元・還暦社労士の「ぼちぼち日記」

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職場研修の理論・その3~「リーダーシップ論」<情・知の管理の例>豊臣秀吉(続き)

2011-09-02 03:53:40 | 社会保険労務士
 「情の管理・知の管理」の知の管理の例です (童門冬二著「名将に学ぶ人間学」三笠書房から)

 情と知をうまく組み合わせて天下を取ったのが、豊臣秀吉であるといいました。天下を取ってからは、狂ったようになったといいましたが、それにはNO.2の存在もあるようです。リーダーも人間、ときには間違った方向へ導くこともあるかもしれません。そのとき、NO.2が諫言すること、いさめることも必要ですが、これを行うことは難しい。「あいつめ」ということで左遷されることだってある。そのときに、せっかく諫言してくれる部下を、どう上が考えるかは、その上役の器量、度量にもよります。豊臣秀吉には、弟である、よき相談役でもあった豊臣秀長という人物がいたのですが、秀吉の朝鮮出兵の前年には、秀長は亡くなっています。

 さて、童門冬二氏の「名将に学ぶ人間学」では、情の管理の一面が出てくる。(以下、一部途省略して、同書からの引用です。)

 秀吉の「長短槍試合」は有名だ。ある正月、部下と酒宴を張った信長が、「一体、槍というのは長いのが得か、短いのが得か?」と聞いた。槍術教師の上島某は、短い槍の方が得だといったが、秀吉は長い方が得だといった。議論ではらちが明かないので、信長は「2人に足軽を50人ずつ与えるから、3日間に訓練して、俺の前で試合しろ」と命じた。以後、3日間、上島は50人の足軽をばらばらにし、一人ひとりに槍術を教え込んだ。せっかくの集団を、彼は50人の1単位にしてしまった。

 これに対し、秀吉は槍のけいこなんかしなかった。彼は3日間、足軽に飲ませたのである。自宅での酒盛りをやった・・・とある。

 によれば、自宅というのは、次のような効用があるという。1、自宅が大小にかかわらず、それなりに呼ばれた者は極力好意的に解釈する。2、信頼感の発生 3、秘密を覗いた気分になり、以後何かあると上役の防壁的役割を務めるようになる とのことである。

 彼は自宅で妻のねねとともにごちそうぜめにした。槍のはなしなどしなかった。上島側の足軽が、コテンコテンに鍛えられ、ののしられて殴られて、身体中あざららけになっているのを知っていた。そして、そのことが足軽たちのやる気を失わせ、嫌なことを強制されているという感だけが募っている、ということも知っていた。つまり、上島の足軽は、試合前から試合を放棄したのと同じくらい、士気を下げていたのである。秀吉は、日常劣位にあると思い込んでいる層に、そういった、いきなり高圧的な態度で臨まず、何のために飲ませているのかもさとらせなかった。秀吉が3日間やったのは、現場員への溶け込みだった。

 こういう秀吉の態度に、足軽のほうが自分たちから「このままでは負けてしまいます。せめて槍の持ち方だけでも教えてください。」と言い出した。つまり、強制された形ではなく、自分たちで「やる気」を生んだのである。この試合は秀吉側が勝った。槍の長い短いなど、はじめから関係なかったことは言うまでもない。としている。(以上「名将に学ぶ人間学」から一部省略等して引用)

 このように、秀吉は、持って生まれた運もあるだろうが、人の機微を理解し、情の管理と知の管理をうまく行っていたといえるのです。しかし、私は、この話は、情の管理というよりは、一面では、むしろ計算しつくされた「知の管理」のような気がするのですが、いかがでしょうか。




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