いーなごや極楽日記

極楽(名古屋市名東区)に住みながら、当分悟りの開けそうにない一家の毎日を綴ります。
専門である病理学の啓蒙活動も。

臍肉芽腫(さいにくげしゅ)

2006年08月25日 | 極楽日記

 新生児の臍の緒(臍帯、さいたい)は不要になると臍の付け根から脱落するようになっています。だから、「産院の切り方が下手で出べそになった」とか言われるのは誤解です。

 ところが、役目が済んだはずの臍帯の一部が、枯葉がいつまでも落ちないように生きて残っていることがあります。小さな肉塊のような組織が臍の奥に食い込んで、体から栄養を受けて生き延びるのです。これが臍肉芽腫と呼ばれる異常で、この遺残組織は皮膚に被われていないため、じくじくと体液が漏れてきます。

 こうなると臍がいつも汚れているし、わずかとは言え皮膚がないので細菌に感染しやすくもなります。急ぐ必要はありませんが、処置しないといけません。

 極楽息子(小)の臍が、毎日の観察で臍肉芽腫とわかりましたので、小児科で処置してもらいました。遺残組織の部分は痛みを感じないので、ピンセットで摘まんで取り、残りを硝酸銀で焼くだけ。銀粒子が沈着して、臍が黒ずんでしまいましたが、泣きもせずに治療は終了しました。表皮の色素沈着は、細胞のターンオーバーにより消えるはずなので気にしないことにします。写真は処置後でガーゼを当てているので、病変はわかりません。

 本人は何があったのかわかりません。いつもと同じように遊んでもらっています。
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