福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

2段階のマウスピース矯正治療

2020-06-03 | 歯並び、矯正の話

最近はマウスピース矯正の患者さんの割合が増えています。
固定式のワイヤー装置、マルチブラケットの例が基本多いのですが、成長発育期でマウスピース装置で効果的な患者さんも結構いるわけです。
当院ではプレオルソというマウスピース装置を使用していますが、以前は効果的なマウスピース装置がなく、小学生中頃に歯並び噛み合わせに問題があっても生え変わるまで待つ場合が多い状況でした。





この患者さんも小学校中ほど。前歯のみ永久歯に生え変わっている時期です。
噛み合わせ深く、上の前歯が出っ張り、下唇を噛むような癖があり、お口ポカンです。
鼻閉が強いわけではなく、習慣的口呼吸です。
また、前後の噛み合わせ的には下が後退した状態です。






上の前歯が前傾して歯並びの形がV字型、下の前歯は内側傾斜で若干デコボコ、歯並び形態はスクエア。
上下の歯並び形態の不調和があります。
このような患者さんは過去のブログでも紹介しましたが、結構少なくありません。
同様な傾向がある患者さんは、通常1〜2年ほど待って生え変わりの後半からスタートします。
この患者さんでは、口呼吸や癖を続けることで症状が悪化するのが心配です。
そこで、やや早めにマウスピース装置使用をスタートすることにしました。
1年弱ほどの使用で前歯の状態は改善すると思います。ただし奥歯部分が生え変わる時期に噛み合わせが深くなるという、ある種の後戻り状況が予測されます。
第1段階終了後、暫く休憩して、ゴールとしては全て永久歯に生え変わって、さらに12歳頃に第2大臼歯が出て噛み合う時期です。
この時期から逆算して1年くらい再使用で、後戻りの少ない安定した歯並び噛み合わせになると考えています。
数年にわたって、中断なく使用してもらうのも良いかも知れませんが、装置の劣化でリニューアルする必要も出てきます。そのぶん追加費用が発生します。
そこを考えるとメリハリをつけ、口が閉じやすくなる前歯の移動の第1ステップ、歯並び噛み合わせを安定させる第2ステップが良いかと考えています。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

コメント
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