ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『私だけのハッピー・エンディング』

2011-10-31 23:42:31 | 新作映画
(原題:A Little Bit of Heaven)


----これって、どんな映画ニャの?
ガエル・ガルシア・ベルナルケイト・ハドソンの組み合わせって
ちょっと想像つかない。
「だと思うよ。
ガルシアの方は濃い顔だし、
ケイトの方は、こう言っちゃなんだけどファニーフェイス。
ふたりが恋に堕ちるって…。
ポスター・ビジュアルも少し不自然。
ただ、役柄の方は“それ”を意識した形になっている。
ケイト演じるマーリーは広告代理店で働く
あけっぴろげな性格のキャリアウーマン。
周囲のことなど気にせず下ネタを連発。
一方のガエルが演じるのは、彼女の主治医ジュリアン。
“アメリカの中の異国人”という設定もあって、
カタブツという表現がピッタリのまじめな性格」

----主治医ってことは
マーリーが病気になっちゃうわけだね?
「そう。
それも末期の癌。
さすがにそれを知らされたマーリーは平然としてはいられない。
もとよりうまくはいっていなかった両親に八つ当たり。
周囲が彼女を気にかけることが逆にいらだちとなり
友人との仲もぎくしゃくしていく。
そんなマーリーを特別視せず、
ひとりの女性として受け止めていくジュリアン。
やがて、ふたりの間には愛が芽生えて…」

----ニャんだか、よくあるストーリーだニャあ。
「それはそうなんだけどね。
この映画、そのキャスティングの妙と、
それをいかしたファンタジックなストーリー展開で
あるようでなかった映画になっていく」

----キャスティングの妙って?
「ケイトとガエルはさっき話した通り。
普通じゃありえない二人の共演が
映画に一種のケミストリーをもたらす。
“こんなふたりが結ばれるはずはない。
それでも結ばれるとしたら…?”
という観客の興味・好奇心が映画を牽引してゆくんだ。
マーリーの母親にはキャシー・ベイツ
娘との付き合い方が分からず、
口に出すことすべてが裏目に出ちゃう。
本人にはそんなに悪いという意識はない。
でも娘にとっては…ってヤツだね。
この
“娘に対しては鈍感、でもそれに反発して娘がとった態度には傷つく”という
微妙な感情のさじ加減を
キャシー・ベイツは、あの大きな目の動きだけで演じ切る。
さすがと言うほかはない。
それとは正反対なのが、久しぶりの感もあるウ―ピー・ゴールドバーグ

----えっ、ウーピーも出てるの?
「うん。
彼女の役どころは、
ウーピーでもあり天の神様でもある」

----ニャに、それ?
「実はこの映画、一種のファンタジーとなっていて、
マーリーは何度か、あの世の入り口(?)まで足を踏み入れる。
そこで、ウーピーから自分がもうすぐ死ぬこと、
3つの願いをかなえてあげること…などを聞かされる」

----3つの願い。
これもありふれているニャあ。
「ぼくも最初はそう思ったんだけどね。
映画自体も、
死を目前に、これまでの生き方を振り返り、
真の愛に目覚めると言う
これまで繰り返し描かれてきた話だし…。
でも、そこにコメディエンヌのイメージが強いケイト・ハドソンを持ってくること。
そしてファンアタジーの語り口とすることなどによって、
映画が、いきいきと輝きはじめる。
ちょっと毛色の変わったラブファンタジー。
これはデートムービーにもおススメの作品だね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「最後は幸せな踊りまで入るらしいのニャ」気持ちいいニャ

※この邦題は実に巧い度

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『王様ゲーム』

2011-10-29 23:49:27 | 新作映画
----ん、これって原作が携帯小説だよね。
これまでそういうのってスルーしてなかった?
「鋭いね。
今回も、企画としては、
金沢伸明のベストセラーを基に、
人気アイドルグループ、Berryz工房の熊井友理奈
℃-uteの鈴木愛理を主演に迎え、
ふだんは映画館に足を運ばない人に向けて
アピールしようとしたんだろうな…というのは
ある程度読めちゃうんだけど、
それでも喋っておきたいことがあって…」

----その顔合わせだと、舞台は高校?
「まあ、そうだね。
物語もシンプル。
ある夜、本多智恵美と金沢伸明(桜田通)の元に、
“王様”と名乗る送信者から“王様ゲーム”という件名のメールが届く。
“王様”の命令に24時間以内に従わなければ罰を与えられるというこのメールは、
クラス全員に届き、
その内容は次第にエスカレートしていく。
最初は“好きな人の告白”。
それが“誰と誰がキスしろ”“誰それの胸に触れ”、そして“誰と誰がHしろ”…。
しかもこの命令に従わないと抹消されてしまう」

----抹消って?
「存在を消されてしまうんだ。
しかも、担任も家族も
その子が抹消された後は、その存在をまったく忘れてしまう。
最初からそんな人はいなかったと思っちゃうんだね。
まあ、かなり無理のある設定だけど、
こういう超常現象ホラーは、
この無理を前提で話が進むわけだから、
ここで引っ掛かっているようでは、
最初からこの映画にはあわないってこと」

----それはまた大胆な…。
「さて物語は、
誰が王様かという、
犯人探しの形で進み、
最終的には意外な結末を迎える。
少なくともぼくにとってはだけどね。
さて、ぼくが今回ここで話したいのは
その結末へと導く、この映画の監督について」

----監督って鶴田法男だよね?
「そう。
名画座・三鷹オスカーの支配人を父に持つ彼は、
その体に古今東西、多くの映画が染みついている(とぼくは思う)。
それもあってか、
こういうホラーを撮っても、
彼の作品は通り一遍の映画とはならない。
そのことにぼくが最初に気づいたのは
『バースディ~リング0~』
この作品では、それまでの『リング』が展開してきた
“貞子”=“呪い”の恐怖を
その恐怖が生まれた原点を探る中で、
昔懐かしい“怪奇映画”へと転化。
それでいながら、そのラストでは
決して救われることのない“真の恐怖”を描く。
一瞬、恐怖から救われたという安ど感を主人公にも観客にも与え、
でも、実はそうではない。
恐怖のループというか、エンドレスの恐怖。
逆に、その安ど感があるからこそ恐怖がいや増すという、
彼のこの話法は『予言』でも出てくる。
この映画も、やはりエンドレスの恐怖。
ただね…」

