ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『マイレージ、マイライフ』

2010-02-27 10:47:36 | 新作映画
(原題:Up in the Air)

-----これなんという曲?
いいニャあ。
(※注:いまアメリカ・オフィシャル)を開いています)。
「アカデミー賞主要5部門6ノミネートの話題作
『マイレージ、マイライフ』の主題歌『Help Your Self』
もそうだったけど、アイバン・ライトマン監督は
ほんとうに選曲が素敵だ」

----あ~あ。いま話題になっているあの映画ね。
リストラ宣告人が主人公なんでしょ。
彼の目標が1000万マイル貯めることとか。
えいも、マイレージ貯めてこの前、帰省してたし。
気持ちよく分かるんじゃニャいの?
あれっでも5部門6ノミネートってどういうこと?
「あらら。質問がいっぱい。
まずノミネートについてから話すかな。
これは助演女優賞が2人。
ヴェラ・ファーミガアナ・ケンドリック
ヴェラが演じるのは、
主人公ライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)と似た境遇のキャリアウーマン、アレックス。
アナの方は、会社から期待された女性新入社員ナタリー。
彼女はネット上で戒告通告を行い、
出張を廃止するという合理化案を提案するんだ」

----あらら。それじゃあライアンの楽しみがなくなっちゃう。
「楽しみというより存在価値だね。
彼には家族も含めて家と呼べるものがない。
いわば、飛行機の中が彼の家。
いつもスーツケースだけで飛び回っていて、
求められれば講演もする。
その時いつも手にするのがバックパック。
『バックパックに入らない人生の荷物は
一切背負わない』
というのが彼の哲学。
この存在価値を揺るがす大事件にぶち当たり、
彼はナタリーを連れて実際の仕事は何かを研修させる。
ところがその過程で、彼はさまざまなできごとに直面する・・・というもの」

----ニャるほど。そrは女優対決の方も楽しそうだね。
「うん。実はこのアレックスについては
あまり深く言及できないけど、
なるほどという設定。
ある一人の女性が作りあげている
“もう一人の自分”。
ヴェラ・ファーミガの演技が素晴らしいことは、
その裏の顔が分かった瞬間、だれもが納得すると思うよ。
同じように、ナタリーの方も
ドライなように見えて実は…という設定。
この女性像も現代的でリアル。
『JUNO/ジュノ』に続いてまたまたライトマン監督は、
現代の若い女性の断面を切り取ったね」

----ジョージ・クルーニーは?
またまた主演男優賞にノミネートのようだけど…。
「これが、
(ここもネタバレチックだけど…)、
アレックスとの最後の電話で、きつい言葉を聴いているときの顔が実にいい。
ぼくはこの映画を観ていて、一連のアメリカン・ニュー・シネマを思い出したね。
ほんとうに必要なものを見つけたときには、
周囲は実はとっくにそのことに気づいていて、
彼が<人生の真実>と思っていたものと実は遊んでいただけ。
そう、自分だけが置いてきぼりにされてしまっている。
その空虚感、寂しさ。
ちょっとたまらない映画ではあったね」

           (byえいwithフォーン)

「遊びの時間は終わっていたということだニャ」悲しい

※なんとも悲しくなる映画だった度


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『シャッター アイランド』

2010-02-24 00:38:52 | 新作映画
※ネタバレ注。
と言ってもネタバレはしていないつもりです。
ただ、勘の鋭い方は、結果的に気づいてしまわれる箇所もあるかもしれません。
もうしわけありませんが、公開されてからお読みいただくことをお勧めします。



(原題:Shutter Island)


----この映画って、当初の予定から公開が延びてしまった作品だよね。
マーティン・スコセッシ
レオナルド・ディカプリオコンビというのに、
あまりできがよくなかったのかニャ?
「いや。全米では2月19日、No.1発進。
このコンビ作としては史上最高のオープニング記録らしいよ。
これを受けて宣伝サイドでは『羊たちの沈黙』
引き合いに出している」

----へぇ~っ。ディカプリオでNo.1ということは
『タイタニック』のオープニング記録も塗り替えたということだニャ。
『羊たちの沈黙』がここで出てくるのは、
ホラー&ミステリーで、
ジャンルが似ていて、なおかつオスカーを取ったから?
「それもあるけど、
あの作品は1991年2月14日に全米公開。
アカデミー授賞式の一年以上前に公開されていながら、
年末公開でまだ記憶に新しい他の対抗馬を押しのけて受賞。
つまり、そういう受賞への期待を込めてのことだね」

----ふうん。で、今回の物語は?
「これは簡単。
四方を海に囲まれた精神を患った犯罪者だけを収容する
『閉ざされた島』(シャッター アイランド)。
ある日、厳戒監視体制のそこから、一人の女が煙のように消えた。
事件解決のために島にやってくる連邦保安官テディ。
彼のほんとうの目的は、
島にいるはずの、妻を殺した放火犯への復讐。
ところが自ら志願してきたにもかかわらず、
さまざまな謎に直面し、
解けばとくほど謎が深まり、島から離れられなくなる!
―――ね。簡単でしょ。
もっともこれ以上、話せば、
何を言ってもネタバレに繋がっちゃうからなあ。
ということで、映像的な見どころを紹介。
ときにデイヴィッド・リンチ風だったり、
ときに『12モンキーズ』風だったり。
もっとも基本はホラーチックなミステリー。
スコセッシ演出としては『ケープ・フィアー』
彷彿とさせる」

