ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『旅するジーンズと19歳の旅立ち』

2008-07-31 17:00:33 | 新作映画
※ラストの映像について触れています。
カンの鋭い方は鑑賞ご予定後に、
お読みいただくことをおススメします。


(原題:The Sisterhood of the travelingpants2)


----これってもしかして『旅するジーンズと16歳の夏』の続編?
「うん。あの映画は、一部でとても人気を集めたからね。
続編が生まれてもおかしくはないと思うよ」

----でも、公開が急すぎニャい?
しかも封切り日が土曜日でなく水曜日。
「確かに急だね。
あまりの猛暑で出すなら今ってことかな?
だからかどうか、
プレスらしいプレスもできていない。
で、記憶を中心にシノプシスの紹介。
設定は大学生になった4人の夏休みのお話。
○カーメン(アメリカ・フェレーラ)/母が妊娠し実家での居場所がなくなる中、
バーモントのシアターフェスティバルで裏方の仕事をする彼女は、
そこで演技の才能を注目される…。
○ティビー(アンバー・タンブリン)/ニューヨークにとどまり、
映画の仕事の道を進もうとする彼女は、
ブライアントの関係を深めるが
妊娠の心配に苛まされる…。
○ブリジット(ブレイク・ライブリー)/“母親の死”の哀しみから立ち直れない彼女は、
遺跡採掘のためトルコへ。
その帰途、長年会っていなかった祖母の元へ向う…。
○リーナ(アレクシス・ブルーデル)/サントリーニ島にいる初恋の相手コスタスが
結婚することを知った彼女は、
傷心の中、デッサンのヌードモデルをするアーティスト志望の学生に出会う…」

----確か、この映画って
不思議なジーンズがキーだったよね。
誰が履いてもピッタリ…。
「それがね。前回ほど活躍しないんだ。
次の人に送っても不在で戻ってきて、
順番が変わったりとか…。
でも、最後の方でその理由が分かってくる。
ある意味、ジーンズはその“役目”を終えていたんだね」

---えっ、もう幸福をもたらしてはくれないの?
「まあ、後は観てのお楽しみってことで。
でも、このラストが素敵な映像で終わることは言ってもいいかな。
アルチュール・ランボーと言うか『気狂いピエロ』と言うか…」

----空と海が溶け合う…だっけ?
「しっ。言いすぎたかな(汗)」

           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「暑いニャあ。フォーンもどこかでのんびりしたいニャ」もう寝る

※いいラストだ度
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『言えない秘密』

2008-07-29 21:53:47 | 新作映画
(原題:不能説的・秘密)


「うわあっ。どうしよう。
いまオフィシャルを見たら
『この秘密は決して明かさないでください。』と書いてある。
となると、何も喋れなくなっちゃう」

----えっ、そんなにスゴい秘密ニャんだ。
あの『シックス・センス』みたく…。
ジェイ・チョウ、初監督にしてやるニャあ。
「いや、そんなこともないんだけどね。
ただ、途中までは
『これは結局、ゴーストストーリーだな』と
決めつけて観ていたものだから、
ははあ、そうきたか----とね」

----う~ん。どういうこと?
予告観た限りだと、
韓流によくある“別世界に住むもの同士の恋”みたいだけど…。
「う~ん。
どこまで喋っていいんだろう。
転校生のシャンルン(ジェイ・チョウ)は
聞いたことのない曲をピアノ室で弾いていた
シャオユーと出会い、たちまち恋に落ちる。
ところが彼女には、どうしても彼に言えない秘密があった。
果たしてその秘密とは?」

----えっ、それだけ?
「そう、それだけ。
このシャオユーを演じているのが『藍色初恋』のグイ・ルンメイ。
最初、彼女の着ている服がほかの人の制服とちょっと違っていて
シャンルンに恋する美少女チンイーを演じるアリス・ツォンとの区別もつきやすく、
人の顔を覚えるのが下手なぼくにとっては、
これは助かるな……と。
ところが、これにもちゃんと意味があったんだね」

----ふうん。伏線もけっこう張ってあるんだ。
「そう。
で、よくよく見てみると、
どうも周囲の人はシャンルンが
まるでそこに存在していないかのように振る舞っている」

----あっ、それでゴーストストーリーと思ったわけだ。
「うん。そういうこと。
しかし、喋りたいなあ。
この映画、いまなおカルト的人気を誇る
あるロマンチックなアメリカ映画と似ている部分があるんだけどなあ。
そこを話しちゃダメとなると、
他に話せるのは
ジェイ・チョウのピアノ・テクニックの素晴らしさかな。
そうそう、それと先ほど伏線と言ったけど、
この映画の特徴は
すべての伏線が回収されるわけじゃないということ。
観終わった後にも、多くの謎が謎のままで残る。
あ~、早く誰か観てくれないかなあ」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でも公開まで一ヶ月切ったニャ」うららかフォーン

※ジェイ・チョウのピアノはとにかくスゴい度

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『彼が二度愛したS』

2008-07-28 22:40:42 | 新作映画
(原題:Deception)