----ただ?
「おそらく今回は
パッケージでの稼働を第一目的とした製作だったんじゃないかな。
ほんとうはもっと粘りたかっただろうなと思われる残念な条件下での映像が、
いくつか見受けられるんだ。
光と照明の問題だと思うけど、
他のシーンと色が統一されてなかったり、
粒子が粗かったり…。
いつか彼が、もっと潤沢な予算で
思いっきり自分の思う映画が作れる日がくることを
ぼくは望みたいな」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういう映画も観てみなくちゃ分からないのニャ」複雑だニャ


※ほんともったいない度

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『ワイルド7』

2011-10-25 20:12:50 | 新作映画
「結論から先に言うね。この映画はオモシロい」
----あれれ、いきなりだニャ。
確か、この原作、そんなに好きじゃなかったのでは?
「イヤ、好きも嫌いも、
連載が『少年キング』。
あの頃、マンガが好きで
マガジン、サンデー、チャンピオンは読んでいたけど、
さすがにキングまでは…。
つまり、あまり馴染みがなかったってワケ。
でも、その内容が
凶悪犯罪壊滅のため、その場で犯人を消去できる権限を持つ
元犯罪者7人(瑛太、椎名桔平、丸山隆平、阿部力、宇梶剛士、平山祐介、松本実)の集団の物語…というくらいは知っていたけど…。
そこへきて、監督が
申しわけないけど、これまであまり“映画”の匂いを感じたことがなかった羽住英一郎
まあ、あまり期待しないで臨んだわけ。
ところが、これが冒頭から目がパッチリ。
いきなりの銀行強盗にカ―アクション。
普通、カ―アクションと言うだけで、
ぼくは腰が引けちゃう方なんだけど、
これが従来の日本映画の枠を超える切れのよさ。
しかも、そのアクション・レベルはずっとキープされていて、
途中のターミナルでのガンアクションには
思わず目を疑ったものね」

----へぇ~っ。ニャにが起こるの?
「ここは、
ワイルド7のメンバーが敵の一味を発見するシークエンス。
流れから銃撃戦へと至ることは必至。
期待は高まる一方だけど、
周囲に一般の人(?)が多すぎる。
これじゃ、撮影は無理でしょ・・・と持ったら、
なんと、それが全員エキストラだったんだね。
一斉にパニックに陥るさまを見事に演出してくれた」

----へぇ~っ。よく日本でそんな撮影できたよね。
どこでロケしたの?
「エンドクレジットで分かったんだけど、
下関、そして北九州。
東京に比べて、車止めや人の整理がしやすかっただろうね。
もっとも、冒頭で、
赤レンガ風のこれまであまり映画ではお目にかかったことのない建物が
銀行強盗の舞台に使われていたことからも、
それは早く察しなくてはいけなかったんだけど…」

----物語はどういうものニャの?
「大規模な凶悪犯罪を繰り返してきた集団が
次は殺人ウイルスを東京中に散布すると予告。
ワイルド7は、これを間一髪で食い止める(正直言うと、彼らを捜し出すまでは
タイムリミットが迫っている割には緊迫感に欠けた気が・・・)。
さて、事件は無事解決したかに見えるものの、
ワイルド7を発案・組織した草波勝(中井貴一)は、
その裏に、法務省公安調査庁(PSU)の情報部門分析統括・桐生圭吾(吉田鋼太郎)の存在を嗅ぎつける。
今回に限らず、桐生は情報をいち早くつかんでいたにもかかわらず、
それを周囲に知らせるまでに常にタイムラグがある」

----どういうこと?
「なんと、桐生はそのタイムラグを利用して株価を操作。
私腹を肥やしていたというわけだ。
桐生の悪事を嗅ぎつけるワイルド7の面々。
だが、桐生はこれまで秘密組織であった彼らを脱獄者として全国指名手配という非情な手段に出る。
今や追われる身となったワイルド7は、
四面楚歌の中、PSUへ向う…というもの」

----へぇ~っ。確かによくできたストーリーだ。
「でしょ。
そこに、彼らワイルド7の行く先々に必ず姿を現す謎のライダー、
そしてワイルド7の存在をいち早くキャッチした新聞記者・藤堂政志(要潤)と、
その助手・岩下こずえ(本仮屋ユカ)のエピソードも絡んでくる。
実は、このライダーの正体は、かつて爆弾テロで
家族を皆殺しにされた本間ユキ(深田恭子)。
彼女は復讐のため、彼らを追ってワイルド7より先に狙撃を繰り返したという設定。
一方、藤堂とユキは桐生に捕われの身に。
これもお約束の展開だけど、昔のテレビっぽさが
かえってこの映画のテイストにはあっていた」

----そういえば、ワイルド7には
女性メンバーがいなかったっけ。確か名前はユキ…。
あっ。
「そういうこと。
これは女性メンバーのユキが生まれる前、
いわば“ワイルド7前史”。
さて、ぼくがこの映画に引かれたのは、
いままで喋ったことがすべてじゃない。
絶対権力を手中にしている桐生の理念、
それは
『由らしむべし知らしむべからず』。
自分たちエリートの考えが絶対的に正しく
愚かな一般市民には知らせる必要がないということ。
彼は、それが国家の安泰のためと吹聴する。
そしてそのためなら何をやっても許される。
桐生は、経済界はもちろんのこと、
内外の暴力団、裏組織ともつながりがあり、
情報をすべて握っている彼には、
周りは絶対に手を出せないんだ。
なんだかこれって、まるで3.11以降にあきらかになった日本そっくり。
世の中のこういう壁に風穴をあけることの難しさを
エンターテイメントの中に見せてくれた映画だったね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ある意味、怖い映画なののニャ」ちょっと怒るニャ


※これはヒットしてほしい映画だ度

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『カイジ2 人生奪回ゲーム』

2011-10-23 19:39:58 | 新作映画
※『おかえり、クズの皆様。』



----これ、2年前にショックを受けていた映画の続編だよね。
「うん。
『カイジ 人生逆転ゲーム』ね。
あれを観ていると、なんだか自分がダメな人間に見えて…。
まあ、実際そうなんだけど…(笑)。
一時期、よく言われた“勝ち組・負け組”だの、
“自己責任”だのの上に映画の世界が成り立っている感じで、
なんともいや~な気持ちに…。
ただ、困ったことに映画がオモシロかったものだから…」

----ニャンダか、はっきりしないニャあ。
まさに『おかえり、クズの皆様。』って感じ(笑)。
「そう、それ。
思わず、『はい、ぼくですか?』と答えてしまいそうになる(笑)。
さて、気持ちを切り替えてこの映画。
今回は原作でも人気の高い『欲望の沼』がベースとなっている。
偶然、ぼくはこの単行本の一部を読んでいて、
でも、それには結末と導入が載っていなかったもので、
却って興味津々」