----それは確かにオモシロそうだニャあ。
ところで『注意!最後の謎が解けた時
本当の驚きが待っている』
というコトバの意味は?
「あらら。実はまさにそれこそがネタバレ注!
でも、そこがもっともゾクゾクしたところであり、
観た人同士で意見を交換したいところでもあるんだ。
これまでの事件はトラウマなのか陰謀なのか?それとも…?
(この謎自体は比較的読めます)
いずれにしろすべてが終わった後、
主人公はある行動に出る。その前に
『チャック』。続いて
『モンスターとして生きるよりも善人として死んだ方がいい』。
ここが第一のポイント。
そしてチャックによる『テディ』との呼びかけに彼が答えないワケ。
あ~、言いたい言いたい。でもグッと我慢。
プレスにも言わないよう止められているからなあ。
ということで俳優の紹介でお茶を濁しちゃおう。
この映画はとにかく実力派ぞろい。
マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズ、
マックス・フォン・シドー

そして完全復活を遂げたジャッキー・アール・ヘイリー
彼はすっかりこのポジショニングを獲得。
もっともかつてのファンは複雑だろうなあ」



         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「う~ん。はっきり言ってほしいのニャ」ご不満


※まあまあ。音楽がロビー・ロバートソンというのも嬉しい度

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『ウルフマン』

2010-02-21 17:28:48 | 新作映画
※ちょっと辛口な部分もあります。各ファンの方はスルーしてください。


(原題:The Wolfman)

「いやあ一瞬勘違い。
これってチャック・コナーズ
テレビ『ライフルマン』を映画にしたものかと…」

----そんなことあるはずないじゃニャい。
ん?その言い方からすると、あまりノレなかったってことかニャ。
「バレたか(笑)。
どうもぼくはユニヴァーサル・ホラーのリメイクとは
あまり相性がよくないみたい。
あのフランシス・コッポラ『ドラキュラ』もダメだったし…。
それ以前に狼男という設定もあわないのかも…。
マイク・ニコルズ『ウルフ』を思い出し、
悪い予感が働いたけど、結局、あたってしまった」

----へぇ~っ。意外だニャあ。
でもハマープロニャんかは好きなんだよね。
「うん。ああいうB級(?)ノリならいいんだけど、
なぜか近年のこの手の作品は、
やたら格調高く作ろうとしているところがあって、
異端の者の悲しみを強く打ち出しすぎ。
そんなのは
デイヴィッド・クローネンバーグに任せておけばいい。
彼の場合、もとよりそれが自分のテーマのひとつでもあるし…。
だから同じリメイクでも『ザ・フライ』は、
あんなにも観る者の胸を打ったんだと思う」

----まあまあ押さえて。
でも、そこまで考えなくてもいいのでは?
これって アンソニー・ホプキンス×ベニチオ・デル・トロの顔合わせ。
それだけでも観る価値はありそうじゃニャい。
ふたりとも当代切っての演技派だし。
「まあ、確かにそれはそうだね。
じゃあ。簡単にストーリーを。
19世紀末のイギリス。
兄の行方不明の知らせを受けて
生家のタルボット城があるブラックムーアの村に帰郷したローレンス。
到着早々、兄の遺体に対面した彼は、
怒りと悲しみを胸に犯人の捜索を開始。
だが、志半ばにしてローレンスはウルフマンの襲撃を受け、
自らもウルフマンに変貌してしまう。
そんな彼をなぜか煽って凶行に走らせる父のジョン。
そこには25年前の兄弟の母親の死にまつわる恐るべき秘密が隠されていた。
――――という感じかな。
プレスには“二重三重の謎”と書いてあって、
ミステリー色を強調しているんだけど、
これがだれにでもすぐに読めてしまう。
ぼくは、むしろその謎が分かった上で、
アンソニー・ホプキンスの余裕綽々の悪の演技を楽しむことをおススメするね」

----ははあ~っ。
でも、美術なんかもよさそうじゃニャい。
「うん。それは一見の価値あり。
ぼくは観ていてティム・バートン『スリーピー・ホロウ』を思い出したけど、
美術監督が同じリック・ハインリクスだった。
あっ、その名前を出したところで
もうひとつの見どころを紹介。
それは狼男への変身過程。
ここではジョー・ダンテ『ハウリング』が甦った」

----えっ。
あの映画で特殊メイクを担当したのロブ・ボッティンでしょ。
今回はリック・ベイカーと聞いたけど…。
「そうだよ。よく知っているね。
実は当時、リック・ベイカーはジョン・ランディス『狼男アメリカン』の方を手掛けていたんだ。
ところが先にできあがった弟子ベイカーの『ハウリング』を観て、
そのあまりの素晴らしさに
『狼男アメリカン』の撮り直しをしたと言われている。
結果、彼はその作品でオスカーを取っている。
ここまでくると執念だね」

----そうか。
だからこそ、監督ジョー・ジョンストンはリックを指名したのかも。
「だと思うね。
ただ、『JAWS・ジョーズ』よろしく、
最初のうちはあまりにもその姿を見せずにもったいぶっているのは、
ちょっと違う気がしたけどね。
狼男を目にも留まらぬ速度で動かし、
観る側はその姿をじっくり味わうことができないんだ。
でも、後半はそのイライラが消滅。
特に病院で大惨劇を引き起こすシーンは見モノ」

----ははあ。ところでこの女性は?
「兄の婚約者だったグエン(エミリー・ブラント)。
途中から、彼女が大きなウエイトを占めてくる。
もちろん、これもだれもが気づくことだけどね」

