evergreen の ふぃ~るど・のおと

~「ふるさと」の自然やくらしのなかで 気になる話題につぶやいてみる~

ホーク・ウォッチング

2022年08月28日 | Weblog
毎年8月の週末はひとり山の中で過ごすことがルーティンとなって久しい。目的は猛禽類の観察で、特にハチクマという道北では数が少ないタカの出現を日がな一日待っているのである。8月末はもし繁殖が成功していれば幼鳥の姿も見られる期待もあるからだ。先週までは親鳥は数回確認できたが、ここ数年は幼鳥は出ていない。ハチクマは猛禽類の中でも長距離の渡りをするタカで秋から春はインドネシアやマレーシアなどの東南アジアで過ごすが、行動形態がハッキリと解明されていない種のひとつらしい。その不思議さや飛ぶ姿の美しさからすっかり虜になってしまった。今日は遠方へ渡る前の最後のチャンスとばかり早くより準備を済ませた。果たして結果は? うれしいことに2羽の幼鳥と親たちの計4羽が秋空をゆっくりと飛翔する姿を確認できた。親たちはこどもらを徐々に遠くへと誘っているかのように大きな弧を描きながら高度を上げていたように見えた。『60歳からのホーク・ウォッチング』(茂木一男/幻冬舎ルネッサンス/2011年)にもあるように猛禽類の観察ほど効率の悪いものはない。その出現は多くが数時間に1度であり、それも数十秒観察できればよいほど。けれど、普段忙しなく暮らしているわが身であっても、こんなゆっくりとしたワクワクの時間が過ごせることに大きな幸せを感じている。(藤井)
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夢を持つのは?

2022年08月18日 | Weblog
昨日の新聞は元たくぎん総研会長の石黒直文氏のご逝去を伝えていた。今から二十数年前になろうか、教育委員の新任研修会で全道から集まって聴いた講演会の講師が石黒氏だった。これまで多くの講演会やフォーラムなどに参加してきたが、これほどまでに心を打たれた話はなかった。氏は本題に入る前に参加者に問うた。今の自分の状況をどう捉えているのか? 幸福なのか?まあまあ幸福なのか?それとも少し不幸なのか?はたまた不幸のどん底なのか?。表現は目をつぶり手を挙げるのだが、自分を含め9割以上の者がまあまあ幸福だ、を選択した。その9割の多数には次の質問が飛んでくる。ではあと何があれば「幸福」になれるのか?・・・即座に思いつかない。お金と答えた人がいた。するとそれはいくらだ?と問われる。そのお金で何をしたいのかもわからない。けれども何かが足りないと感じているから「まあまあ」を選んだのだ。氏はこう続ける、足りない何かさえわからない大人たちがどうして子どもたちに「夢を持て!」などと簡単に言えるのだろうか? 今でも当時のこの話は忘れられない。心からご冥福をお祈りします。 
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