----帝愛グループが経営するカジノの巨大なパチンコ台に挑む話だよね。
「そう。
普通は一玉が4円のところ、このパチンコ“沼”ではなんと4,000円。
しかし、成功した者は帝愛のトップと
支配人の一条(伊勢谷友介)しかいない。
実はこの一条も、地下の強制労働施設から這い上がってきた一人。
カイジ以外では唯一、あの電流鉄骨渡りに成功したという設定。
さて、カイジはまたまた借金が膨らみ再び強制労働施設へ。
そこで地獄チンチロのイカサマを見抜いた彼は、
仲間から募った109万5千円を手に2週間だけ地上へ。
その目的はただ一つ。
カイジ自身と、カイジにすべてを託した仲間たちの借金を返済するため、2億円を手配すること。
だが、そんな虫のいい話なんて簡単にあるはずもない。
悩むカイジの前に現れたのが、
前作で彼に立ちはだかり敗れて帝愛を失脚した利根川幸雄(香川照之)
その彼が、自分の地位を取り返すべくカイジの味方につく」

----ええ~っ。
「実は、彼は原作ではこのエピソードに登場しないんだけどね。
と、長々とストーリーを喋っちゃったけど、
今回のポイントはココ。
本作での最大のライバルは、支配人の一条だけど、
カイジは彼と直接に戦うワケじゃない。
しかも、カイジが挑むパチンコ“沼”は
一歩間違えば労働施設送り、
あるいは転落して即死亡というような
前作の生死ギリギリの恐怖感はない。
そんな中、“心理戦”という意味で利根川の代わりを務めるのは
前作で電流鉄骨渡りに失敗した石田の娘・裕美(吉高由里子)
バカ正直に生きてきた父親への反発と
一条による父親はカイジに突き落とされたという刷り込み。
最初は、カイジ側に付いていた彼女が物語が進むにつれて、
さあどっちに身を置くか?
今回は彼女の存在がかなり大きなウェイトを占める。
演じる吉高由里子にとっても、
これはかなりやりがいのある役だったんじゃないかな。
あっ、そうそう。大事な人を忘れていた、
この“沼”の存在をカイジに教え、
その攻略による人生一発逆転を夢見る坂崎孝太郎。
これを(生瀬勝久)が演じる。
巨大パチンコを見つめる藤原竜也、吉高由里子、香川照之、生瀬勝久。
そして敵側の伊勢谷友介。
玉の動きに一喜一憂する彼らの緊迫の表情を観ているだけでも大満足。
これは、名優競演による贅沢な映画だね」



                   (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「藤原竜也は本当にうまそうにビールを飲むらしいのニャ」気持ちいいニャ

※これまた今の時代の映画だ度

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『インモータルズ-神々の戦い-』

2011-10-22 23:50:50 | 新作映画
(原題:Immortals)


----“神々の戦い”って、
よく考えたらスゴいタイトル。
神様同士が戦争しちゃうの?。
「いやいや。
そういうわけじゃないよ。
このお話、監督が“映像の魔術師”と言われるターセム・シン
ギリシャ神話に出てくる悠まいな神々を
自分の編み出した物語の中に投げ込んだという感じだね。
お話自体は、けっこう荒いんだ。
まず、設定から。
その昔、ゼウスが率いるオリンポスの神々と
邪悪な神タイタン族との間で
世界の覇権をめぐる戦争が起こった。
熾烈を極めた戦いの末に敗れたタイタン族は、
タルタロス山の地底深くに幽閉される。
以後、オリンポスの神々は天上で
人間の平和な営みを見つめていた……。
それから何百年の時を経て、
イラクリオン国王ハイペリオン(ミッキー・ローク)は、
世界征服の野望を成し遂げるべく強大な軍隊を作り、
ギリシャの村を次々と破壊。
さらに、タイタン族解放の鍵を握る神の武器<エピロスの弓>の所在を突き止めようと、
可視能力を持つ巫女の行方を追い始める。
そんな中、ゼウスはハイペリオンの魔の手から
人類の未来を守る救世主の使命をテセウスという名の男に託す…」

----そのテセウスを演じているのが
ヘンリー・カヴィルってわけだね。
「そう。
そして可視能力を持つ巫女パイドラをフリーダ・ピント
ここに、盗賊のスタブロスも絡み、
エピロスの弓をめぐるハイペリオンとの戦いが繰り広げられる。
物語としては、
テセウスの素質を見抜いた老人(ジョン・ハート)に変身したゼウスによって
彼が長年鍛え上げられたこと、
そのテセウスの母が身分の低さゆえに
タルタロスの要塞へ向う避難民の列に加われずに
イラクリオン兵に捕えられ惨殺されたことなどが描かれる。
だけど、実を言うと、
そういうことよりもこの映画の肝となるのは、
“ビジュアリスト”ターセム・シンの面目躍如とも言うべき、
壮大なイマジネーション。
たとえばテセウスたちが暮らす海辺の村。
これは切り立った崖の上。
広場というよりも道にしか見えないほどに狭い平坦な部分に作られている。
高所恐怖症のぼくなんか、とてもそこでは暮らせない。
まかり間違えば崖下にまっさかさまだからね(汗)。
タイタン族たちは立ったまま幽閉。
サッカーゲームの駒のように一列に棒に繋ぎとめられている。
ギリシャの神々は白亜のシミ一つない岩の上に半裸で横たわっている。
身につけているものと言えば金色に輝く甲冑。
そしてそれぞれのキャラクターに応じたユニークな冠。
そして蛮族ハイぺリオンには悪魔的な仮面、
巫女パイドラは真紅のシフォンドレス。
これらの衣装は石岡瑛子
ほんと、自由にやらせてもらえたんだろうね。
妥協がまったく感じられないのびのびとした仕事ぶり。
『ドラキュラ』に続くオスカー受賞も確定じゃないかな」

----ニャんだか、話を聞いていると
見どころはビジュアルばかりのような感じだけど…。
「そうだね。
それぞれのバトル、
とりわけ最後に決着が付く
かつてない(というかありえない)大スペクタクルも含め、
これはターセム・シンが
自分の世界を徹底的にビジュアル化しようとしたもの。
カラヴァッジオの光と闇を交錯させる技法を駆使したとのことらしいけど、
ここまでやれば、
ときおり見られるディテールの説明不足、
カットつなぎの不自然さも、
まあ、いいじゃないかとなっちゃう。
まさに力業の映画だね」