----もう、最後まで辛口だニャあ。


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そのロブ・ボッティンとやらは、いまどうしているのかニャ」ご不満


※さあ。それはそうと、同じリメイクでも
『インビジブルマン』(ポール・ヴァーホーヴェン)なんかは好きなんだけ度


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『噂のモーガン夫妻』

2010-02-19 23:26:42 | 新作映画
(原題:Did You Hear about Morgans)


----これは話を聞く前から想像ついちゃうよね。
このキャスティングだったら、絶対ラブコメ。
「おっ。さすがだね。
でもストーリーだけは簡単に話しちゃおうかな。
ニューヨークに暮らす
不動産のトップ・セールス・ウーマンのメリル(サラ・ジェシカ・パーカー)と、
敏腕弁護士のポール(ヒュー・グラント)は
いま夫婦の危機にさらされていた。
その原因はポールの浮気。
必死に謝り、妻にプレゼント攻勢をかけるポールだけど、
メリルの離婚の意思は堅い。
ところがそんなある夜、
一緒にディナーをとったふたりが珍しく一緒に歩いていると、
目の前に死体が降ってきた。
かくして犯人を目撃してしまったモーガン夫妻には、
証人保護プログラムが適用され、
ふたり一緒にワイオミングの田舎に身を隠すことに…」

----ニャるほど。
そこでふたりはお互いを見つめ直し、
最後にはよりが戻るってお話だね。
あらら、喋っちゃった。
「大丈夫だよ。
こういう感じでふたりが別れるとはだれも思わないし、
第一、望んじゃいないから(笑)。
夫婦とは? 愛し合うとは?
など、まあ、いろいろ教訓めいたことも入っているけど、
この手の映画でそんなこと改めて聞かされてもね~。
トヨエツ&薬師丸ひろ子の『今度は愛妻家』を観れば、すでにそこに答はあるし…。
それよりも、これはいまやロマコメ・キングとも言える
ヒュー・グラントの演技を楽しむ映画。
監督が『トゥー・ウィークス・ノーティス』『ラブソングができるまで』
すでにグラントとは2回組んでいるマーク・ローレンスだけに、
彼の魅力をあますところなく引き出している。
対するサラ・ジェシカ・パーカーも
『SEX AND THE CITY セックス・アンド・ザ・シティ』でセレブでおしゃれのイメージが付いている。
そんなふたりを田舎に放り込むというこのアイデアもなかなかいい。
最初はいがみ合いながらも徐々に近づいていくというのは
それこそパターン中のパターンだけど、
ふたりのテンポのいい会話の応酬を聴いていると、
それだけで楽しくなる」

----ふたりを受け入れる方はだれがやっているの?
『ライラの冒険:黄金の羅針盤』での印象も強烈だったサム・エリオットと、
ぼくのごひいきメアリー・スティーンバージェン
彼女は『バック・トゥ・ザ・フューチャーPARTIII』
ウエスタンは経験済み。
ここでは見事なライフルの構えを披露してくれる」

----俳優以外の見どころは?
「やはりサスペンスかなあ。
ちょっとしたミスで二人の居場所が殺し屋に知られてしまう。
そこからどうやって逃げ出すか?
あっ、それと動物だね。
野生の熊に襲われたり、
乳搾り中に乳牛に蹴られたり…。
そう、デートムービーにはピッタリだね。
あと、ラストで流れる音楽にも注目。
ビートルズの初期の名曲を
ある大物ミュージシャンがカバーしたものを使っているよ」



         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういう映画は罪がなくていいニャ」気持ちいいニャ



※サスペンスを絡めたアイデアがいい度

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『17歳の肖像』

2010-02-18 10:26:17 | 新作映画
(原題:An Education)


「いやあ。これはよかったな。
試写室も超満員。
入れない人も出て、
急きょ、2回の追加が決まったくらい」

----へぇ~っ。監督も主演も知らないニャあ。
でもアカデミー賞作品賞にノミネートされたんだよね。
「監督はデンマーク生まれの女性ロネ・シェルフィグ
主演は新鋭キャリー・マリガン
彼女はアカデミー賞主演女優賞にノミネート。
『パブリック・エネミーズ』にも出ているらしい。
この映画、
原作は辛口女性ジャーナリストのリン・バーバーの自伝。
それを『ハイ・フィデリティ』などのニック・ホーンビィ
製作総指揮も兼ねて脚本化(こちらもアカデミー賞ノミネート)していることが話題に。
話としては、ありふれてはいるんだ。
舞台は1961年、ロンドン郊外。
まだ、スウィンギング・ロンドンにはなっていないという、
この設定がまずいい。
主人公のジェニーはオックスフォード大学を目指す優等生。
進学のため苦手なラテン語、そしてチェロ練習も欠かさない。
唯一の息抜きは、部屋でシャンソンを聴きながら、
憧れのパリと自由な生活に思いをめぐらせること。
そんなある日、彼女は倍も年が離れた
魅力的な男性デイヴィッドと出逢い恋に落ちる。
彼は、ジェニーをナイトクラブや音楽界へと誘いだす。
初めて知る大人の世界に、
彼女はこれまでの家と教室の往復の生活に意味を見いだせなくなる。
やがて、ジェニーとデイヴィッドが一緒にパリに行くという噂が学内中に駆け回る。
なんとか思いとどまらせようとする教師たち。
でもその制止にもかかわらず
ジェニーはデイヴィッドとパリへ向う…。
しかも、先生に毒づいてね」