----『Deception』ってどういう意味だっけ?
「“ごまかし”とか“詐欺”だね」
----えっ。タイトルにそんなの付けたら、
この映画の中身がバレちゃうじゃニャい。
「そう。でも宣伝としてはそれを前提としているみたいだよ。
ということで簡単にストーリーをご紹介。
ニューヨークの孤独な会計士ジョナサン(ユアン・マクレガー)が、
ある日弁護士のワイアット(ヒュー・ジャックマン)と出会い、人生が一変。
ワイアットの巧みな罠で
エグゼクティブのためにだけ存在する
会員制秘密クラブへと誘われたジョナサンは、
そこで知り合った
名前が“S”から始まる女(ミシェル・ウィリアムズ)の虜になってしまう。
ところがホテルの部屋で二人一緒にいるところを何者かに襲われてしまい、
気づくと彼女の姿はどこにもいない。
果たして?-----というもの。
まあ、最初からほとんど読めるお話で、
プレスにも、その会計士が悪者で
何やらはかりごとをしているということはちゃんと明かしてある。
『実は、この人がムニャムニャ~』
『実は、あのときムニャムニャ』みたいなのもいくつか入れてあるけど、
これもほとんどが予想どおり」

----じゃあ、何を楽しんだらいいの?
その組織で行なわれるHなこと?
男優二人とも男前だから
女性ファンはそれが楽しみってことかニャあ。
「フォーンも、なかなか言うね。(笑)
でもこのHなことがスクリーンに写し出されるのは、
もっぱらユアン・マクレガーのほう。
実はこの映画、ヒュー・ジャックマンが立ち上げた制作会社の第一回作品とかで、
彼の奥さんが製作現場にいて、
とてもそんなことはできなかったらしい。
その分、マクレガーは入れ替わり立ち替わりで
かなりハードだったらしいよ」

----でも、こういう映画って
新しいようでけっこうあるよね。
「うん。ヒッチコックを意識したようなところもあって、
『めまい』+『裏窓』。
これって、この手のミステリーの永遠の定番だね。
最後、一つだけ、ほほ~っと思った展開はあったけどね。
ヒントは『太陽がいっぱい』」

----その言い方って、けっこう興味引くニャあ。

           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でもニャにやらムードはありそうだニャあ」身を乗り出す


※キャストは豪華だ度

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『P.S.アイラヴユー』

2008-07-27 22:12:53 | 新作映画
(原題:P.S. I Love You)

※※映画の核に触れる部分も喋っています。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


----これって、いかにも日本人が付けそうなタイトルだね。
「あらら。ちゃんと上の“原題”を見てよ」
----あらっ。
ということは、これは手紙に関わる物語?
「うん。
夫ジェリー(ジェラルド・バトラー)が死んで以来、
ふさぎ込んでしまっているホリー(ヒラリー・スワンク)。
そんな彼女に、なぜか夫から手紙が届く」

----えっ、それって『ゴースト/ニューヨークの幻』のような
ラブ・ファンタジーということ?
「いや、そういうわけじゃないんだ。
自分が死んだ後の妻のことを気にして
ある仕組みを使って彼女にメッセージを届けるというもの。
まあ、この仕組みっていうのは意外と読めるけどね。
で、その手紙に従って
彼女はカラオケに行ったり、
友人と一緒に夫の故郷アイルランドに行ったり…」

----アイルランド?
「そう。
原作を書いたのは
当時21歳のアイルランド人女性作家セシリア・アハーン。
ただ、それじゃさすがにハリウッド映画にはしにくい。
そこで『マディソン郡の橋』の脚本でも知られる
リチャード・ラグラヴェネーズはマンハッタン中心の話に翻案。
さらには、新たな登場人物も加えたりしている。
実はこの新たなキャラクターというのが、
そうとは知らずに映画を観ていたぼくが引っかかったところ。
『まさか、この男と彼女が結ばれるワケないよな。
この程度の描かれ方だったら、ホリーが彼に惹かれたらおかしい…』と、
実はイライラしながら観ていたんだね。
でも最後は、なるほどこうきたかになる。
まあ、ネタバレになるから
そこはあまり詳しくは喋れないけど、
このエンディングの持っていき方は、
ある意味、爽やかだ」

----夫が死んだ後の彼女に関わる男の人って、
その人しか出てこないの?
「いや、もう一人、
実に男臭い人が出てくる。
で、周囲は彼と彼女をくっつけようとする。
まあ、ここもあまり言わない方がいいだろうな。
う~ん。そういう意味じゃ、実に喋りにくい映画だ。
キャスティングとかもオモシロいんだけど…」

----じゃあ、あまり本筋に関係ないところで
見どころを話してよ。
「おすすめはテレビの『フレンズ』が印象的だったリサ・クドローかな。
自分は、もっともっと男に対して
望みを高くしていいと思っている、
いわば“イヤな女”なんだけど、
彼女が演じると、まあ、そういう女もいるだろうなと、
納得させられてしまう」

----それって、いいことニャのかどうか?(汗)
「不思議なキャラだと思うよ、彼女は。
あと、主人公ふたりの出会いのシーンかな。
アイルランドの広大なウィクロー公園。
そこでジェリーはホリーの服がカラフルなことに目を奪われてしまうんだ。
緑一面の自然の中、
岩にへばりつくように咲いている紫のヒース。
そのときのホリーの帽子も紫。
この視覚効果は素晴らしいと思ったね」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「で、結局はニャにが言いたい映画ニャの?」小首ニャ

※それは……新しい人生への旅だちだ度

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『デトロイト・メタル・シティ』

2008-07-26 22:21:13 | 新作映画
----松山ケンイチって、
いつの間にかカメレオン俳優と呼ばれるようになったね。
「うん。
ぼくが最初に彼を意識したのは『不良少年(ヤンキー)の夢』
まさか、あのツッパリが
『NANAーナナー』のシンと同じ役者とはとても思えなかったね」