                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「目が潰れそうなほどに眩しいのニャ」もう寝る


※ミッキー・ロークの残虐ぶりがスゴい度

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『ラブ&ドラッグ』

2011-10-19 22:45:51 | 新作映画
(原題:Love and other Drugs)



この映画は、ちょっとフォーンを前には喋りにくいので
一人語りということで…。
そのタイトル、そしてポスター・ビジュアルからすると、
一種のラブコメに見られがちだけど、
どうしてどうして、
これはいわゆる<運命の恋>のお話。
しかも、難病まで絡んでくる。
そう、そこで思い出したのが
マリサ・トメイ、クリスチャン・スレイター共演の『忘れられない人』。
ただ、あとで思い出してみると、
これは、不治の病にかかるのが男性の方。
むしろ、シャーリーズ・セロン、キアヌ・リーブス共演、『スウィート・ノベンバー』の方が近いかも。
あの映画では、末期癌の女性が
“一ヶ月だけの限定”の恋人を提案すると言うお話。
実は、この『ラブ&ドラッグ』では、アン・ハサウェイ演じるヒロインがパーキンソン病に。
自分のこれから先を考えると、
彼(ジェイク・ギレンホール)に対して将来を約束することはできない。
だから、体だけの気軽な付き合いをしているというわけ。
本作の宣伝では、なぜかこの部分ばかりが強調され、
“体の付き合いから始まりやがて真実の恋へ――”という、
まるで『抱きたいカンケイ』の二番煎じの映画の印象になってしまっている。
ところが、実際に映画を観てみると、
このパーキンソン病の実態も詳しく描かれ、
それに負けることなく、ふたりの付き合いを続けていこうと努力する男の姿も描かれる。
う~ん。いい話。
じゃあ、なぜこの映画をフォーンには喋らないのかって?
それは、この男というのがファイザー製薬のサラリーマンの実話。
『全米セールス№1に輝いた<バイアグラ>セールスマン 涙と笑いの奮闘記』の原作を基にしているから。
いくらなんでも、バイアグラをフォーンに説明はできなかった…
と、ただそれだけ。
なにせ、フォーンは小さい頃に去勢済みだし(汗)…。
それともうひとつ。
この映画の大きな見どころは
ヒロインを演じたアン・ハサウェイの大胆なヌード。
まさか、ここまでポンポン気前よく脱いでくれるとは?
ちょっと、それも嬉しかったりして…」


                   (byえい)

※こっそり言えば、アン・ハサウェイのヌードは目がつぶれるほど素晴らしい度

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『サラの鍵』

2011-10-18 00:14:16 | 新作映画
(原題:Elle s'applelait Sarah)



----これって、去年の東京国際映画祭で話題になった映画だよね。
「うん。周りで観た人のほとんどがベストとして推していた。
それを裏付けるかのようにこの作品は、
最優秀監督賞と観客賞をW受賞している。
さあ、どんな映画だろうと思って臨んだわけだけど、
なるほどこれは、いわゆるナチスの迫害を題材にした映画」

----えっ?でもフランスが舞台だよね。
「うん。
実はフランスでもナチス占領下でユダヤ人狩りは行なわれていた。
ぼくは、その昔、
ジョセフ・ロージー監督がアラン・ドロンを主演に撮った
『パリの灯は遠く』でその事実に愕然とした記憶がある。
あの映画は、
同一名のユダヤ人と間違われた男の物語。
76年度フランス・アカデミー賞作品賞、監督賞、美術賞を受賞している。
ただ、本作は、95年に当時の大統領シラクが
フランス国家がユダヤ人迫害に加担していたという事実を認めた後だけに、
その衝撃の大きさは推して知るべし。
本作でも、フランス当局がユダヤ人狩りを行い、
水もトイレもない屋内競技場に収容される」

----トイレも?
それって不衛生だよ。
「うん。実際に周囲は異臭が立ち込めたらしい。
みんなそこかしこで用をたすワケだから…。
さて、物語はこの収容の犠牲となったあるユダヤ人家族の長女、
10歳になる少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)を中心に進んでゆく。
彼女は、まさかそんなことになるとは思わず、
弟を助けたい一心で弟を納戸に隠して鍵をかける。
自分たちがすぐに帰れないことを知ったサラは、
弟のことが気になって仕方がない。
だって、何日も競技場に閉じ込められているわけだから。
競技場から臨時収容所に連れてこられたサラは脱走を決意。
自分を解放してくれた少女と、ともに鉄条網のすき間から逃げようとするが…」




----ニャるほど。
これは言い方は悪いかもだけど、
スリリングな映画だね。
「うん。そこがいわゆる声高に反ナチを語る映画とは一線を画している。
さらに巧いのは、
この事実が、現代のアメリカ人ジュリア(クリスチャン・スコット・トーマス)によって
明らかになること。
元より、このフランス警察によるユダヤ人逮捕に関心を持ち、
取材を進めていたジャーナリストの彼女は、
偶然にも、自分たちが住もうとしていた家が
かつてサラたちが住んでいた家だと言うことを知る。
やがてジュリアは、
サラが心に深い傷を負い、
それは一生離れることがなかったという事実を知る。


さて、ここまでだと、
反ナチ映画にとどまるんだけど、
この作品がぼくの興味を引いて止まなかったのは、
彼女の取材により、
それまでその事実を知らなかった人々を中心に、
多くの人たちを巻き込んでいくこと。
ジャーナリストの真実追求は時として
“知らない方が幸せだった”人を
平穏な生活から引きずり出すこともある」





----ふむ。確かに。
「映画というのは
こういう糊シロ部分から別のものが膨らんでいく。
ぼくはそれがオモシロいと思う。
戦争反対とか、平和が一番とか、
人権派何よりも大事ということ、
確かにそれはいまだに実現されていないだけに
言い続けていくのは重要だとは思うけど、
みんながみんなそれをやっていては画一的。
表現としての広がりは望めない。
この映画は、(ちょっとネタバレになるけど)、
自分の取材がもたらした結果に煩悶するジュリアが
最後にその相手と和解に至る過程が感動を呼ぶ。
ある程度の想像が付いたとはいえ、
このラストは巧い。
永遠に心に残る名シーンだね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「話題になるのはそれだけの理由があるのニャ」ぱっちり