----ニャ~んだ。反抗期の女の子の初体験映画か。
フォーンは『17歳のカルテ』のような
ハードなものを想像していた。
「う~ん。でも、ほろ苦さはあの映画といい勝負。
大人の世界を垣間見てしまった女の子のときめきと高揚、
それに伴う、それまでの世界からの遊離感など、
この映画は、空気のとらえ方が実にうまいんだ。
さっき話した時代の再現も含めて、
これが今作られたものとは思えないほどに、
観る者をあの頃のロンドン、そしてパリへといざなってくれる。
音楽もジュリエット・グレコを始め、
時代色を醸成する曲ばかりが選び抜かれている」

----なんだか、めちゃ誉めだね。
そのデイヴィッドはだれがやっているの?
ピーター・サースガード
いつもニヤニヤしていて、
太った堺雅人って感じ。
ところが誘い方がいつもスマート。
親への説得もお見事で、
同じ男としてなるほど…と、感心。
しかし……。
あっ、これ以上は言わない方がいいな。
まあ、とにかく観てみて。
この世界に、100分間酔ってほしいな」




         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ロンドンとパリ、二つ見られて超お得なのニャ」いいねぇ


※久々にサントラが欲しくなった度

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『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』

2010-02-17 00:38:24 | 新作映画
(原題:Percy Jackson and the Olympians : The Lightning Thief)


----この映画、もうすぐ公開だよね。
「うん。初日だけは早々と決まっていながら、
なかなか案内が来なくって、
けっこう気になっていた作品。
原作はベストセラー。
で、監督が同じく児童書の大ベストセラー、
『ハリー・ポッター/賢者の石』『ハリー・ポッター/秘密の部屋』
2作品を監督したクリス・コロンバス
ファンタジーに目がないぼくとしてはイライラのし通し」

----でも、設定は最近のファンタジー映画と似てニャい。
確か『光の六つのしるし』とか、そうだったよね。
「うん。でもこっちの方が遥かに設定がユニーク。
欧米の映画、
特にハリウッド作品ではキリスト教の色が濃く出るものだけど、
これはギリシア神話がそのベースとなっている。
さて簡単にお話を説明すると…。
ギリシア神話の神々は、
ときおり、地上で人間をナンパしては子どもを作っていた」

----ちょ、ちょっと…。ナンパはないんじゃ?
「確かに。でも映画の中ではそう言っていた(笑)。
一般にデミゴッド(半神半人)と呼ばれるその子どものひとりが
パーシー・ジャクソン(ローガン・ラーマン)。
ポセイドン(ケビン・マクキッド)の息子である彼は、
<ゼウスの稲妻>を盗んだ疑いをかけられてしまう。
その稲妻を二週間後の夏至までに
ゼウス(ショーン・ビーン)の元に戻さないと、
神々間の戦争が始まってしまう。
稲妻がほしくてたまらない冥界の神ハデス(スティーヴ・クーガン)は、
パーシーの母サリー(キャサリン・キーナー)を人質にとる。
かくしてパーシーは、知恵の女神アテナの娘であるアナベス、
半神半獣のサテュロスら、
デミゴッドが学ぶ訓練所の仲間と共に
アメリカを横断しながら母救出の旅に向かう!」

----アメリカ大陸横断?
ギリシア神話に似つかわしくないね。
「そのミスマッチのオモシロさがこの映画の特徴かな。
なにせ、ギリシア神話の神々やクリーチャー、
さらには武器までが総動員。この映画にはとにかく
個性派がずらり勢ぞろい。
ケンタウロス(ピアース・ブロスナン)、ヒュドラ、メドゥーサという名前を聞いて
ピクッと反応した人は観た方がいいかも。
もっともオリンポスがエンパイア・ステート・ビルのてっぺんにあったり、
冥界への入り口が、あの有名なハリウッドの文字の看板のそばだったり、
ヘルメスの羽根の生えた靴がスニーカーだったり、
パーシーたちが探す真珠がナッシュビルやラスベガスだったりという、
あまりにも大胆なギリシア神話の“使い方”に憤ってしまうかもしれないけど…。
でも、たとえばラスベガスをピノキオのファンタジーランド風の設定にしてしまうなど、
ぼくの好みの世界ではあったね」

----ふうん。もっとお子ちゃまの映画かと思ったけど…。
「もちろん、子供向けであることは確か。
でもユマ・サーマン演じるメドゥーサなど、
現代のSFXあってこそ。
まあ、頭髪の蛇のリアルなことと言ったら…。
同じ蛇でも大小の差をつけるなど実に細かい。
なんでもこのメドゥーサはハマープロ『妖女ゴーゴン』以来の本格登場らしい」

----クリス・コロンバス監督と言えば、
自分の子どもとの時間を作るために『ハリポタ』を降りたんだったよね。
「そう。
その子どもと同じかどうかまでは分からないけど、
クリス・コロンバスがこの映画を監督するきっかけとなったのは、
難読症を患っている彼の末娘イザベラの推薦なのだとか…。
彼女はテープで本の第一巻を聞いたという。
パーシーも同じく難読症という設定なんだ」

----へぇ~っ。ほんとうに子どもを大切にしている監督なんだね。
ところで主人公を演じているローガン・ラーマンってどこかで観たような…。
あっ、分かった。
『3時10分、決断のとき』クリスチャン・ベイルの息子を演じた子だ。
それだけでも観たくなるニャあ。



