evergreen の ふぃ~るど・のおと

~「ふるさと」の自然やくらしのなかで 気になる話題につぶやいてみる~

豊かな川

2018年07月24日 | Weblog
陽のあたった川底に数百を数えるほどの黒い二枚貝が散りばめられている。これらはカワシンジュガイと呼ばれるもので、黒いからなのかカラスがよく食べるからなのか分からないが、地域では一般にカラス貝と言われている。なじみ深い貝なのだが、近年急激に数を減らしているらしく、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種にさえ指定されている。メスから産卵された幼体は一時サクラマスなどのエラに寄生し、稚貝に変態後エラから落ちて成長するといった複雑な生態を持ち、個体によっては100年も生きるという。このマチの川では決して珍しいものではないが、これほどの数に出会ったのは初めてのこと。豊かな川の生態系が維持されているといった裏付けにもなるのだろうか、嬉しい気分になった。(頓別川・弥生)
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ローカルベンチャー

2018年07月09日 | Weblog
この秋の完成を目指しエゾシカの食肉加工施設の建設が進められている、といっても建て主が一人で内装工事を行っていた。本人がどうしてもできない部分だけ業者や知人のサポートを受けているようである。その事業主はマチへ移住した頃から有害駆除されたエゾシカの分解処理に対して疑問を抱き、銃の狩猟免許を取得した。個体数の管理といえど、森に生まれた命をまるでゴミを減らすかのような処分ではなく、その恵みを可能な限り有効に使うしくみを実践しようという試みだ。都市を中心とする近年のジビエブームにも呼応するプロジェクトで、まさにローカルベンチャーである。昨年は町に事業の支援を申請したが途中で取り下げた。詳細な経緯は承知しないが、得てして新しいビジネスは周囲に理解されないことが多い。言い換えるなら自治体や地域が理解できる範囲に押し込めていくとこのようなベンチャーは生まれないのかもしれない。「人」が起点となる地域づくりのシステムを作り上げることがこのようなプレーヤーを生んでいくとすれば「足りない何か」を埋めていく必要もある。(藤井)
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放牧酪農の未来

2018年07月02日 | Weblog
北海道を象徴する景色のひとつが、乳牛の放牧風景であることに異論はあるまい。特に初夏、つながれていた牛舎から放たれ、ゆっくりと若草を食む姿は見ていて気持ちがいいばかりでなく、牛乳はこのような景色が育んでいると想像できるから楽しい。ところがこの放牧風景が近年滅多に見られなくなっている。理由は、穀物を主とする栄養価の高い飼料がふんだんに与えられる舎飼いが中心となり、放牧する手間を省く傾向になってきたことらしい。確かに本州での生乳生産の落ち込みを北海道で補うことを使命とする背景で、乳量生産の拡大による収入増を狙う方向は理解できるし、止まらない離農の現状を多頭化で賄うためには経営の効率化・法人化はやむを得ない選択だろう。けれど、大規模経営が多い道東などと違い、当町の地勢は山間部が中心となるため粗飼料が主体の放牧酪農に向いているともいえる。ここ数年新規就農した酪農家たちは地域特性に合った経営を行い成果を上げている。あくまでも地域全体のバランスが重要であることには違いないが、メガファームだけが課題を克服する手段ではないことを彼らが証明してくれると信じている。(松音知)
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