※ほんとによくできた映画だ度

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猫ニュー

画像はスペイン・オフィシャル・ギャラリーより。

『恋の罪』

2011-10-16 18:45:28 | 新作映画
「わたしのとこまで堕ちてこい――」


「さて、今日はついにこの映画のお話をしちゃうかなあ」
----あれれ。あんまりノッてニャいみたい。
「いや。そんなことはないよ。
ただ、これは無を言わせぬ作品。
言葉では語りにくい。
思うに、園子温監督って、
今や特別なところまで到達したという気がする。
たとえば、フェリーニやブニュエル、パゾリーニみたいに、
自分の作風を持っている。
ちょっと観ただけで、それが彼の映画だと分かっちゃう。
現代だと、
エミール・クストリッツァ、ラース・フォン・トリアー、ギャスパー・ノエ…。
日本でここまで個性を持った監督って寺山修司以来じゃないかな」

----みんなアクが強い監督ばっかりだ。
そういえば寺山修司も詩人だよね。
「うん。
で、個性があると言うことと、
それが好きかどうかはもちろん違う。
ぼくもそのあたりが定まらないんだけど、
それでも、この監督の作品は、
とにかく映画を観たという気にさせられることは間違いない。
その映画力の前に
言葉で考えることを停止させられるんだ。
おそらく、この映画をぼくがちゃんと話すには
あと、2~3回観ないと難しいだろうね」

----でも、これって“東電OL殺人事件”がモチーフだよね。
「それはそうなんだけど、
基となっている事件から残っているのは、
ある殺人が渋谷のラブホテル街・円山町で起こって、
被害者は表向き普通の顔を持っている女性だったということくらい。
たとえば、のように
犯人が誰か?などというようなそういう方には行っていないし、
アジア系外国人の男も出てこない。
思い出したのは石井隆
『ヌードの夜』にも出てきたような裏社会の中、
『夜がまたくる』で観られた“堕ちていく”女性。
そういう既視感はあるものの、
やはりこれは園子温の世界。
『愛のむきだし』のように凄まじいスピードで物語が展開し、
『冷たい熱帯魚』で観られた
口角泡を飛ばす喋り、
それが言葉の応酬として、今回は女同士で行われる」

----それが3人の女性というワケ?
「いや、水野美紀は黒子的役回り。
直接、事件には絡まない。
事件後に取り調べている刑事。
あっ、確かに巷間言われているような
オールヌードとベッドシーンもあるけど、
富樫真、神楽坂恵のそれに比べると
まだまだ大人しい方。
『ブラック・スワン』のナタリー・ポートマンみたいなこともさせられるけどね。
でも、今回、凄まじかったのは大方斐紗子
あのキャラクターを作り上げられるのは、
やはり園子温だけかもね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ニャんか奥歯に物が挟まったようなお話だニャ」なにこれ?

※この映画、悪魔の所業だ度

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『モンスター上司』

2011-10-15 21:58:46 | 新作映画
(原題:Horrible Bosses)



----あらら、まさか
今日、この映画のお話とは思わなかったニャあ。
ツイッターだと、もっと感動作がいろいろあったようだけど…。
「フォーンも付き合いが長い割には分かっていないなあ。
こういう作品は喋りやすいの。
最初、ハガキ観たときは
主演の3人が
ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキスと、
あまりなじみのない面子ばかりで
どうしようかなと思っていたんだけど、
この“上司”役がスゴイ顔ぶれ。
2分遅れたことをねちねちイジメ、
最後には出世のために我慢している男が狙っている
本部長の座を奪っちゃう取締役にケヴィン・スペイシー



助手にセクハラを仕掛け、
ついには彼の恋人の上でコトに及ぼうとする
歯科医にジェニファー・アニストン



そして仕事なんかどうでもよく、
毎日ドラッグ漬けで将来は南の島で女とやりたい放題が夢の
二代目バカ息子にコリン・ファレル



人を人とも思わない上司の横暴な振る舞い。
我慢に我慢を重ねた3人は、
なんと、彼らを亡き者にしようとヒットマンを探す。
で、このヒットマン役に
デュー・デート ~出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断~に続いて
おバカ・ムービーに参戦のジェイミー・フォックス

----ほんとだ。
これはニャにか起こりそう。
で、その3人の被害者たちは知り合いニャの?
「うん、そういうこと。
彼らはノリで殺人に盛り上がるものの、
実際にはそんなことは無理。
で、プロを雇おうとしたりするわけだ。
でも、基本コメディだから
実際にそう言う方に物語が運んだらヤバい。
まあ、それでも途中で“交換殺人”という
ヒッチコック『見知らぬ乗客』の方法も飛び出すけどね」

----じゃあ、結局はニャにも起こらないわけ?
「いやいや。
それが、思わぬ形で決着を見る。
まあ、しかしこの展開は読めなかったな。
脚本の妙だろうね。
見どころは、とにかく3人の上司の壊れっぷり。
ケヴィン・スペイシーが
この世にこれ以上の嫌みな男ははいないと断言してもいいくらいの
性格の歪んだ男を演じれば、
ジェニファー・アニストンは、
そのアクションもさることながら
よくもこれだけ覚悟を決めたとほめてあげたくなるほどの
卑猥な言葉を連発。
コリン・ファレルに至っては
あの『タイガーランド』の反逆兵士はどこへ行ったのよという感じの
へなちょこブルース・リーをヌンチャク片手に演じる」

----そりゃスゴイや。
「で、ジェイミー・フォックスは、その役柄の中に
“黒人だというだけでみんな恐いと思っている”という
一種の偏見を痛烈に批判して見せる。
まあ、実際、今の時代、
失業を恐れて我慢に我慢を重ねている人がいっぱい。
映画の中だけもスカっとしたいと言う人には、まさにこれはおススメ。
と、手放しでほめちゃったけど、
一般人が、カーチェイスになると
あのようなドライブテクニックを見せるのだけは、
いい加減やめてほしいと思うけどね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ということはカ―アクションもあるのだニャ」身を乗り出す

※他にも映画の引用がいっぱいだ度

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『ステキな金縛り』

2011-10-12 23:41:25 | 新作映画

「まあ、この映画は
ぼくが特別あれこれと言わなくても大ヒット間違いなし。
なにせ、『誰もが安心。みんなで楽しめる』三谷幸喜作品だからね。
ということで、今日の説明はチャチャッと。
まずはストーリー。これがほんとうに簡単」