         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういう映画は楽しめれば、それでいいのニャ」うららかフォーン


※冷蔵庫のオチがなかなかいい度

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twitter(さえずり)

2010-02-16 01:34:40 | Weblog
書き換えました。

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ところが、やり方がよく分からず、
もう、あせる。あせる。
「いまどうしてる?」と聞かれて
「パソコン」
慣れてきたら、試写での感想を
携帯から速報でやってみようかと思っています。
名前は「ラムの大通り」にしたのですが、
よろづ屋TOMさんからご指摘いただき、分かりました。
検索はユーザー名なのだとか。
よろづ屋TOMさんありがとうございます。
こちらは「durhum2」にしました。
よろしくお願いします。

※「ラムの大通り」でも検索できるようになりました。
      (byえい)

フォーンの一言「プロフィールはこの顔をつかっているのニャ」身を乗り出す

※うまくいくか心配だ度

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『猿ロック THE MOVIE』

2010-02-14 09:50:48 | 新作映画
----これって、元はコミックなんだって?
「そうらしいね。テレビでも何話か作られていて、
それをさらに劇場用にスケール拡大。
主人公は天才カギ師のサルこと猿丸耶太郎。
これを市原隼人が演じているんだけど、
まあ、ピッタリ。
こういう、軽いけど、純でアツい男というのはピッタリだね。
さて、今回は、強盗に遭っている銀行のカギを
警察の依頼で開けたことから物語はスタート。
翌日、その現場に居合わせたマユミと名乗る美女(比嘉愛未)の依頼で金庫を開けることに。
彼女は記憶障害で番号を忘れたのだとか…。
ところが、その金庫の中には、昨日、銀行で盗まれたトランクが!
何も知らずにトランクを盗み出したサルだったが、
ヤクザと警察両方から追われる羽目に…」

----ニャるほど、これはいわゆる巻き込まれ型だニャ。
「そうだね。
本作、いろいろと筋を複雑にいじってはあるけど、
まあ、どっちに転がってもいいと言えばいいようなお話。
ただ、その曖昧さがいい方に出ていて、
このマユミが、実はいいヤツか悪いヤツか、
終わった今でも分からないというか、
釈然とはしない。
そういう意味では警察組織の署長・水樹瑛子(小西真奈美)にしてもそう。
彼女が本心は何を考えているのか、
裏組織とのつながりは実際にはどうなっているのか、
これまた、よく分からない」

----小西真奈美も出ているんだ?
「うん。この映画にはとにかく
個性派がずらり勢ぞろい。
高岡蒼甫、芦名星、渡部豪太、光石研、西村雅彦、國村隼、和田聰宏
みんなそれぞれに役を楽しんでいて、
なかでも和田聰宏のキレ方は一見の価値あり。
あと、高岡蒼甫も最初のうち、彼とは気付かなかったなあ。
ヨワッチイ刑事の役。
そうそう、演技と言えば、
清楚な美女から、どうしようもない悪女まで、
その針が大きく触れるマユミを熱演した比嘉愛未にも拍手かな。
一見、同じ女優とは思えないもの」

----へぇ~っ。でも、それおそらく誉めすぎだね(笑)。
監督は??
「前作『ブタがいた教室』で一躍注目を浴びた前田哲
彼も作品に幅がある人だけど、
今回は『華麗なる賭け』を思わせる
スプリット画面を多用。
なかなか楽しませてくれる。
ただ、クライマックスの水の中はなあ…。
詳しく言うのは避けるけど、
なぜ、その“瞬間”を描かないのか不思議。
カギを水の中に落として焦るなんてカットも
入れてよかったような…」



         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「シリーズ化されてもオモシロいかもニャ」小首ニャ


※市原隼人は好感度バッチリだ度

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『恋するベーカリー』

2010-02-11 23:17:09 | 新作映画
(原題:It's Complicated)




「これはまた微妙な映画だなあ」
----ん。どういうこと?
“恋するベーカリー”のお話ニャんでしょ?
「う~ん。それはそうなんだけど、
あまりベーカリーというのは、この映画とは関係ないような…。
まあ、確かにバツイチのヒロイン、ジェーン(メリル・ストリープ)が、
彼女を好きになる建築家アダム(スティーブ・マーティン
のために、
チョコ・クロワッサンを作るシーンとか、
その前にもクロックムッシュを…なんてのはあったけどね」

----あらら。アレック・ボールドウィンは?
「彼は、ジェーンの元夫ジェイク。
物語は、ジェーンと別れたジェイクが、
若い妻との生活がしっくりいかず、
そんな中、元妻ジェーンと再会し、
彼女の魅力を再確認し、
なんとベッドイン。
しかも、その後も、アダムに対抗心を燃やして
彼女に迫りまくるというもの」

----へぇ~っ。ちょっと変わったお話だね。
子どももいるんでしょ?
ふつう、恥ずかしくってできないよね?
「そう。そこがこの映画のオモシロさではあるね。
かつての妻に、我を忘れてアタック!
アレック・ボールドウィンがメタボ体型なこともあって、
あまり美しくはない。
風格てはハリウッドの宝田明みたいでもあるけど…」

----そんなこと言っちゃっていいの(笑)?
「うん。実は、そんな体になったのも、
実はいまの若い妻が自分の健康のことを気にしていないという、
物語の一つを形づくってもいるんだ。
しかし、ここまでみじめな役に徹したボールドウィン、
ぼくは初めて見たね」