----今度は、その彼が一人二役ってことだよね?
「いや、正確に言えば二役というのではない。
どちらも中身は同じ人物だからね。
ただ、本来は
ポップミュージシャンを目指す心優しい青年・根岸崇一なのに、
音楽事務所の社長(松雪泰子)の方針で
悪魔系デスメタルバンドのヨハネ・クラウザーII世を
“演じている”というお話だ。
まあ、原作がコミックだけに、
そのストーリーをどうのこうの言っても意味ないし、
これはそのマツケンのなり切りぶりと、
それっぽい音楽を楽しむことにつきるだろうね」

----そう言えば、大物ミュージシャンも出てるんでしょ?
「うん。大学時代の根岸の後輩に
佐治くん(高橋一生)というのがいるんだけど、
なんとポップスの方の音楽はカジヒデキが提供。
ところが、これが劇中では
周囲をシラケさせる痛い音楽ということに。
で、その撮影現場をカジヒデキが見ていたというから
これまたスゴい
あとヒップホップとのライブ対決(これは見モノ!)があるんだけど、
ここではKダブシャインが楽曲提供。
二人とも出演もしているらしいけど、
それがどこかは、ぼくには分からなかったね」

----いやいやフォーンが言いたいのはそれじゃニャくて…。
もっと大物がいるでしょ。
「あっ。ジーン・シモンズね。
そもそもこの原作のタイトルは
KISSの代表曲『デトロイト・ロック・シティ』からきているというから、
この出演は関係者は
彼の出演がほんと嬉しかったんじゃないかな」

----ふ~ん。他に見どころは??
「どこまでが原作でどこまでがオリジナルなのか分からないけど、
後輩の佐治くんにクラウザーとしてトイレで会った根岸崇一が
彼の歌にあわせて嬉しそうにリズムとるところかな」

----監督はだれニャの?
「李闘士男。
彼は『お父さんのバックドロップ』という、
なかなかユニークな映画を作っている。
あっ、映画より気になったのがクラウザーが歌う歌。
『SATSUGAI』というんだけど
その歌詞が『KOROSE!KOROSE!KOROSE!』。
これが映画が始まるまでずっと流れていて、
さすがにヤバいんじゃないかと…」




           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「いろんな映画があるニャあ」なにこれ?

※大倉孝ニに鈴木一真。脇役もオモシロい度

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『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』

2008-07-25 23:17:21 | 新作映画
(原題:The Mummy : Tomb of the Dragon Emperor)


----しかし続編ブームは続くね。
まさか、この映画まで作られるとは思わなかったニャあ。
また今度もミイラが出てくるの?
「うん。ブレンダン・フレイザー扮する主人公リックでさえ
『またミイラか』と言っているからね(笑)」

----で、そのミイラ軍団を率いるのがジェット・リーってこと?
「うん。
こういうスペクタクル映画は細かい説明をしても意味がないから
まずは物語の要約。
秦の始皇帝を思わせるこの皇帝が
ミシェル・ヨー扮する呪術師ツイ・ユアン(ミシェル・ヨー)によって
兵士ともども呪いをかけられてしまう。
その理由というのが
皇帝の腹心ミン・グォ(ラッセル・ウォン)と恋に落ち、
それを妬んだ皇帝によってミンが殺されてしまったから。
時は流れ、皇帝の復活を目論むやヤン将軍(アンソニー・ウォン)の策略で
リックの息子アレックス(ルーク・フォード)はその墓を発掘。
さらにはリック、そしてその妻エヴリン(マリア・ベロ)も
現地におびき寄せられ、
ついには皇帝が復活してしまう----
こういうお話だね」

----ふうん。じゃあ見どころは
やはりその復活した大軍団ということにニャるの?
「そうだね。
この映画を観ながら思い出したんだけど、
数えきれないほどの大軍団、
その激突を最初にCGで創り出したのは
このシリーズの第一作『ハムナプトラ/砂漠の都』だったんじゃないかな。
『ロード・オブ・ザ・リング』が作られたのはその後だったし…」

----でも今回、
スティーブン・ソマーズは監督してニャいんだよね。
「そう、監督はロブ・コーエン。
復活した古代の馬車が上海を暴走するシーンなどのチェイス・シーンでは
さすがに魅せてくれるけど、
どことなく全体的に大味な気がしたね。
まず、舞台が1946年なんだけど、
この映画に出てくるような退廃的ナイトクラブで
西洋人が遊べるような余裕が戦後すぐの上海にあったのか?
国共内戦が激化していてそんな雰囲気じゃなかったと思うんだけど…。
まあ、正直言って
ぼくはその辺りの歴史には疎いから自信はないけど、
どうも釈然としない」

----そうか。
『インディ・ジョーンズ/魔球の伝説』にもナイトクラブが出てくるけど
あれは戦前の1935年だものね。
でもこの映画は、もともとありえないことを描いていんだから
それでもいいんじゃニャいの?
「それはそうだけど、
監督は、『中国文化と歴史を大事にする映画にしたかった』と、
皇帝たちが昔の中国語で喋っていることに
胸を張っているものだから…。
でもヤン将軍が
国民党なのか共産党なのかも分からないし、
最終的にはアレックスとの恋物語に発展するリン(イザベラ・リョン)は
最初忍者姿での登場だし…。
やはりアメリカ人からすると、
東洋なんて軽視されてるんだろうなと、
少し悲しくなったね」

----あらら。ちょっとボルテージ下がるニャあ。
見どころは?
「将軍の変身姿かな。
なんと、これがキングギドラ並みに三つの頭の竜。
それとヒマラヤ山脈に住むと言われている未確認動物イエティの造形化。
あとはちらっとだけ見えるシャングリラの全景。
俳優ではエヴリンの兄ジョナサンを演じるジョン・ハナの相変わらずの
コメディ・リリーフぶりかな」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういうのをハリウッドっぽいと言うのかニャあ」小首ニャ