----えっ、そうニャの?
昔の武将みたいな姿の西田敏行
深津絵里の側にいるし。
ニャにがニャんだか分かんない気がするけど…。
「じゃあ、まあ聞いてよ。
ここに、妻(竹内結子)の殺害容疑をかけられた男がいる。
しかし、彼はアリバイによる無実を主張する。
といっても、そのアリバイとは誰かと一緒にいたという
ありふれたものじゃない。
その犯行推定時刻。彼は奥多摩の旅館で金縛りにあっていた。
つまり身動きがまったくとれなかったと言うんだ。
さて、この事件を担当したのが
ダメダメ弁護士・報奨エミ(深津絵里)。
その話をを聞いて、彼女はさっそく現地に調査に。
そこで実際に男にのしかかっていた落ち武者の幽霊・更科六兵衛(西田敏行)と遭遇。
彼に頼みこみ、法廷に立ってもらうことを承諾させるが…」

----ニャんて、ありえない話。
奇想天外にもほどがあるニャあ
「だよね。
見方によっちゃあ、バカバカしい。
ところが、さすが三谷幸喜。
ここにいくつもの“ルール(法則)”を設け、
映画への期待をあおってゆく。
その最もたるものが、人間の中に、
“幽霊が見える人”“見えない人”のふたつがあるという法則。
その多くは“見えない”方に属し、
そのためこの弁護士・エミはいくつもの難関をクリアーしなくてはならなくなる。
(1) 幽霊が見えない人にその存在をどうやって信じさせるか?
(2) 幽霊の言葉をどうやって法廷で伝えるか?
(3) 幽霊が真実を喋っているという保証は?
ここに、実際には見えていながら
世の中には科学では説明できないことは信じないとして見えないふりを通そうとする
敏腕検事・小佐野(中井喜一)や、
落ち武者の子孫で彼について研究している歴史学者・木戸(浅野忠信)、
さらには向こうから六兵衛を連れ戻しにやってくる段田(小日向文世)などが登場。
2時間半近い上映時間はあっという間に過ぎ去ってゆく」

----確かに。
「あと、この映画の楽しみは
三谷幸喜作品のこれまでの映画に出てきたキャラが
同じ俳優によって演じられていること。
『THE 有頂天ホテル』のコールガール、ヨーコ(篠原涼子)とか、
『ザ・マジックアワー』の役者・村田大樹(佐藤浩市)とかがそう」

----阿部寛草剛も出ているんだよね。
「うん。竹内結子に至っては一人二役。
それとまず気づく人はいない大泉洋
そう言えば、ふと気づいたんだけど、
個人的にはこの三谷幸喜監督、
一作ごとに手放しでほめたくなる作品と、
期待が高すぎて思ったほどでもなかったという作品が
交互に現われている。
『ラヂオの時間』↑『みんなのいえ』↓『THE有頂天ホテル』↑『ザ・マジックアワー』→
という感じかなあ」

----じゃあ、今度は↑だね。
そういえば、
「三谷映画史上、“一番笑えて、泣ける”」とか。
本当に泣けるの?
「うん。犬のエピソードでね。
あれは、反則。
フォーンの前では言えないけどね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「どうして泣けるのか知りたいのニャ」ご不満

フランク・キャプラの映画も巧く使われている度

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『ミッション:8ミニッツ』

2011-10-10 23:21:48 | 新作映画
※ネタバレ注意:鑑賞予定の方は、ご覧になってからお読みください。

ミッション:8ミニッツ

(原題:Source Code)


----これも、もっともらしい英語のタイトルを日本で付けたってパターンだよね。
「8分間のミッション」って、どういうこと?
「これはね。
シカゴ郊外で起こった列車爆破テロの犯人を突き止めるべく、
犠牲者の志望する“8分前の意識”に入り込み、
犯人を割り出すためのミッションを受けた男、スティーヴンス大尉の物語。
このスティーヴンス大尉をジェイク・ギレンホールが演じているんだ」

----へぇ~っ。いままで聞いたことのない斬新な設定だね。
監督は誰ニャの?
「クラシカルなSF『月に囚われた男』において
一躍脚光を浴びたダンカン・ジョーンズ
この映画が見事なのは、
8分ごとにタイムがリセットされ、
スティーヴンスは何度もその意識の中に入り込まなくてはならないという点。
パラレルワールドを次々と観ているような不思議な錯覚に襲われる。
登場する人物は毎回同じ。
でも、そこで起こる出来事は微妙に違ってくる。
スティーヴンスは、
あるときは、爆弾のありかを見つけ、
あるときは、その起爆装置となる携帯の持ち主を探し、
そしてあるときは、ついに犯人を見つけ出す…」

----ちょっと『バンテージ・ポイント』に似ているような気がしないでもないニャあ。
「う~ん。
あれは、そこで起こっている<真実>はひとつだったからね。
これは、毎回、変わっていく。
さらに、凝っているのは、
このスティーヴンス大尉の正体。
彼は、なぜ自分がこのミッションに選ばれたのか分からず、
“8分前の意識”の世界の中で、
ケンカ別れしたままの父と連絡を取ろうとしたり、
自分がそこでどうなっているかを調べたりする。
と、その中で愕然とするような事実が分かってくるんだ」

----それはオモシロそうだニャ。
「そして、さらに興味深いのは、
最初のうちは、エンドレスに続くその作業でへとへとになっていた彼が、
その中で知り合った女性クリスティーナ(ミシェル・モナハン)を始め、
そこで死んだ人々を救いだそうとし始めること」

----えっ。だってそこって仮想空間みたいなところでしょ?
現実的に考えて無理なんじゃニャい?
「そこが、
この映画最大の見どころ。
ちょっと、ここからはネタバレに近くなるけど、
『ジョニーは戦場へ行った』の主人公が
実は別世界で新しい人生を始めた…とでもいった感じかな。
このダンカン・ジョーンズという監督、
“ここではないどこか”に新しい生の場を探す…という意味では、
一種の夢追い人なのかもしれない。
いまそこにある現実に対する深い失望感、
あるいは現実社会になじめないという遊離感覚。
そこを起点に作られたこの作品は、
いかにも映画的アプローチと言う気がぼくはするけどね」

----でもそれって、ある意味、逃避ニャのかもよ。
ところで、
「警告:このラスト、映画通ほどダマされる。」って?
「さあ、それがよく分からない。
ダマされるダマされない以前に、
ラストをどう解釈すべきか、そこの方が問題なのでは?
ここもネタバレになるから詳しく言えないけど、
もし、“8分前の意識”の世界で起こったことが、
こちらの世界の現実を変えたとしても、
それを知っているのが主人公と、
もうひとり、この装置を操作したコリーン・グッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)だけというのは、
ちょっと合点がいかないところだけどね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「喋りすぎている気がして少し心配なのニャ」複雑だニャ