----どっちかというと、スティーブ・マーティンの役…。
「でしょう?
ところが、
ここでのスティーブ・マーティンは、
意外なくらいに普通。
あれっ、このまま終わっちゃうのかな?
と、そう思ったら、途中から、
彼ならではのトンだ演技を見せてくれる。
ハッパをやって壊れちゃうんだ。
ぼくはこの映画では、ここが一番好きだね。
そうそう。ボールドウィンとマーティン、
今年のアカデミー賞のW司会なのだとか。
これもまた楽しみだね」

----これまでのお話を聞いていると、
そんなに微妙でもなさそうだけど…。
「う~ん。メリル・ストリープが、とにかく笑いすぎ。
何かというと、クスクス、クスクス。
どうも、
この状況におかれている女性としてのリアリティが…。
あと、とにかく女性同士の下ネタが露骨すぎ。
このあたりが、ぼくには合わなかったなあ」




         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でも、おいしそうだニャ」身を乗り出す

※プレスの監督へのインタビューが、ビックリするくらいキツイ度

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画像はアメリカ・オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。

『バレンタインデー』

2010-02-08 23:06:50 | 新作映画
(原題:VALENTINE'S DAY)

バレンタインのバラ


----あれっ?映画の話だと思ったのに、
なぜ、ブーケの写真ニャの?
「それはね。この映画の主人公のひとり、アシュトン・カッチャーが演じているリードが、
お花屋さんだから。
彼は、バレンタインデーのその日、大忙し。
予約のお花を作ったり、売ったり、届けたり。
この写真のブーケはその中の一つをコトリ花店風にアレンジしてみたもの。
映画では、秋色あじさいと赤いバラのコンビネーション。
でも、それだけじゃさびしいので、ラナンキュラスとアネモネを…」

----へぇ~っ。バレンタインデーというとチョコのイメージだけど
アメリカでは違うんだね?
「チョコやキャンデーも送られるんだろうけど、
お花も重要なアイテムの一つ。
バレンタインデーには、赤いバラだけで、
アメリカ全土でなんと1億1000万本も売れるらしい。
この映画、アカデミー賞スターも含めた豪華俳優の共演が売りに。
複数のエピソードが同時進行しながら絡み合っていく、
『ラブ・アクチュアリー』タイプの作品。
出演者は、ざっと次の通り
ジェシカ・アルバ、キャシー・ベイツ、ジェシカ・ビール、
ブラッドリー・クーパー、エリック・デイン、パトリック・デンプシー、
ヘクター・エリゾンド、ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ガーナー、
トファー・グレイス、アン・ハサウェイ、アシュトン・カッチャー、
クイーン・ラティファ、ジョージ・ロペス、シャーリー・マクレーン、
エマ・ロバーツ、ジュリア・ロバーツ

----それじゃ、とても話しきれないね。
「そう。というわけで、
コトリ・ロゴお花屋さんもやっている、ぼくならではの目線で、
お花中心に見どころを語ってみようかなと…。

まず、嬉しかったのが、ロサンゼルス花市場が見られること。
ふだん行っている世田谷花市場と思わず比較しちゃった。
リードのお店は、カフェも兼ねている。
中ではクッキーを食べている人もいて、
これは、お店の形としてひとつの憧れだったね。
で、バレンタインデー=お花というのは、
ほんとうに根付いているんだなと思わせられたのが、
お客さんの行列のすさまじさ。
まるで、クリスマスのケンタッキーという感じ。
壁の後ろには予約注文票がずらり貼られている」

----へぇ~っ。でも、お花って
家まで持って帰るのが苦労しちゃうよね。
満員電車には持ち込みたくないし…。
「そう。だから、必然的にお届けも増える。
だけど、やはり大切な人には手渡ししたいもの。
そこで、映画の中では
『なぜ、配達を頼むんだ?』などというセリフも出てくる。
あと、配達途中の追突事故なんてのもあったな。
これは、焦るだろうな…。
それと守秘義務」

----どういうこと?
「リードが頼まれたブーケのお届け先に、
仲のいい小学校教師のジュリア(ジェニファー・ガーナー)が…。
ところがその花を頼んだ相手の医師ハリソン(パトリック・デンプシー)は、
もうひとつブーケを頼んでいる。
じつは、それはいないはずの妻宛て。
つまり、ジュリアはハリソンの浮気相手に過ぎなかったってことだね。
さあ、それを彼女に言うべきか言わぬべきか?」

----ニャるほど。
でも、そうやって聞いていると、
主人公はリードのようだけど…。
「いや、お花のエピソードはこれだけじゃなく、
たとえばエステル(シャーリー・マクレーン)は、
夫のエドガー(ヘクター・エリゾンド)が
庭から摘んでベッドに運んできたバラの香りで目が覚めるし、
グレース(エマ・ロバーツ)と、
関係を次の段階に進めようとするアレックス(カーター・ジェンキンス)は、
部屋の中にバラを敷き詰めて準備万端。
というように、いろんなところで花は大活躍。
最後の最後に、リードが橋の上で語るエピソードも含めて、
これは『バレンタイン花物語』という感じの映画だったね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「このブーケ、頼んでくれた人に先着でフォーンのカードも付けるのニャ」フォーンのカード修正版


※お店には、ワーナーさんのご好意でいただいたポスターとチラシもある度

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画像は映画に出てくるブーケをアレンジしたオリジナル・バレンタイン・ブーケ。

