って、その雪を上げて地面を出したか分かります。
係員がスタッフを使って、あちこちの穴の深さを計測していました。
やはり当初の発表どおり、3m50cm程度でしたね。
こんなに深く掘って皆さんお疲れ様でした。
1時間以内には34チームすべてが地面を出したようです。
最後に「焚火研究会ホリターンズ」メンバー記念撮影です。
マツウラさん、ショーホとユージのサトウ兄弟、
ベテランのイーノ、そして私とイッセイ。
皆さんどうもありがとう。
(photo by ジュン)
さて春を掘り出して、いい汗をかいたら温泉です。
肘折いで湯館からは昨年開通した「希望(のぞみ)大橋」がよく見えました。
そして風呂上りに食べたのが、「のぞみラーメン」。
希望大橋を模したデコレーションに大箸(大橋)が付いてきます。
おいしかったですよ!
全国有数の豪雪地帯として名をはせる大蔵村肘折温泉。
真冬に訪れたのは何年ぶりだったでしょうか。
やはり別次元別世界でした。
美しくもあり恐くもあり。
そのハンデともいえる大雪を使ったとてもユニークなイベント、
地面出し競走。
このイベントが多くの人に愛されて、
これからも長く続くことを願います。