※でも、かん口令は敷かれていなかった度



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『ネロの牛乳カルボナーラ』

2011-10-09 14:46:30 | Weblog
-----『ネロの牛乳カルボナーラ』って映画のタイトルみたいだけど
ちょっと違うのニャ。

ネロって、どこかで聞いたことあるような気がしニャい?
そう、最近では『まほろ駅前多田便利軒』にも出てきて、
松田龍平演じる行天春彦が涙流して観ていた、
あの『フランダースの犬』のことなのニャ。
そのアニメとクラフトパルメザンチーズがタイアップ。

『クラフトパルメザンチーズ ×フランダースの犬 「幸せのカルボナーラ」』 では、
『ホワイトアウト』などで知られる真保裕一の脚本による
新作アニメも観られるんだ。
そこで、料理好きのえいは
その中で出てくる「幸せパスタ」に挑んでみたというワケなのニャ。

まず材料は…


はい。上のバスケットの中にあるものだけでできちゃう。
あっ、正確に言うと、パスタを茹でる塩とお水も必要だよ。


さて、そこで規定の時間、パスタを茹でる。
次に卵黄を牛乳とパルメザンチーズの中に割り入れ、
泡だて器でよくかき混ぜる。



そしてベーコンを3cm幅に切ってフライパンで炒める。

そこに茹であがったパスタとバターを入れる。
少しソースがもたりしてきたら火を止め、
黒コショウとパルメザンチーズで仕上げ。
(熱を入れすぎるとモロモロになってしまうのニャ。→実は少しなってる)




あっ、栄養のことを考えてアスパラガスを添えてあるんだって。
あと、コーヒーも合うからね。
市販のモノを買うより時間はかかるけど、
日曜日にはぴったりだよ。


          (byフォーン)

「写真写している間に少し冷めたから夜も食べるのニャ」ぼくも観たい



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『スマグラ- おまえの未来を運べ』

2011-10-08 16:16:44 | 新作映画

----“スマグラー”ってどういう意味?
「副題でも推測が付くように”運送屋”。
だけど、これほど思っていたのと違う映画もなかったね。
多額の借金を背おわされた25歳のフリーター・砧涼介(妻夫木聡)が、
返済のため、ヤバいブツを運ぶ運送屋の仕事に就く…。
なんて、これだけ聞くと、ある種の青春映画かと…。
昨年、作られたいくつかの
若手俳優による青春映画を頭に浮かべながらワーナーに向かったら、
なんと朝一の試写だと言うのに助手席も出るほどの超人気。
よくよくプレスを見てみたら、
あらら、これは石井克人監督作品。
なるほどと、すぐに脳内軌道修正…」

----石井克人監督の実写って
『山のあなた 徳市の恋』以来だよね。
「うん。ただ、
この映画は長編デビュー作の
『鮫肌男と桃尻女』やそれに続いて手掛けた『PARTY7』のノリに近い。
ん?いや、そうじゃないな。
その二作の根底に横たわっていたオフビート感を抜いて
エネルギッシュな作品として仕上げている。
だからと言って正統派の作品でもない。
映像のギミックはふんだん。
ただ、その描写一つ一つに手加減がない。
緊張感がずっと持続するんだ。
物語は、涼介が運ぶことになった
拷問リンチ間違いなしの殺し屋・背骨をめぐる裏社会の動きと、
その背骨に逃げられたことから
責任を取って身代わりとなった涼介に加えられる拷問を軸に進んでいく」

----殺し屋なのに背骨って変(笑)。
「実は"背骨"は中国人。
と言っても演じているのは安藤政信
もっともこれは観終わるまで気づかなかったけどね。
なにせ彼の言葉は全編中国語、
武器として使用するヌンチャクもさまになっている。
話はそれるけど、
最近、こういう役作りの日本映画が増えて楽しくなってきたね」

----『探偵はBarにいる』の高島政伸もそうだったよね。
「そう。
そして本作には彼の兄・高島政宏が出演。
パンチパーマにゲジゲジ眉毛で
変態趣味丸出しの狂犬・河島を演じている。
拷問が大好きの彼は、
その一つひとつに応じて自分が着用する服装まで変えていく。
旧日本軍の軍服&紙おむつとか…。
さて、そのゲジゲジ眉毛と対照的なのが
剃ってしまってほとんど眉がない永瀬正敏
彼はこのスマグラ-のリーダー的存在ジョー役。
眉つながりで言えば、石井克人作品には欠かせない我修院達也
なんと眉と眉の間を剃ってジジイ役で出演。
いつもながらにテンションの高い演技を見せてくれるけど、
今回は自分が過去に生きてきた道への悔いを
その目に漂わせるなど、
ホロ苦テイストの心理演技も見せてくれる。
このジョーとジジイの間で
これまで自堕落な生き方をしていた主人公・涼介が
“望まぬ日常に埋もれるカス”からの脱出を遂げる本気(マジ)の瞬間が
この映画のクライマックスだね」

----女優の方はどうニャの?
「これも贅沢。
メガネの金貸しに松雪泰子
殺された組長(島田洋八怪演!)の若妻に満島ひかり
と、キャストの話ばかりしたけど、
この映画の見どころは
ハイスピードカメラからフルCGまで使って演じられる
斬新なアクションの数々。
まるでホラー映画のように、背骨は天井を這い回る。
笑いも随所に取り入れられているし、
これは好きな人にはたまらない映画だろうね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「でも残酷シーンは目を開けていられないらしいのニャ」もう寝る


※石井克人作品ならではの濃いキャラとキャスティングだ度

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『新少林寺』

2011-10-04 22:01:52 | 新作映画
(英題:SHAOLIN)



----この映画もリメイク?
昔、ジェット・リー主演の同じタイトルの映画があったけど…。
「いや、これはそうじゃないね。
もとより、少林寺ブームが起こったのは、
ブルース・リーの死後。
ショウ・ブラザーズがそれに代わる新たなアクションとして
伝説的な少林寺の英雄たちが清王朝と戦う
『嵐を呼ぶドラゴン』を製作してから。
その一本にはジャッキー・チェン主演の『少林寺木人拳』もあるんだ。
さて、フォーンがいま話した『少林寺』は
出演者たちが俳優ではなく中国の武術大会のチャンピオンというのがその特徴。
よってアクションもリアルなものとなるワケだ」