『抱擁のかけら』

2010-02-06 15:23:06 | 新作映画
(原題:Los abrazos rotos)


----これって、今日から始まった映画だよね。
ペドロ・アルモドバル監督ペネロペ・クルスの黄金コンビ!
「そう。始まった映画について話すときの通例で、
ストーリーはほとんど省略しちゃうけど、
ざっと、こういう流れ。
主人公は執筆業で生計を立てている盲目の男ハリー・ケイン(ルイス・オマール)。
実は、彼にはもうひとつの名前があった。
それは映画監督時代に名乗っていた本名のマテオ・ブランコ。
なぜ、彼がその名前を捨てたか。
その裏に隠された切なくも激しい愛が
ミステリーの要素を交えつつ語られるというもの」

----ニャるほど。そこにペネロペ・クルスが絡むんだニャ。
「うん。ペネロペが演じるのは、
マテオが一生を賭けて愛した女レナ。
だが、その彼女はもういない。
そのわけとは?
それは彼が視力を失った理由とも重なり合ってくる。
と、いま話しては見たものの、
こういう全体像が見えてくるのは、かなり後。
まず冒頭からして、この映画がどういう映画か
皆目見当がつかない。
と言うのも、自分が盲目であることから
家までやさしく送ってくれた女性を
この主人公の男は、なんとベッドおインに誘い込んじゃう」

----それはまた、毒のある映画だニャあ。
「でしょう。
よく、この映画は、往年のハリウッドのミステリー、
ヒッチコックなどにも譬えられるけど、
それをそのままなぞったわけではないところが、
やはりアルモドバル流。
この後、ヒロイン、レナの若いころもちらり出てくるけど、
それもあっさりと描かれ、彼女に感情移入するまでにはいかない。
物語は、その後、レナと、彼女を女優に起用するマテオの、
レナのパトロンの目を盗んでの熱愛へと進んでいく。
この設定に、共感できるかどうかが、
まずこの映画に入り込めるかどうかの第一関門かなあ」

----おやおや。なんとなくノッてないニャあ。
どうりで、2か月近く、話さなかったわけだ。
でも、評判は高いようだけど…。
「そうだね。
実を言うと、この映画は、
ある“損なわれた映画”の“回復”の物語でもあるんだ。
そこに“失われた愛”の“回復”が重ねあわせられていく。
ペネロペも、オードリー・ヘップバーンマリリン・モンローを意識させる、
いわば往年のハリウッド女優の雰囲気をあでやかに振りまくし、
また、劇中にロベルト・ロッセリーニ監督『イタリア旅行』を挿みこんだり、
自らの出世作『神経衰弱ぎりぎりの女たち』を再現(?)してみせたりと、
映画ファン感涙のシーンが随所にちりばめられているんだ。
ただ、ぼくはあのオープニング・エピソードから
全く違う映画を想像していたため、
どうもノリきれなかった。
そんなところかなあ」


フォーンの一言「でも、あいかわらず色はポップだニャあ」
ぱっちり


※だれが観てもアルモドバルの映画と分かる度


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『シャーロック・ホームズ』

2010-02-04 19:07:55 | 新作映画
(原題:Sherlock Holmes)

※熱狂的なホームズ・ファンというわけではありません。
※普通に子どもの頃、読んだ程度ですので、
原作ファンの方は、間違いがあったら教えていただけると幸いです。




----あれっ。観る前は、あんなに危惧していたのに、
意外と気にいっているみたいだね。
確か、予告の段階ではシャーロック・ホームズらしくないって、
そう言っていなかった?。
「うん。ロバート・ダウニーJr. がホームズというのもさることながら、
最初に流れた予告の最後で、
彼がホテルで裸になっていて、メイドがキャッ。
こんなお色気シーンは、子どもの頃読んで知ったホームズっぽくないし、
アクションに次ぐアクションが、
あまりにも現代の観客を意識しすぎているのではないかと…」

----そういえば鳥打帽をかぶっていないね?
「そうなんだ。製作サイドは
この鳥打帽を“悪名高い”とまで言う。
というのも、この鳥打帽はコナン・ドイルの小説に書かれているのではなく、
初期の挿絵から広がったものなのだそうな」

----へぇ~っ。それは初耳。
監督はガイ・リッチーだっけ。
そうとうなホームズのファンなんだね。
「そういうことのようだね。
それだけにこれまで知らなかったことがいっぱい。
ホームズを熟練の武道家としていて、
労働者階級が集うパブの
パンチボウルで相手をノックアウト。
しかも観客を納得させるために
相手の特徴を即座に見抜き、
パンチを繰り出す順番を計算するという、
その思考過程を映像とモノローグで見せる。
ジュード・ロウ演じるワトソンにしても、
原作のイメージよりも、はるかにタフ。
こちらは復員兵ということもあり、
その戦いは接近戦で荒っぽい。
つまり、ふたりを対称的に描くことはこれまでと同じながらも、
その対称性を変えたって感じかな。
しかもホームズがワトソンを必要としていることは、
より強調されていて、
ワトソンの結婚相手メアリーを怒らせるようなことばかりズバリ言う。
結婚されることで推理のパートナーを取られてしまうってわけだね。
このメアリーをケリー・ライリーが演じているんだけど、
一見、悪女風に見せるところも、巧いと言えば巧い」