※北京オリンピック間近。ハリウッド映画は中国ブームだ度

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『アイアンマン』

2008-07-23 22:22:08 | 新作映画
(原題:Iron Man)


----この映画って、アメリカで大ヒットを記録したんだよね。
主演がロバート・ダウニーJrって、ちょっと不思議?
「いやあ、そこがやはりハリウッドのハリウッドたるゆえん。
どう考えてもスーパースターには向かない個性派が
タイトルロールを演じてしまうんだから」

----ほんとだよね。
『インクレディブル・ハルク』
エドワード・ノートンもちょっと驚きだったけど、
これはそれを越えたキャスティングだ。
「うん。しかもこれがオモシロい。
あまりオモシロいという言葉は使いたくないけど、
『ダークナイト』がよくできた映画だとしたら、
これはオモシロいの表現がピッタリ」

----『アイアンマン』って
あんまり日本では知られていないけど
やはりマーベル・コミックなんだよね。
「うん。主人公は実業家であり天才的な発明家でもある
トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)。
新型兵器の実験のためアフガニスタンへ飛んだ彼は、
そこで武装テロ集団の襲撃を受け拉致されてしまう。
同じく監禁されている医師インセン(ジョン・トーブ)による心臓手術で
一命を取り留めたスタークは、
テロ一味の目を盗み、彼らに協力して
ミサイルを造るように見せかけながら、
飛行可能な着脱式パワードスーツを製造。
敵の目を欺き、このスーツで脱出に成功する。
かくしてアメリカに戻った彼は
幹部役員オバディア(ジェフ・ブリッジス)の反対を押し切り、
兵器産業からの撤退を表明。
有能な秘書ペッパー(グウィネス・パルトロウ)らの協力を得て
新たなパワードスーツを開発。
悪との戦いを決意する!」

----ニャるほど。そういうお話か。
それにしても、このアイアンマンって
ウルトラマンに似ていない?
特に胸の辺りが…。
「うん。ぼくも新作の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』を観た直後だっただけに
その類似が気になったね。
『アイアンマン』のコミックが開始されたのが1963年。
TV『ウルトラマン』はその3年後の1966年開始。
まあ、真相は分からないけどね」

----『インクレディブル・ハルク』よりも
オモシロいところってどこ?
「そうだね。アイアンマン製造の過程をじっくり見せるところかな。
途中、スタークがまだマスクを付けないで試験飛行を行なう。
つまり『インクレディブル・ハルク』と違って
役者であるロバート・ダウニーJRの演技、
表情がじっくり味わえるんだ。
そして彼と絡む俳優の演技かな。
とりわけ監督がそこまではオファーしなかったにも関わらず
自らスキンヘッドになったジェフ・ブリッジスはいいね。
そのシチュエーションごとに
要求される役柄に応じてカメレオン的に変わっていく。
アメコミだからと言って決して手を抜いていないんだ
また、監督のジョン・ファヴローがCGを好まないということで、
そちらも押さえ気味になっている。
飛行場所もスーパーヒーロー=ニューヨークの図式を打ち破って
カリフォルニアの海岸や山の上。
これもビジュアルとしては楽しい。
そうそう、『インクレディブル・ハルク』に続いて
今回もラストであっと驚く出来事が…。
『エンドクレジットの後に大切なシーンがあります』
と、わざわざ日本語字幕で出した映画はこれが初めてじゃないかな」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でもこれ日本で受けるのかニャあ」ぼくも観たい

※『2』も2年後に公開だ度

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『劇場版NARUTO -ナルト- 疾風伝 絆』

2008-07-21 23:08:42 | 新作映画
----あれれ、この漫画の劇場版、
『劇場版NARUTO -ナルト- 大激突!幻の地底遺跡だってばよ』のとき、
何がなんだか分からないという顔してなかった?
それなのに、ここで喋ったりできるの?
「それには理由があるの。
というのも、この映画の紹介記事、
そのどれを読んでも
この映画のストーリーを正しく伝えていないから。
ここはぼくが教えなくては…
そう使命感に駆られたわけ
(いまではチラシ等も比較的正確になっています)」

----へぇ~っ。
どんな紹介がなされているの?
「うん。一般に知れ渡っているこの映画の内容。それは
『ナルトたちの仲間であったサスケは、
一族を滅ぼした兄への復讐を胸に誓って皆と決別。
ナルトやサクラは彼を連れ戻そうとする。
だがサスケの意志は変わらず、
やがてナルトとサスケの対決の時が近づく――。』」

----で、実際はそうじゃないというわけだ。
「うん。まったく違うね。
今回、サスケが活躍するのは途中から。
本当の物語は
『突如、海上から忍者の集団が飛来。
木ノ葉隠れの里は大きな被害を受ける。
それは、かつて木ノ葉隠れの里に滅ぼされたはずの
『空の国』の忍び、『空忍』の仕業であった。
里の危機を知り駆けつけたナルトたちの前に凄腕の医者・神農が現れる。
時を同じくして満身創痍のアマルが木ノ葉隠れの里にたどりつく。
聞けば、火の国外れにあるアマルの村も何者かの襲撃を受けたらしい。
綱手の指令により海上にある空忍艦隊はシカマルたちに任せ、
ナルトたちはアマルの故郷へ。
そこには巨大な建造物アンコールバンティアンが…。
果たしてだれがこのようなものを建造したのか?
謎が謎を呼ぶ中、かつてナルトと袂を分かった友・サスケが姿を現す。
果たして彼の目的とは?」

