知らなかったためにもっともらえるはずだった障害年金<会社を辞める前に健康診断を>
前回同様、障害年金の支給基準の3つの要件について、述べておきます。
1、障害の原因となった病気やけがの初診日が、原則として国民年金又は厚生年金保険の被保険者期間中にあること(被保険者要件という)
2、初診日の前日までに原則として一定の保険料納付要件を満たしていること(保険料納付要件という)
3、障害認定日において、障害の程度が政令に定める一定の基準以上(1級・2級・3級として、説明したところです。)にあること(障害認定日要件という)
なお、「障害認定日」とは、障害の程度を認定する日の事です。「障害認定日」は、原則として「初診日から1年6か月を経過した日」または「1年6か月以内にその病気・けがが治った日(=症状が固定して、治療の効果がこれ以上期待できないこととなった日)」のことを、この日に障害の程度を判定するので、障害認定日としています。
「障害年金のヒント」の本の中で、長年の会社勤務が年金に反映されなかった男性が出てきます。サラリーマンとして、長年の間勤めてきたBさんは、その長年の間、同じ期間について、厚生年金に加入していました。老後の余暇を妻と有意義な時間を過ごすため、定年前の早期退職という道を選びました。ところが、退職後、すぐに脳梗塞で倒れて、リハビリの甲斐なく、妻の介護が必要になってしまいました。
この場合、倒れて担ぎ込まれた日が、初めて病院にかかった日ですので、この日が初診日となりますが、このとき、加入していた年金が、国民年金なのか、厚生年金なのかで年金支給額は、大きく違います。
彼の場合、会社を辞めてしまっていますから、加入していた年金は、国民年金です。国民年金の障害年金(定額部分)の2級は、月6万5000円程度ですが、会社勤めの場合、厚生年金ですとこの定額の年金6万5000円に加え、会社でもらっていた給料に比例した年金額(報酬比例部分)が月10万円が支給されたとのこと。
ところが、このような例に加え、全くやるせないような例があるようです。それは、忙しさから病院にいく暇がなく、退職してから病院に行ったがために、初診日が国民年金加入時になったという例が少なくないとのこと。この場合、「障害年金」の制度を知っていれば、多くはもっと早く受診して、厚生年金加入期間に病院に駆け込んでいたはずです。どうせ退職したら病院に行く暇はあるのだからと放っていたのが一生金額は違う年金を受給することになったというわけです。
このように、辞めてからの初診日では、厚生年金という報酬比例部分、すなわち長年勤めていた部分は年金に反映されないのです。
私の先輩は、辞める前に綿密な健康診断をしていた方もいますが、辞めてからすぐに倒れるよりは、もしもその健康診断で異常が指摘されたら、その時が初診日ですから、厚生年金で見てもらえます。確かに、健康診断ですから、年1回行う会社の健康診断と違い、全額自己負担となりますが、そのことの損得勘定よりも、もしもの場合を考えて、健康診断を受けておくのも一つの自己防衛かもしれません。
もちろん、会社を辞める前に、すでに体の異常を感じているのであれば、健康診断ではなく、健康保険証の使える病院受診を考えてください。健康保険証を使っての受診は、会社を辞めてからの「国民健康保険」と働いているときの「健康保険」では、最近では、一般的には3割の自己負担ですので、そのときの負担額には違いはありませんが、もしも後遺症を残した場合の「障害年金」の額には、一生ものの大きな支給額に差が生じてまいります。会社を退職する前に、健康診断を受けておくことが、障害年金をもらうことになった場合に、厚生年金という働いてきた分に比例する年金をもらえることにつながるのです。
参考;「障害年金というヒント」(三五館発行)中井宏監修
⇒ <障害年金という最強の社会保障~第2回NO.2へ>
⇒ <障害年金という最強の社会保障~第1回NO.1へ>
⇒ <障害年金という最強の社会保障~第4回NO.4へ>
⇒ <障害年金という最強の社会保障~第5回へ>
⇒ <障害年金とカルテの保存期間>