----ヒロインの方を演じているのは今人気の
レイチェル・マクアダムスだよね。
「そうだね。彼女の立ち位置がなかなか見えないところも、
観客をイラつかせて効果的かな。
さてここで少し映画の内容を…。
連続女性殺人事件の犯人ブラックウッド卿がホームズたちの活躍で死刑に。
この死はワトソンが確認したにもかかわらず、
なぜかブラックウッドは復活を遂げ、ロンドンを再び恐怖に陥れる。
そこでホームズが再び立ち上がる……というもの。
死者の復活という、もっともあり得ない設定、
しかもワトソンも確認というところが
ストーリーボードとしては、これまた巧い。
あと、『007』シリーズのジョーズ(リチャード・キール)を意識したような
大男ドレジャー(ロベール・マイレ)の使い方もね。
でも、この映画、最大の見どころは
ぼくは美術だと思う。
19世紀末のロンドンの猥雑さから生まれる熱気。
クライマックスはまだ建設途中のタワーブリッジでの格闘。
そこからの眺望なんて、
いくらCGIが使われていようと、やはりこれは嬉しいプレゼント。
絵的なこだわりで、捕逸すれば、カラス。
冒頭から、何度も重要なシーンでカラスを映像に挟み込んで
アクセントを作ってくる。
こういうこだわりは、ぼくは好きだね。
ロケだけに頼っていない」

----そういえば、先日発表されたアカデミー賞でも
作曲賞(ハンス・ジマー)に並んで
美術賞にノミネートされていたっけ。
で、肝心の謎解きはどうだったの?
「そこなんだよね(汗)。
この映画で、ぼくがやられたなって思うのは…。
実を言うと、謎の行方なんか忘れて、
そのときそのときの展開を楽しんでしまった。
でも、最後にホームズはちゃんと謎を解く。
しかも、彼の観察力がいかに優れているかを証明する形でね。
ポイントの一つは、途中に出てくる怪しげな実験室。
ここで彼が見たものが、すべて謎解きに繋がっている。
まあ、これは脚本で最初から作っていけばいい世界ではあるけどね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「意外な誉め方だニャあ」身を乗り出す

※小説ファンが喜びそうな“イースター・エッグ”が
いろいろ隠されているらしい度


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『しあわせの隠れ場所』

2010-02-03 00:13:43 | 新作映画
(原題:The Blind Side)


----この映画ってサンドラ・ブロック
2009年度のゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞した作品だよね。
「そう。それもドラマ部門のね。
最近の彼女ってコメディ路線が多かったから、
まずそのことにビックリ。
作品の内容を知るまで、
これもラブコメだろうと決めてかかっていたら、
なんと感動の実話っていうじゃない。
これにはほんと驚いたね」

----えっ。実話ニャんだ。
それで、どういう役を演じているの?
「うん。この映画は
昨年4月にプロのアメフト・リーグNFLの
ボルティモア・レイブンズにドラフト指名され、
5年契約した新人プレイヤー、
マイケル・オアーの半生を描いたもの。
この映画によると、
彼は実の母親の元を離れてホームレス状態に。
Tシャツ一枚で寝る場所を求めて学校に向かっている彼を見かけた
裕福な家庭の母親リー・アン(サンドラ・ブロック)は、
オアーが娘の同級生だったこともあり、
彼を養子として迎えいれることにする。
温かい家庭の愛を初めて知ったオアーは、
その家族と共に自分の驚くべき才能を開花させていく」

----それは、運命だね。
みんなが、そんな奇跡が訪れるとは限らないもの。
「そう。そしてそこが引っ掛かるところでも…。
『ナイロビの蜂』では、
ひとりを助けることで起こる問題を描いていた。
富める人が貧しい人を救うというのも
なんだか、
乾いた砂を噛んだような、ざらざらした後味が残る。
ただ、この映画、そこで終わってはいなくて、
もしかしたら、このセレブの夫婦は、
自分たちの望みをかなえようとすることが第一義だったのでは?
という、批判的な見方も紹介しているんだ。
彼ら夫婦は、ミシシッピー大出身でその有力後援者。
アメフトでも当然、ミシシッピー大を応援していて、
宿敵テネシー大を嫌っている」

----そうか。
有能な選手を母校に送り出すために、
オマーの後見人になったのではないか…
ということだね。
以後、同じことをする
裕福な後援者たちが増える可能性もあるし…。
でも、仮にそうだったとしても
それだけの財力があるってのはスゴいニャあ
「だよね。
そうそう。
彼ら夫婦自身、
この行為が自分たちが善行をしているという
満足心を満たすためでもあるということを自覚している。
ここも少し目新しい描き方だったな」

---ところでサンドラ・ブロックの演技って、そんなにいいの?
「いやあ。正直言って
これはぼくにはよく分からなかった。
プレスによると、
モデルとなっているリー・アンの言葉は
とても特徴があるものなのだとか。
同じ南部出身のサンドラ・ブロックでも
その発音、声のリズム、抑揚をマスターするのは大変だったらしい。
日本で言えば、
沖縄の言葉を喋っているようなものなのかもしれないね。
ぼくなんかには聞き分けられないけど…。
そういえばブロックは
2009年ピープル・チョイス・アワード女優部門1位
そして2009年マネーメイキングスター1位
このマネーメイキングスター部門で女優がトップに立ったのは
1999年のジュリア・ロバーツ以来らしいよ」

---彼女、そんなに大スターだったんだ。
でも、一見そうは思えないニャあ。
「そういう飾りのないところが、またいいのかもね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「しっかし、大きな人だニャ」おっ、これは


※そういえば『かいじゅうたちのいるところ』の絵本読むシーンがあった度

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