----ニャンなの?その綱手とかシカマルって?
「まあ、フォーンに分からなくてもいいんじゃないの?
これは、ナルトのファンのための映画。
でも、ぼくみたいに漫画を知らない者でも
この映画はけっこう楽しめた。
まず脚本がよく練られている。
ここには、絆をベースに信頼と裏切りの相克が描かれているんだ。
しかもさまざまなクリーチャーの造型がユニーク。
さらにはそれぞれのアクションシーンが
海に空に展開され、
飛翔と落下を映像としてスリリングに体験させてくれる。
さっきファンのための映画とは言ったけど、
これは正直、観て損はない映画だと思うよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「まさか、えいが褒めるとは思わなかったニャあ」小首ニャ

※まあ、なんでも観てみるものだ度

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『真木栗ノ穴』

2008-07-20 21:02:49 | 新作映画
----「マキグリノアナ」?
なんのことか分からないし、
舌噛みそうだよ。
「そうだよね。
真木栗というのは西島秀俊扮する主人公の小説家の苗字。
彼は、なかなかいい仕事にありつけなくて苦戦しているんだけど、
行きつけの食堂で
年増の女性(キムラ緑子)に誘惑されたことから、話は急展開。
ことが終わり部屋に戻ると、中は泥棒が入って荒れ放題。
実はこれは彼女がその夫と組んで行なわれた計画犯罪。
後日、真木栗がその被害者だとはつゆ知らず
その店に事件の取材にやってきた
雑誌記者(利重剛)との出会いが基で、
彼は官能小説を書くことに。
真木栗はたまたま見つけた壁の穴から隣室を覗き、
妄想を膨らませながらその小説を書いていく…」

----う~ん。どういうジャンルの映画かよく分からないニャあ。
「ぼくも、最初はそのビジュアルから
怪奇幻想奇談みたいなものかなと…。
監督が『狼少女』の深川栄洋だし、期待はしたものの、
変にビジュアル優先にならなければいいなと
少し不安を抱きながら観ていたんだ。
ところが、なんと途中から
『雨月物語』を思わせる幽霊譚------とも言えないか、
いずれにしろホラーへと突き進んでいく。
語り口がしっかりていて
十分に楽しめたね」

----そういえば原作が角川ホラー文庫から出ているんだよね。
「うん。山本亜希子という人。
四谷ラウンド文学賞というのを受賞していて、
単行本も四谷ラウンドから出たらしいけど、
同社は解散。
その後、角川ホラー文庫編集者がこの作品を見出したらしい。
ただ、この映画がオモシロいのは、
主人公が見ていることが
単なる幻想、幽霊でした、とはならないこと。
時間軸と空間がとにかく入り乱れていて、
整合性を考えようとしたりすると
まったくワケ分からなくなってくる。
キム・ギドクの『絶対の愛』
クライマックスを思い出してもらうといいかもしれない。
その時間軸を紙に書き、
<現実>と<幻想>に分けて
映画をじっくり分析するという手もあるかもしれないけど、
そういうことをしないで
ワケの分からなさに身を委ねた方がこの映画は楽しめると思う。
もっとも監督は
『ここからが夢とか幻とか、いろいろな解釈ができる仕掛けがあります』と
言ってはいるけどね。
ただ、あの『ツィゴイネルワイゼン』と同じく
鎌倉の釈迦堂切通しが
現実世界と異世界を繋ぐポイントにはなっているみたいだったね」

----その幽霊がそうなのかは分からないけど、
『東京兄妹』の栗田麗が出ているんだよね。
「うん。彼女の清楚感は昭和っぽくて実にいいね。
あと、西島秀俊。
これまでのクールと言うか朴訥としたセリフ回しの彼とは一変。
ここではコミカルを通り越して
みっともない姿を次々と披露。
なにせ、畳に寝そべって壁の穴の向こうを覗き見るわけだから…。
そのパジャマ姿をカメラはお尻側から写し出す。
西島自身は覗きに夢中になって片足がピン(笑)。
今年は 『休暇』だとか『東南角部屋二階の女』とか
出演作が相次いでいるけど、
ここまで自分自身のイメージを打ち破った作品は
まだ出ていないと思うな」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これもいわゆる昭和っぽいと言うのかニャあ」小首ニャ

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5周年と1日。

2008-07-19 14:00:20 | 映画
----へぇ~っ。もう5周年ニャンだ。
「そうなんだよね。
正確に言えば昨日がそう」

----確か5年前も暑かったよね。
ほんとうは、ぼくフォーンが
えいの日常を喋るというところから始まったんだったよね。
「うん。
最初に書いた記事のタイトルが
『今日も暑いにゃあ。(byフォーン)』。
ところが結局、ぼくの毎日が映画ばかりの日々だから、
いつの間にかこうなってしまった」

----えいには、他に楽しみとかニャいの?
「あらら。
楽しみは街角の猫さんと遭遇することかな」

----それって 「Year of the Cat (フォーン携帯写真日記)」だよね。
フォーンのことじゃなく外の猫さんばかりだ。
タイトルに偽りあり(ぷんぷん)。
「まあ、怒らない怒らない。
部屋は狭いし、フォーンは毛並みが黒いしで
写しにくいんだもの。
それにフォーンは写真嫌うし…」