----そう言えば、今度の映画はジャッキーも出ているよね。
「うん。それは本作の特徴の一つだね。
物語は非常にシンプル。
20世紀初頭、辛亥革命によって清王朝が倒れた後の中国。
海外の列強による脅威の中、
国内は戦乱によって荒れ果てていた。
そんな中、少林寺の僧侶たちは
弱者である難民や兵士を何とか助けようとしていた。
ところが、無慈悲な将軍・侯杰(アンディ・ラウ)は、
政敵・霍龍を追って少林寺に土足で踏み込み、
彼を撃ち殺し、少林寺を愚弄する。
だが、彼は腹心の部下・曹蛮(ニコラス・ツェー)の裏切りによって
自分の命を狙われ、
妻子までもが危険な目に遭ってしまう。



侯杰は馬車にはねられ重傷を負った娘の勝男を助けるために少林寺に駆け込むが、
勝男は命を落としてしまう。
すべてを失いお尋ね者となってしまった侯杰は、
一からやり直すために髪を切り、出家する…」




----ほんとだ。
分かりやすい内容だね。
あれっ、ジャッキーの役は?
「彼は他の僧侶たちとは違って
戦うことが得意でない厨房係の悟道。
だからと言って、彼のカンフーシーンがないわけではない。
手近にある食器などを使っての
コミカルなアクションは、
ある意味、そこだけ別の映画を観ているかのよう。
でも、この映画のようにハードなアクションの連続の中で、
ジャッキー・アクションが飛び出すと
なぜかホッとする。
この映画、クライマックスでは
大砲で少林寺が爆破され、炎上するというような
スペクタクルに富んだ見せ場もあるけど、
印象に残るのはこっち。
やはりジャッキーは『新宿インシデント』のような心理モノより
こういうコミカル・アクションがいいね。
まあ、『ダブル・ミッション』みたいに
それだけというのもつまらないけど…」

----ニャんだか、『少林寺』の話じゃないみたい。




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「私利私欲に走る人が多いのニャ」ちょっと怒るニャ


ファン・ビンビンもきれいだ度



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『一命』

2011-10-02 22:27:32 | 新作映画

----これって、昔の映画のリメイクだよね。
「そうなんだけど、
あまりそのことを、前面に出してはいない。
やはり、小林正樹監督の『切腹』
あまりにも名作だからかもしれないね。
で、その元となった原作『異聞浪人記』の映画化の方が
強調されているみたい。
ぼくは、はて、もしかして違う脚色かな…?と、
もう一度『切腹』のあらすじを調べてみたんだけど、
ほとんど同じだね」

----どういうお話ニャの?
「17世紀。江戸時代初頭。
戦国の世は終わり、徳川の治世下では
大名の御家取り潰しが相次ぎ、
仕事も家もなく私生活に困った浪人たちの間では
【狂言切腹】が流行していた。
それは裕福な大名屋敷に押しかけ、
『庭先で、切腹させてほしい』と願い出ると、
面倒を避けたい屋敷側から職や金銭がもらえるという、
ある種の“ゆすり”。
さて、ある日、名門・井伊家の前に一人の侍が、切腹を願い出る。
名は津雲半四郎(市川海老蔵)。
家老の斎藤勘解由(役所広司)は、
数か月前にも同じように訪ねてきた若浪人・千々岩求女(瑛太)>の、
狂言切腹の顛末を語り始める。
それは、武士の命である刀を売り、
竹光に変え、切腹を願い出た若浪人の話だった…」

----えっ?竹光じゃお腹切れないよ…。
「そこなんだよね。
実はぼくがこの映画を観たのはもう40年近く前。
某大学の映画研究会が催した映画上映会でのこと。
それは16mmだったんだけど、
もう、この切腹のシーンが怖くて怖くて。
切れないのに無理やり斬ろうととする。
モノクロ映像なのに、
その残酷さと血なまぐささが強烈に焼きついている。
で、正直言うと、
この半四郎の方はあまり覚えていなかったんだ。
ところが、今回、この三池崇史監督版を観ると、
これが見事なくらいに今の時代にピッタリと符合する」

----それは格差社会とかそういうこと?
「うん。その背景にあるものもね。
実は、これはすぐ明らかになることだけど、
この半四郎は求女の妻・美穂(満島ひかり)の父親に当たる。
求女の父は普請奉行の千々岩甚内(中村梅雀)。
半四郎と同じ福島家家臣。
折しもの御家取り潰しの憂き目に遭い、
無念の中、病気で逝ってしまう。
半四郎は職を失うも、
残された甚内の幼息子・求女を引き取り、
美穂と共に3人で暮らし始める。
江戸城下では、行商人や町人たちがにぎやかに行き交う中、行き場のない浪人が溢れ、
半四郎も傘貼りで糊口をしのぐ…。
と、ストーリーはここまででいいだろう。
この映画、見どころなのは
このすべてが明らかになった後、
井伊家の庭で解勘由に切々と語る半四郎の言葉。
もう、すべてが名台詞の連続だけど、
その中でツイッターでも紹介したこの言葉を…
勘解由の『気が狂ったか?』を受け、
『気が狂ったかと?拙者はただ生きて、春を待っていただけだ』
この“春”というのは、もちろん“人生の春”。
まじめにこつこつと生きていれば、
人並みの生活くらいできるであろう?
だが、現実はそれを許さない。
これって、まさしく今と同じ。
半四郎は、もしかしたら、
自分がそこ(解勘由のいる屋敷)にいて、
解勘由が自分の立場になっていたかもしれないとも言う。
その違いは、ほんのちょっとした差。
だが、既得権益を手にしたものは
そこからふるい落とされたものの気持ちを少しも慮ることなく、
自分の立場を守ることに恋々としている…」

----ニャるほどね。
「その象徴として
なんと<猫>が使われているのも憎い。
求女と美穂は汚れた野良猫を飼うものの、
その猫はあっけなく死んでしまう。
一方の勘解由は真っ白な猫を飼っている。
こちらは暖かいところでのうのうと暮らしている。
最後、大立ち回りがある時でも、我関せず」

----それは猫だからニャあ…。
大立ち回りって殺陣もあるんだ。
「うん。これがまた意味のある殺陣。
半四郎は実際に人を殺めることなく、
竹光でバッタバッタなぎ倒してゆく。
その無類の強さ…。
つまり、これはこういうことを意味している。
武士としてこんなにも強い男がその力を発揮する場も与えられず、
城下で傘貼りをしていなくてはならない。
決して、世の中は実力通りではない。
運や政治力が非常に大きく作用しているとね」

----ニャるほど、今の時代だニャあ。



                    (byえいwithフォーン)


フォーンの一言「3D画面になったときの明度も計算してあるみたいなのニャ」ちょっと怒るニャ


青木崇高、新井浩史、波岡一喜の3人がまた憎らしい度

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