ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『2006 無人島に行くならこの10本』

2007-01-03 16:00:16 | 映画
----ようやく「一年を振り返って…」だね。
確か去年は1月2日と5日に、
2回に分けてやったんだったよね。
今年はどうするの?
「どうしようかな。
ノラネコさんが「2006 Unforgettable movies」として
あまりにも見事にまとめてあって、
少し出遅れてしまったなと、
正直、アセっているんだ。
ということで、今年は思いっきり
自分勝手に選んでみようかな」

----いつも自分勝手じゃない(笑)。
「まあ、そう言わない(汗)。
で、今年は
『2006 無人島に行くならこの10本』。
もし10日間、無人島に閉じ込められるとしたら、
2006年に公開された映画の中から、
どの10本を持っていくか?」

----ニャるほど。それが自然とベスト10になるわけだ。
「そういうことだね。
さてその選択基準だけど、
にゃんこさん「黒猫のうたた寝」に倣って言えば、
最低条件は<うたた寝指数ゼロ>。
まずはこれをクリアしなくてはね」


●1日目●『ラブ★コン』

----いきなりこれニャの?みんな引いちゃうよ。
「この映画のオモシロさは観た人にしか分からないよ。
一見、おふざけに見えながらもぎりぎりでセーブ。
映画をいかにしたらオモシロく伝えられるかに心砕いている。
しかもその奥には、青春の切なさ、ほろ苦さが……。
独りよがりになっていないところが好きだな。
あっ、コメディでは
『赤ちゃんの逆襲』もオススメ」


●2日目●『隠された記憶』

----また、全然違うタイプの映画を持ってきたね。
「これは、『映画史上に残る衝撃のラスト!』と言われたけども、
スルメのような映画。
ぼくなんか自分勝手にラストを解釈したけど、
あかん隊さんを始めトナヒョウさん睦月さんなど、多くの方たちが
そのラストについて、さまざまな意見を寄せてくれた。
おそらく観るたびに謎が深まっていく映画だと思うね。
ちょっと次元は違うけど『unknownーアンノウンー』『ハードキャンディ』
それに『カクタス・ジャック』も、
製作側と観客の間でバトルが行なわれる映画だったね」


●3日目●『16ブロック』

----おおっ。ハリウッド・メジャーに針が振れたね。
「やはりベテランの力はあなどれないね。
同じアクションでも、その中にドラマがあって
次の展開を期待させる。
単なるドンパチには終わっていないんだ。
ハリウッド大作では他に
『パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト』
バスター・キートンの復活を思わせ、ジョニー・デップならではの映画に。
『M:i:III』も新しい才能を感じさせてくれたと思うよ」


●4日目●『フラガール』

----これは、昨年の映画賞を総ナメにしているよね。
「そうだね。『ゆれる』と、どちらがくるかと思ったんだけど、
やはりこの不況の時代にはこの映画の方が
より強い力を持って観る者に訴えかけてくる。
『いつまでも時代を怨むなかれ。新しい一歩を踏み出そう』とね」


●5日目●『ナイロビの蜂』

----おっ。これを入れるとは思わなかったニャ。
『武士の一分』とどっちにするか、
同じ<夫婦愛>が下敷きになっているだけに迷ったんだけど、
これも現代に生まれた必然性、
そしてミステリーのオモシロさで『ナイロビの蜂』となったわけ。
あっ、ここに『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』を加えてもいいかな」


●6日目●『ホテル・ルワンダ』

----そうそう。これを入れないわけにはいかないよね。
今年は社会派映画が多かったでしょ。
けど、フォーンもこれがいちばん衝撃的だったニャ。
そう言えば9.11の映画も何本か生まれたよね。
「うん。
その中では『ユナイテッド93』がヒロイズムに走ることなく、
個人が最後まで生きようとする意志、
その強さを描いていて胸に響いたね。
日本映画では少年犯罪を取り上げた
三池崇史監督の『太陽の傷』
この描き方には一縷の妥協もなかった。
でも、ぼくは次の映画の方がタイプだ」


●7日目●『さよなら、僕らの夏』

----やっと出てきたね。「青春映画が映画だ」が、えいの持論だものね。
「そうだよ。
これは裏『スタンド・バイ・ミー』と呼びたくなるほど、痛切な青春映画。
甘いノスタルジーを期待すると、
とんでもない火傷を負うことになる。
その点、『夜のピクニック』なんかは、
安心して観られる青春映画だったね。
逆に痛い痛い青春を描いたのが『ブロークバック・マウンテン』
愛した相手が同性だったことから迎える悲劇。
この映画で泣くとは、観る前は思いもしなかった」


●8日目●『キンキーブーツ』

---またコメディに戻ってきたね。
「これも元気をくれる映画だからね。
『プラダを着た悪魔』も悪くないけど、
涙をたっぷり流したいならこっち」


●9日目●『虹の女神 Rainbow Song』

---いかにも、えいらしい(笑)。
映画を描いて、ノスタルジーで、しかも泣ける……。
三拍子そろってる(笑)。
「これにはやられたね。
かつての8ミリ少年にはたまりません。
上野樹里も、あ~あ、あの頃こんな女性いたなって感じ。
映画って理屈じゃないと改めて思ったのが
この『虹の女神』」


●10日目●『リトル・ミス・サンシャイン』

---おおおっ。これを仕上げに持ってくるか。
「だから何度も言っているように、
笑って、泣けて、元気をくれる映画がぼくのベスト。
『スパングリッシュ・太陽の国から来たママのこと』
『単騎、千里を走る。』
『グエムル/漢江の怪物』『母たちの村』
『ヘンダーソン夫人の贈り物』と、
今年は家族をキーワードにした映画が多かったけど、
その中でもこれがベスト。
勝ち組負け組が声高に叫ばれる時代にあって
それぞれが個性を持って生きることの素晴らしさを、
ロードムービーの楽しさの中に描いてくれる」


---あらら。あっさり終わったね。
『太陽』とか『硫黄島からの手紙』は?

「まさか、これらを無人島に持っていこうとは思わないでしょ?
そうだね、たとえば『宇宙人に見せる10本』……
いや、これも違うな。
地球人って変!と思われるだけかもね」


フォーンの一言「つまり、えいの
日本映画ベストワンは『虹の女神 Rainbow Song』
外国映画ベストワンは『リトル・ミス・サンシャイン』のようです」身を乗り出す

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