----それはそうだ。
ところでこの4年間でどれだけの映画の話
してくれたんだっけ?
「封切り前日までの映画が857本。
封切り以後の映画が85本だね」

----それって、観た映画ほとんど全部になるの?
「いや、どうしても喋りにくい映画っていうのがけっこうあって、
実際は観た映画の半分くらいかな。
ぼくは映画評論をしているつもりはないし、
試写などで早く観ている分、
その見どころを少しでも多く周りに伝えたいっていうのが基本。
というわけで
自分がその映画のいいところを喋れない作品は残念ながらここではパス」

----フニャ。だから辛口のお話が少ないワケだ。
「そういうことだね。
さて、この5年を簡単に振り返って…。
最初にレギュラー的なコメントをいただいたのは
あかん隊さん(『cococo』)
まさか、自分のブログに書き込みをいただけるなんて
あの頃はまったく思ってもいなくって…」

----そうそう。
ぼくニャンて、
えいを知っている家族のだれかが
別名でコメントしたとばかり思っていたもの。
「ぼくも少し疑ったね(笑)。あかん隊さんには申しわけないけど…。
あの頃、もうひとりの印象に残った方ががちょ~んさん
メジャー系の大型邦画を中心にコメントいただいていた。
もう、ここ数年、お姿が見えないけど、
ネットってそういうとき心配になるよね。
直接は存じ上げないわけだから」

----そうか、ブログをお持ちかどうかさえ分からないものね。
「うん。
この5年でブログを実質的に閉鎖された方も多い。
もちろんそれぞれの理由があるわけで、
ここでそういう方のお名前を全部出すことは控えるし、リンクも貼らないけど、
ただ、TATSUYAさんのことは
どうされているかとても気になるな。
あっ、それとこちらもお名前だけなら許してもらえるかな。
missyさん
april_foopさん
ごぶさたしています。
その節は本当にありがとうございました」

----そういえば外国在住の方からもコメントいただいたよね。
「そう。アメリカからは
かめさん
ramblerさん
オーストラリアからはプリシラさん

-----う~ん。確かに胸にじ~んとくるモノがあるニャあ。
「いやあ、いまちょっと振り返ってみたけど、
他にも多くの方がいらっしゃって、
30度を越える真夏の日中なのに、
少しウェットになってしまった。
というわけで、ここは気分を変えて
いまでもずっとお世話になっている人々をご紹介。

※うたた寝指数は画期的試み。
にゃんこさん(『黒猫のうたた寝』)
※猫画像でもお世話になっている
隣の評論家さん(『映画通の部屋』)
※ユニークな作品を数多く鑑賞されている
とらねこさん(『レザボアCATs』)
※この方の分析力と文章構成力とにはジェラシーさえ感じます。
ノラネコさん(『ノラネコの呑んで観るシネマ』)
※情報満載。人気度No.1!
migさん(『我想一個人映画美的女人blog』)
※外食メニューの紹介も豊富で楽しい(参考にさせていただいています)。
bakabrosさん(『試写会帰りに』)
※そしてなぜか気になる…
シャーロットさん(『シャーロットの涙』)

そして最近、よくコメントをいただいているのが
※DVD先取り情報がとても早い
亜蘭真 主美士さん
※よろづ屋トムという別名もお持ちの
よろ川長TOMさん(『よろ川長TOMのオススメ座CINEMA』)

-----えっ、もっともっとお礼を言わなくてはならない人、
いっぱいいるでしょう?
「はい。フォーンの言うとおり。
すみません。
今回は直接メールなどのやり取りをさせていただいたことのある方で
コメントをよくいただいている方を中心に、
名前を挙げさせていただきました。
お礼を言えなかった方々、ごめんなさい。

駆け足のご挨拶になりましたが、ほんとうにありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします」


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「猫さんの名がつくハンドルネームの方多いニャあ」身を乗り出す

※フォーンの言うとおりだ度

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猫ニュー

※画像は2004年7月18日、第一回の書き込みで使用(アップ)したフォーンの写真です。
まだ若いなあ。

『僕らのミライヘ逆回転』

2008-07-18 23:26:02 | 新作映画
(原題:Be Kind Rewind)


----ジャック・ブラックって、最近よく出るよね。
『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』も、
そうじゃなかった?
「うん。あっちはロックがモチーフになっているけど、
こちらは映画。
それも過去の有名な映画の名シーンがいっぱい登場。
ストーリーはアホみたいなもので、
ジャック・ブラック扮するジェリーが
発電所で感電し、
超強力な電磁波を浴びてしまい、
仲間のマイクが店員をしている
ビデオショップのビデオの中身を全部ダメにしてしまう。
そこで慌てた二人は、
自分たちの演出・出演でそれらの作品をリメイク。
ところがこれが大きな評判を呼び、店は大繁盛。
しかし権利にうるさいハリウッドがそれを見逃すわけもなく…というもの」

----確かに、ありえないね。
でも映画好きの好奇心をくすぐる内容だニャあ。
「うん。
ぼくもこの映画がベルリン国際映画祭で話題になったことを聞き、
いったいどんな風に元の映画を作り直すんだろうと、
少しでも早く観たかった。
ところが観てみてビックリ。
作り直すと言っても、
たった2時間くらいで20分ほどのビデオを作るという
ほんとうにチャチなもの。
これって
やったことある人、多いんじゃないかな。
ぼくも『アメリカン・グラフィティ』を『ジャパニーズ・グラフィティ/純情』として、
また『帰ってきた若大将』を『帰ってきたバカ大将』として、
パロディで作って遊んだことがあるのを思い出したしね…」