前回同様、障害年金の支給基準の3つの要件について、述べておきます。
1、障害の原因となった病気やけがの初診日が、原則として国民年金又は厚生年金保険の被保険者期間中にあること(被保険者要件という)
2、初診日の前日までに原則として一定の保険料納付要件を満たしていること(保険料納付要件という)
3、障害認定日において、障害の程度が政令に定める一定の基準以上(1級・2級・3級として、説明したところです。)にあること(障害認定日要件という)
なお、「障害認定日」とは、障害の程度を認定する日の事です。「障害認定日」は、原則として「初診日から1年6か月を経過した日」または「1年6か月以内にその病気・けがが治った日(=症状が固定して、治療の効果がこれ以上期待できないこととなった日)」のことを、この日に障害の程度を判定するので、障害認定日としています。
「障害年金のヒント」の本の中で、長年の会社勤務が年金に反映されなかった男性が出てきます。サラリーマンとして、長年の間勤めてきたBさんは、その長年の間、同じ期間について、厚生年金に加入していました。老後の余暇を妻と有意義な時間を過ごすため、定年前の早期退職という道を選びました。ところが、退職後、すぐに脳梗塞で倒れて、リハビリの甲斐なく、妻の介護が必要になってしまいました。
この場合、倒れて担ぎ込まれた日が、初めて病院にかかった日ですので、この日が初診日となりますが、このとき、加入していた年金が、国民年金なのか、厚生年金なのかで年金支給額は、大きく違います。
彼の場合、会社を辞めてしまっていますから、加入していた年金は、国民年金です。国民年金の障害年金(定額部分)の2級は、月6万5000円程度ですが、会社勤めの場合、厚生年金ですとこの定額の年金6万5000円に加え、会社でもらっていた給料に比例した年金額(報酬比例部分)が月10万円が支給されたとのこと。
ところが、このような例に加え、全くやるせないような例があるようです。それは、忙しさから病院にいく暇がなく、退職してから病院に行ったがために、初診日が国民年金加入時になったという例が少なくないとのこと。この場合、「障害年金」の制度を知っていれば、多くはもっと早く受診して、厚生年金加入期間に病院に駆け込んでいたはずです。どうせ退職したら病院に行く暇はあるのだからと放っていたのが一生金額は違う年金を受給することになったというわけです。
このように、辞めてからの初診日では、厚生年金という報酬比例部分、すなわち長年勤めていた部分は年金に反映されないのです。
私の先輩は、辞める前に綿密な健康診断をしていた方もいますが、辞めてからすぐに倒れるよりは、もしもその健康診断で異常が指摘されたら、その時が初診日ですから、厚生年金で見てもらえます。確かに、健康診断ですから、年1回行う会社の健康診断と違い、全額自己負担となりますが、そのことの損得勘定よりも、もしもの場合を考えて、健康診断を受けておくのも一つの自己防衛かもしれません。
もちろん、会社を辞める前に、すでに体の異常を感じているのであれば、健康診断ではなく、健康保険証の使える病院受診を考えてください。健康保険証を使っての受診は、会社を辞めてからの「国民健康保険」と働いているときの「健康保険」では、最近では、一般的には3割の自己負担ですので、そのときの負担額には違いはありませんが、もしも後遺症を残した場合の「障害年金」の額には、一生ものの大きな支給額に差が生じてまいります。会社を退職する前に、健康診断を受けておくことが、障害年金をもらうことになった場合に、厚生年金という働いてきた分に比例する年金をもらえることにつながるのです。
参考;「障害年金というヒント」(三五館発行)中井宏監修
⇒ <障害年金という最強の社会保障~第2回NO.2へ>
⇒ <障害年金という最強の社会保障~第1回NO.1へ>
⇒ <障害年金という最強の社会保障~第4回NO.4へ>
⇒ <障害年金という最強の社会保障~第5回へ>
⇒ <障害年金とカルテの保存期間>
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