----ふうん。ここではどういう映画を作り替えているの?
「最初にリメイクしたのが
『ゴーストバスターズ』と『ラッシュアワー2』」

----『ラッシュアワー』じゃなくて
『ラッシュアワー2』ニャンだ?…。
「うん。そういうこだわりはあったね。
今回、上で紹介している画像は
『キング・コング』。
他にはアニメの『ライオン・キング』、
さらにはフランス映画の『シェルブールの雨傘』や
『ロボコップ』『2001年宇宙の旅』などなど。
なかでも『キャリー』の“バケツで豚の血”のパロディには笑ったね。
その中には『ドライビングMissデイジー』のような
“問題作”もあるよ」

----えっ?あれってアカデミー作品賞受賞では?
「うん。一般には黒人運転手と白人の老女の心の交流と言われているけど、
実は黒人たちの間では人種差別映画とも言われているんだ。
マイクを演じるのが黒人俳優モス・デフ。
で、彼がその役に抵抗を感じるんだね。
ここの駆け引きはなかなかスリリングだ。
まあ、いずれにしても
オリジナルを観ているに越したことはないね」

----ということは、えいとしては大満足?
「う~ん。大とまではいかないけどね。
『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』もそうだけど、
ジャック・ブラックの映画って
途中でドラマが違うベクトルに向う。
それってアクションやサスペンスが加わる反面、
それまでのオバカのテイストを壊してしまうことが多く
そこがぼくはあまり好きじゃなかったんだけど、
この映画はちょっといままでとは違う。
ネタバレを避けて、詳述はしないけど
さすが監督がミシェル・ゴンドリーだけのことはあるね。
正直言って、この映画に流れる
露骨なまでの“映画好きです”告白は
なんだかなあと思っていたんだけど、
ラストの思わぬ1シーンにはぐっとくること間違いなし。
きっとだれもが感動すると思うよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「おや、ミア・ファローも出ているのニャ」身を乗り出す

※タイトルの意味は『ビデオ返却の際に、巻き戻ししておいてもらえると助かります』だ度

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画像はアメリカ・オフィシャル(ダウンロードサイト)より。

『ひゃくはち』

2008-07-17 22:50:13 | 新作映画
----この『ひゃくはち』って
数字の108のこと?
「そうだよ。
ほら、除夜の鐘の音が108で、
それって煩悩の数というじゃない。
ところがもうひとつ、
これもよく知られたことだけど、
硬式野球のボールの縫い目の数が108あるんだ」

----ふうん。ということは、
これは野球のお話ニャんだね?
「そのとおり。
それも甲子園出場常連の高校が舞台」

----ということは熱血もの?
「もちろんそういうシーンもないではないけど、
彼ら高校球児がタバコ吸ったり、
ビール飲んだり、
はたまた合コンに行ったりするシーンもある」

----でも、そんなことしている人は
きっとレギュラーになれないよね?
「なかなかいいところ突いてくるね。
この映画は20人のベンチ入りすれすれのところにいる
ふたりの男の子にスポットを当てているんだ。
彼らは三塁手の雅人(斎藤嘉樹)と一塁手ノブ(中村蒼)。
やっと19番と20番の背番号をもらった二人は大の親友。
ところが、超強力な新入生が入部。
彼が一塁手だったことから
ノブは三塁へのコンバートを決意。
果たしてふたりの運命は…?
と、こういう内容だね。
補欠にスポットを当てたのも新鮮ならば、
その彼らの設定を親友にしてポジションを競わせるという
この脚本の妙がまたいい」

----えっ?でも原作があるんでしょ?
「うん。ただ最初は1000ページ以上もあったらしい。
それを原作者の早見和真は500ページの小説にして本として出版、
そしてそれとは別に監督の森義隆は映画用に脚本化したらしいよ。
この映画は、その意外性のあるストーリー、
そして個人のキャラクターを生かしたキャスティングのオモシロさが
一番の見どころだろうね。
さきほどあげた主人公以外にも監督の竹内力が
こういう人っているよなっていう感じの監督を
地のままとも思える熱演。
彼に『野風僧』を熱唱させるというところも憎い。
その補佐、コーチに桐谷健太。
またこの一年、さまざまな映画で活躍の高良健吾、
そして北条隆博がレギュラー選手役。
これが普通なら主人公ふたりと対立しそうなはずだけど、
彼らと一緒に合コンにも出かけ、嫌みさがまったくないんだ。
あと、新米記者役として市川由衣。
彼女はグッとオトナになったって感じ。
いままで観た彼女の出演作の中ではこれが一番という気がするな」

----けっこう気に入ってるみたいだニャ。
「うん。この映画、とにかく爽やかだしね。
それでいて、泣かせのシーン、
笑わせるシーンのメリハリが利いている。
映画としての見せ方も巧いと思うよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「爽やかなのが一番ニャ」いいねぇ

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『落下の王国』

2008-07-15 21:15:29 | 新作映画
(原題:The Fall)


----原題が『The Fall』で
邦題が『落下の王国』。
この王国がミソだね?
「そうだね。
監督が『ザ・セル』の独自の映像美で注目を集めたターセム。
でもこの映画では得意のCGに頼らず
世界遺産13ヶ所、21ヶ国以上でロケしたらしい」

----それは贅沢だね。
けっこう、お金もかかっているんじゃニャいの?
「そうだよね。
ところが彼はこれをインディペンデントで製作。
そのことにまず驚かされる」

----へぇ~っ。
そんなにしてまでターセムが作りたかったお話って?
「時は1915年。
映画の撮影中、橋から落ちて大ケガを負ったスタントマンのロイは、
失恋の痛手も加わり自暴自棄に。
そこに現れたのが、オレンジの樹から落ち、
腕を骨折していた5歳の少女・アレクサンドリア。
動けないロイは
アレクサンドリアの純真無垢な魂を利用し、
自分が自殺するための薬を薬剤室から彼女に盗ってこさせようと考える。
そのために彼は
6人の勇者が世界を駆け巡り、悪に立ち向かうという
愛と復讐の叙事詩を彼女に話して聞かせるんだ」

----なるほど。それで世界中の映像が出てくるわけだ。
「そういうことだね。
この映画の最大の見どころは、
CM監督、またミュージック・ビデオ監督として
世界を知りつくしているターセムならではのロケーション。
象が泳ぐ海、迷路のような階段、
青色に染まる街など、
これまであまり目にしたことのない映像が楽しめるよ。
しかもその中で
何度も何度も<落下>のイメージが繰り返される」

----でも、それだけ世界を知りつくしていたら
逆にどこでロケーションするか、悩んだんじゃニャいの?
「そこがオモシロいんだ。
ターセムはアレクサンドリアに物語の話を聞かせた後、
その話はどの風景と思うかを、
壁に貼った写真を見せて聞き、
それを参考にしてロケ先を決めたらしい。
もっともなかには、ロケーション不可能な場所もあったらしいけど…」

----その少女ってカティンカ・アンタルーという子だっけ?
「そう。彼女は当時まだ5歳で、
現実とお話の区別がまだついていなく、
通訳の人が『あなたは、スーパーマンをやっていた
クリストファー・リーヴのような動けない人の話を聞くのよ』と
カティンカに話したものだから、
カティンカはロイを演じるリー・ベイスが
本当に動けないと思ってしまったんだ。
そこでひらめいたターセムは、彼女にバレないように
全スタッフにも“リー=骨折”と嘘を付いたらしい」

----それはダマされたスタッフはカンカンだろうね。
「なかには怒った人もいたらしい。
でも、そのリアルな空気感は一見の価値あり。
そしてもう一つは、
(人によってはだけど)大感動のラスト・シークエンス。
ここは観る人のために明かさないでおくけど、
この映画『The Fall』は
サイレント・ムービーへのリスペクトだったということが
分かるしかけになっているよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンもいろんなとこ行きたいニャあ」もう寝る

※とにかくきれいな色だ度

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『子供はママが大好き』(遠藤久美子主演のウェブCM)

2008-07-14 22:55:16 | Weblog
<遠藤久美子

↑画像のどこでも、クリックすると遠藤久美子のお母さんが観られます。


----これって映画じゃニャいよね。
「うん。ネットでしか観られないCM。
遠藤久美子がなんと母親役を演じているんだ。
テレビのCMのように放映料が高いわけでもないし、
その分、じっくりとストーリーや感情を描くことができる」

----ニャるほどね。
で、どこのCM??
「あれっ、どこだっけ」

        (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「これ、ほんとうにエンクミ!?」身を乗り出す

※そうだ。「保険市場」だ度

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『死にぞこないの青』

2008-07-14 14:18:18 | 新作映画
----これって乙一の原作だよね。
最近、次々と映画化されていない?
確か、彼の作品は映画には向かないとか言っていなかったっけ?
「うん。いわゆる叙述トリックの部分ね。
ところが、この原作はその手法を封印。
乙一本人があとがきで語っているように
“オチのない”、いわゆる素直な作品になっている」

----へぇ~っ。どういうお話?
「それも至ってシンプル。
主人公は小学生のマサオ(須賀健太)。
彼は新任教師・羽田(城田優)に嫌われて
イジメの対象になってしまう。
羽田はマサオを孤立させることで、
生徒たちの関心をそっちに向け、
自分が彼らの攻撃を受けることを回避しようとする。
みんなからゴミ扱いされ、
ひとりぼっちになってしまうマサオ。
そんなある日、マサオの前に前身真っ青の不気味な少女が現れる。
マサオがアオ(谷村美月)と名付けたその少女は…」

----へぇ~っ。そのアオっていうのは女性ニャンだ。
「うん。
原作では少年だけどね。
その“アオ”の解釈も含めて、
この作品はいろいろと脚色が施されている。
さっき話した叙述トリックがない原作にも関わらず、
あえてその部分をつけ加えるという
大胆なチャレンジを試みている」

----脚本はだれニャの?
「森岡利行。
最初、いじめが生み出すその邪悪な空気に
『問題のない私たち』を観たときの息苦しさが蘇ったんだけど、
まんざら的外れでもなかったというわけだ。
この映画で発せられるメッセージ
『自分の軽蔑する者に負けるな』は
森岡監督の前作 『子猫の涙』
『勝ち負けは人が決めるのではない。自分で決めるんだ』とも共鳴する。
そうそう、これも映画オリジナルの
子供たちにバカにされているおじいさんの
最後のセリフも泣けるよ。
以前から、注目していた監督だけど、
これからも目が離せないね」

----あれっ、監督は?
「安達正軌。
乙一のオムニバス『ZOO』でも
一番印象に残った『seven rooms』を監督。
もっともあれは原作そのものが戦慄だったけどね。
あと『輪廻』『エクステ』では脚本を担当している。
キャスティングでは羽田に扮した城田優がハマり役。
冷たいイケメンが、ほんとうに役として生きている」

----ふうん。谷村美月は?
「全身が青く塗られているだけでなく、
唇は裂けて
靴ひもみたいなので縫われ、
まぶたは腫れている。
アイドルの道よりもこっちを選ぶ映画魂がいい。
なんと、まばたきしないで涙を流すという演技も見せてくれるよ」



           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「乙一はいいよニャあ」小首ニャ

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